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死にぞこないの青



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【この小説が収録されている参考書籍】
死にぞこないの青 (幻冬舎文庫)

死にぞこないの青の評価: 4.08/5点 レビュー 86件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.08pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全68件 41~60 3/4ページ
No.28:
(4pt)

小学生の世界

 以前短編のミステリーを読んで感心した。
 ミステリー以外はどうかなと思って手に取る。読みやすい。退屈しなかった。
 小学生の世界ってこんなんだったよな、と思う。怖がりで引っ込み思案で、できるだけ目立ちたくない男の子。
 「まるでおもちのような自分の白い肌が恥ずかしかった」「少しくらい勉強ができても、誰も喜ばない。マンガの中で主人公はいつも、勉強ができなくたってスポーツは万能な元気のいい男の子だった」「ピラニアという魚は肉食で人間を襲うという話だったから、なんとなく、男心に訴えかけるものがあったのだ」
 明るく元気な先生から陰湿なイジメを受けるハメになった主人公は、追い詰められて、ある幻に出会う。その姿の描写がコワい〜。「被害者という言葉がある生物を指す名前だったら」、きっとこんな生き物。
 乙一の文章が好き。  
死にぞこないの青 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:死にぞこないの青 (幻冬舎文庫)より
4344401638
No.27:
(4pt)

「いじめ」

本書でも言及されていますが、「えた」「ひにん」的な管理方法を選択した羽田先生の悲劇は、他の先生たちからの期待に添いたいというものでした。しかし、それ以上の悲劇が、そうしたクラス全体の不満のはけ口として存在として位置づけられたマサオに降りかかって行きます。
最後には、身体的な「いじめ」にまで至りますが、一学期中のクラス全員からの無視と軽蔑は「いじめ」そのものでしょう。そんな「いじめ」を黙認し、いや、その原因を作り、助長していった羽田先生の責任は、どんな理由があろうと許されないことでしょう。
この本を読んでいて、これはフィクションだと思いながらも、居たたまれない気持になってしまいます。こうした事が、実際の学校で少なからず行われているとしたらと思うと、空恐ろしい気持になります。それでも、最悪のラストでなかっただけ、救われた気持で本を閉じました。
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No.26:
(5pt)

一生懸命

最後の言葉が印象に残りました。一生懸命やって、自分を責める人なんてそうはいません。だけど、羽田先生のように、うまくやろうとして失敗したり、マサオのように前へ出ないのも後悔の要因になると思いました。アオってのは本能のままに?後悔しない道をマサオに示し続けた存在として登場しているように思いました。
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4344401638
No.25:
(5pt)

私の昔と境遇が似てたので、感情移入です。

感情移入したせいもあるでしょうが、泣けます。
誰でも【もう一人の自分】と話そうとしたことがあるんじゃないでしょうか。
この作品はそんな少年の話です。
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No.24:
(4pt)

私もこんな目に遭いました。

 先生にいじめられる。こんな目に遭うのは自分しかいないだろうと思っていましたが、ここで同じ思いをしているやつがいるとは思いませんでした。
私が実際にあったことは小説にかかれるほど過剰ではありませんが、明らかに先生によってクラスに追い詰められた経験があります。
 これは個人的な私の経験なので、ここで書くのは省きますが、クラスメイト、保護者全員がいい先生と評価しているのに、自分だけ辛い目に遭うという孤独感はこの小説に書かれているものとリンクしました。
 私の場合、ただ傷つき、利用されたと思うだけでした。その先生は今ではどこかの学校で副校長をしているようです。今でもあの先生に私のような目に遭わされている子がいるかと思うと残念でくやしいです。
 小説では、少年が成長しながら先生をやっつけてくれます。泣き寝入りした私にはそれがスカッとしました。小説とは現実を洗い流せる想像力があるものだと感心しました。
 そこにいる君、君もこの小説を読んで同じ事を感じていませんか?
 私は仲間がいて、こっそりと微笑みます。
 
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4344401638
No.23:
(5pt)

人間がなんとしてでも避けたい部分を克明に描ききっている

非常に胸糞の悪くなる話でした。だけど最後まで読ませてしまうのは乙一氏の筆力によるものなのかなぁと思います。やはり氏は凄いです。
主人公のマサオ君は自分の臆病な性格のせいで、クラスメイト全員からハブられてしまう。それに先生まで加担してマサオ君をいじめるのです。
マサオ君は「アオ」と言うマサオ君にしか見えない幻影の助言を頼りに先生を殺そうとするが・・・その先生にもまた先生なりの悩みがあって・・と言うお話。
これ、小学生の頃に人間関係などでトラウマがあった子が読んだら、気が変になってそのまま社交ダンスを踊りだすんじゃないかなぁと不安になります。
落ち込む話ですが個人的には秀作だと思います。GOTHも読みましたが、あれは主人公が人を殺すのを厭わないような性格だったため、あんまり心理的な描写がないんですよね。そこが不満と言えば不満だったんですが、この作品はその点が見事に克服されています。
相変わらず淡々とした文章ですが、こう徐々に追い詰められていくというか、精神的にキますね。
あらすじにホラー小説と書かれていますが別にホラーではないかと。ホラーと言うより憂鬱になる作品だと思います。だが、それがいい。
人は死にたくなるほどの苦境に立たされると誰でも「アオ」のような少年が心のどこかに現れるんじゃないかなと思います。
そしてアオは僕ら死にたいと悩んでいる人間に手を差し伸べ、どこでもドアを用いて可愛いギャルがたくさんいるキャバクラへと誘ってくれるんじゃないでしょうか。
そこで「まぁ一杯やろうや」などとお酒を注がれているうちに、自分らが抱えてる悩みがいかにちっぽけなものか思い知らされて、自殺なんてものがいかに馬鹿らしいか気づくんじゃないかと思います。
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No.22:
(4pt)

青の存在性

先生が中心になって、事あるごとにマサオのせいばかりにする。宿題が増える理由も、授業時間が長くなるのも・・・理不尽なことが沢山あります! 現実に起こったらかなりの問題行為になることは、間違えありません。でも、自分の知らないどこかで、そんなことが起こっているのかも知れない、と乙一の文章が思わせるのです。その心理が現在の学校教育の中(親の知らない不透明な生徒と、先生の関係)で揺れ動くところです。実話っぽい感じもするし、単なるフィクションのような感じもします。虐めている人の最も恐れていることは、おそらく「いつか復讐される」と言うことでしょう。その事に関する心理描写がとてもうまく表現されていると思いました。また、終盤に見られるマサオのどうしたら良いのか悩む気持ちの揺れ方に、拍車をかけるアオの存在も良く描けていると、思いました。しかし、星をひとつ減らしたのは折角そこまで、人間の様々な面を事細かく、描写してきたのに先生が、マサオをイジメていた理由が、私にはそんなもんかと、思えたからです
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No.21:
(4pt)

相変わらず上手い

 短編に比べたら、やっぱり面白さは落ちるんだけど、やっぱり面白い。 小学校という閉じた空間で追い詰められていく姿が生々しくていい。小さな出来事を積み重ねて無理なくリアル感を出していく。 その技術はやっぱり最高峰。
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No.20:
(4pt)

避けて通りたい心理描写が痛い

 第1章・第2章と読み進んでいく内に、追い込まれて行くマサオの心が余りに辛くなって、それ以上読み続ける事が出来なくなりました。 それで、初めて反則ワザとも言える読み方をしました。それは一気に飛ばして最終章を次に読むということです。乙一氏の作品は最後には救いがあるというイメージがあるので、結末を知っておけば辛くても読み進められるだろうと思ってのことです。 そうして読了してみると、一人の少年の一つの成長の物語でした。 そして又、氏の作品を読み続けるのだろうな。
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No.19:
(5pt)

読み手それぞれの感じ方があります

担任の先生からいじめられている主人公の少年の心情に対して、苛立ちを覚える人や、同じシンパシーを感じる人など、色々いると思いますが、逆に担任の先生の行動に対して自分の中に潜む悪とも向き合わされるような作品でした。誰しも大なり小なり持っているような悪をきっかけにしたいじめを通じて人間関係がどのように壊れ、それに被害を受けた者がどのように追い詰められていくかを表現しているように思えて、読んでてすごくツライのにのめり込んでいくような魅力を持っていました。1978年前後の生まれの方には特に懐かしいような表現もあると思いますので、それも楽しみの一つとして読んでみるのもいかがかなと思います。
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No.18:
(4pt)

絶体であることのおそろしさ

小学生のころ先生は絶体だった。何でも知ってる。先生の言うことは正しい。先生の言うことに逆らうほうが間違っている。なんとはなしにそう思い込んでいた。けれど年を重ねるにつれ、彼らの考えが何でも正しいわけでも、何でも知っているわけでもないことに気づくようになる。彼らとてただの人間なんだ。学校では先生かもしれないけれど、一歩そとに出ればただのおじさんやおばさんに過ぎないと。そういう事実がわかっているこの年になったからこそ、先生に嫌われたこの主人公のつらさが痛々しい。乙一さんのほかの作品は読んでませんが、この作品は先生と馬が合わずつらい思いをした人じゃなきゃかけない気がします。
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No.17:
(5pt)

とにかくおもしろい・・・こわい!?

この物語は、クライマックスがすっごく怖い・・・。幽霊とかそういう感覚で怖いというよりも、『人間』の感情というか、考えというか、『人間』って怖いな・・・不思議だな・・・って感じました。とにかく読んでみたらわかってもらえると思います。ぜひよんでみてください。
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No.16:
(4pt)

アオの描写がこわい!

教師がいじめの発端を作り、先導するという設定にただただ驚いた。でもここまで極端ではないにしても実際に似たようなことはあるのかもしれない。子どもたちにとって教師は絶対的存在であり、教師の言うことは鵜呑みにしてしまう。考えると恐ろしいことだと思った。
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No.15:
(4pt)

恐ろしいです

この小説を読む前に僕は、辻仁成先生の「ピアニシモ」を読んでいました。これは偶然だと思いますが、とても貴重な読書体験ができたと思います。この「死にぞこないの青」は「ピアニシモ」をもっともっと怖くグロくホラーにした感じでした。それにしても、この小説はなんと言う小説でしょうか?こんな話がかけてしまう乙一先生は本当の意味で恐ろしいです。前半の「いじめ」の描写があまりにリアルすぎます。本当に息苦しくなってしまいました。こんなささいなことで発生する「いじめ」。「いじめ」が発生する過程が、本当にありえそうで。そのいじめはどうしてもやりきれなくて。劣等感だったり、孤独だったりを、主人公と一緒に抱いていました。そして、「アオ」の登場。後半はサスペンスのような展開。前半の流れから、こう、解放された感じになりました。ラストが少し拍子抜けしてしまったので星4にしましたが、本当に恐ろしい作品です。
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No.14:
(5pt)

深刻になってしまうが、答えもある。

 ただただ敬服。ジュニア向けの作品に思えたので、前半は陰惨でゾッとした。どうも良くない結末に向かっているようで、何とかならないかハラハラした。 アオというキャラクターそのものがホラーである。このキャラクター造形自体で、じゅうぶん怖い。 そして、乙一なりの答えの提示。戦うこと。惨めな自分を絶望することに対して戦うこと。あるいは、懸命にやってもその程度の自分を、自尊感情を持って肯定すること。心理カウンセラーの正解例かと思うほど、真っ直ぐ見事に小学生の認識で語らせている。 苦味もある。不正を不正として糾明することが、世の中で最善の道ではないということだ。そんなことは、なかなか学校では教えてもらえない。 ジュニア向けにやや読みやすく書かれている気がするが、読み応えがある。
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No.13:
(5pt)

「いじめ」を思った

読んでる途中で、何度も自分が小学校の頃、いじめられた頃のことを昨日のように思い出した。この物語のマサオのように、いじめられたことを誰にも話せず自分の心のうちに秘めたまま、憎しみだけが増幅したとすればどんな事件も起こり得るとも思う。それだけ、子供の頃のいじめという深い傷は、大人になっても消えないものだ。もっと早くに自分の気持ちが受け入れられる場所があれば、事件は起らなかったかもしれない。かるい気持ちで読み始めて、こんなに暗い気持ちになるとは思いもしなかったが、乙一氏にまたやられたという気持ちにもなりました。いじめられたことがある人にとっては面白かった、では済まされない本です。。
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No.12:
(5pt)

面白い!

やっぱり最高に面白い! とくにアオがいい!! コレは、暗黒童話にも言えることなんだけど、「人間関係や友達なんてこんなもんだよね」って読み終わった後感じた。
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No.11:
(5pt)

なんとなく納得・・・

人間て、こういう生き物なんだよなぁ・・・と改めて思いました。主人公マサオは、一見弱そうで、でも実際の所、誰よりも強いと感じました。アオが生々しく、そして心強く感じられました。いくら子供でも一人の人間ですからね。当たり前ですが感情を持ってます。世の教師陣に是非とも読んでもらいたいと思ってしまいました・・・
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No.10:
(4pt)

ホラーというより…

小学生の頃、先生の一言一言に酷くびくついて、好かれようとしていた自分を思い出しました。少年の心が傷ついていく様子、リアルだなぁ。この作品では、あえて主人公視点の語り口調を子供っぽくせず一人の『大人』として扱っています。あとがきで(だったと思います;)乙一氏も語っていますが、難しい言葉は知らなくても、小学生だって大人と同じように考えて理解する力って持っているんですよね。最後の少年の行動は本当に立派。それにひきかえ、大人って…(苦笑。『青』の存在がホラー感を出してはいますが、これは少年の心の成長物語です。
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4344401638
No.9:
(4pt)

切れ味良し

サクサク読める、冴えた作品だと思いました。小学校という狭い空間の中で教師と生徒という絶対的な立場とクラスから異物としてはじきだされ、逃げ場すらろくに持てない小学生の描写がうまく書かれていると思います。追い詰められたマサオと彼にしか見えない恐ろしい容貌のアオがそんな逆境の中でどう戦っていくのか、楽しく読めました。きれいにまとまっていてなかなか好印象。アオの存在の正体は作中はっきりと書かれておらず解釈は読者に委ねる形になっていますが、余韻らしいものは感じませんでした。
死にぞこないの青 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:死にぞこないの青 (幻冬舎文庫)より
4344401638

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