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穢れた手



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【この小説が収録されている参考書籍】
穢れた手
穢れた手 (創元推理文庫)

穢れた手の評価: 3.31/5点 レビュー 13件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.31pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(3pt)

穢れた手

いつもの堂場さんの作品とは違うニュアンスを感じました。親友を信じている、その気持ちは絶対のものなのに、時折感じる疑問と違和感、その葛藤の中から、矢張り俺は警察官だ、真実に目をまっすぐに向けなければならないという悲壮感というか、苦しみがこちらにも伝わってきて、少しだけ感動しました。
穢れた手Amazon書評・レビュー:穢れた手より
4488027113
No.1:
(3pt)

終盤の失速が残念すぎて

逮捕された同僚で親友の濡れ衣を晴らすために、ひとりで真相を追いかける刑事の「私」。孤立無縁の捜査を進めるにつれて、親友と思い込んでいた友の知らない側面、自分たちの20年前の薄暗い秘密とのかかわりが徐々に明らかになっていく。

松本市がモデルと思しき、雪が降りしきる松城市の閉塞感が主人公の孤独を引き立てている。コーヒーやジャズといった小道具も、やぼったくなりがちな警察臭さを消している。文章は安定していて、ぐいぐいと読ませる。

にもかかわらず(ネタバレにならないように注意して書きますが)、主人公の過去のできごとも、真相も、けっこうがっかりするものだった。正直、過去のできごとは、主人公が重い十字架を背負うほどのものとは思えない。主人公が慙愧の念にたえないとすればそれは警察に所属しているからか。しかしだとすれば、最後の解決は倫理に反しているのではないか。さらに、明される謎も、県警という組織にかかわるものではない。

終盤、残されたページ数ではたして組織の闇を暴くことができるのか、どきどきしながら読んだせいか、終盤の失望も大きいものだった。してみると、この小説が描こうとしたのは、警察という組織で手を穢しながら生きていく個人のやりきれなさ、ということになるだろうか。そのやるせなさは、読者のやるせなさとも重なってしまうのが残念だ。
穢れた手Amazon書評・レビュー:穢れた手より
4488027113

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