(短編集)

花まんま

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評判

花まんまの評価:

4.41/5点 レビュー 95件。 B ランク

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平均点4.41pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全191件 121〜140 7/10ページ
No.71
(5pt)

懐かしい大阪が舞台の直木賞作品 不思議さと切なさに独特の味わい

■第133回直木賞受賞作。6つの短編が収録されている。
■「トカピの夜」は、60年代の大阪下町が舞台。小学校低学年をそこで過ごした主人公の思い出が描かれる。怪獣図鑑が取り持った在日朝鮮人兄弟との交流と、病弱な弟チェンホの死。やがて起こる不思議な現象の数々…。チェンホがトカピ(朝鮮に伝わるいたずら好きの子鬼)として一帯に現れたのだ。主人公は、差別問題を静かに見つめつつ、チェンホの霊に声援を送る。関西のお菓子の会社「パルナス」のCMソングの小道具も心憎い。私はこの1作で、もうメロメロにされた。
■表題作「花まんま」は、年少の妹が「自分は彦根に住んでいたエレベーターガールの生まれ変わりだ」と言い出し、兄とその生家を訪ねる話だ。不憫な死を遂げた娘を思う親の心情と、妹の行動に隠された祈りが胸を打ち、これも涙腺をツンツン刺激する。
■その他、遊び人だった叔父の葬式で起きた怪事を描く「摩訶不思議」、露天商から買った奇妙な生き物をめぐるにがい思い出を描いた「妖精生物」など、どれも大阪の下町を舞台に独特の味わいを醸し出す粒よりの好編が並ぶ。
花まんま (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 花まんま (文春文庫)より
4167712024
No.70
(4pt)

昭和のシュールレアリズム

私は関西出身ではなく、東京育ちで、昭和30~40年代の怪獣ではなくピンクレディーとキャンディ・キャンディで育った。
でも、なぜか40年代のあの雰囲気が好きで、しかもうっすら記憶らしきものもある。
タイトルの「花まんま」のフミ子ほどではないが、我が娘も2歳頃、「ずっと前、わたし髪の薄い太ったおじさんだったの」と教えてくれた。「学校の前の物売り」「異性と一緒に隠れたかくれんぼ」「お医者さんごっこ」「夕方の神社で見た不思議な人」・・・
小学生の時の、人に言えないうしろめたいことや大人に言っても信じてもらえない不思議なこと・・・誰にも必ずあったはず。不況だと言われて久しい今にこそ、悲哀やいかがわしさを含んだ、あの昭和のシュールレアリズムを体験して、又は思い出して欲しい。
物や環境の豊かさに溺れるきる前の日本人は、一人が今より強くて、まんざらでもない。
花まんま (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 花まんま (文春文庫)より
4167712024
No.69
(5pt)

永い間忘れていた感情

僕は恋愛したことがない、家族も表面的に意識的に愛情を感じない。
いつのまに、忘れてしまった感情を無意識の奥から思い出させて
もらいました。
 目標は結局、金で欲望を満たすなら、家族とか本当に好きになった
人を見つけ、その忘れていた感情を精一杯満たしたいです、それが一番幸せだと感じた一冊でした。
花まんま (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 花まんま (文春文庫)より
4167712024
No.68
(5pt)

切ない思い出

前に30、40代の人はハマります。とレビューされていますが
まさにハマりました。その通りです。
私としても、ホラーではなくなぜか懐かしい切ない思いでのような
気がしてなりません。
どれも、根底には愛情があり、子供心の天使の部分ではない
罪深い部分が、描かれてあってズシンとくるものがあります。どれも好きですが、トカビの夜と花まんまは、胸が痛くなるような
愛情を感じて、ほんの少し泣きました。
送りん婆は、ドキドキものです。
全く損はない一冊です。
花まんま (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 花まんま (文春文庫)より
4167712024
No.67
(5pt)

30~40代の人は、はまります。

ノスタルジーあふれる作品集。テレビ番組やおもちゃの話など、30~40代の人は絶対にはまります。吉本的笑い話あり、ほろにがい話あり、悲惨な話あり、さまざまなストーリーですが、いずれも作者の語りのうまさにはうならされます。直木賞もむべなるかな、と思いました。
花まんま (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 花まんま (文春文庫)より
4167712024
No.66
(5pt)

これは決してホラーではないと思う。

表題花まんまは、とても愛情あふれる涙の物語でした。人の魂は決して滅びない。そして、愛情も決してなくならない。私は本当に愛する人はこの世とあの世で2人だけでいいと思っています。亡くなった父親とこれから旦那になってくれる人と。だから、たとえ一緒に死ぬ事ができなくても、いつもどこで見守ってくれていて、何度でも生まれ変わって会いたいと思う。花まんまは愛するものだけがわかるサインなのだなあと思います。ホラーなんて言葉では、くくってほしくない一冊です。
花まんま (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 花まんま (文春文庫)より
4167712024
No.65
(4pt)

古き良き日本のホラー

今から30年ほど前、大阪の路地裏に暮らす子供達。
彼らが経験した“不思議”を綴ったノスタルジックホラー。直木賞を受賞した話題作ということで手にとってみましたが、
なつかしい香りのする、趣のある作品集でした。
ホラーと一言で言ってしまうのはもったいない。
この世には、目には見えず肉体も持たない“思い”だけが浮遊しているような存在が確かにあって、
やわらかい神経を持っている子供達だからこそ、それを敏感に感じられる。
この本の存在が、その目に見えないものを優しく肯定しているかのように感じます。大人になるにつれ信じなくなり、いつしか忘れてしまった
ものがありませんか?
大人になった私達にそっと問いかけてくれる作品です。
花まんま (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 花まんま (文春文庫)より
4167712024
No.64
(5pt)

今までにない感覚

まず昭和40年代を舞台にしているのがいい。日本が高度経済成長の真っ只中で、これから裕福になっていこうという過渡期。大家族から核家族へ、白黒テレビからカラーテレビへという時代。そんな時代だからこそ、その隙間に摩訶不思議なモノが存在するという感覚がある。過去と未来が同居している過去の方。近代的なビルの隣にある木造の古びた長屋。懐かしくもあり、寂しくもある、そして、そこには確実に不気味さもあるのだ。そんな感覚が小説全体を包んでいる。私もその時代に子供だったせいだろうか、非常に共感するところがある。また、個人的には何故か星新一や筒井康隆に通じるものも感じた。いくつかの短編の中でも「花まんま」は直木賞を受賞しただけのことはある。今までにはない感覚を堪能できた一冊だった。
花まんま (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 花まんま (文春文庫)より
4167712024
No.63
(5pt)

その佇まいが心地よい望郷的不思議世界

大阪の下町を舞台に、それぞれの主人公の回想というカタチで物語が紡がれていく。ぼくは大阪府出身者でも関西に縁(ゆかり)がある訳でもないけれど、ひたひたとなつかしさのぬるま湯に浸るようなリラックス感を味わう。読者それぞれの幼少時代に住んでいた町に帰らせてくれる秘密の力をこの本は持っている。そこで語られている話は、信じられない人に「信じろ」と無理に強要することはさらさらないけれど、あってもおかしくはないですよね、とやさしく問い掛けてくる。ふと我に返り、そういえば、これまで誰にも話したことはなかったけれど、実はこんな経験をしたことがある。あれはいったいなんだったのだろう。少し背筋をヒヤリとするものが通りつつ、でもこそばゆい暖かさも同時に覚える・・・というような滋味あふるる読後感を持った短篇集。
花まんま (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 花まんま (文春文庫)より
4167712024
No.62
(4pt)

子供の感性

人の死、差別、社会(大人)の理不尽さなどが子供の感性を通して随所に描写されていてる。子供ゆえにまだこれらの事を頭で消化する事ができない。しかし、これらは感性として、怖く、面白く、楽しく、悲しく表現されているので、私たち誰もが子供の頃に感じた懐かしく、夢のような感覚を思い出させてくれる。
私たちが子供の時に感じたあの不思議な感覚が、具体的な場面と一体になって蘇る。きっと皆さんをあの忘れていた時に連れて行ってくれると思います。そして失われた感性を懐かしく思うでしょう。
花まんま (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 花まんま (文春文庫)より
4167712024
No.61
(3pt)

期待したほどでは…

どの物語も日本人の好きな浪花節的要素が強く、目新しさのない二番煎じの印象を持った。
表題作の「花まんま」は時代劇として描けば不自然さがなくなり読みやすくなったのでは?
著者は幼いころ大阪に住んでいたらしいが、文中に登場する大阪弁は不自然な部分がけっこうあってちょっと無理を感じた。
でも物語全体に流れているのは人間の善意であり、読後感はけっして悪いものではなかった。
花まんま (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 花まんま (文春文庫)より
4167712024
No.60
(5pt)

ホラーというジャンルは飛び越えてます。

6篇の作品どれもが秀逸ですが、「花まんま」はダントツですね。
主人公である兄が、子供ながらに妹をこよなく愛し、彼女が前世の家族に心を移していくことを必死に拒もうとする様子が、痛いほどに伝わってきました。「花まんま」の意味がわかったとき、涙がとめどなくあふれました。ラストの描写は心にくいばかりです。中3の息子に勧めたら、20分ほどで一気に読み終え、「おもしろかったぁ」と言っていました。それほどに読みやすく、でも、しっかり組み立てられた小説です。
花まんま (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 花まんま (文春文庫)より
4167712024
No.59
(5pt)

ノスタルジック

6編の独立した物語から成っている。
主人公はいずれも子供で、ほとんどが、大人になった男女が過去を回想する一人称形式で書かれている。
いちおうホラーに分類されているみたいだが、恐怖ものではない。
個々のテイストに異同はあるが、全部まとめての印象を言えば、ロバート・マキャモンの『少年時代』の雰囲気を、『じゃりン子チエ』の世界に移したような感じ。ノスタルジックで(昭和40,50年代の世相を背景とした大阪の下町が舞台)、怪しく幻想的で、切なくて、それでいて、大阪弁をしゃべる子供たちの飄々としたユーモアがあったりする。最も感動したのは、表題作の『花まんま』。
幼い妹にせがまれて、妹の「前世」の家族がいるという町を一緒に訪ねてゆく。いったいどうなるのだろうという緊迫感と期待感、そして胸を打つ出来事・・・。かけがえのない肉親への愛情が切なく交錯する(あえて言えば、クライマックスの描写にちょっと不満あり)。
登場する「繁田喜代美」という名前が、妙に既視感があって、いっそう不可解な気分にさせられた。個人的感覚というより、ネーミングのうまさと思うがどうだろう。一方、『摩訶不思議』は、完全に浪花のドタバタ喜劇で、大いに笑えた。騒動がエスカレートしたところで、不意に放たれる子供の何気ない一言が絶妙。
他の4編も、みな物語にひきこまれ、読みやすかった。さすがは直木賞受賞作。二度と戻れない少年時代への感傷を刺激された。
花まんま (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 花まんま (文春文庫)より
4167712024
No.58
(5pt)

子供時代の色、匂い、秘密……得体の知れない不思議なもの

なんとも不思議な話が6篇。ありえないようでいて、じわじわとあるいはズキンと胸に入り込んでくる話だ。
 “昭和”の時代の空気を色濃く漂わせた、どこか懐かしくしかし決して綺麗事ではない子供時代の思い出が語られてゆくにつれ、物語の世界に引きこまれていった。
 大阪の下町、路地の子供、いかがわしい大人……そんな物語の設定のなかに滲みでてくるのは、6篇とも子供時代の“秘密”や“不思議な体験”であり、それが<死>と隣り合った思い出であることだ。
 人の死、幽霊、墓場、葬式等々、死と関連するモチーフが、人間の弱さや切実な願いや、どうにもならない現実の重さや……いろいろな<生>を浮き上がらせていく。
 「トカビの夜」のチェンホのいじらしさに胸打たれ、「凍蝶」の現実の苦みに自分が大人になってしまったことを思い知らされたりした。6篇とも本当に甲乙つけがたい話で、うまくは言えないが、みぞおちのあたりを軽く小突かれたような思いが残る。ただの不思議な話ではないのである。 本来は賞の結果に関係なく評されるべき作品だろうが、「朱川さん、直木賞受賞、おめでとうございます」と、一言添えさせていただきたい。
花まんま (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 花まんま (文春文庫)より
4167712024
No.57
(3pt)

不思議・・・そして胸を打つ

「トカビの夜」「花まんま」のように、不思議だけれど胸にせまる話があった。人がこの世に残した思いは、肉体がなくなってしまっても私たちの周りに漂っているのだろうか?残された家族の姿にも涙を誘われた。そのほかの話も独特の雰囲気を持っている。この本を読んで、今までに感じたことのない感覚を味わった。まるでそれは、人の心を覗き見ているような感覚だった。
花まんま (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 花まんま (文春文庫)より
4167712024
No.56
(5pt)

特に30代、40代の人たちにおすすめ!!

知っている人は知っている、朱川湊人さんの短編集。
 カテゴリー的にはホラー小説扱いされているのですが、この人の作品は怖さの中に、人間の哀愁を組み込んだ、懐かしいにおいのする怪談話といったほうがピンと来るような気がします。
 特に今作は、人間の喜怒哀楽がつまった、とても気持ちの良くなる、怪談小話です。怖いながらも読後の安らぎ感は、なんともこそばゆい感覚。涙腺がちょっぴり熱くなる、怪談をここまで書ける人はそうはいないでしょう。
 とくに舞台設定が昭和の中ごろなので、その当時の年代を知っている人には特におすすめ。ものすごく懐かしい香りのする、日本のファンタジー小説でしょう。
 絶対、お勧めです!!!
花まんま (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 花まんま (文春文庫)より
4167712024
No.55
(5pt)

透明で懐かしく、悲しく優しい。

六編の話が入っていますが、そのどれもが甲乙つけがたいレベルの高さです。朱川さんって、ほんとに芸域広いですね。個人的には表題作の「花まんま」がベストだと思いますが、「妖精生物」のいかがわしさにも心惹かれます。読んで絶対に損のない一冊です。
花まんま (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 花まんま (文春文庫)より
4167712024
No.54
(5pt)

話の玉手箱

テレビで紹介されているのを見て買いました。
ちょっと怖くなる話、不思議な話、ちょっぴり哀しい話など、話の玉手箱とでもいったような短篇集です。どの作品も、人が生きること、死ぬことをテーマにしているように思いました。早速周りの人にも読んでもらおうと思っているところです。
花まんま (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 花まんま (文春文庫)より
4167712024
No.53
(4pt)

秀作

六篇の短編作が、一定の方向を指し示している。っていう感じが良かったです。

 花まんまが、やっぱりダントツの出来ですね。素晴らしい。ただ、私はかたみ歌を
読んでからだったので、どちらかと言えば、やっぱりかたみ歌が良いなあ。

 この作品も一つの共通したテーマがあって、それを追いかけている。その六個が
いつ集約するのかなあと、期待しておりました。

 読者の想像力と言うか、見識と言うか、その時代の経験と言うか、そう言ったものに
委ねてしまって、あとはどうぞ。

 と言うよりも、この六個の短編も含めて、その後のかたみ歌なんかで集約している、
そんなところなんでしょうか。

 成熟した文章と、構成と、しっかりした頭で、安心感がありますね。かたみ歌が
あまりに良すぎたので残念ながら80点。他の流行作家からみたら、基本的に
一ランク上でしょう。 
 お勧めします。
花まんま Amazon書評・レビュー: 花まんまより
4163238409
No.52
(4pt)

せつないメロディーにのって…

巻頭「トカビの夜」は秀作です。
主人公と兄弟達が愛したパルナスのテーマソングが頭の中を駆け回る♪
「下町のSてどこやろ?」と同じ大阪に住む私は思いめぐらせました。
いきなり秀作がでてきました。以後、蛇足になりますが・ ・ ・ 。
アマゾンで本を買う時はまずみなさんのレビューと、
星の数の多さ、表紙の好みでだいたい決めています。
朱川さんは初めて読む作家さんだったので
ずいぶん慎重に選びました。もうひとつ言うと、
同じサンパチ生まれの同年代の作家さんはとても
身近に感じ好感を持ってしまいます。
解説を書かれていた、重松清さんは偶然にも同じ3月生まれ。
(実は京極夏彦氏は最も誕生日が近いのだ〜)
解説から好んで読まれる方も多い中、私は作者の
生年月日をまず確かめます。単純に年が近いと嬉しい。
それは、同じ時代に子供時代を過ごしたモノが、
どんどん登場してくるので嬉しくてたまらない。
最近、同じ境遇を体感できる、同年齢作家で読んでいます。
花まんま Amazon書評・レビュー: 花まんまより
4163238409