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メディア買収の野望
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メディア買収の野望の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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日本の実録物の仮名の小説のように仮名ですが、欧州でメディアの実業家として有名なマクスウェルとマードックのメディア買収劇の小説です。今、インタラクティブメディアが、相互方向のメディアがありますが、従来のメディアの新聞や雑誌やテレビや映画をマスメディアと言いますが、そのマードックのライバルのマクスウェルの最期が、自分の会社の社員達の年金を使い込んでの自殺だったと考えます。その社員の年金が、投資型の年金で将来の年金額の限度額の保証がある年金で、が経営者なのでそれ以上を使い込んで…と考えます。直近の海外の記事で児童売買春で逮捕されたエプスタインがいますが、その側近の女性がそのマクスウェルの娘だそうです。 | ||||
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Jeffrey Archer(1940~)の小説を幾作か読んでいくと、あるパターンに気づく。これはその中で、同時代に生まれながら、育った境遇の違う2人の人物が、闘争を繰り広げる物語に分類できるものである。Archerの作品では、代表作「Kane & Abel」がこの作品と同じカテゴリーに分類できるだろうか。ところでここでは、Keith Townsend、オーストラリア出身の出版一族の御曹司、片や、東欧のユダヤ人の苦労人、Richard Armstrongの二人が、新聞業界を巡る買収合戦を繰り広げるさまが息をもつかせぬ速度で描かれている、と言いたいのだが、ややスピードに欠けるだろうか。 だがこの小説の興味深いところは、実在の人物を用いて小説を作り上げた点ではないだろうか。オーストラリアのKeith Townsendは、現在でも世界で指折りの富豪、News Corp、御年90歳のKeith Rupert Murdochであり、東欧のRichard Armstrongは、Robert Maxwellのようだ。加えて、作品で描かれているArmstrongの背任は、実際にMaxwellが生前に犯していたらしい。さらにMaxwellは、実際にArmstrongと同じく英国軍に加わって第2次大戦に従軍していた。一方のMurdochは1952年に亡くなった父が遺したアデライーデの小さな新聞社を足場に、次々と欧米のメディア企業を買収、あるいは起業していく。Murdochは第2次大戦終了時にはまだ14歳で、作中のTownsendと異なっているが、Murdochの実績は小説のTownsendを上回っているのではないだろうか。そしてMaxwellの生涯は、この小説で描かれている人物よりも興味深いのではないだろうか。そして作中のArmstrongがどのような人生を歩んでいくのか、Archerの怜悧な描写がすばらしい。 たしかに、読みすすんでいくと、これはひょっとしてMurdochのことではないかな、と思わせる部分があった。またArcherの他の作品に比べると、この作品は展開が遅くて、まどろっこしいところが多い。だが、こうして実在の人物、Maxwell、そしてMurdochがモデルであることが分かると、少し親しみが湧くのである。たしかにArcherが他の小説で用いたプロットがあちこちで見られるのだけれども、それは愛嬌としておこうか………。そしてひとつ気になることは、これは“新聞”という存在が人びとにとって魅力的な媒体であった時代の小説だ、ということである。Murdochが新聞以外の媒体に着目したのは、すばらしいことであろうけれども、一方でMurdochは、いずれ新聞は読まれなくなる、と見抜いていた、と考えていたのだ、と思うと、時代の変化のスピードを感じてしまうのである。 | ||||
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今までにKane & Abel, False Impression, Fourth Estate、 Shall we tell the President, Thereby hangs a tale, To cut a long story short, Prodigal daughterと、Jaffery Archerの作品を7冊Amazond買って読んだが、この作品はFalse Impression,Fourth Estateと並んで面白かった。特に前半における第二次大戦中のドイツとロシアのポーランド人に対する残虐行為の迫真的な描写と、その痛酷な経験をばねにアメリカの新天地でのし上がって行く主人公、Lubjiの智恵と逞しさが印象的である。 | ||||
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実在モデルに基づいた小説です。 事実とフィクションを実に上手くさばいているのはさすがJ.アーチャー。むろん小説的脚色はありましょうが、この小説を書き起こすにあたってJ.アーチャーが膨大で綿密な調査をしたことは間違いのないところでしょう。 モデルになったのは現メディア王といわれるルパート・マードックと今は亡きロバート・マクスウェル。アーチャーはほぼ正確に彼らの足跡をたどりながら小説化していきますので、あらかじめ二人の略歴などを知ったうえで本小説を読むとがぜん面白くなります。 マードックについては : http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%83%E3%82%AF マクスウェルについては : http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%AB 新潮社文庫からは「メディアの野望」というタイトルで訳本が刊行されていますが、オリジナルの「THE FOURTH ESTATE」をそのまま翻訳して日本人にもなじみのある「第四の権力」としなかったところに日本語訳者、永井惇氏の見識がうかがえます。 表題を「第四の権力」とすると司法、立法、行政に厳しい監視の目を注ぐ「報道の使命」としての「第四の権力」を我々は通常思い浮かべますが、この理解そのものが根本から間違えているのではないか、と本書を読み進むにつれ強く感じますし、その意味でも永井氏の邦題は本書の内容をよく表しています。「ESTATE」はあくまで「階層」あるいは「階級」であり、このことは本書の扉書にもある通りです。本件については詳しく書いたHPなどもありますのでぜひ、ご参照いただきたいと思います。 プロローグとして「いま」を描いた第一章から物語はスタートし、終生のライバルとなる二人の男の生い立ちから物語を起して最後の章に進むわけですが、見事に最後の章はプロローグと一体化し、物語は完結を迎えます。 まったく生い立ちも境遇も異なる強烈な個性を持った二人の男がメディア買収合戦を繰り返しながらメディア帝国を築き上げていく姿がハードなタッチで語られます。不倶戴天の二人が繰り広げる戦いは決してさわやかなものではなく、違法すれすれ、脅しあり、欺瞞あり、政治あり、ありとあらゆる手段を駆使して他方を出し抜き、自らの野望に向かって突き進んでいく男の戦いの物語です。 この小説ではジャーナリズムがジャーナリズムとしてのあるべき「使命」を果たす姿はなく、あくまで売り上げ、販売部数、シェア、コストであるとする資本の論理が優先されるメディアコングロマリットの姿が描かれます。メディアの裏側を描いた小説としては出色ではないでしょうか。甘っちょろい(?)「あるべき」ジャーナリズムとは異なる経営の側から見たメディア像がリアルに描かれます。 各章のタイトルが実に面白い。時代を映し出した欧米の新聞の日付とトップの見出しから各章が始まりますが、そのいずれもが各章の内容を示唆していて非常に興味をそそります。 J.アーチャーのファンには是非お勧めの小説です。必読の男くささあふれる小説です。 | ||||
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ルパート・マードックが時の人になっている今こそ読むべき本。 | ||||
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僕はビジネスマンの対決というか競争というか戦いが好きなので、ジェフリー・アーチャーの中でこれがベストだと思っています。やったりやられたりのシーソーゲームが、またたまりません!最後までどうなるんだ!と手に汗握ってはらはらしまくり。アーチャーのベストにまちがいなし。 | ||||
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まず、この本の原題は『The Fourth Estate』、「第四の権力」です。 ひどく下品でつまらない邦題がついてしまっていることで損をしてしまっていますが、いい本です。 他のレビューにあるように、『ケインとアベル』のような一種の哀感はありませんが、物語を綴る両雄の対決はより手の込んだ複雑かつ熾烈なものとなっており、読者を飽きさせません。 | ||||
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ケインとアベルのメディア買収版である。 限りない競争の末に待っている結末は、彼の小説特有の人生の皮肉が漂う。 実在の人物がモデルになっていることは本編のいたるところから感じられるが、どこからが、虚構でどこまでが事実なのか、そのさじ加減は、いつもながらのうまさを感じる。 | ||||
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