■スポンサードリンク
海賊とよばれた男
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
海賊とよばれた男の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.26pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全939件 101~120 6/47ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
飛行機の中で先に映画を見ました。 本をすぐに買ったのですが、なんだか怖くて、熱くなるに決まっている自分が怖くて 半年以上読めませんでした。「永遠のゼロ」はもちろん素晴らしかったのですが読みながら 胸がかきむしられるような気持ちになって、読了後呆然となって。。 それと同じ感動をもらうのが怖かったのです。 意を決して読みました。 戦い続ける主人公、主人公とともに身を削るように戦う社員たち、 意気に感じる男たち、愛する主人公のため身を引く気丈な妻。 敵ながらあっぱれな敵たち、そして卑怯者の敵ども。 戦前戦争中、戦後、いや現在にいたるまで変わらない 心底腹の立つ日本の組織、小役人たち。 利益のためでなく、日本のため日本の将来のためにこれほど 熱く戦い続けた人が私とおなじ時間、空間にいたとは! 終わりに作者が主人公の言葉を借りて語ります。 日本人がいるかぎり、日本人としての誇りをもつ日本人がいるかぎり この国は輝き続けるだろう、と。 重いバトンです。私は今まで何をやってきたかをつきつけられました。 小さな火でも燃やし続けて出光佐三さんの志を次の世代に手渡すには どうしたらいいのだろうと考えました。 いまだに日本人を恐れて弱体化させようとしている国々の やり口を見ると、逆に私たちは本当に素晴らしい素質をもった 国民なのだと思います。 出光さん、力の限り書いてくださった百田さん、本当にありがとうございます。 そして小さな楽しみ。 永遠のゼロの宮部と主人公が出会うシーンがありますよ。 これから読む方、楽しみにして読んでくださいね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
きれな状態で届きました。ありがとう。 ワクワクして読んでいます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本屋大賞2013年度受賞作です。 読了後、書店員さんが本を選ぶ目が確かであることを痛感するはずです。 そして、書店員さんたちが公平であることも。 上巻のレビューでもお伝えしたように、百田氏の小説は、長編であっても贅肉がありません。 本作の背景には、複雑な世界情勢がありますが、非常に整理された形で明瞭に説明されていますので、そういった知識に疎い読者であっても問題なく読むことができます。 読み終わると、石油資源をめぐる各国の思惑や利権構造、複雑であるはずの歴史的な流れが明瞭に頭に残っていることに驚くでしょう。 上巻と同様、下巻も、1頁目から最終頁まで、退屈させられることはありません。 特に、四分の一を過ぎたあたりから、クライマックスとなる大プロジェクトのエピソードがはじまります。 ハラハラしっぱなしで、エピソードを読み終えた時、あごやこめかみに痛みを感じたほどです。 読んでいる途中、終始、歯を食いしばっていたからです。 実話ベースでなかったとしたら信じられないぐらいスケールの大きな話が展開しますが、百田氏が丁寧な描写を積み上げているので、読者自身が主人公たちに立ち会っているかのような臨場感があります。 一度読み始めたら、途中でやめることは難しいです。 ところで、ご存知の通り、本作は、一部から右傾作品という不当なレッテルをはられています。 確かに、本作の主人公国岡鐵三は強い愛国心を持っています。 しかし、国岡はわたしたちが「愛国心の持ち主」と聞いてつい連想してしまうような人物ではないのです。 そもそも、国岡は、国家権力に全然従いません。 大臣が出てこようが、省庁に何を言われようが、自分の信念にそぐわない場合、全くいうことを聞きません。 同調圧力に屈することはありません。 根底にあるのは、自由貿易を守り、消費者に尽くそうという信念です。 そのためには、石油カルテルの軍門に下った霞が関とも戦います。 国岡は自分を律し、不屈の闘志でやり抜きます。 名もなき民、同胞のために尽くそうという覚悟が、国岡の愛国心なのです。 しかし、国岡は偏狭な人物ではありません。 開明的であり、世界情勢を見通す確かな目を持っています。 ライバルあるはずのアメリカ人たちとも信頼関係を築きます。 日本人の対ソ感情が最悪であった頃に、水面下で首相から請われ、貿易こそが平和を維持するという信念の下、どれほどの逆風を受けるか覚悟の上で、ソ連との貿易をいち早く行います。 在日米軍から嫌がらせを受け、右翼団体からは襲撃されます。 しかし、国岡は一歩もひるまないのです。 また、万能なだけではなく、実に人間らしい部分も見せてくれます。 読んでいて、何度も感傷的な気持ちになりました。 こんな男なら憧れるしかない。 そう思わされてしまいます。 百田氏は、本来なら直木賞を取っているはずの作家です。 実際に、私の周囲でも、太宰治がよく芥川賞作家だと間違われるように、百田氏も当然、直木賞作家だろうと思っている人が何人かいました。 保守的な立場を明確に出しているためなのでしょうが、残念ながら百田氏は正当な評価を受けられていないのです。 航空自衛隊広報室を題材にした「空飛ぶ広報室」が直木賞選考委員から右傾エンタメと評されるぐらいです。 直木賞の選考委員の顔ぶれからいって、百田氏の受賞はむずかしいのでしょう(そういえば、文豪トルストイも、その徹底した平和主義やアナーキズムが選考委員から嫌われ、ノーベル文学賞を取っていないのでした。政治的な観点から作品や作家が不当に低い評価を受けてしまうのはとても残念なことです)。 しかし、書店員さんたちは偏りのない目でこの作品を大賞に選びました。 本屋大賞は、百田氏の評価を高めたことでしょう。 一方、本作により、書店員さんたちの評価も大いに高まったことでしょう。 追伸 文庫版の解説は元官僚である堺屋太一さんが書いています。 官僚の立場から、「百田さんちょっと反論させてくれ」といわんばかりの文章です。 これがまた実に味があって、ニヤリとさせられます。 解説は、ぜひ、作品本編を読んだ後にお読みになることをお勧めします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私は、人に本をお勧めするのが趣味です。 自分の周囲のごくごく小さな世界のことですが、本の虫で通っています。 そのため、知人や親類から、おすすめの本を聞かれることもあります。 誕生日などには、知人に本をプレゼントする機会も多いです。 長期入院する親類がいると、本を差し入れます。 何しろ時間だけは有り余っているので、そういう場合、長い小説が好まれます。 長いものは読みごたえがあって、元気も出ます。 辛さを忘れ、不安を吹き飛ばせるのです。 何冊か選ぶ際、1冊は百田尚樹さんを入れることが多いです。百田さんの作品は、長編小説であっても、贅肉がありません。事件の合間の穏やかな場面であっても、時代背景を解説する場面であっても、1頁たりとも退屈するようなページがないのです。 これはすごいことです。 だから、本をあまり読まないような人であっても、安心しておすすめできるのです。 海賊とよばれた男(上)は、切迫したピンチの場面から始まります。分厚い本ですが、主人公の国岡がピンチを乗り切れるかどうか、ハラハラしながら、前半終わりまで、あっという間に到達するはずです。 本書の後半では、時代がさかのぼり、国岡の誕生から戦争終結までが書かれます。 激闘する日本の近代史がまるまる入っているようで、情報量はとても多く読みごたえがあります。 しかし、すらすら読めます。読者はワクワクしながら、国岡とともに広い世界に漕ぎだしていくことでしょう。 ところで、近年の百田尚樹は保守の代表論客というイメージが強く、リベラルな傾向がある者は、本書を手にすることに抵抗を覚えるかもしれません。確かに、本書の主人公は愛国者です。しかし、本書が読者を選ぶかといわれれば、決してそんなことはないのです。本書は日本を盲目的にすごいと持ち上げるような本ではありません。 そもそも、国岡は同時代の日本人の中でもきわめて開明的であり、自由貿易を強く支持しています。国岡は、相手が軍部であろうが、官僚であろうが、決して言いなりになるようなことはなく、筋を通します。 日本の高官や既得権益層から容赦なく痛めつけられ、踏みにじられますが、それでも、やはりこの国を愛するのです。 そのためか、彼らの愛国心はどことなく物悲しく、そして高貴です。 彼らの愛国心は、私益を捨てて日本のために尽くそうという強い意志です。 愛国心は、組織や権力者たちを擁護することなどではありません。 名もなき民、同胞のために尽くそうという覚悟、ストイックな「心のありよう」なのです。 とはいっても、国岡は、決して排他的ではありません。 従業員時代には、台湾の消費者に小麦を安く届けることに奔走しています。 中国では、軍部からにらまれつつも、不足している石油をアメリカから輸入してでも中国国民に届けています。中国人従業員の働きぶりに感謝しながら、自社の日本人従業員が中国人従業員を軽んじたりしないことを喜び、敗戦直後の混乱の中でも中国人従業員に退職金を払うことができたことを誇りにするのです。 自分はどちらかというとリベラル側だと思う人であっても、食わず嫌いをすることなく、本書を読んでみてほしいです。 本書は文句なく面白いのです。 なお、本書よりもさらに面白い本を最後にご紹介しましょう。 それは本書の下巻です。 というわけなので、入院している知人に本を差し入れるようなときは、かならず下巻も一緒に差し入れましょう。 決して、上巻だけ差し入れるようなことはしないでください。 嫌がらせになってしまいます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
彼の不屈の精神力には感動を覚えた。あの戦争で優秀な民間人は皆兵隊にとられ、残った人物はあまりぱっとしない人ばかりと思っていたがこの様にあの敗戦から立ち上がった秀でたしかもバイタリティーに満ちた人もいるのだと感じいった。 著者百田氏の力作である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
流石に百田さん、感動した、涙で文字がみえないくらい | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
国岡鐵造はなんと豪快な男なのだろう。 今の労働環境と比較して、と言ってはいけないのだろう。 「海賊と呼ばれた男」まさに。 ゲリラ戦略で力強く人もお金も引き付けてくる。 家族のように社員を守りながらも 周囲の人からの守られ愛される人が、国岡鐵造なのでしょう。 (下巻に進む) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
映画を見て 衝動買いしちゃいました。 魂に刺さってくるような気がしました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
上巻と同じく、衝動買いしちゃいました。 読み応えのある本でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
上下巻共実によい作品だった。 今は様変わりしてしまったがかつての石油会社の中に合って出光興産が石油連盟、通産省と一線を画す会社であることは当時全く知らなかった。 この作品を読んで凄い企業そして凄い社長が日本に存在したことを改めて絶賛したい。 一般文学通算2290作品目の感想。2019/07/07 17:25 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
百田作品を始めて読んで経済小説として面白いと実感した。 この作品の一部を他の作品で読んだ記憶はあったが誰のどの作品化までは思い出せなかった。 これほどの男国岡鐵造が数多く読んだ経済小説等で過去に名前を聞かなかったのは何故だろう。 出光興産・出光佐三をモデルとしているが今まで誰も注目しなかったのか。 一般文学通算2290作品目の感想。2019/07/06 13:05 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
文章が圧倒的にうまい。 人物の造形、ストーリー性、読みやすさのどれも素晴らしい。 しかも、ただ面白いだけでなく、戦前から現代にかけての戦争や石油の歴史、石油産業について知識が広がるため、経済書としても価値が高い。 ただ残念なのは、登場する企業や人命の一部がフィクションになっているところ。どこからが創作なのかわかりにくい。すべて実名で描いてほしかった。 作家は右寄りで問題行動が目立つが、書籍の出来は素晴らしい。 この書籍の基本的なスタンスは日本礼賛だが、気になる程ではなかった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
文章が圧倒的にうまい。 人物の造形、ストーリー性、読みやすさのどれも素晴らしい。 しかも、ただ面白いだけでなく、戦前から現代にかけての戦争や石油の歴史、石油産業について知識が広がるため、経済書としても価値が高い。 ただ残念なのは、登場する企業や人命の一部がフィクションになっているところ。どこからが創作なのかわかりにくい。すべて実名で描いてほしかった。 作家は右寄りで問題行動が目立つが、書籍の出来は素晴らしい。 この書籍の基本的なスタンスは日本礼賛だが、気になる程ではなかった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
勧善懲悪、山あり谷ありのストーリー展開。いっきに読んでしまいました。 小さなアクシデントや事件がその都度ごとに解決していく感じが読んでいて気持ちいいですね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
日章丸事件の顛末を中心にしてストーリー展開していく下巻。 上巻もそうだったのですが、鐵三たちの経済活動というのは、とにかく終始既得権益者たちとの闘いであったというのが、とてもよく分かる内容となっています。 近江商人の「三方よし」(「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」)の考え方にも表れているように、商人たるもの自らの暴利をむさぼるだけでは永続的な経済活動は望むべくもなく、常に社会性を意識した全体最適に心配りする必要があるのは当然のことだと思います。 そのためにも、「機会均等」や「自由競争」というのは絶対条件であるはずなのですが、それを阻もうとして憚らないのが既得権益者たちであるという訳です。 勿論、何ら歯止めもなく自由競争を過剰に煽り過ぎるのも問題ではありますが、巨大権力による一方的な規制強化というのはある意味それ以上に多くの問題を孕むものであるというのが個人的な考えです。 そういった流れを究極的に突き詰めていったものの最終形態こそが共産主義社会となる訳で、この社会がもたらす不合理や停滞というのは、既に歴史によって証明されています。 社会が全体として受益者となるためには、理屈に合わない既得権益というのは徹底して打破していく勇気は絶対に必要だと思います。 そして鐵三たちは、自らの高邁な理念の下、それを実践していきました。 日章丸事件の核心とは、まさしくそういったことだったんだろうなと、本書を読み進めながら感じさせられました。 当然、反論はあるでしょう。 その支配形態が過度に抑圧的であり、イランの民衆を塗炭の苦しみに淵へと追いやっていたとは言いつつも、法的には紛れもなくイギリスのものであった石油プラントを暴力的に奪取したモサデク政権のやり方というのは、非難されるべき由も十二分に存在するとは思います。 そして、そうした「いわくつき」の売り手から、法律ギリギリの際どい手法を用いてモノを「掠め取ろう」とした鐵三たちのやり方というのは、事の経緯を冷静に見た場合、決して諸手を挙げて支持出来るというものでもありません。 だからこそ、本件は「事件」となった訳です。 しかしながら、商売人には時代の流れを読むということも極めて重要なのであって、鐵三にははっきりとそれが出来ていたと言えると思います。 「時代の流れ」とは、世界中に怒涛のように拡散していく「植民地解放」あるいは「民族自決」という理念です。 かつての帝国主義支配が急速に衰えていこうとしている、その気運を鐵三たちはいち早く察知し得たからこそ、この無謀とも呼べそうな賭けに打って出ることが出来たのだと思うのです。 そして時代は鐵三たちに味方し、彼らは完全に勝利者となりました。 思えば、こうした帝国主義、あるいは白人欧米主義を最初に打破したのも我々日本人の祖父母たちでした。 大東亜主義と言えば、左巻き界隈の人々からは悪鬼の如き対象と見做される訳ですが、実際問題として、欧米による植民地支配がこの理念により東南アジアから駆逐されたといった側面は十二分に存在します。 数々の証言論拠によりこれは明らかな事実です。 そしてこのことこそが、世界中に数多存在していた他の列強の支配地をも揺るがし、世界を今の姿へと変えていったのです。 という風に考えていくと、国岡商店(実際には出光興産)のこの時の闘いというのは、大東亜戦争の延長戦であったと言えるのかもしれません。 否、もっと大きく捉えて言えば、戦後の我が国の経済発展すらもそうであったと言って良いのかも知れないのです。 ・・・白人中心の欧米帝国主義世界に大いなる楔を打ち込む。 先の大戦での敗北により一旦は潰えたかに見えたその夢は、戦後において勃興あるいは再興した国岡商店(出光興産)やそれに連なる多くの経済人たち、そして総ての国民たちの不断の努力により、結果として叶えられることになった・・・。 そんな風に感じつつこの物語を読み進めていくと、何やら途轍もなく痛快な気分になり、自分が日本人としてこの世に生を受けたことが、本当に誇らしく思えてきたりもするのです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
天性の商売人、国岡鐵造(≒出光佐三)の生涯をドラマチックに描いた作品です。ほぼほぼノンフィクションです。 百田先生の作品の中でも、「永遠の0」と双璧を成す、言わずもがなな代表作でもあります。 ジャンルとしては歴史経済小説ということで、専門用語も頻出して登場人物もかなり多くなっていますので、これまでの著者の作品群と比べると若干読み進めるのに苦労するとは思いますが、非常に示唆に富んだ内容を多く含んでいて、読者個々人の人生観に大きな影響を及ぼすような、そんな強力なポテンシャルを秘めた作品にもなっています。 そういえば、将棋の藤井聡太さんも本書を愛読書のひとつとして取り上げていましたよね。 作品の具体的な内容について言及するのは「何を今更」感満載なので、ここでは個人的な感想を述べさせて頂きたいと思います。 先ず思ったのは、「仕事」というものに対する思いの強さ。 勿論、今の現代社会においても、これに対しては並々ならぬ情熱を注ぎ込んでいる偉人たちも数多く存在しているとは思いますが、鐵造が生きてきた時代には、それは人生の全てを賭け、それこそ命がけで取り組むべきものだったのだろうなというのが、強烈に伝わってきました。 その辺りというのは、今の長く続く平和な世の、多岐多様な価値観が溢れかえる中で安穏と暮らしてきた我々市井の人間には、正直若干の違和感を感じさせられたのも否めないところではあります。 鐵造の仕事や商売に対する思いや哲学、その行動や言動というのは、この現代においてはともすれば人権軽視と認識される可能性があるものもあり、況や「ブラック企業」の烙印を押されても仕方がないような部分も多く含んでいるようにも思えたからです。 ただし前述しているように、これはその時代と、そしてその時代を生きた人々の感性の違いというものをしっかりと理解した上で云々すべき事柄なのであって、今の感覚で鐵造たちの「仕事」を評価すると、とんでもない錯誤を犯してしまう結果になってしまうんだろうなとは思いました。 したがって、ここで重要なのはそうした視点で彼らの「仕事」を評価することではなく、「仕事」がもたらすことになる光の部分の存在について考えること。 その存在が大きくなればなるほど、そこに従事する人々の心も、得難い幸福感によって大きく満たされるということなのです。 要するに、「滅私奉公」の精神を、どれだけポジティヴに、そして自発的に持てるかというのが、最も大切な部分になってくるということだと思うのです。 そして、この物語の登場人物たちと彼らが生きた時代には、そうした価値観が極めて崇高な理念であるという気風が、紛れもなく存在していました。 先ずは民の生活を豊かにする。もって日本国に対する忠義を尽くす。 個人的な金儲けは二の次三の次。民と国家を幸せにすることこそが第一義である。 ・・・経済人としてのそんな理想を、掛け声やお題目だけでなく、本気で追求した人が鐵造、実際には出光佐三という人だったんだなぁということが非常によく分かりました。 そう考えると、彼が何故石油販売というものに執着したのかということも自ずと見えてきます。 本文でも再三に渡って述べられている通り、石油を通じてのエネルギー革命というのは、一国の浮沈というものを決する抜き差しならぬ死活問題なのであって、日に日に厳しさを増す当時の国際環境の中にあっては最重要課題として位置付けられるものとなっていました。 そこにいち早く気付いたのが出光佐三であった訳で、しかも彼が「滅私奉公」の気風を誰よりも強く有していたと。 ・・・このことは、我が国にとって何よりも得難い僥倖であったと言えるのではないでしょうか。 否、僥倖ではなく、ある意味必然的なものであったのかもしれません。 勤勉勤労を至上の基本理念とする、そんな社会基盤が存在してい日本であったからこそ、出光佐三のような人物は登場して来たのだとも考えられます。 そしてそんな彼に仕え、支え続けていきたいと、強固な意思をもって行動を共にした部下や支援者たちの姿についても、日本精神の本懐を垣間見せられたような気がしました。 ・・・今のこの時代、実際の企業活動の中で、鐵造らが実践して見せたことを同じように行うことは、現実として困難だとは思います。 しかし、この日本人的な感覚というものは、是が非でも大切にしていかなくてはならないと、強く感じさせられました。 「仕事」とは、「商売」とは、「滅私奉公」の気風無くしては絶対に成り立ち得ないものなのだということを、改めて考えさせられた物語でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
創業者の国を思う心が尊く、現代人とのギャップを感じてしまう。 出光は合併するが、この男を忘れることはないだろう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
問題ありませんでした。上下巻が欲しかったのですがこちらでは上しかなくて他で注文致しました。どちらの状態もほぼ同じ表記でしたが、こちらは帯なしでした。まぁ本の内容に別段問題も無いので、気にする事ではございませんが、発送も早く予定されていた日にちより早く到着致しました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
下巻は昭和22年から昭和49年までの戦後の國岡商店(出光商店)の戦いである。 石油大手は戦前は軍部にへつらい統制経済に屈した。戦後はGHQにへつらい、石油メジャーに屈した。 戦前は石油統制配給に属さず、戦後も石油メジャーの株式取得を許さず、様々な妨害工作を打ち破っていく。GHQの良心派と談判し、石油大手の画策を覆していく。下巻において読み応えのあるドラマである。 もう一つは、石油元売会社の指定から國岡商店を排除しようとする石油大手の陰謀を石油タンカーをイランに送って打破するドラマである。 詳細は原作と映画に譲ろう。 浅ましいのは戦前も戦後も我が国の経済人である。戦前は軍部、戦後はGHQ、そして現在は中国にはいつくばっている。国益も日本人としての誇りも気概もない。ただ儲かりさえすればよい。関心は目先の利益だけ。 世界を中国共産党の圧政下、支配下に置こうとしている野望が見えないのか?ウイグル、チベット、モンゴルでのジェノサイドが視野に入らないのか?トヨタもホンダも日産も情けない。 出光佐三氏のような愛国者が財界からも出現することを願うのは無理な望みか? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
上巻は初めが終戦後の國岡商店(出光商店)の廃墟からの再建。後半が國岡鐵造(出光佐三)の生い立ちから國岡商店の戦前の活動が描かれる。 大東亜戦争を戦った世代は多くが大正生まれの人たちである。祖国のために厳しい軍隊生活に耐え、過酷な前線での戦いに命を落とした人たち、九死に一生を得て帰還した人たちである。生き延びた人たちは、その日のコメにも事欠きながら懸命に働いて日本を復興させた。この人たちは英雄である。我々戦後に生を受けた者たちは彼らにふさわしい敬意と感謝を捧げているだろうか? 大東亜戦争は間違った戦争だった。軍人、兵士たちは悪い戦争を戦った。アジアの人々に多大な迷惑をかけた。いまだにこう思い込んではいないだろうか?これはGHQの洗脳である。 先人たちが勇敢に戦わなかったら、日本は欧米列強の植民地と化していた。いまだにアジアは白人支配に苦しんでいるだろう。大東亜戦争には負けたが、日本人が連合国と戦ったが故に、アジアは独立したのである。 日本の戦争責任を非難しているのは、連合国とは戦わなかった支那、朝鮮だけである。この2国の主張を世界の声と誤解させているのはNHK、朝日新聞を始めとした反日メディアである。もういい加減目覚めよ、と言いたい。 苦しい戦争を戦い抜き、敗戦後は荒廃した祖国を蘇らせた。私たちはこの先人たちに感謝しよう。誇りを持とう。 出光佐三さんはそんな先人の中でも異色の人である。(出光さんその人は明治生まれなので徴兵はされていない。) 会社は家族であり、経営がどんなに苦しい時でも一人も馘首しない。百田さんの手で偉大な人物像が余すところなく描かれている。 本書をすべての日本人に推薦する。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!