カラマ-ゾフの兄弟

評判

カラマ-ゾフの兄弟の評価:

4.26/5点 レビュー 686件。 C ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.26pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全695件 461〜480 24/35ページ
No.235
(5pt)

川端康成・北條民雄・埴谷雄高

二十年ぶりに本書を読みました。当時は岩波の米川版です。但し第一巻で投げ出しました。
当時私に読めと言った恩師も最近になり亀山版は読みやすいと勧めます。昨年読んだ北條民雄全集でも北條が「いのちの初夜」で得た金で全集を買い求め、死の床でドストエフスキーをむさぼり読みます。北條の師であった川端康成はドストエフスキーと聖書以外は読むなと北條に手紙を書きます。
埴谷雄高の「死霊」の書評を読むと「カラマーゾフの兄弟」が大きく影響しているという。
しょうがない。第一巻を買ってみました。字が大きい。登場人物の名前が整理されている。現代仮名遣い。最近の言葉遣いと単語に置き換えられている。それでも慎重に第一巻を読み終えてから第二巻を買い、そして第三巻を読み終えたところで、残りの第四巻五巻を購入しました。但しさすが大学教授。本編を買うともれなく解説が付いてきます。第五巻は本文は57頁で300頁は解説です。
第四巻の途中から俄然面白くなり、その構成に驚き、130年前の作品とは思えないリアリティを以て迫ってきました。
ドストエフスキーは本作を3年で書き上げたようですが、埴谷雄高は40年費やし未完でした。本書のパロディが「死霊」です。と言ったら礫が飛んできそうですが、「死霊」の方が面白かったです。
でも、本書の幾重もの心理描写は幕末から明治に生きたニコライが帰国した際にドストエフスキーと面会を果たした逸話を知るに及び私に納得は出来ました。
スメルジャコフの心理が印象に残りました。
農奴制が崩れ、初期資本主義が浸透し始めた弱体化が始まったロシア帝国が背景にありますが、普遍的な命題を帯びた大衆小説だと思います。発表当時のロシアでは識字率や個人収入から見て大衆小説ではなかったでしょう。また、また旧訳も大衆小説のつもりで訳したわけではないでしょうが。ロシア語が母国語ではない私は、まるで下手くそな舞台演出には目をつぶります。観客に席を立たれないことが大切です。
友人が現在モスクワに赴任していますが、ロシアの人々は電車やカフェで皆本を読み、本屋で山のように本を買い込み、週末を郊外の小屋(ダーチャ)で読書三昧するとのことです。読書好きのロシア人が生んだ文化なのでしょう。
書店には幾種類もの装丁の「罪と罰」や「カラマーゾフの兄弟」があるそうです。
私が友人に頼んでEMSで送ってもらった原書「カラマーゾフの兄弟」はTOM1(384頁)とTOM2(541頁)でした。
豪華なインテリアです。
あんな小説は雪に閉ざされた白夜の民が読む本だなんて切り捨てていた自分を反省します。正直に申します。それでも私は通勤電車で丸1ヶ月はかかりました。
カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)より
4334751067
No.234
(5pt)

総合小説

19世紀中期、無神論が横行する混乱期のロシア社会の中で、主人公の精神的支柱であった長老が亡くなる。

その直後、共通の愛人を巡る父と長兄との醜悪な争いのうちに或る事件が生じる。


罪とは何時生じるものなのでしょうか。刑事上において過ちを犯した時なのでしょうか、もしくは罪の認識がなされた時なのでしょうか。罪と対峙する時、人は何を思うのでしょうか…。


「僕が泣いているのは楽しいからで、悲しみのためじゃありませんよ。僕はみずからすすんで、みなに対して罪深い人間でありたいと望んでいるんです。ただ、うまく説明できないだけですよ。だって僕はそういう美や栄光をどうやって愛したらいいのか、わからないんですもの。僕はあらゆるものに対して罪深い人間でいいんだ、その代りみんなが僕を赦してくれますからね。これこそ楽園じゃありませんか。はたして僕が今いるところは、楽園じゃないでしょうか?」
カラマーゾフの兄弟〈中〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟〈中〉 (新潮文庫)より
4102010114
No.233
(5pt)

総合小説

父親殺しの嫌疑をかけられた長兄の裁判が始まる。公判が進むにつれて、事件は意外な方向へと発展し、終焉を迎える。


1世紀以上前に書かれた作品ですが、現代に通ずる点も多く、普遍的な内容を孕んでいます。


歴史とは繰り返すものなのでしょう。現代は過去と比較して著しく発展したように錯覚をしがちですが、根幹は進歩しておらず、何も学んでいないのではないでしょうか。

何も学ばないにもかかわらず、見返りを求め続けているのでしょう。人間は誰しも無意識下において赦される事を望んでいるのではないでしょうか…。


「人間たちは、文句なしにすぐれたあれほどの知性をそなえながら、この喜劇を何か深刻なものにとり違えているんだよ。そこに彼らの悲劇もあるわけだがね。そりゃ、もちろん、人間たちは苦しんでいるよ、しかし…その代り、とにかく生きているじゃないか、幻想の中でじゃなく、現実に生きているんだ。なぜなら苦悩こそ人生にほかならないからね。苦悩がなかったら、たとえどんな喜びがあろうと、すべては一つの無限なお祈りと化してしまうことだろう。」
カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫)より
4102010122
No.232
(5pt)

総合小説

物欲の権化のような父とそれぞれ異なりながら血を引いた三人の兄弟、そして私生児。

個性豊かな面々ですが、それは理性やら常識やら体裁などといった物によって抑制しているだけであり、誰もが持ち合わせているもなのでしょう…。


生死、恋愛、宗教、哲学など様々なテーマを孕んでいます。一体人間とは何ものであるのでしょうか…。


「かりに俺が人生を信じないで、愛する女性にも幻滅し、世の中の秩序に幻滅し、それどころか、すべては無秩序な呪わしい、おそらくは悪魔的な混沌なのだと確信して、たとえ人間的な幻滅のあらゆる恐ろしさにうちのめされたとしても、それでもやはり生きてたいし、いったんこの大杯に口をつけた以上、すっかり飲み干すまでは口を離すものか!」
カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)より
4102010106
No.231
(5pt)

6度目の挑戦でした。

本書は6度目の挑戦で、ついにもうすぐ全巻完読するところまできました。
学生の時から挫折を繰り返すこと5回、40才の手前になって、この新訳で初めて壁を超えられたような気がします。
いままでは、文章から強烈な魅力を感じると同時に、読んでいるうちに登場人物のキャラの濃さとストーリーの展開の激しさにあてられて、息苦しくなってきて、やめての繰り返しでした。

この新訳は、訳もわかりやすいのですが、字が大きくて行間がとってあって、キツイ話を読んでいても、必要以上に息苦しくならない(過集中しなくてすむ)感じがしました。巻末にある読書ガイドも、息抜きできてとてもよいです。

初めて、ドストエフスキーを読む人、過去に途中で投げ出した人、目が悪い人にもおすすめします。
カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)より
4334751067
No.230
(4pt)

やっと読み終わりました。

去年購入したものの、上まで読んで、その後忙しくなり、また上を読み直し、また忙しくなりと、
なかなか読み進むことが出来なかったんですが、やっと読み終えることができました。
が・・・。続きが読みたい!!ここまででも最高傑作だとは言われていますが、
本当に最高傑作なだけに続きが読みたくて仕方がないです。
未完だなんて、本当に残念でなりません。
これから、アリョーシャがどうなっていくのか、これからという時に・・・。
本当に残念です。
仕方がないので、他のドストエフスキー作品でも読んでみます。
カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫)より
4102010122
No.229
(5pt)

言葉が出ないほどの迫力と感動

高校生の私でも、最後までグイグイと読み終えることが出来ました。特に中巻からは文字通り寝食を忘れて読みました。私はクリスチャンなので、神と人というこの大きな永遠のテーマに興味を持って読みはじめたのですが、大審問官の部分では衝撃で心身が震えました。クリスチャンは是非是非、何度も読むべき本だと思いました。
また、登場人物がとても魅力的に書かれています。兄弟それぞれに愛すべき所が沢山あり、結末近くはそれぞれのために涙が止まりませんでした。裁判部分も迫力があり、推理小説としても一流です!

長々と書いて何が言いたいかというと、長さと前評判だけで、この本を敬遠している高校生に、是非手にとってほしいということです。世界にこんな傑作があったのか!と衝撃を受けること間違いなしです。
カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫)より
4102010122
No.228
(5pt)

後ろの読者ガイドが良い

正直キリスト教の信者でないと挫折しそうになる。そこをこの読者ガイドが助け舟を出してくれる。しかし内容の濃いこと、しかもなんとも多くの箴言が含まれている事か。読むのに時間はかかるが日本の最近の流行作家より頭二つか、いや異次元のレベルまで抜きん出ている。内容の薄い本を多読するよりもこの本一つを熟読するほうが遥かに優れていると個人的に思いました。
カラマーゾフの兄弟2 (光文社古典新訳文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟2 (光文社古典新訳文庫)より
4334751172
No.227
(4pt)

分かりにくいが…

かねてから挑戦しようと思っていたカラマーゾフの兄弟を読破することができた。内容は少し私の頭脳では分かりにくかったが、以下が私の感想である。
父親殺しは結局誰だったのか?これがはっきりとは書いていないので謎のまま終わっている。
もう一つは、アリョーシャに関わった少年たちである。彼らとの接触は、書かれずに終わった続編の主要人物と言われている。彼らの行動に何の意味があるのか?
その他、ミーチャの独白の中で「美」についての一こまがある。これは三島由紀夫の「仮面の告白」の中にも出てくるので要注意しておくと面白い者である。
また、ポーランド人も登場してくるが、このころのロシアとポーランドとの微妙な関係が分かり興味深いのではないだろうか。この作品は、再読、再再読の価値があるが、わかりにくいので星4つとした。
カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)より
4102010106
No.226
(5pt)

特にキリスト教に縁ある人にオススメかも?

清濁併せ呑むとは、この作品にこそふさわしい言葉でしょう!西洋的な神と人がテーマに
なっているので、キリスト教に縁遠い人には入り込みにくいところがあるみたいですね(私
は親が信者でした)。オウム事件などからきた宗教アレルギーのせいもあるのかもしれませ
んが、その辺を抜きにしてこの作品は語れないと思います。しかし様々な角度から語れても
しまうのがこの作品のすごい所です!
 
 新訳も出ていますが、私の特に好きなゾシマ長老の話の所(他のレビュアーさんの中で退
屈と書かれている方が何人かいるのが私には驚きでした!)は、こちらの訳の方が断然良い
と感じます(そこしか比較してませんが)!

 濁サイドは受け入れ難いかもしれませんが(私は濁サイドも好きですよ!)、清サイドの
ドストエフスキーの想像力の素晴らしさは、きっと?初詣に寺に行くようなクリスチャンに
も伝わると思います!
カラマーゾフの兄弟〈中〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟〈中〉 (新潮文庫)より
4102010114
No.225
(3pt)

辿りついた

過去異なる訳で2回挑戦して、途中で断念し
今回の訳で3度目の挑戦でした。

読んだというよりは、
辿りついたという感じです。

文豪の文章はタフで、
何度も畳みかけるように
繰り返し表現されます。
私にはそれが冗長に感じられ、
どうしてものめり込めませんでした。
自分の実力が本に及ばなかったのかも
しれません。

ただこれだけの文章を書くには、
命を削らなくては書けないのではと
いう感想です。
カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫)より
4334751334
No.224
(5pt)

長いけど、一気に読ませる迫力がある

長年トライしてみようと思いながらも、なかなか時間が取れず、
読まずじまいだった本。
今回意を決して読み始める。…と思っていたよりずっと早く
読了してしまった。

とにかく圧巻の人物描写と、ある事件を巡るスリリングな展開
とにぐいぐい引き込まれる。

読んでいる間ずっと、
人間にとって自由とは何か、信仰とは何かを深く考えさせられ、
同時に、自分にとっての「答え」を要求される緊張感に包まれる。

この先、何度も読み返したい超名作である。
カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)より
4102010106
No.223
(1pt)

納得いかない

納得いかない誤訳と日本語の使い方。
この先生、もう一度日本語勉強しなおしたほうがよいんじゃないでしょうか。
カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫)より
4334751237
No.222
(3pt)

ウイトゲンシュタイン

私の友人で哲学マニアがいる。話題はいつもフーコーやヘーゲルのことばかり。ある時、ウイトゲンシュタインの話になった時、ウイトゲンシュタインは『カラマーゾフの兄弟』を50回精読したという逸話を語ってくれた。私には『カラマーゾフの兄弟』を50回も精読するほどの根性はないが新潮文庫の原卓也訳で2回、亀山訳で1回読み直した。回数を重ねれば読後感が深まるかと思ったがまだよくわからない。ドストエフスキーがそんなに簡単に分かるわけはないんだと思った。これからもウイトゲンシュタインの50回めざして(一生のうち何回読み返せるか分からないが)読み続けることだろうと思う。
カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)より
4334751067
No.221
(1pt)

面白くない

東大教授たちが新入生に進める本の上位常連というので期待したが、単純に面白くなかった。ひたすら冗長で、残ったのは読みきったという達成感だけであった。
 物語としても別段珍しいわけでもなく、人間内面の機微の描き方としても別に驚きはない。また、訳者の妙に高いテンションには辟易させられた。
 その時代にそれが描かれた事の意義を楽しむ、と言う意味での古典として読むべき本であるのかもしれない。古典として楽しむのであればよいが、新たな知見を得るための読書には向かない。
カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)より
4334751067
No.220
(5pt)

さすがは最高傑作

史上最高峰との文学と言われるほど名高い、ドストエフスキーの最晩年の作品である。
その「謳い文句」に関わらず、私がこれまでの人生で最も感動した、うち震えるほどの感動をしたのがこの作品であった。
私は現在32歳であるが、『カラマーゾフの兄弟』は3回通読した程である。

淫蕩の限りを尽くす、父フォードル、自らを卑劣漢とまで称しながらも最も誇り高い長男ドミートリー、冷徹な哲学的見地に立つことで「カラマーゾフ的血縁」を憎みながらも生命の崇高さを誰よりも強く思う次男イワン、神学の道に身を置きながら俗世へ下りその後最も「カラマーゾフ的な性質」の現れが臭われた聖人アレクセイ。

この4人の「カラマーゾフ」によって物語は展開する。

神学的なモチーフがふんだんに用いられながらも、父フォードルの謎の死というプロットによって物語はサスペンス的なスピード感を持つことになり、これが読者を一気に惹き付けることになる。

直情的なドミートリーが最も怪しまれつつ、イワンの皮相な思想談義に動機が臭いそれを後押しするかのように登場する従僕スメルジャコフによるイワンの思想の極端化、どの兄とも決して疑わないアレクセイの愛と献身、これらが折り重なり、最終的には最も悲劇的な結末を迎えることになる。

一般にロシア文学は難関だというイメージがあるかと思われるが、私はそこらの娯楽小説を読むくらいなら時間をかけてでも『カラマーゾフの兄弟』を読むべきだと強く奨めたい。
カラマーゾフの兄弟〈中〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟〈中〉 (新潮文庫)より
4102010114
No.219
(5pt)

さすがは最高傑作

史上最高峰との文学と言われるほど名高い、ドストエフスキーの最晩年の作品である。
その「謳い文句」に関わらず、私がこれまでの人生で最も感動した、うち震えるほどの感動をしたのがこの作品であった。
私は現在32歳であるが、『カラマーゾフの兄弟』は3回通読した程である。

淫蕩の限りを尽くす、父フォードル、自らを卑劣漢とまで称しながらも最も誇り高い長男ドミートリー、冷徹な哲学的見地に立つことで「カラマーゾフ的血縁」を憎みながらも生命の崇高さを誰よりも強く思う次男イワン、神学の道に身を置きながら俗世へ下りその後最も「カラマーゾフ的な性質」の現れが臭われた聖人アレクセイ。

この4人の「カラマーゾフ」によって物語は展開する。

神学的なモチーフがふんだんに用いられながらも、父フォードルの謎の死というプロットによって物語はサスペンス的なスピード感を持つことになり、これが読者を一気に惹き付けることになる。

直情的なドミートリーが最も怪しまれつつ、イワンの皮相な思想談義に動機が臭いそれを後押しするかのように登場する従僕スメルジャコフによるイワンの思想の極端化、どの兄とも決して疑わないアレクセイの愛と献身、これらが折り重なり、最終的には最も悲劇的な結末を迎えることになる。

一般にロシア文学は難関だというイメージがあるかと思われるが、私はそこらの娯楽小説を読むくらいなら時間をかけてでも『カラマーゾフの兄弟』を読むべきだと強く奨めたい。
カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫)より
4102010122
No.218
(5pt)

さすがは最高傑作

史上最高峰との文学と言われるほど名高い、ドストエフスキーの最晩年の作品である。
その「謳い文句」に関わらず、私がこれまでの人生で最も感動した、うち震えるほどの感動をしたのがこの作品であった。
私は現在32歳であるが、『カラマーゾフの兄弟』は3回通読した程である。

淫蕩の限りを尽くす、父フォードル、自らを卑劣漢とまで称しながらも最も誇り高い長男ドミートリー、冷徹な哲学的見地に立つことで「カラマーゾフ的血縁」を憎みながらも生命の崇高さを誰よりも強く思う次男イワン、神学の道に身を置きながら俗世へ下りその後最も「カラマーゾフ的な性質」の現れが臭われた聖人アレクセイ。

この4人の「カラマーゾフ」によって物語は展開する。

神学的なモチーフがふんだんに用いられながらも、父フォードルの謎の死というプロットによって物語はサスペンス的なスピード感を持つことになり、これが読者を一気に惹き付けることになる。

直情的なドミートリーが最も怪しまれつつ、イワンの皮相な思想談義に動機が臭いそれを後押しするかのように登場する従僕スメルジャコフによるイワンの思想の極端化、どの兄とも決して疑わないアレクセイの愛と献身、これらが折り重なり、最終的には最も悲劇的な結末を迎えることになる。

一般にロシア文学は難関だというイメージがあるかと思われるが、私はそこらの娯楽小説を読むくらいなら時間をかけてでも『カラマーゾフの兄弟』を読むべきだと強く奨めたい。
カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)より
4102010106
No.217
(5pt)

ドスト初心者へのレビュー!

読みやすい!って事で話題になってますが

・話が非常に長い
・進んでいくスピードもゆっくりでダラダラ感を感じる(部分もある)
・日本ではあまり馴染みのない「キリスト教」色が異常に強い

↑翻訳が読みやすくなったからって上記に書かれた事が変わるわけじゃないので
あまり普段本を読まない人は最後まで読むのは非常に厳しいかもしれません

まずは「ドストエフスキー」という作家にある程度信頼を置いてから読むべきでしょう。

まずドストを読んだことない人は「罪と罰」を読んでください(亀山訳でも出てます)
「罪と罰」の方が話は非常にスリリングに進んでいくし、主人公の不安や焦りが直に伝わってきてほんとに興奮します
初心者は絶対!罪と罰の方が読みやすいです
それで「ドスト」面白い!ってなったらカラマーゾフも読んでくださいな。

あと翻訳について
この光文社の翻訳で面白い!って思えたら他の翻訳(たとえば新潮文庫)でも読んでみたい!って思えると思いますから全然初心者は光文社のでかまわないと思います。世界的な名作ですから何回も読むきっかけにもなるでしょうし。

(あと巻末の「読書ガイド」も初心者にはすごくありがたい!)

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)より
4334751067
No.216
(1pt)

読み易ければいいのか?

ある翻訳者は、そのあとがき(本書では解説となっています)でこのように書いています。

「この邦訳は、原本を底本として、きわめて忠実に、できるだけ(作者)の文体、格調を生かしながら訳すことに努めたつもりである。」
・原本名、作者名は省略しました。

翻訳とは、本来このようにあるべきではないでしょうか。



カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫) Amazon書評・レビュー: カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)より
4334751067