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クリスタル・ヴァリーに降りそそぐ灰
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クリスタル・ヴァリーに降りそそぐ灰の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.06pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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| 著者の講演を聞いたあと、ずっと読んでみたかった。 小学生に読ませていいかは迷う内容だったが、人とのつながりを考え直す機会がたくさん散りばめられていたと思う。 | ||||
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| ある日突然崩壊する世界。主人公のマユミは女子高で授業を受けている最中にその瞬間に遭遇する。目 が見えなくなるほどの閃光と聞いたことがないくらい大きな轟音。何かが起こったことは間違いないのだ が、いったいそれが何なのかはわからない。パニックに陥る生徒たち。 しかし、本書は大惨事に巻きこまれた人を描くサバイバル小説でもなければ、逃げまどう人々を描くデ ザスター小説でもないのである。上空を飛びかう戦闘機。墜落する機体。散乱する死体。逃げるマユミ。 だが、世界は歪みはじめる。少しずつ位相を変えて。あったはずのものがなくなり、記憶が変わり、パラ レルな世界が存在を主張してくる。それは主人公の混乱をまねくと同時に読者の混乱をも誘発する。 P・K・ディックの悪夢世界をおもわせる迷宮的な非日常の中で、存在と消失をくりかえしながらマユ ミを取りまく世界は静かな崩壊を続けてゆく。 とても刺激的だった。この人の書く文章は舞城王太郎のドライブ感あふれる文体のように途切れること なく続いてゆく。独特の擬音も多く挿入されていてなおさらその感を強めるのだが、これは擬似であって この人自身のもつ癖に由来するものではない。だから、その底辺には常に常識的な配慮が垣間見える。一 見すると、取っつきにくくて読みにくいように感じるが、実はそれは計算によって構築されたものでとて も整然としているのである。そしてその擬似ドライブ文によって読者は主人公と共に数々の変化に戸惑い ながらもどんどんページを繰らされることになる。あっという間の読書だった。 不変が崩壊する音を聞きながら、変転する世界に翻弄され順応してゆくマユミ。彼女はこの物語で死ぬ ことはない。もうすでに死んでいるのかもしれないから。 | ||||
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| 今年度の文藝賞受賞作。改行するのももどかしいように冒頭から読点を排したハイテンションな文体で 突如極限状態に晒された女子高生の生死を賭けたサバイバルを描く。 設定や文体などから先行作家(村上龍や舞城王太郎etc.)の名前がちらつくものの、廃虚と化した渋谷の様相は 読み手の脳裏に強く焼きつけられる。反面、チープな怪物の出現や(映画「ミスト」を連想させるような) 哲学に関心を持つヒロインが特殊環境下において他者と異なる価値観をぶつけ合うといった場面が存在しないこと など未消化な点も散見される。 それでも作品終盤の文字通り、絞り出すようにつづられた文章は迫力に充ちていて新人にふさわしいインパクトがある。じっさい読後しばらく経った今も幻の「渋谷」のイメージが頭に残っている。 今も数秒後に起こりうるかもしれない世界を可視化する想像力を秘めた作家に今後も期待。 | ||||
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