■スポンサードリンク
沙門空海唐の国にて鬼と宴す
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
沙門空海唐の国にて鬼と宴すの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.32pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全138件 101~120 6/7ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
『沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ三』です。 全四巻中の第三巻ということで物語もいよいよ佳境です。 大半の謎が明らかにされてきます。 空海が逸勢に色即是空について語る場面も見所ではありますが、そういった過去のネタバラシや語りが多く、現在の展開が少ないのがやや間延びとも感じられます。 特に最後に手紙をもってくるのは二巻に引き続きですが、ここが一番冗長でした。ついでにいえばここで終わっておらず、第四巻に続いています。 空海の時代から楊貴妃時代を振り返る構造である以上やむを得ないことではありますが。 後は、いくつか残った謎が解明されることと、空海が着々と支度しつつある宴が、四巻での楽しみとなります。 今までは皇帝の名前を徳宗とか玄宗とか呼んでいたのはスルーしていたのですが、皇帝が即位して粛宗と名乗ったという表現は気になりました。 ★4 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
司馬遼太郎の「空海の風景」を読んで、唐での空海の活躍を空想していたが、その活躍がこの本にある。たまらん。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
生きた空海がここにいる。司馬遼太郎の「空海の風景」の副読本というか、参考書というか、この本とセットとしか思えなくなった。すごい出来栄え。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
『沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ二』です。 全四巻の中の第二巻ということで、舞台設定などの説明パートは終わっていよいよ物語の本筋真っ直中、ということになります。 話が更に広がって、柳宗元のような史実の人物もいよいよ本格的に登場してきて、玄宗と楊貴妃の時代にまで関連が及びます。 謎の輪郭が見えてきたような、それでいて核心部分はまだ闇の中、といったサスペンスな感じは良かったです。 その一方で、やや中だるみっぽい部分も見えてきました。 綿畑における怪異シーンがやや冗長に感じたのに始まり、熱田神宮のネタが、物語からは脱線した上で説明が長すぎでした。 あと、李白にあてた読めない手紙、というのはさすがにご都合主義な展開でした。 とはいえ、楊貴妃の時代までふくらんだスケールの大きさとテンポの良さを両立させた物語は、やはり読み応えがあります。★4 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
『沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ一 (角川文庫)』です。今まで幾度か新書化などされているようですが、角川文庫版で読みました。全四巻の内の第一巻。執筆に17年かけたという著者畢生の大作シリーズだということです。 タイトル通り、密教を盗みに来た空海が、唐を舞台に活躍する歴史伝奇バトル、といったところです。怪力乱神を語らず、のはずですが、呪術を駆使してのバトルです。 台詞は短めの問答が多く、改行の多いスピード感のある文章は夢枕節といったところです。主人公空海の超人的活躍が、相棒というかワトソン役の橘逸勢とのかけあいを通じて紡がれて行く感じです。 中国歴史物ということで、専門用語や難しい漢字なども出てきますが、店舗が良いので読みやすいです。厚みのある本ですが、かなり早く読めます。 参考文献に書いてあることを噛み砕き無しでほぼ丸まんま書き写しただけの描写(『大都長安』の冒頭)とか、キャラが発言の中で存命の皇帝のことを徳宗などと廟号で呼んでいたりする部分が気になる人もいるかもしれませんが、欠点としてカウントするポイントではないと感じました。 第一巻は、物語的にはまだまだこれからといったところですが、評価は★5です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
題名に惹かれてふと手にして本ですが、ここに登場する空海の 淡々とした生き方が魅力的であり、全体を覆う空気が何とも幻想的で 不思議な感じで一気に全四巻を読んでしまいました。 玄宗皇帝と楊貴妃を中心に安録山の変で揺れ動く混乱時代の中で、 関わった様々な人々。(阿部仲麻呂や李白もその事件に関わっていたことも知りませんでした) 時を経て留学した若き空海と橘逸勢や白楽天、その他謎めきながらも魅力的な 人物達の時代を超えて綾なす人間関係の深さには、真剣に生き切った人にしか味わえない 深みがあります。 最後には『長恨歌』へと繋がっていって、いつまでもいつまでも深い余韻を残してくれます。 何か空海や白楽天という遥かかなたの遠い存在であった人々と、ぐっと身近になれる不思議で 魅力的な作品です。この作品が完成するのに十七年の年月を経たと『あとがき』に書かれていましたが、 それも印象的でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
留学僧としての空海が、唐の都長安で様々な不思議や事件に関わっていく。 橘逸勢との軽妙な会話がおもしろく、また、当時世界一の大都市であった 長安の香り、息吹も身近に感じられ、自身が長安にいるような感じになる。 4巻中のまだ半ばくらいだが、ワクワク・ドキドキと読み進めている。 風のように掴まえ所がなく、不思議な大人物空海が、さらにどのような活躍を 繰り広げることか、楽しみ、楽しみ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
全4巻の最終巻。 いよいよ、空海と鬼の宴が開幕する。 玄宗皇帝と楊貴妃の思い出の場所である華清宮に集う面々。一人、また一人と、宴席を訪ねてやってくる。 さて、どんな呪術合戦が繰り広げられるのだろうか。 期待して読み進めたが、話は主に人間模様にフォーカスを合わせており、思ったほどの激しさはなかった。 読み終えてみれば、3巻から4巻にかけてが長い長い盛り場であり、宴自体は戦いの場面というよりは、終息の謎解きに近い趣がある。 しかし、史実に基づきながら、よくこれだけのロジックを組み立てて、オリジナルストーリーを作り上げたものだ。奇跡的に思える。 夢枕獏さん、17年にも渡る大作のあとがきは必見。 あとがきに書いていた獏さんの役小角、空海の日本編、果心居士、読んでみたいなあ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
全4巻の2巻目。 1巻で起こった妖物騒ぎの事件を深く掘り下げていく。 起承転結の承という部分であり、話は淡々と進んでいく。 連載期間の幅が長いためか、このあたりで主人公である空海のキャラクター設定に少し変化があったような気がしたのは、自分だけだろうか。 全体的に平らな感じを受ける巻で、脇役である登場人物が増える。 巻の最後で安倍仲麻呂から詩人・李白に宛てられた手紙で物語は一変する。 そこからさらに話は密度を増し、読み手は夢枕獏さんの世界に引きこまれていく。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
全4巻の3巻目。 安倍仲麻呂から詩人・李白に宛てられた、衝撃的な内容の手紙を読み終えた空海。 作品は急展開を見せる。 いよいよ青龍寺の恵果が登場し、皇帝にかけられた呪法を解くべく、護摩壇での祈祷を始める。 老いと病で命の残り少ない恵果と、皇帝を呪い殺そうとする見えぬ敵との呪術合戦。 あの手この手の攻防で、夢枕獏さんの筆が唸る。 終盤は、ついに見つかった2通目の手紙。 その、高力士から晁衡(安倍仲麻呂)への手紙には、玄宗皇帝と楊貴妃にまつわる悲しい物語が記されていた。 そしてすべては空海の手による、第4巻、鬼の宴へと話がつながっていく。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
全4巻の1巻目。 文庫で500ページ超、4巻合わせれば2000ページという大作ながら、淀みなくスラスラと読者を引き込んでしまう夢枕獏さんの技量は圧巻。 物語は一つの事件から始まる。 大街の役人劉雲樵の家で妖物が出た。黒い猫の姿をしたそれは皇帝の死を予言する。 同じ頃、空海とその親友橘逸勢は倭国からの遣唐使船が難破し、ビンの地へ漂着する。持ち前の器量で難を乗り越えた空海は、長安の街に向かって旅を始めていた。 史実にのっとりながら、夢枕獏さんの筆は一大スペクタクルな世界を展開する。 これは果たして伝奇小説なのか、それともSF小説なのか。 読み手に、のどの渇きにも似た欲望で次のページをめくらせる。 奥深い密教の世界を分かり易く、面白く描ききった名作。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
面白い。 夢枕氏特有の短く歯切れの良い文体で、 サクサクとストーリーが展開され、 一気に読んでしまう。 空海と橘逸勢が、陰陽師の安倍晴明と源博雅を思わせ、 なんともいいコンビになっている。 陰陽師と同じく、妖物や鬼が出てくるが、 それに関する考えは通徹しているものの、 捕らえ方が陰陽師と僧という立場で違っていて、 それも面白さの一つであると思う。 歴史的背景、地理的な条件も、 分かりにくくない程度に、存分に取り入れられているので、 世界観を構築しやすくていい。 陰陽にファンには特におすすめ! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ひょんなことから夢枕さんのこの作品に出合え 読み進むうちすっかりハマりました。 いま三巻ですが ハラハラドキドキに加え 当時の様子が時代を超えて伝わってきます。 空海さんもとっても人間味あふれる方で頼もしい! 今の時代こんな方がいてくれたれな〜〜と思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
空海という日本宗教史の著名人を中国での活躍を歴史奇談としてまとめたところに 本書のユニークさがある。 全刊を読み進めるうちに、著名な楊貴妃や白楽天など、中国の歴史上人物が数多く 登場し、ストーリーのふくらみに感心させられる力作である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
友人に勧められて読み始めたのですが、長編をあまり読み慣れていない自分でも最後まですんなり読み進めることができました。それも物語の面白さに加え、テンポの良さ、人物の個性が生き生きと描かれているからだと思います。 半世紀を越える怨念を軸に巻き起こる数々の怪奇を、異国から来たひとりの僧である空海が解決していくというストーリーは壮大で、実に痛快です。 ただ少々、ところどころに説明くさかったり、(個人的には)超人過ぎる空海にあまり入り込めない部分もあり、☆4つとさせて頂きました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
作者は密教について研究しており、深い理解があるだけでなく、そもそも密教との相性が良い人なんだなあと思う。 司馬遼太郎の「空海の風景」は作者も当然読んでいるだろうし、下敷きにしているかもしれない。ただ、「風景」の表現が「〜かもしれない」「〜なのだろうか」などのオンパレードなのは小説でないから仕方がないとは言え、「基本的に空海に納得していない」ためと思われる。 空海のレトリックを「不正直」と決め付け、様々な事跡に疑問符を付けて回る「司馬史観」には国民作家の不自由さを感じるしかなかった。アクの強い人間にはあまり好感を持たない傾向も垣間見えた。 一方で、このシリーズは名著「空海の思想について」(梅原猛)と思想的に共通する点が多いように思う。 どこが共通しているかの細かい点はさておき、「空海が大好き」というスタンスで書かれているから読んでいて気持ちが良い。別に空海を手放しで褒めなければならない、というわけではないが、常に首を傾げながら書いているが如き「風景」の「不自由さ」とは対照的であると思う。 梅原氏や夢枕氏が空海的・密教的であり、司馬氏はそうではない、と言ったら叱られるだろうか。 いずれにせよ、とにかく面白いので是非お勧めしたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
多作な作家の作品であるが、私にとっては「陰陽師」シリーズ以外ではこの作品が初めて読んだ作品だった。 史実はところどころに散りばめる程度に置いてあり、物語として空海の「天才」を爽快に描いている。 史実がこうならさぞ痛快だろうと思わせてくれる、上級の娯楽作品である。 本作の空海−橘逸勢のコンビは、陰陽師の安倍晴明−源博雅コンビと好対照を成している。 好漢ではあるものの「凡人」の域を出ない者の視点から、空海の天才性を描写しており、陰陽師の描写が好ましい人にとっては、安心して読める作品だと思う。 文庫4冊の長編ではあるが、面白さは秀逸で、長さを感じさせないくらい一気に読んでしまった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ご存じの通り1巻1巻が長いっ分厚いっ!!(驚) 初めはなかなか楊貴妃の時代のくだりにいかなくてヤキモキしながら少しずつ何日かかけて読んでたのですが、2巻後半〜4巻と一気に読んじゃいました。 会話のリズムと言うか雰囲気だと思うのですが、陰陽師をずっと読んできた私にとっては空海が晴明に、逸勢が博雅にみえる所がちらほらと…(私だけ??) 個人的にそこだけ気になったので☆1つ減点です…それ以外は楽しく読めました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この物語は「陰陽師」を書き始めてから1年後に書き始めたらしいですが、陰陽道や密教の面白さを感じさせてくれる伝奇小説です。専門的な知識はその辺の学術書に任せて、この作品では空海という人間の面白さや呪術合戦を楽しみましょう。陰陽師のキャラクターである安倍清明と源博雅のコンビのやりとりを彷彿とさせる空海と橘逸勢も楽しめます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
夢枕獏の小説は分厚い、字が大きかったり、描写場面が多いからかもしれないが、とにかく量が多い。 その大量な活字を一気に取り込めるから面白い。 志村けんがすいかを一気に食べる感覚に近い、痛快である。 空海という人物は、よく「天才」名で形容されるが、私は「奇跡」という形容のほうがピッタリだと思う。 歴史的な意味で空海という人物が「奇跡」だという事を理解しないで、 密教の体系が日本にだけ、今も連綿と続いている事は理解できないと思う。 まぁ、そんな講釈は抜きにして、この小説は面白い。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!