カラマ-ゾフの兄弟

評判

カラマ-ゾフの兄弟の評価:

4.26/5点 レビュー 686件。 C ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.26pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全695件 561〜580 29/35ページ
No.135
(2pt)

あかん、やっぱりおもんない。退屈。

高校時代の同級生が昔、「『カラマーゾフ』なんか、最後の方は早く続きが読みたくて仕方なくなった」と言ってたし、ある女流作家(金城ひとみだったかな?)も、「1〜2巻は数ヶ月、3巻以降は数日で読めた」みたいなことを書いていたもんだから、1〜2巻で相当退屈したにも関わらず、半ば意地で、でも少し期待しながら、3巻も数ヶ月かけ、とぎれとぎれでやっと読了した。

 正直な感想=愛読者の皆さん、『カラマーゾフ』ってどこがそんなにいいの?
 
 ミーチャの大時代的で、芝居じみた長ったらしい台詞なんてシラケッパナシ。単に女と酒に溺れやすい激情型人間にしか見えない。父親殺しというモチーフも現代の日本では極々日常的に報道されているし、別に新鮮味もないしなあ。3巻ではアリョーシャやイワンは全く登場せず、ミーチャの一人舞台だが、私にとってはあまり興味深いキャラではない。カラマーゾフも『罪と罰』位の長さ(文庫2巻)で、丁度良い話ではなかろうか。どう考えても、物語としてはダラダラし過ぎた失敗作だと思う。

 4〜5巻どうしようかなあ。こうなりゃ、意地でも読むしかないか。
カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫)より
4334751237
No.134
(5pt)

自分の中のイワンとどう向き合うか

イワンと悪魔の対話は実に現代的だ。
酒鬼薔薇聖斗から福島の母親殺し・・・まで、自分の理屈で他人を傷つけ、殺害する人が増えている。それは自分の中にも潜んでいる。
その得体の知れないものを気づかせ、真摯に向き合うことを教えてくれたのが本書だった。

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)より
4334751067
No.133
(5pt)

昔読んだ人もぜひ

若い頃、共感できなかった「カラマーゾフの兄弟」の新訳本が一昨年に登場し、読みやすさが評判で異例のベストセラーを続けているとのことで、久しぶりに繙いてみました。

なかなか先に進まなかった小説が、翻訳のせいなのか、今の時代に合致したせいか、或いは自身の歳のせいかとても面白く、すらすら頭に入っていきす。

130年前の作品に提示される様々な問題 (権威、権力、信仰、憎愛、虐待、差別等々)の多くは、今もって解決されず、返って深刻さを増しているようにも思えます。
人は、大きな幸せを願いながらも、身近には簡単に傷つき傷つけてしまう。人間とは何か、生きるとは、どういうことなのか…

さて昨年夏にエピローグ別巻を含む全5巻が、完結しその後、訳者は未完の第二部の構想を『「カラマーゾフの兄弟」続編を空想する』と題した新書版で発行し、これも話題となりました。
人生の後半をより心豊かに軌道修正される上で、この古くて新しい最高峰の文学が役立ちますよう。

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)より
4334751067
No.132
(5pt)

遅い盛り上がりだが・・・やはりすごい

読みやすいというので、読みはじめた。べつに読みやすいという感じはなく、普通である。ふつうの日本語という感じだった。ただし、なんともいえない艶がある。人気の秘密は、きっとこの魅力だな、と思った。徐々に盛り上がっていくが、盛り上がり方が遅い。でも、スメルジャコフのあたりからだんだん面白くなった。こういう男がやはり増えているのじゃないか、と思った。たとえば、今回「ルネサンス」殺人事件だって、イワンとスメルジャコフを足して2で割ったようなところがある。父親殺しが主題というのだから、このフョードルが殺されるのだろうが、ちょっとかわいそうなところがある。あそこまでサーヴィス精神旺盛な道化はそうはいないと思うけれど、臭い女に関する趣味のテーマは、けっこうすごい。ドストエフスキーがここまで堕落を知っている作家だとは思わなかった。あそこまで書けるからこそ大作家なんだろうな、とも思う。でも、ドストエフスキーは、どうしてそこまでわかるのか。頭で理解しているだけなのか、それとも彼自身が、どうしようもない道化者で、「悪趣味」なのか。

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)より
4334751067
No.131
(5pt)

イワンと酒鬼薔薇聖斗

難解な原文を分かりやすく翻訳してくれた著者にまず感謝したい。
しかし、内容が重いことに変わりはない。読み進むごとに、何のために生きるのか?という重いテーマが迫ってくる。一昔前なら腰が引けたであろうが、読み進むうちにぐいぐい引き込まれていくのは何故だろう?

多分、もう浮かれて過ごせる時代ではなくなったからだ。収入で勝ち組、負け組に分別される競争社会に我々は疲れ、癒しや救いを求めている。
それに答えてくれるのはドストエフスキーしかいなくなったような気がする。

三兄弟の中で不思議と魅かれたは、次男のイワンだ。心の底では世界を愛し、他人を愛したいと望んでいる。だが、現実には、神も愛もなく、あらゆる行為は許されると考える。
そして、カネや欲望の化身である父親を憎み、殺したがっているが、父親なしでは生きて行けず、悶々と服従している。

イワンで浮かんだのが、10年前に神戸で児童を連続殺傷した14歳の青年、酒鬼薔薇聖斗だ。彼が書いた「懲役13年」という作文は、イワンの告白そのもののように思える。
道徳と法律の境界を彷徨っているイワン的な人物が、今の社会、無数にいるのではないだろうか。

そのことを気付かせ、少しでもアリョーシャに近づくようにと戒めているのではないか、というのが率直な読後感であった。

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)より
4334751067
No.130
(5pt)

この小説は原点だね

死ぬまでには一度は読みたい本、読めばドストエフスキーの小説で一番面白いことが分かるだろう。この小説には理想がある。これ以上の小説は、まず無いね。小説というより宗教書に近いね。
カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)より
4102010106
No.129
(5pt)

旺盛な生命力と笑い

一巻をようやく読み終えた。ようやくというのはふさわしくないかもしれない。圧倒的な重量感とすばらしいリズム感に満ちている。フョードルの存在感がとても際立っていて、なんというか魅力的だと感じた。昔、米川訳で読んだフョードルよりもはるかに真に迫ってくる。つまり、現代人なのだ。また、一般の民衆に接するゾシマ長老の存在感も、おだやかな語り口のなかに高貴な輝きが満ちていて、今回の翻訳の成功の一つだろう。アリョーシャを愛する気持ちがよく表わされている。リーザのラブレターがとてもかわいらしくて、すっかり気に入った。ドストエフスキーは、決して重くない、むしろ旺盛な生命力と笑いに満たされた作家なのだと発見した。これはとても意外な発見だった。いよいよ、第二部に入るが、ちょっと武者震いが出る。
カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)より
4334751067
No.128
(1pt)

悪訳

この新訳ではじめて読んだのだが(ドストエフスキーは『悪霊』『未成年』を既読)どうにも物足りなく、図書館で江川卓の訳を借りてきて比較してみて驚いた。
江川訳のほうがはるかに文意が伝わりやすい。亀山訳は一文ごとに細切れになっていて、文章の接続がわかりにくい。「本よみうり堂」の記事によれば、
「ドストエフスキーの原文は逆接の接続詞や関係代名詞が多く難解だが、亀山訳はすいすいと頭に入る日本語に置き換え」たとのこと。
つまり文章の接続をいじってしまった(カットした?)わけで、つながりが分かりにくくなるのは当然である。これでは「すいすいと頭に入る」というより
文が頭の中を上滑りしていくだけだ。ストーリーを把握するだけならこれでもいいのだろうが、ドストエフスキーのおもしろさがストーリーだけにあるはずもない。
カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)より
4334751067
No.127
(5pt)

新鮮!

ロシアの古典文学ですが、新訳版は読みやすいとの評判だったので読んでみました。
1巻なのでまだ触り程度なのですが、
予想以上にドラマティックで面白いです。
おもしろい!という形容が合う物語だと思っていなかったので結構新鮮。

人間のなんたるかも見え隠れしつつ・・・
登場人物がそれぞれ個性的で魅力的。

2巻以降、更に面白くなるとのことなので続けて読んでみようと思います。
カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)より
4334751067
No.126
(5pt)

愛憎は現代に通ず、、、

イワンとマリョーシャの大審問官は意味深い。
この若いとき読み返した小さな活字をおもいだした。
 新約本はわりと分かりやすく、ソレデモ何度となく読み返した。
亀山さんのはご苦労も多かったかとおもわれるが、古典がベストセラー
というのもたのもしい。
 演劇の世界を見ると案外よくわかる。
文字でドストエフスキーというのはなかなかである。
 26万部突破に恥じない約だとおもう。しかし、いつの世も愛ありいじめあり
殺し自殺とそんなことを考えると人というのは案外変わらぬいきものなんだなと
かんじました。

 みなさんに是非一読推薦いたします。


カラマーゾフの兄弟 4 (光文社古典新訳文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟 4 (光文社古典新訳文庫)より
4334751326
No.125
(4pt)

私も自分の読み方の講釈をひとつ・・

中古の文庫本を100円で購入しました。
上巻をやっと読みました。
とっつきにくい前半は本当に読み進めるのに苦労しました。

社会人ですので、読書の時間は帰りの電車か(朝の電車は本を読む気分にならない)
土日のちょっとあいた時間くらい。(平日は帰ってきてご飯食べて寝るだけ)
なので平行読みでほかの本を読んだりして、
「カラマーゾフ・・」は少しずつ読んでいました。そうそう、どなたかも書かれていましたが、
登場人物が少ないので「罪と罰」よりはよみやすいですね。
何ヶ月かかったのかな〜やっと読みました。

最近なんか「中巻・下巻は一気に読める」みたいなオビをみかけます。
なにか起こりそうな中巻以降が楽しみです。
カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)より
4102010106
No.124
(5pt)

これがなければ...

この5の解題がなければ、私はカラマーゾフの兄弟を読んだことにはならなかったかもしれない!と感じます。

まァ、この解題すらちゃんと理解できたのかは疑問ですが、だいたい読んだかな、8割方は楽しんだかな、という気分になれました。ありがたいことです。

とにかくすごい小説なんですね。というか、ドストエフスキーが壮絶。描かれている人間の感情、観念の幅の広さに圧倒されました。
完結してないことが惜しいです。

カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫)より
4334751334
No.123
(5pt)

倫理と論理

日本に翻訳されてから、あらゆる著名人がこの本を激賞してきた。作家、評論家は勿論、科学者などもこの作品を『世界的名作』『自分が一番影響を受けた本』と賞揚し、絶賛、紹介していた。また、ドストエフスキーという作家の最後で最大の代表的名作という点でも、この本が文学史の上でどれほど重要な位置を占めているかが分かる。世界文学の最高傑作とも言われているこの作品は、神と人間という壮大なテーマを扱っており、自分のような素人目からみても非常に文学的価値が高く、またそれでいて(この翻訳は)誰でも読めるぐらいに敷居が低く親しみやすい素晴らしい作品だと思う。
 内容はカラマーゾフ兄弟(正確にはその父フョードル・カラマーゾフも含む)の金と女と倫理を巡る確執を、彼らの身の回りに起きた様々な出来事を交えながら語っていくという筋。作中の中で何度も『カラマーゾフ的』として取り上げられるほどに、交錯した人間関係と金の絡みが始終つきまとうこの作品は、少々メロドラマの様な所があるが、それらを交えて語られる倫理的な問題は壮大で納得させられる物が多い。登場人物の1人1人の倫理観や個性、無神論の問題(とくに次男イワンの大審問官の所)など構成の豊かさには驚かされるばかりであり、それらの理論も筋が通っていて感心させられてしまう。下の方のレビューの用に涙を誘う箇所もあり、また、『罪と罰』と同じようにミステリアスな謎解きや推理も多く、見所たっぷりの名作と言える。
 物語の進行上、冗長で面白みのない箇所もあるが、それら峠を越えれば様々な視点からこの物語を鑑賞できる様になると思う。とにかく、読んで損する事はない。
(蛇足だが、岩波版の方は訳者による前書きが非常に長く難解で挫折しやすく、光文社新訳文庫の方はとにかく冊数があり、この新潮社版が一番手頃だと思う)
カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)より
4102010106
No.122
(5pt)

ミーチャ

ミーチャと予審判事、検事とのモークロエ(取り調べ場所)でのやり取りが面白かった。ミーチャの「恥辱」について検事たちが理解できなかったのはやむを得ないだろう。ミーチャはグリゴーリーに対しては半殺しにしたにも関わらず、そのことは父殺しの事に比べて対して関心を持っていない。罪の意識も持っていないと思う。

 召使であったとしても一人の人間であるので(しかも自分の命の恩人でもある)、もっと殴ったことに対して罪の意識を持つべきだと思った。助かったからそれでよかった、という問題ではないと思う。
カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫)より
4334751237
No.121
(5pt)

イワンと悪魔

スメルジャコフは気味の悪い人物だ。針入りのパンを犬に食べさせたり、猫の首を絞め葬式をしたりする。イワンもしゃべっていて気がめいっただろう。リーザ・ホフラコーワも同様に薄気味悪い人物だ。アリョーシャの周りには変わった人がたくさんいる。

 裁判に関して:ミーチャの弁護人は立派な弁論をしたと思う。それでも有罪になったのは、陪審員の多くが、ミーチャに元々不快感を持っていたからかも知れない。

カラマーゾフの兄弟 4 (光文社古典新訳文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟 4 (光文社古典新訳文庫)より
4334751326
No.120
(5pt)

2つのとても重要な話

イワンの大審問官の話は圧巻だった。最初読んだときはただ単に読み流しただけで、イワンが何を言いたいのかよく分からなかった。2回目を読み終えた今でもよく分からない。でも1回目に呼んだときには何も感じなかった何かを感じた。夢中になった。結局イワンが述べたいのは以下のようなことだと思う。人類は結局キリストが訴えているような自由を求めていない、ということだ。キリストこそが人間にとって悪魔のようなものなのではないとだろうか、そう言いたいのだと思う。
 ゾシマの死に際における説教についても強烈な印象が残った。人間は互いに尊敬しあうべきである、ということを感じた。ゾシマは科学に頼りきってはいけないとも述べている。科学など、人間の理性から生じたものなど、実は大したことではないのかもしれない。人間にとって一番大切なのは他者の存在を尊重し、しっかりとコミュニケーションを取って、心の底から愛することなのだと思った。

カラマーゾフの兄弟2 (光文社古典新訳文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟2 (光文社古典新訳文庫)より
4334751172
No.119
(4pt)

読んでいると知らない間に随分進んでしまう

じっくりと腰を据えて本を読む機会がなく、
とぎれとぎれとなりましたが、第3巻を読み終えました。
この新訳では、読み始めるとグッとのめり込んでしまい、
時間が経つのも忘れてしまうので、途中で意識して時間を見なければいけません。
以前違う文庫シリーズで読んだときは、なかなか進まないなぁと思ったものでしたが、
それとは全然違うワクワクとした気分です。

第2巻は、大審問官やロシアの修道士などの有名な箇所があって、
それなりに力を入れて読みましたが、
この第3巻は長男ドミートリーとその取り巻きの人間関係が描かれていて、
大きな事件もあったりして、本当に面白く読むことができました。
新しい訳で、ドミートリーが等身大の人間に見えてきますし、
ドミートリーの人間性も理解しやすい気がします。
面白いのは、前の2巻であれだけ大切に扱われてきた他家族3人が、
まるでドミートリーの話しの小道具のようで、
この小説におけるドミートリーの重要性がしみじみ感じられる巻だと思います。

本編は残るもう1巻。楽しみに読ませてもらいます。
カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫)より
4334751237
No.118
(4pt)

若い世代に受ける理由?

学生時代、一度挫折した。
新訳ということで、再チャレンジ。

第一と第二編は、当時ロシアの宗教批判が繰り広げられていて、
これで、今の高校生が読んだり出来るのか、
率直に不思議になった。

しかし、とにかく、
この作品に夢中になる10代がいる。
まさに、そのことが、今の日本の
ある状況を示しているのかも・・・。
この新訳が出たことは、この事実を
明らかにしただけでも、意味がある。

第三編からは、ぐいぐい引き付ける。
しかし、ドストエフスキーの作品は、
どれも、お金にまつわるミステリー色が濃厚で、
この、「金」に対する人間の執着、ということを
読み解くには、どうしても、当時ロシアの
貨幣価値について、注釈が欲しかった。

3千ルーブルの使い込み、とか、
2千ルーブルを元手にヨーロッパに渡った、とか
書かれていても、それが、実際今のお金だと、
どの程度の額なのか、そこがわかればもっとリアルに
読めると思う。
それは、主な登場人物が、ロシアの地主階級で、
不労所得者である、という点で、現代の我々
庶民には、どうもピンとこないからでもある。

最終巻のガイドにそのあたりがあるのか、
しかし、一冊づつ読み進めるのであるから、
最低限の注釈があれば、さらにいいと思う。
カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)より
4334751067
No.117
(5pt)

アリョーシャのいい人ぶりに圧倒される

コーリャは個人的に好きになれない。すこし背伸びをしているような気がする。学問を究めないのに、高尚なことを言うのは良くない。

 彼に対して、アリョーシャは全然偉ぶらない人物で好感が持てる。影でいろんなことを良く勉強しているのだろう。

 私はコーリャのような知ったかぶりをする人間にはならずに、アリョーシャのように高度な知識を備えつつ、かつ慎み深い人間になりたいと思った。
カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫)より
4334751334
No.116
(5pt)

この別巻だけでも買い

古典としては近年異例のベストセラーとなった亀山訳『カラマーゾフの兄弟』。私は新潮文庫版を愛読していたのでそちらの訳文に慣れてしまったが、こちらの亀山訳は確かに平易で簡潔。各登場人物の台詞も、古典翻訳モノでありがちな「実際の日常会話ではほとんど使われることのないであろう文語的表現」は一切出てこず、それがために流れるような文章だ。読みやすさ、という点ではこちらが上。ただし、表現の適度な重厚さ、原文が持っているニュアンスまで出来る限り忠実に再現するために選び抜かれた訳語、その彫心鏤骨さという点では、新潮文庫の原卓夫訳も決して劣らないことを是非主張しておかねばならない(ただ、原訳は少し読点が多すぎ、読書のリズムが損なわれがちな嫌いはある。他の翻訳作品にも見られる特徴なので、これは訳者の癖であろう)。

なんと言っても、この亀山版は各巻の解題・作品解説が素晴らしく、それらが凝縮されたこの「エピローグ別巻」はこれだけでも買う価値がある。ドストエフスキー研究をライフワークとされている氏の作品読解は、流石に半可通では及び難いレベルにまで達している。もちろん翻訳物におまけ程度で付いている解題群など比較にならない。個人的にはこの亀山氏の解説も、作品を十分に読み込み、独自の作品解釈を構築してから読んだ方がよいとは思うが。というか、自分でその域に達してからでないと、他者の解釈も本当には味わえないもの。「カラマーゾフ」を読み込んだ者ほど、氏の解説には唸るであろう。
カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫)より
4334751334