天地明察

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評判

天地明察の評価:

4.20/5点 レビュー 418件。 A ランク

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平均点4.20pt

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未読の方はご注意ください

全422件 361〜380 19/22ページ
No.62
(5pt)

読んで見て欲しい

碁打ちの主人公が幕府の大きな事業を支えてくれる人と共に成し遂げていくもので
いろいろな苦難が主人公を待ち受けています。
通勤中に読んでいましたが気になりすぎて業務中にも読んだりしていました。

読んだあとの爽快感もよく、エンターテイメントとしてのこの作品のレベルの高さに作家さんの力、能力を感じました。

フィクションなので史実とは若干のずれなどはあるかもしれませんが良いものです。
一度は読んでみて欲しい作品です。
天地明察 Amazon書評・レビュー: 天地明察より
404874013X
No.61
(3pt)

第一級のライト歴史小説だが、算術問題に難あり。

読みやすい、キャラが立っている、そしてストーリーに起伏があっておもしろい。

おそらく、今は、歴史小説の時代なのだろう。
「のぼうの城」以来、歴史小説の敷居が低くなって、若者にも読みやすいいわゆる「ライト歴史小説」が流行し、様々なジャンルの書き手が歴史小説に参入している。
この作品もその一つであるが、本屋大賞にも選ばれるだけあって、侮れない出来栄えである。

しかし、他のレビュアーも指摘しているように、残念なことに、暦学、数学、時代考証等の点で、専門家でなくても気がつくような理解不足、誤りが多々見受けられる。

暦学・天文学に関しては、既に他の方々が詳しく指摘しているので、ここでは、算術問題について書くことにする。
小説の中で、春海は、3問の算術問題を解答又は出題しているが、そのすべてについて問題がある。

【1問目】直角三角形に内接する2円の直径を問う問題
答えは、30/7で合っている。また、春海の解き方は、2ab÷(a+b+c)×c÷(a+b)となっている。
これは、先ず直角三角形の内接円の直径を出した後に、2つの直角三角形を組み合わせ、相似を用いて解いたものだと思われる。中学数学を習った現代の人なら、方程式を立てて解くのが一般的であり、春海の説き方は、普通、上記の式だけでは分からない。解説があってしかるべきところであり、式の順序も少しおかしい。おそらく、筆者は、この問題の解き方をよく理解していないのであろう。

【2問目】大小の円の蝕交している幅の長さを問う問題
この問題は、出題ミスであり、解なしとなる設定である。
しかし、他の算術家が誤問であるが面白いと評価するのであるから、それなりのミスでなければならないはずである。にもかかわらず、2つの正方形の辺の比は、一方が他方の対角線となることから√2:1となることが一見して明らかなのに30:7としていたり、小円の半径の方が大円の半径より大きくなってしまうなど、一流の算術家のミスとしては、お粗末すぎる。
その上、想定していた正解が(√7+√23)÷4だったり、辺の比の矛盾を無理数なのに奇数と偶数で説明しようとするなど、もう意味が分からず滅茶苦茶である。

【3問目】15個の円の内の一つの円の円周の長さを求める問題
この問題は、小説に書かれている条件だけでは解けない。15個の円の大きさが何らかの数列になっていると考えれば、解ける可能性もあるが、等差数列や等比数列で考えても矛盾が出てしまう。また、もっと複雑な数列を考えても、おそらく小説で正解としているような答えにはならない。
この問題は、実在する和算の問題の数値を筆者が変えて作った問題だそうだが、何のために数値を変えたのか意味が分からない。

筆者のみならず、編集者や出版社の人間にも、こうした誤りを指摘する人はいなかったのだろうか。いくら出版関係に文系が多いといっても、中学1、2年レベルの数学を理解していれば分かるはず。

小説自体は、おもしろかったので、文庫で再度出版する際には、是非、専門家のアドバイスを聞いて、問題を修正して欲しい。


天地明察 Amazon書評・レビュー: 天地明察より
404874013X
No.60
(5pt)

至高の「大衆」小説。

初めて読んだ時代小説で、初めて読んだ冲方丁小説。
厚さに勝る熱さが含まれている、良書。
歴史的背景を知らずとも、これのみで面白く読める。囲碁を知っていると、更に面白く読める。
天と、地と、人とが結び付くダイナミズムが、大きなうねりとなって蠢動するストーリーに感服。
天地明察 Amazon書評・レビュー: 天地明察より
404874013X
No.59
(2pt)

数学を嘗めている

先に言っておきますが、話自体は結構面白かったです。主人公が数学や新暦にかける情熱がとてもよく伝わってきています。それらの学問に馴染みのない方でも興味をそそられる内容だったと思います。 しかし、です。この作者は作中で決してやってはいけないことをしました。(以下少しだけネタバレ) 作中には主人公が数学の天才である関に挑戦するべく問題を作る場面があります。必死になって主人公が作った渾身の問題は、しかし答えのない誤問であり、そのことに気付いた主人公は失意のどん底に落とされます。しかし、様々な人に支えられて立ち直り、リベンジを決意します。「関にといて欲しい」その一心で前以上に慎重に推敲を重ねて作った主人公の問題に、関は見事な解答を添え、主人公の宿願は叶うのです… ですが、関が作中で解いて見せたリベンジ問題…なんと解答不可能な誤問です。というより、問題の前提が既におかしいです。具体的には、問題の前提では宿星がだんだん大きくなるはずなのに、宿星1・2の円周の合計が10(平均5)宿星5・6・7が27.5(平均約9.2)宿星11・12・13・14・15が40(平均8)と途中で縮んでしまっており、問題文が既に矛盾しています。 調べてみたところ、この問題は渋川春海が実際に出した問題を、作者が数字を変えたもののようです。(現実の春海の問題ではこの矛盾は起きていません) このリベンジ問題のシーンは物語なかばのクライマックスというべきシーンであり、ストーリーの流れからしてリベンジ問題が「誤問ではなかった」ことこそが重要なシーンです。にも関わらず作中でベタぼめされている「良問」が作者が勝手に数字を改変したせいで、単なる「誤問」になり下がっているという事実は、知ってしまうと一気にこのシーンのやりとりが白々しく感じられてしまいます。 数学ができないならできる人に聞く…その位のことは出来たはず。
天地明察 Amazon書評・レビュー: 天地明察より
404874013X
No.58
(5pt)

夢中になりすぎて、降車駅を乗り過ごしそうになった

算数は得意だけれども、
数学は苦手なわたくし。
しかも、碁のルールも知らない。

序盤は、
「なんでこの本が本屋大賞の1位になったのか」
まったくわからないほど、読み進めるのに苦労をしたのですが、
気がつくと、主人公の生き様にグイグイと引き込まれ、通勤途中の、
電車内で、降車駅を乗り過ごしそうになってしまうほど、夢中になっている自分がいました。

人生論あり
恋愛論あり
友情論あり

この1冊に人の一生のすべてが綴られております。

読了後には「やっぱり1位はスゴイね!」と
感動に眼を潤ませながら笑顔で本を閉じました。

いやぁ、いい本をありがとうございました^0^
天地明察 Amazon書評・レビュー: 天地明察より
404874013X
No.57
(5pt)

非常に面白いです

読んでいると、どんどん物語に引き込まれていくような感じで、気付くと夢中で読んでました。最近読んだ本の中ではピカイチでした。ハッキリ言って、専門的な内容や時代背景はあまり分からないですが、そんな難しい事考えながら読む本ではありません。粗探しみたいな読み方をせずに、素直に一つの読物として見れば、良い作品だと思います。
天地明察 Amazon書評・レビュー: 天地明察より
404874013X
No.56
(5pt)

あきらめないこと.

当時最新の数学と観測技術を基に日本のカレンダーを作った渋川春海.
予報が外れて何度も苦しい思いをしても,絶対に諦めない姿勢を学んだ.
科学者は昔も現代も,自分の仕事をひたすら信じ続けることが大事なのだ.

終盤では,最終的に自分のカレンダーが採用されるために,まるで碁を打つように
(実際に碁打ちなのだが)外堀を埋めていく作戦をとる.プロジェクトを成功させ
るためにはそういった才覚も必要なのだろう.

しかし主人公があんなにも草食系男子なのは,現代の小説だからなのだろうか.
それとも本当にそうだったのかな?
知る由もないが,一風変わった時代小説としても楽しめる.
天地明察 Amazon書評・レビュー: 天地明察より
404874013X
No.55
(4pt)

面白いけど、『ばいばい、アース』や『マルドッゥク・スクランブル』はもっと面白い

冲方丁の本。話題の本。2010年本屋大賞受賞の本。

内容紹介のなどから、この本がいわゆる時代小説とよばれる種類の本だとあったので、あまり読む気はしなかった。ただ、本人のブログなどを見て、色々と思い入れもあるようだし、何より冲方丁の作品であるので十分に信頼出来るので、(話題になっていたり、賞を取った本を読むというのは、少々癪だった。というか、そもそもこういう賞があること自体、今回初めて認識したし、面白い本が受賞するわけでもなく、まあ、宣伝の一種程度としか思っていなかったが、折角なので)読んでみた。

結論。面白い。冲方丁というブランドであるので、面白いというのは初めからわかっているつもりだったが、それでも面白いと思った。ただ、それでも、同時に物足りなさも感じた。『ばいばい、アース』や『マルドゥック・スクランブル』と比べたとき、単純に物量の差か、それとも、完全なフィクションと元となる史実があることによるものか、あるいは、雑誌に連載していたことによるのか、判然としないが、なんとなく物足りなく感じた。

これまでの『ばいばい、ー』や『マルドゥックー』では、ある場面の描写は、これでもかというほど、濃密に描かれているが、今作では、むしろその反対に、数年、十数年という長い時間を、圧縮して描いている。その辺りの書き方の違いが、物足りなさ、もっともっと濃い作品が書けるはずだと感じてしまう要因かもしれない。

そういった部分での欲求不満は残るし、個人的な好みとしてはやはり、『ばいばい、ー』や『マルドッゥクー』の方が好きだが、本書も勿論、非常に楽しめた。あるいは、暦や、和算についての解説本のようなものも別にあると面白いかもしれない。
天地明察 Amazon書評・レビュー: 天地明察より
404874013X
No.54
(4pt)

暦!

熱い物語だった。国産の暦の誕生にこんなドラマがあったとは、
と大変勉強になりました。
いまの日本人ではここまで純粋に打ち込めない。
あの時代に生まれてここまで人生を捧げられた渋川春海が羨ましい。(1639-1715)
映画化した際には、主演には本村弁護士を薦めたい。
天地明察 Amazon書評・レビュー: 天地明察より
404874013X
No.53
(5pt)

改暦という大プロジェクトに挑んだ男たちの物語

『マルドゥック・スクランブル』とかで有名なSF作家の冲方丁の初の時代小説。直木賞候補にまでなった。
その評価に違わず、とっても面白い、時代小説だった。しかもよくある戦国武将の話や江戸の庶民の暮らしの話とかではなく、改暦という歴史上の出来事と日本における算術、天文学の発展とをひとりの碁の棋士を主人公に描いている。

主人公である渋川春海という男の成長物語とも読めるし、それを中心に描かれていて、そこに面白さもあるんだけど、私としては、改暦という大プロジェクト自体が、春海というプロジェクトリーダの元、いろいろな失敗を重ねながら、関孝和を始めとする支援者の協力も得て、実現していくというところに興味を持った。自分自身がプロジェクトに携わることも多いので、こういったプロジェクトモノ好きなんだよね。著者の達者な表現力で泣けるプロジェクト小説になっていると思う。時代小説ということよりもそちらに感心した。

後半の駆け足の展開にはちょっと不マッもあるけど、もう、とにかく改暦というテーマに目をつけた時点で勝ちだろう。冲方丁のファンもそうでない人も楽しめる物語だ。


天地明察 Amazon書評・レビュー: 天地明察より
404874013X
No.52
(4pt)

生涯を改暦に懸けた江戸時代の天文学者、渋川春海の物語

江戸時代、4代将軍家綱の治世。
碁の名門、安井家に生まれた算哲は
数学を学ぶうちに暦学の存在を知り、その研究にひきこまれていきます。
それは、彼の生涯を懸けた改暦事業の幕開けでした。

天文学者、渋川春海(安井算哲)の物語です。
関孝和、本因坊道悦、山崎闇斎、そして徳川光圀など、
随所に実在した人物が登場し、かなりリアリティがあります。

「囲碁侍」算哲が天才数学者関の存在を知り、挑み、挫折したこと。
全国各地を測量して回り、その結果授時暦への改暦を願い出たこと。
そして授時暦に代わる、研究の集大成たる「大和暦」を作り上げたこと。

これらの事実が、彼の清々しい言動を通し、明確に伝わってきます。
一貫して描かれているのは、一途かつ頑固な改暦への情熱です。
そしてその情熱を支える妻、えんの賢さ・温かさもいい味を出しています。

フィクションの部分も多いようですが、時代小説はこういうものかもしれません。
時代小説が好きな方におすすめします。
天地明察 Amazon書評・レビュー: 天地明察より
404874013X
No.51
(1pt)

低価値・低品質の小説

知人の推奨があったので最後まで読通したが、ガッカリした。理由を列記する。
1.天文暦学者渋川春海にして囲碁の二代目安井算哲の話だが、著者の時代風俗への貧弱な知識が目について興ざめである。髪型を束髪とするがそんな髪型はない。また20歳過ぎの大人が前髪とはあり得ない。
2.碁打ちを描くには著者の囲碁知識はなさ過ぎる。初手天元を白が打ったように読めるのもオカシイ。囲碁は黒が先番である。また誰であれ素人が専門家に指導碁を打って貰うときは石を置いて教えをこうものだ。著者はそのような場面を経験していないようで、非常にオカシイ。また囲碁の勝敗では5目負けの次に3目負けになったとしても、技量の接近とは取らない。負けは負けなのだ。その辺りも無知だ。
3.江戸の富士塚があるように述べているが、江戸に富士塚第一号が築かれたのは1779年でこの小説の時代よりも百年ほど経っている。
4.文章中に「がっくり来る」などおよそ文章語と思えない言葉が登場する。品格に欠ける。
以上、直木賞に選定されなかったのも当然である。
囲碁を知っている者はイライラするだけなので読まないことを薦める。
天地明察 Amazon書評・レビュー: 天地明察より
404874013X
No.50
(4pt)

等身大の主人公

歴史的な事実関係は知らずに読みました。
主人公を一般人の(?)読者と等身大に設定し、大業を成し遂げる
様は痛快です。なんとなく勇気が沸いてきますね。
天地明察 Amazon書評・レビュー: 天地明察より
404874013X
No.49
(5pt)

青春小説として、素直に感動!

科学的事実や歴史的事実には詳しくないので他の評者が仰るような感じは
持ちませんでした。所々、これ本当?と思う箇所は勿論ありましたが。
ストーリー展開も平凡、主人公の個性も強く現れない。それでも、前半は
他人の布石に動かされる中ではSWOT分析等のマーケティング手法を用いたり、
水戸光圀や関孝和に陰に陽に応援され、粛々と自分の課題に取り組み、
最後には自らの布石の下、目的の為には手段を選ばず(面子にも拘らず)
淡々と過ぎてゆく展開。
青春小説として読めば、何度も泣く場面がありました。
天地明察 Amazon書評・レビュー: 天地明察より
404874013X
No.48
(4pt)

今年2010年の本屋大賞受賞作、そして直木賞候補作

徳川四代将軍の時代。御城碁の打ち手であり数学の才に長けた青年・渋川春海が、運命にいざなわれるように日本独自の暦編纂に取り組んだ生涯を描く物語。

 時代小説はあまり読みませんが、テンポのよい文章にぐいぐい引っ張られるように読み通しました。
 「行こう。己は試されねばならない。試されてこその研鑽だった。」(232頁)
 一筋縄ではいかない暦編纂事業、妻こととの出会いと別れ、そして再び出会った女性えんとのほほえましい関係など、あの時代の青年・春海の健闘の日々を描くエンターテインメント小説として大いに楽みました。

 しかし、一つだけ拭えない疑問が残りました。
 中国伝来の暦が決して正確無比なものではなく、さらに精度の高い暦を必要とした事情についてこの物語は、飢饉の回避を一番に挙げています。その中国の暦は800年でわずか2日のずれというものであるにも関わらず、
「かくては農耕や収穫の開始の時節が失われ農事に不都合が生じて凶作となるばかりか、月の大小という万民の生活の尺度、日の吉凶というあらゆる宗教的根源が、全て無に帰してしまう」(350頁)というのです。
 これはかなり大仰ではないでしょうか。
 杓子定規に暦を守って、農耕収穫の日取りをピンポイントで細かく決めて農業が行なわれていたとも思いませんし、その2日のずれで「飢苦餓亡」が発生するというのであれば、長年の職業的勘を働かせて暦を無視して農耕日程を調整するだけの柔軟性くらい農民にもあったでしょう。
 高島俊男著「お言葉ですが…〈別巻3〉」にもこんな風に書かれています。
「農作業も暦にあわせておくらせてよい、というわけにはいかない。農作業は、暦ではなくお天道さまのごきげんにあわせてやるしかありません。」(85頁)

 であれば、暦を変更するのは飢饉の回避ではなく、もっと別の深い政治的理由が働いたのではないでしょうか。
 そんな風に思えてなりませんでした。
天地明察 Amazon書評・レビュー: 天地明察より
404874013X
No.47
(3pt)

専門知識なしで読みました

なので、知識的な部分は深く考えず(それもどうかと思うけれど)、人間関係重視で読みました。

中でも好きだったのが春海&えん&成瀬のシーンで、
なんだかほっこりした気分で読んでいました。
また、関さんとの初対面のシーンは驚きました。
勝手に作り上げていた人物像とはすこし違っていたので、
そういう感じの人なのか〜と。

ラストは…ちょっと見送りすぎじゃないの!?
え、一緒にとかそんなうまいこと…という印象でした。
天地明察 Amazon書評・レビュー: 天地明察より
404874013X
No.46
(4pt)

時代を拓く爽やかな物語

本書で、「息吹」と云う言葉にずいぶん久しぶりに出遭った。なんて良い言葉なんだろうと、あらためて思う。
 この本の、そこかしこに息吹を感じる。読後の爽快感は、類い稀である。
 思えば、暦とは、一つの国の、一つの時代のあらゆる方面の文化が集積されたものだ。主人公はそれを改めようと企てている。まさに大事業である。学問ができれば成し遂げられるというものではない。実務の能力があれば良いというものでもない。一国の文化の総体を観る眼も、政治的な手練手管も必要とされる。
 様々な挫折があった。そこから立ち上がる、意志の力は並大抵のものではない。だが、和算の世界にも、測量の世界にも政治の世界にも、新しい時代を作ろうとする人々の息吹があった。それなくして、一大事業は成らなかったはずである。
 関孝和に算術の問題を出題するところ、新しい暦の理論的な予見が的中するや否やのなりゆき。自ら問題を設定したことがある人、未知の問題に挑んだ自覚がある人にとっては、身につまされると同時に、大いに愉しめる場面だろう。あるいはまた、状況に右往左往する人々も、大局を見つめる為政者の姿も描かれる。江戸時代の囲碁の世界がどのようであったかも理解できるだろう。
 主人公の恋愛も含めて、この作品の世界は立体感があり、厚みを感じさせる。爽やかな物語を愉しみたいすべての人に薦めたい。

天地明察 Amazon書評・レビュー: 天地明察より
404874013X
No.45
(3pt)

天地明察

「マルドゥク〜」でSF大賞を受賞した冲方 丁さんが本屋大賞を受賞したと聞き、手にしました。これだけの長編を一気に読ませ、なおかつ一般にあまりなじみのない分野の話を興味深いものに仕上げている力量はさすがだなと思いました。以前、別の本で読んだこともあるのですが、やはり大きく時代が移り変わる時だからなのか、多くの異才が排出されていた時代だったのだなあと改めて思いました。和算の関孝和や囲碁の本因坊道策、といった不出世の天才たち、稀代の名君、保科正之、水戸光圀……しかし、そういう人たちの凄みが残念ながら伝わってこなかったように思います。例えば関孝和や道策の天才ゆえの孤独や保科正之の為政者としての影の部分(人を殺したことがある、ということが彼の為政者としての姿勢を決めている以上、その部分をもっと書いてもよかったのでは、と思ってしまいました)……そういったところがもっと書き込まれていたらとか。晴海の成長を書いてほしかったな、とか(でも建部昌明、伊藤重孝のように子供のような無邪気さで学問を探求していく姿やさりげなく書かれている安藤有益の謙虚な姿勢は読んでいてすがすがしい気持ちになれました)。そうは言っても書き込みがされていたら、今ある話とはまた違ったものになっていたとも思います。あと、角川の帯の文句。一応歴史ものですし、「プロジェクト」「ミッション」はかんべんしてほしかったなあ、これも今の時代だからなんでしょうか。それからレビューの中に「地動説を知らなかったのでは?」という話もありましたが、うる覚えの記憶でしかありませんが、織田信長が宣教師たちから話を聞いた中で地球が球体であることと一緒に地動説を学んだように……?詳しくはないので、私の勘違いだったら申し訳ないのですが。
天地明察 Amazon書評・レビュー: 天地明察より
404874013X
No.44
(2pt)

発想は良いが内容は凡作

江戸の数学者が主人公という着眼点は斬新でした
しかし登場人物は皆あまりにアニメ的な造形で、物語の深みも何もありません
文章も個性がなくおもしろくも何ともありません
帯に時代小説とあるのも謎です
実在の人物を書いて史実を追うなら歴史小説でしょう
編集者の無知でしょうか
絶賛されるほどではないです
ジュニア小説かと思いました
天地明察 Amazon書評・レビュー: 天地明察より
404874013X
No.43
(5pt)

ご明察!

と言って拍手喝采したい気分になりました。読み終わるのがもったいと思った作品は初めてです。
私は数学は苦手ですし、囲碁もしませんし、暦の事なども全く分かりません。
何故、江戸時代にこんな知識があるのかも不思議で仕方ありません。が、昔から算術とかあるんですよね〜。
こんなに知識のない人間が読んでも面白いのですから、やはり、登場人物の描き方が魅力的なんだと思います。
主人公の渋川春海はじめ、和算の天才関孝和、磯村塾の村瀬さんなどなど…私は村瀬さんの粋な感じが目に浮かぶようで
村瀬さんが登場するところはニヤニヤしてしまいました。春海の素晴らしい伴侶となるえんさんの強さも大好きです。
テレビドラマなどでお馴染みの水戸黄門こと水戸光国公が本当はこんなに豪快な方だったとはびっくりです。
本当に面白いです。歴史とは。先人達が造り上げた英知の上に今の日本があるのかと思うと、なんとも言いようのない、
感動が沸いてきて心が震える思いがしました。素晴らしかったです。また、是非このような本に出会いたいです。




天地明察 Amazon書評・レビュー: 天地明察より
404874013X