(短編集)

メルカトルかく語りき

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評判

メルカトルかく語りきの評価:

4.00/5点 レビュー 42件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.00pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全74件 61〜74 4/4ページ
No.14
(4pt)

どうしても面白本が読みたい人はやめましょう。

基本的にはおもしろかった。実験小説ですよね、でも。
なので、あんまりネタバレはかけません。
端っこの方を触るようにレビューすると、
文章としては、最近マンネリ気味な東川作品よりも
毒が効いていて、好き。
そして、論理的なタッチも好みです。
本作は、この「論理」を突き詰めていった先の
結論の意外さを楽しむというか、馬鹿にするな!っていう
人には受けないだろうなぁというエンディングをするという
ああ、何とも書きようがないですが……
扉袖に、作者から、メルカトル(探偵)は不可謬です。
したがって彼の結論も無謬です。あしからず。
みたいなメッセージが書かれていて、全編読んだ後に
改めて見直したら、あ、それであしからずなのですね、
と腑に落ちました。

なので、読むものに困ってる人とか、とにかく本が好きな人は
これ好きだと思うんですけど(僕は後者)、一発でおもしろい
推理小説に出会いたい、という人はやめた方がいいんでしょうね。
実験的「本格推理」としては興味深いけど。

メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7) Amazon書評・レビュー: メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7)より
4061827782
No.13
(3pt)

とんでもない短編集

最初の短編を読み終えた直後は「え?これで終わり?」と呆然とせざるを得なかった。なぜならミステリにおける基本構造の一要素を完全に無視したまま話が終わってしまったからだ。実験的なストーリーを作る作者と知っていてもなお面食らわずにはいられなかった。

しかし他の短編も読み進めていく中で、この短編集が明確なコンセプトのもとで作られたものだと分かってくるにつれ、次第に銘探偵メルカトルシリーズとしては「あり」という考えに落ち着いた。

何故なら基本構造の一要素を完全に無視することで、よりいっそう銘探偵メルカトルの性悪さが際立つ結果になっている。そのため美袋とのやり取りが他のシリーズと比較して、より面白く楽しめる内容になっている。また逆説的にメルカトル以外のいったい誰がこのコンセプトの短編集で探偵役を務められるのかと考えると、他の誰にもできるわけもないよなと妙に納得してしまう。銘探偵とはよく言ったものだ。

実験的な要素とメルカトルの性悪さを堪能できたので個人的には☆5つだが、万人には薦められないので☆3つ。
メルカトルかく語りき (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: メルカトルかく語りき (講談社文庫)より
4062777932
No.12
(3pt)

とんでもない短編集

最初の短編を読み終えて、あっけに取られた。え?これで終わり?と。正直もやもやとした気分が消えず、釈然としない時間を過ごすはめになった。

なぜならミステリにおける基本構造の一要素を完全に無視したまま、話が終わってしまったからだ。実験的なストーリーを作る作者と知っていてもなお、面食らった。

しかし読み進めていき、そういうコンセプトのもとで作られた短編集だということが分かってくると、がらりと印象が変わった。

まず、基本構造の一要素を完全に無視することで、より一層、銘探偵メルカトルの性悪さが際立つ結果になっている。そのため美袋とのやり取りが他のシリーズと比較しても面白く、より楽しめるものになっている。そうすると、これはこれでありかもと思えるようになった。

また、逆説的にメルカトル以外のいったい誰が、このコンセプトの短編集で探偵役を務められるのかと考えると、他の誰にもできるわけもなく、銘探偵メルカトルシリーズの短編集としては、この話でもありという判断に落ち着いた。銘探偵とはよく言ったものだ。

実験的な要素とメルカトルの性悪さを堪能できたので個人的には☆5つだが、万人には薦められないので☆3つ。
メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7) Amazon書評・レビュー: メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7)より
4061827782
No.11
(3pt)

メルカトルらしい作品

麻耶雄嵩氏の最新作で、日本推理作家協会賞受賞後の第一作となります。
 メルカトル鮎という、彼の作品シリーズの中で登場する銘探偵(名探偵ではなく銘探偵です)が主人公ときいて思わず買ってしまいました。メルカトル鮎は、つねにシルクハットにタキシードという衣装で暮らし、初登場作品でいきなり死亡するという、ものすごく特殊でエキセントリックな活躍で記憶に残る銘探偵でしたので、彼が主人公というだけで買ってしまいました。
 内容のほうは、彼が遭遇する五つの事件を、彼とその記録作家の美袋が解き明かしていくというものですが、、、普通のいわゆる一般推理ものを期待して読むと大いに肩すかしというか、投げたくなる話ばかりです。なので、普通に推理ミステリを読もうという方にはおすすめできません。でも、普通のミステリではなく、メタミステリであるとか、定石から外れた変則的なミステリを読もうという方であれば、或はミステリという枠の中で何ができるかという実験的要素を楽しめる方であれば、はまる方も出てくるのではないかと思います。
 過去作品から比べると、盛り上がりや、推理の切れ、カタルシスという点については落ち気味ですので、高評価はできませんが、かなり特殊なミステリを書くという視点はぶれない麻耶さんらしい作品には仕上がっています。
 ファンにはお勧めできるけれど、一般にはお勧めしづらいという点でもぶれていないです。
メルカトルかく語りき (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: メルカトルかく語りき (講談社文庫)より
4062777932
No.10
(3pt)

メルカトルらしい作品

麻耶雄嵩氏の最新作で、日本推理作家協会賞受賞後の第一作となります。
 メルカトル鮎という、彼の作品シリーズの中で登場する銘探偵(名探偵ではなく銘探偵です)が主人公ときいて思わず買ってしまいました。メルカトル鮎は、つねにシルクハットにタキシードという衣装で暮らし、初登場作品でいきなり死亡するという、ものすごく特殊でエキセントリックな活躍で記憶に残る銘探偵でしたので、彼が主人公というだけで買ってしまいました。
 内容のほうは、彼が遭遇する五つの事件を、彼とその記録作家の美袋が解き明かしていくというものですが、、、普通のいわゆる一般推理ものを期待して読むと大いに肩すかしというか、投げたくなる話ばかりです。なので、普通に推理ミステリを読もうという方にはおすすめできません。でも、普通のミステリではなく、メタミステリであるとか、定石から外れた変則的なミステリを読もうという方であれば、或はミステリという枠の中で何ができるかという実験的要素を楽しめる方であれば、はまる方も出てくるのではないかと思います。
 過去作品から比べると、盛り上がりや、推理の切れ、カタルシスという点については落ち気味ですので、高評価はできませんが、かなり特殊なミステリを書くという視点はぶれない麻耶さんらしい作品には仕上がっています。
 ファンにはお勧めできるけれど、一般にはお勧めしづらいという点でもぶれていないです。
メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7) Amazon書評・レビュー: メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7)より
4061827782
No.9
(1pt)

納得させてくれと言うのは野暮なのか。

一読して、ミステリとして欠陥品だという印象しか受けなかったが、「もしかしてミステリに対しての問題提起なのでは!?」「実験精神か!?」「作者の稚気では!?」「メルカトルだから仕方ないのか!?」と考えた。でもやっぱりこれは『欠陥品』だと思う。相変わらず論理を突き詰めていくシーンは圧倒的濃度だが、説明文の堅さとヘタさで読者置いてけぼり。すべてが台無しになっている。『翼ある闇』や、途中まで読んで投げ捨ててしまった『夏と冬』くらいつまらない(『隻眼の少女』は面白かった)。それにしても、昔から思っていたけど、メルカトルって、本当に邪悪な探偵だな〜…。
メルカトルかく語りき (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: メルカトルかく語りき (講談社文庫)より
4062777932
No.8
(1pt)

納得させてくれと言うのは野暮なのか。

一読して、ミステリとして欠陥品だという印象しか受けなかったが、「もしかしてミステリに対しての問題提起なのでは!?」「実験精神か!?」「作者の稚気では!?」「メルカトルだから仕方ないのか!?」と考えた。でもやっぱりこれは『欠陥品』だと思う。相変わらず論理を突き詰めていくシーンは圧倒的濃度だが、説明文の堅さとヘタさで読者置いてけぼり。すべてが台無しになっている。『翼ある闇』や、途中まで読んで投げ捨ててしまった『夏と冬』くらいつまらない(『隻眼の少女』は面白かった)。それにしても、昔から思っていたけど、メルカトルって、本当に邪悪な探偵だな〜…。
メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7) Amazon書評・レビュー: メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7)より
4061827782
No.7
(1pt)

納得させてくれと言うのは野暮か。

一読して、ミステリとして欠陥品だという印象しか受けなかったが、「もしかしてミステリに対しての問題提起なのでは!?」「作者の稚気では!?」「メルカトルだから仕方ないのか!?」と考えた。でもやっぱりこれは『欠陥品』だと思う。相変わらず論理を突き詰めていくシーンは圧倒的濃度だが、説明文の堅さとヘタさで読者置いてけぼり。すべてが台無しになっている。それでも、『翼ある闇』や、途中まで読んで投げ捨ててしまった『夏と冬』よりはマシ(『隻眼の少女』は面白かった)。それにしても、昔から思っていたけど、メルカトルって、本当に邪悪な探偵だな〜…。
メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7) Amazon書評・レビュー: メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7)より
4061827782
No.6
(5pt)

脳みそ…腐ってる!!!

左利きの人間もとっさに右手で何かすることがあるかもしれないけれど、そういうことを言い出したらきりがないからそれについては恣意的に考えない。

 密室状態の室内でも、原子や空気が突然変な動きをして勝手に被害者を死に至らしめたのかもしれないけれど、そういうことを言い出したらきりがないからそれについては恣意的に考えない。

 それが本格ミステリであるなら、「こういう方向に」恣意を働かせたって決してアンフェアではないよね? そんな声が聞こえてくるようです。

 一分の隙もない論理を積み重ねた結果として現れる、幻想小説のように薄気味悪くカオスな光景。

 解決するとはどういうことなのか? 根拠があるとはどういうことなのか?

 それを考えることで初めてこの本は幻想小説から本格ミステリに姿を変えるのだと思います。

 余談ながら『答えのない絵本』の「もちろん、××は××より以前にぶら下げておく」には大いに爆笑しました…そのちょっと前から既に正気の沙汰ではないけどこれはもうだめだ、我慢できない。
メルカトルかく語りき (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: メルカトルかく語りき (講談社文庫)より
4062777932
No.5
(5pt)

脳みそ…腐ってる!!!

左利きの人間もとっさに右手で何かすることがあるかもしれないけれど、そういうことを言い出したらきりがないからそれについては恣意的に考えない。

 密室状態の室内でも、原子や空気が突然変な動きをして勝手に被害者を死に至らしめたのかもしれないけれど、そういうことを言い出したらきりがないからそれについては恣意的に考えない。

 それが本格ミステリであるなら、「こういう方向に」恣意を働かせたって決してアンフェアではないよね? そんな声が聞こえてくるようです。

 一分の隙もない論理を積み重ねた結果として現れる、幻想小説のように薄気味悪くカオスな光景。

 解決するとはどういうことなのか? 根拠があるとはどういうことなのか?

 それを考えることで初めてこの本は幻想小説から本格ミステリに姿を変えるのだと思います。

 余談ながら『答えのない絵本』の「もちろん、××は××より以前にぶら下げておく」には大いに爆笑しました…そのちょっと前から既に正気の沙汰ではないけどこれはもうだめだ、我慢できない。
メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7) Amazon書評・レビュー: メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7)より
4061827782
No.4
(5pt)

相変わらず途方に暮れさせてくれる「銘」探偵の短編集

「死人を起こす」「九州旅行」「収束」「答えのない絵本」「密室荘」収録。
メルカトルシリーズのうち2009〜10年と最近発表された作品4編と、書き下ろし短編が1編(「密室荘」)という構成。

著者の言葉からもわかる通り「銘」探偵メルカトル鮎は無謬の探偵としておかれた存在であって、その原理上彼が語る論理が誤りであることはない。だからこそ収録されている5編の結末のいずれもに読んでいる側は困惑させられることになる。なかでも後半3つ「収束」「答えのない絵本」「密室荘」はとても著者(メルカトル?)の性向が良く理解できるのでは。本格ミステリの本のレビューとしてあまり詳しくは話せないけれど「収束」は普通に1年に1度あるかないかの作品で、おすすめしたい。「答えのない絵本」「密室荘」は読んでいて途方に暮れてしまった。前作『メルカトルと美袋のための殺人』収録「遠くで瑠璃鳥の啼く声が聞こえる」を初めて読んだ時の困惑感。こちらは問題作ではあったが再読するほどに良くできた作品でしたがこちらは果たして・・・?少し時間を空けてもう一度精読するつもり。

相変わらず初めての方にはすすめづらい作風ですが、著者の本格を読み続けてきた読者の方には文句なくおすすめできる出来になっています。
メルカトルかく語りき (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: メルカトルかく語りき (講談社文庫)より
4062777932
No.3
(5pt)

相変わらず途方に暮れさせてくれる「銘」探偵の短編集

「死人を起こす」「九州旅行」「収束」「答えのない絵本」「密室荘」収録。
メルカトルシリーズのうち2009〜10年と最近発表された作品4編と、書き下ろし短編が1編(「密室荘」)という構成。

著者の言葉からもわかる通り「銘」探偵メルカトル鮎は無謬の探偵としておかれた存在であって、その原理上彼が語る論理が誤りであることはない。だからこそ収録されている5編の結末のいずれもに読んでいる側は困惑させられることになる。なかでも後半3つ「収束」「答えのない絵本」「密室荘」はとても著者(メルカトル?)の性向が良く理解できるのでは。本格ミステリの本のレビューとしてあまり詳しくは話せないけれど「収束」は普通に1年に1度あるかないかの作品で、おすすめしたい。「答えのない絵本」「密室荘」は読んでいて途方に暮れてしまった。前作『メルカトルと美袋のための殺人』収録「遠くで瑠璃鳥の啼く声が聞こえる」を初めて読んだ時の困惑感。こちらは問題作ではあったが再読するほどに良くできた作品でしたがこちらは果たして・・・?少し時間を空けてもう一度精読するつもり。

相変わらず初めての方にはすすめづらい作風ですが、著者の本格を読み続けてきた読者の方には文句なくおすすめできる出来になっています。

メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7) Amazon書評・レビュー: メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7)より
4061827782
No.2
(4pt)

実験。

相変わらずのメルカトル、美袋の掛け合いが面白い。普通に読んでいて面白いというのも、存外大事なことだと私は思う。
内容だが、この五作はすべて同様の趣向が凝らされている。この趣向については前例はあるかもしれないが、ここまで徹底して様々な手法と実験精神で取り組んだのは麻耶が初めてだろう。この作家、とにかく独自の問題意識を持ち、非常に高度な論理構築の業を以てそれを支える。その問題意識を共有でき、論理の美しさを正当に評価できる読者、所謂マニアこそがどっぷりとはまってしまう所以だ。
「死人を起こす」で若干不満に思ったものの、全体の趣向から見れば妥当なラストか。何より面白かったのが「収束」。事件自体は単純なものなのに対し、途中まで著者の意図がまったくわからない。Who done itだのWhat done itだのそういう括りですら、もはやない。やはり問題意識を持たなければ真の創造はできないのだと身につまされる思いだった。そして単純にラストのどんでん返しの鋭さも一番だった。残りの三作も非常に個性的で粒ぞろい、独創的で意外なラストととても面白いのだが、欲を言えば若干問題意識が先行しすぎ、自縄自縛となった感もあり、評価が別れるところだろう。著者の作品の中でも実験要素が強い短編集となっている。

いずれにせよこの小品集には事件解決に伴う爽快感など欠片もないので、そういったものをミステリに期待される方は手に取らない方が懸命かと。
メルカトルかく語りき (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: メルカトルかく語りき (講談社文庫)より
4062777932
No.1
(4pt)

実験。

相変わらずのメルカトル、美袋の掛け合いが面白い。普通に読んでいて面白いというのも、存外大事なことだと私は思う。
内容だが、この五作はすべて同様の趣向が凝らされている。この趣向については前例はあるかもしれないが、ここまで徹底して様々な手法と実験精神で取り組んだのは麻耶が初めてだろう。この作家、とにかく独自の問題意識を持ち、非常に高度な論理構築の業を以てそれを支える。その問題意識を共有でき、論理の美しさを正当に評価できる読者、所謂マニアこそがどっぷりとはまってしまう所以だ。
「死人を起こす」で若干不満に思ったものの、全体の趣向から見れば妥当なラストか。何より面白かったのが「収束」。事件自体は単純なものなのに対し、途中まで著者の意図がまったくわからない。Who done itだのWhat done itだのそういう括りですら、もはやない。やはり問題意識を持たなければ真の創造はできないのだと身につまされる思いだった。そして単純にラストのどんでん返しの鋭さも一番だった。残りの三作も非常に個性的で粒ぞろい、独創的で意外なラストととても面白いのだが、欲を言えば若干問題意識が先行しすぎ、自縄自縛となった感もあり、評価が別れるところだろう。著者の作品の中でも実験要素が強い短編集となっている。

いずれにせよこの小品集には事件解決に伴う爽快感など欠片もないので、そういったものをミステリに期待される方は手に取らない方が懸命かと。
メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7) Amazon書評・レビュー: メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7)より
4061827782