狙われた英国の薔薇: ロンドン警視庁王室警護本部



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初公開日(参考)2024年10月
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長編小説

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狙われた英国の薔薇 ロンドン警視庁王室警護本部 (ハーパーBOOKS)

2024年10月24日 狙われた英国の薔薇 ロンドン警視庁王室警護本部 (ハーパーBOOKS)

警部ウィリアム・ウォーウィックは極秘指令のもと、ロンドン警視庁内で王室警護を担う部署の腐敗を暴く任を受ける。 警護官たちは特権を笠に着て、やりたい放題を続けているらしい。一方、ウィリアムの腹心ロスは、かのダイアナ皇太子妃の専属身辺警護官に任命される。 やがて華やかな任務の陰で、国家を揺るがす陰謀が差し迫り――。 王室を知り尽くす著者ならではのシリーズ最新作!(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

狙われた英国の薔薇: ロンドン警視庁王室警護本部の総合評価:8.33/10点レビュー 6件。Bランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

衰え知らずなどとは失礼、脱帽するしかない

ロンドン警視庁ウィリアム・ウォーウィック・シリーズの第5作。ウォーイック警部と部下たちが王室警護本部の腐敗を暴き、ダイアナ妃へのテロに対応する警察ミステリーに、宿敵・マイルズとの知恵比べが加えられた、盛り沢山なサスペンス作品である。
王室の権威を笠に専横を続ける王室警護本部の腐敗を探れとの命を受けたウォーイックは腹心の部下たちを潜入させ、あの手この手で証拠を集めて行く。また、前作からメンバーに加わった元囮捜査官・ロスはダイアナ妃の専属警護官に任命され、奔放な妃の言動に振り回されることになる。さらに、ウォーウィックとロスが刑務所に連れ戻した詐欺師・フォークナーは悪徳弁護士・ワトソンと再び手を結び、それぞれの思惑を実現するために騙し合いと神経戦を仕掛けて来た。
という、微妙に絡まる3つの物語が破綻なく、並行して展開されるのだから面白くない訳がない。さらに、その構成の緻密さ、細部のリアリティはとても82歳の作品とは思えず、老大家の創作力に脱帽するしかない。
シリーズものなので1作目から読むのがベストだが、各作品ごとに完結する物語なので、本作から読み始めても十分に楽しめる。イギリス警察ミステリーの王道を行く作品として、どなたにもオススメしたい。

iisan
927253Y1
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.5:
(5pt)

主人公より敵役のほうがはるかに面白い

ウォーウィック・シリーズの第5作は、自分の中ではシリーズ最高の面白さ。
腐敗した王室警護官の捜査を中心に、ダイアナ皇太子妃の微行やサッチャー首相の活躍も絡めながら物語は大きく展開する。
本シリーズの敵役は皆、頭が切れて狡猾、強かで、その言動は現実の様々なビジネスシーンで参考になることばかり。巻末の著者インタビューで「主人公より敵役のほうがはるかに面白い」と本人が認めているのは我が意を得たりだった。
次作へのつなぎ方も絶妙。すでに刊行されている原書を買ってしまうかも。
狙われた英国の薔薇 ロンドン警視庁王室警護本部 (ハーパーBOOKS)Amazon書評・レビュー:狙われた英国の薔薇 ロンドン警視庁王室警護本部 (ハーパーBOOKS)より
B0DC95LK5P
No.4:
(4pt)

勧善懲悪型フル装備のエンタメ小説

前半部では王室警護本部の姿を描き「堕落腐敗した警察官はほかの犯罪者に勝るとも劣らない悪だ」と言いきり徹底的に証拠を集めて悪徳警官たちを徹底的に追及します。さらに自らそこに乗り込んで要人警護の緊迫した場面を描写します。

さらにそこに迫りくるテロの危険を未然に防ぐために奮闘しますが、なんと王妃が人質としてとられた前代未聞の事件を軍隊とも協力してどう解決するのか?

さらにシリーズを通して登場するいつもの天才型詐欺師は刑務所のなかからさまざまな指令を飛ばしますし、その妻そして悪徳弁護士は知恵比べを繰り返してなんとか金と豪華な美術品コレクションを独り占めしようとしますが!といういくつもの伏線がたいへん上手に練りこまれた作品です。

もちろんラストは「勧善懲悪」「ハッピーエンド」なのですがそこに至るまでの過程をゆっくり楽しむ小説です。

「われわれはゴールキーパーのような存在で、ナイスセーヴを百回続けたとしても人々の記憶に残るのは手をすり抜けたたった一回のシュートだ。」(p・373)

「1マイル走破するのに5分かからなかった。」(p・445)(えっ?時速およそ19Kmならフルマラソンでも2時間20分だ。ものすごく速い!)
狙われた英国の薔薇 ロンドン警視庁王室警護本部 (ハーパーBOOKS)Amazon書評・レビュー:狙われた英国の薔薇 ロンドン警視庁王室警護本部 (ハーパーBOOKS)より
B0DC95LK5P
No.3:
(3pt)

いまいち!

毎回、ジェフリー・アーチャーの新作は読んでいるが、今回は期待ハズレ!読まなくても良いかも…
狙われた英国の薔薇 ロンドン警視庁王室警護本部 (ハーパーBOOKS)Amazon書評・レビュー:狙われた英国の薔薇 ロンドン警視庁王室警護本部 (ハーパーBOOKS)より
B0DC95LK5P
No.2:
(5pt)

待ち侘びていました。

永年読み続けてきたが、相変わらず焦らしに焦らす展開でも、どこか安心してスイスイ読み進める。御大の健康は大丈夫かと。
狙われた英国の薔薇 ロンドン警視庁王室警護本部 (ハーパーBOOKS)Amazon書評・レビュー:狙われた英国の薔薇 ロンドン警視庁王室警護本部 (ハーパーBOOKS)より
B0DC95LK5P
No.1:
(4pt)

"Diana, Princess of Wales, I miss you."

言い訳になりますが、小旅行、"MLB"、国政選挙(笑)の順番で時間を取られ、読書が捗りませんでした。
 前作「運命の時計が回るとき」を読んだのは、2023/10月。
 今回、このシリーズの主人公、ウィリアム・ウォーウィックはスコットランドヤードに於ける未解決事件の捜査を経て、堕落していると噂される「王室警護本部」へと密かに配属され、仲間たち(ジャッキー、ポール・アダジャ、レベッカ)と共に潜入捜査を開始します。一方、もう一人の重要キャラクター、ロス・ホーガン警部は何と?ダイアナ皇太子妃の専属ボディガードを務めることになります。
 「王室警護本部」の抱える大いなる悪業を暴き立てながら、前回獄中に戻った美術品の窃盗詐欺師、マイルズ・フォークナーとマイルズの弁護士、ブース・ワトソンのその後に纏わる或る企みが語られつつ、そしてロスはレディ・ダイアナの行動に翻弄されながら、英国を揺るがす世界的なテロ事件の渦中へ放り込まれていきます。そのスリリングな展開は?
 大きく三つのストーリーが混在しながら、うねるように進行し、いつも思うことですが小刻みなカットバックが絶妙なサスペンスを醸し出しています。これは稀代のストーリー・テラー、ジェフリー・アーチャーの(数多くある中での)一つの<真骨頂>と言えるのではないでしょうか?悶え狂うストーリーが肝ですからこれ以上これについて語ることはできません(笑)。
 マーガレット・サッチャーの時代の英国を背景に、麗しきダイアナを生き返らせ、そこにいつもの絵画組(ウィリアムの妻ベスとマイルズの元妻クリスティーナ)の活躍によってヨーロッパ美術の世界もまた堪能させてくれます。
 P.372において「玉蜀黍畑に寝そべっている女性を描いたアンドリュー・ワイエスの作品」が登場しますが、競売場でクリスティーナがそれを一眼で気に入ります。その絵は「クリスティーナの世界」のことなのだろうか?それとも草原に横たわるポリオの女性の姿を描いたその絵画とは別に「玉蜀黍畑に寝そべっている女性」を描いた絵が存在するのだろうか?それともジェフリー・アーチャーがイメージしたものなのだろうか?きっとベス・ウォーウィックに尋ねたら教えてくれるでしょう(笑)。
 絶望的な境遇にあっても力強く立ち上がろうとする「クリスティーナの世界」は、男たちよりも遥かに力強い女性たち、ウィリアムの妻ベスとマイルズの元妻クリスティーナを表すシンボルなのかもしれませんね?
 そして、"Diana, Princess of Wales, I miss you."
 ◾️「狙われた英国の薔薇 ロンドン警視庁王室警護本部 "Next in Line"」(ジェフリー・アーチャー ハーパーBOOKS) 2024/10/29。
狙われた英国の薔薇 ロンドン警視庁王室警護本部 (ハーパーBOOKS)Amazon書評・レビュー:狙われた英国の薔薇 ロンドン警視庁王室警護本部 (ハーパーBOOKS)より
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