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(短編集)

仇敵



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【この小説が収録されている参考書籍】
仇敵
仇敵 (講談社文庫)
仇敵 (実業之日本社文庫)

仇敵の評価: 4.17/5点 レビュー 88件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.17pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全88件 81~88 5/5ページ
No.8:
(4pt)

誇り高き男を描いた復讐劇

強大な権力を持つ悪人幹部によって窮地に陥れられながらも、決しておもねることなく、屈することもなくあくまで自分を貫く主人公。メガバンクのエリート行員であった主人公が会社を追われ小銀行の庶務行員という下っ端の仕事に就くことになるが、それでも決して己を哀れんだりせず真摯に仕事に取り組む。権力も後ろ盾も何もないちっぽけな人間であっても己の矜持にかけて邪な仇敵をいつかは叩き潰してやると心に誓い、徐々に悪事を暴いていく誇り高き男を描いた復讐劇。サラリーマンなら誰だって復讐が果たされるのを見たいはず。一気に読んでしまいました。
仇敵 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:仇敵 (講談社文庫)より
4062752840
No.7:
(5pt)

元エリート行員が仇敵への復讐に燃えた。

本作品は実業之日本社の単行本で読んだが、文庫化されているので恐縮ながらこちらでレビューを書く。銀行小説としては珍しく庶務行員(或いは総務行員)が主役で活躍する。首都圏地銀の東都南銀行、武蔵小杉支店に庶務として中途採用された42歳の恋窪商太郎。実は彼は訳ありで、以前は大手都銀東京首都銀行の企画部次長職にありながら、組織の腐敗を暴こうとして逆に罪を着せられ追われてしまった。生まれ変わった新天地で人生を豊かに過ごせる職を得たが、ただものではない庶務職に若手の融資・渉外担当の松木啓介は個人的に仕事上の相談を受けていた。ところが東京首都銀行行員、取引先や税理士が事件に巻き込まれていくにつけ、大手都市銀行を私物化し私腹を肥やす仇敵の復讐に駆り立てられ、メラメラと燃えていく様を描くスリリングな物語だ。現在庶務行員として勤務の東都南銀行と、元企画部次長として仇敵のいる東京首都銀行の事件が交錯する展開が面白く、かつ忙しい。
本書は8話の短編集の形式だが物語は継続している。 第1話「庶務行員」は、松木の担当先「大園ハードフェイシング」の融通手形事件、 第2話「貸さぬ親切」は、「橋本メディカル写真」の不芳な投資資金借入れ事件、 第4話「漏洩」は、「更科建設」や「横田電機」に関する情報の外部漏洩事件。これら前半部分は、入行3年目の松木啓介が庶務の恋窪商太郎に稟議書内容の是非、決算書や付属明細の問題点、取組み方、採択か否決かの考え方等々について、庶務行員室にいつも聞きに来る。既存先でも新規先でも誠に現実的な質問だ。恋窪が松木に的確なアドバイスをすることで銀行取引が進行していく。一方で中盤・後半は、組織を食い物にしている東京首都銀行常務の峰岸駿平や経済ヤクザの中島容山の悪事の証拠固めに、以前の同僚と組み大活躍をする展開になっている。支店の庶務行員が悪事を暴く為にここまで探偵の如く活動をするのは実際には難しいが、そこは池井戸ワールドの恋窪商太郎ならば全く不自然に感じないのが良い。また恋窪師匠に教わった松木啓介が融資マン、渉外マンとして育っていく様をシリーズで今後も続けて欲しいものだ。
仇敵 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:仇敵 (講談社文庫)より
4062752840
No.6:
(5pt)

元エリート行員が仇敵への復讐に燃えた。

銀行小説としては珍しく庶務行員(或いは総務行員)が主役で活躍する。首都圏地銀の東都南銀行、武蔵小杉支店に庶務として中途採用された42歳の恋窪商太郎。実は彼は訳ありで、以前は大手都銀東京首都銀行の企画部次長職にありながら、組織の腐敗を暴こうとして逆に罪を着せられ追われてしまった。生まれ変わった新天地で人生を豊かに過ごせる職を得たが、ただものではない庶務職に若手の融資・渉外担当の松木啓介は個人的に仕事上の相談を受けていた。ところが東京首都銀行行員、取引先や税理士が事件に巻き込まれていくにつけ、大手都市銀行を私物化し私腹を肥やす仇敵の復讐に駆り立てられ、メラメラと燃えていく様を描くスリリングな物語だ。現在庶務行員として勤務の東都南銀行と、元企画部次長として仇敵のいる東京首都銀行の事件が交錯する展開が面白く、かつ忙しい。
本書は8話の短編集の形式だが物語は継続している。 第1話「庶務行員」は、松木の担当先「大園ハードフェイシング」の融通手形事件、 第2話「貸さぬ親切」は、「橋本メディカル写真」の不芳な投資資金借入れ事件、 第4話「漏洩」は、「更科建設」や「横田電機」に関する情報の外部漏洩事件。これら前半部分は、入行3年目の松木啓介が庶務の恋窪商太郎に稟議書内容の是非、決算書や付属明細の問題点、取組み方、採択か否決かの考え方等々について、庶務行員室にいつも聞きに来る。既存先でも新規先でも誠に現実的な質問だ。恋窪が松木に的確なアドバイスをすることで銀行取引が進行していく。一方で中盤・後半は、組織を食い物にしている東京首都銀行常務の峰岸駿平や経済ヤクザの中島容山の悪事の証拠固めに、以前の同僚と組み大活躍をする展開になっている。支店の庶務行員が悪事を暴く為にここまで探偵の如く活動をするのは実際には難しいが、そこは池井戸ワールドの恋窪商太郎ならば全く不自然に感じないのが良い。また恋窪師匠に教わった松木啓介が融資マン、渉外マンとして育っていく様をシリーズで今後も続けて欲しいものだ。
仇敵 (実業之日本社文庫)Amazon書評・レビュー:仇敵 (実業之日本社文庫)より
4408552844
No.5:
(3pt)

銀行の裏方が活躍 金融ミステリー

主人公の恋窪商太郎は、嘗て都市銀行企画部次長のエリートだったが、故あって退職を余儀なくされ、現在は地方銀行の庶務行員として雑用・雑務に追われる毎日。来店されたお客様へのご案内、駐車場での車の誘導、備品のチェック、買出しなど。そんなある日、嘗て勤めていた銀行のライバルから電話で呼び出されたが、当の相手は自殺していた……
 連作短編集で、縦糸に企画部次長時代に追っていた不正を働く役員一派との対決を描き、現職の庶務行員として支店の事件に係わる。第2話までは、主人公を庶務行員とした設定が生きていて、ユニークなミステリーになっている。ところが、第3話以降は都市銀行時代からの悪党との対決がメインになって、庶務行員という設定が死んでしまうのが残念。最後まで庶務行員らしい着眼点で事件・謎を解く姿勢を貫いて欲しかった。著者の作品としては出来の悪い部類に入るのではないか。
仇敵 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:仇敵 (講談社文庫)より
4062752840
No.4:
(5pt)

一般の方にも知ってもらおう

銀行の庶務行員さんを描いた小説というのはほとんど例がない。
内容は至って痛快なストーリーなのだが、著者が銀行員だったことも幸いして、
庶務行員さんのことが詳しく表現されていることは実に興味深い。

一般の方々にも、是非、裏方で頑張っている庶務行員さんのことを
よく知ってもらおう!
仇敵 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:仇敵 (講談社文庫)より
4062752840
No.3:
(4pt)

スーパー庶務行員

庶務行員さんの悲哀(?)を知ったのはこの本です。銀行の支店でATMを使うときに教えてくれるのは庶務行員さんなんですね。大手銀行の融資担当から庶務行員になった恋窪が主人公の連作短編ですが、恋窪のキャラが良いです。連作短編という形式が好きなこともありますが、庶務行員の恋窪が仇敵を追いつめていくこの作品が、現時点は一番好きです。各短編がそれぞれ銀行の支店という現場のリアリティを描けていると思いますし、最後の短編に集約されていくのが見事です。
仇敵 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:仇敵 (講談社文庫)より
4062752840
No.2:
(3pt)

銀行の水戸黄門

恋窪は、元大手都市銀行東京首都銀行で企画部の次長職にあったが、役員の不正を暴こうとして反対に事実無根の不祥事の責を取って退職し、現在は地方銀行の庶務行員をしている。庶務行員の恋窪が若手行員の松木から相談を持ちかけられ、解決していく連作。それらの相談を処理していくうちにかつて自分を追いやった反対勢力と再び戦う話。勧善懲悪的単純明快銀行物語。爽快爽快
仇敵 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:仇敵 (講談社文庫)より
4062752840
No.1:
(4pt)

テンポよく読ませるハードボイルド銀行小説?

主人公は大銀行の超エリート行員だったが、行内抗争に敗れた上、古巣からの転職妨害に遭い、今は地銀の都内店舗で案内係を務めている。
しかし、前職でのライバルが殺されたことをきっかけとして、かつて自分を陥穽に陥れ、且つ我欲のため平気で人の命を奪う悪党どもを追い詰めていく。作者の池井戸氏は長年三菱銀行で務めただけあって銀行の業務内容の描写などリアルである。
但し、主人公の転職や、彼が巻き込まれる殺人事件という本書の2つの前提条件に対し「エリート銀行員がそんなことする?」という多少の違和感あり。
とはいってもそれも最初のうちだけで、いくつかのエピソードも織り込んだ連作小説としてなかなか面白く読める。
仇敵 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:仇敵 (講談社文庫)より
4062752840

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