(短編集)

メルカトルかく語りき

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評判

メルカトルかく語りきの評価:

4.00/5点 レビュー 42件。 B ランク

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平均点4.00pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全74件 41〜60 3/4ページ
No.34
(5pt)

これがメルカトル鮎だ!!

メルカトル鮎は作者、摩耶雄嵩氏のデビュー作「翼ある闇」にて初登場しています。

正直「翼ある闇」を読んだ時には、なんだコイツと思いました。

作品の内容的にも、あまり良い役割を与えられていなかったからなのですが。

メルカトル鮎の登場シーンも少なく、名前だけでなんとか覚えていられる。

作品中に必要なのか?

そんな人物でした。

しかし、本作では主役の座を離しません。

恐らく、今までに見たことがないタイプの探偵です。

そして、私は本作でメルカトル鮎のファンになりました。

メルカトル鮎の活躍する短編では「メルカトルと美袋のための殺人」
に続く2作目です。

ですが、「メルカトルと美袋のための殺人」よりも本作の方が
メルカトル鮎という人物について、そして考え方がよく分かります。

私は本作から読んだので、「メルカトルと美袋のための殺人」は
あまり楽しめませんでした。

それでも良いという方は、どうぞ本作から読んでみて下さい。

期待は裏切りません。

これぞ本格!!という作品が納められています。

摩耶雄嵩氏の長編を読んで不満のある方にこそ
読んでみてほしいのです。
メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7) Amazon書評・レビュー: メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7)より
4061827782
No.33
(3pt)

語りを楽しむのは良いのでは

ミステリの要素を無視している作品ばかりで、読後感が良くない。
せっかく面白そうな探偵を登場させたのに、その能力は結局活かせてないんでは?
論理を駆使しても結果が伴わなければ、駆使した意味が分からない。
探偵の論理披露を楽しむだけの作品。
シュレディンガーの猫なんかを引き合いに出すが、ただ論理的に解決できない言い訳にしか思えない。
ミステリファンにはオススメできないなあ
メルカトルかく語りき (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: メルカトルかく語りき (講談社文庫)より
4062777932
No.32
(3pt)

語りを楽しむのは良いのでは

ミステリの要素を無視している作品ばかりで、読後感が良くない。
せっかく面白そうな探偵を登場させたのに、その能力は結局活かせてないんでは?
論理を駆使しても結果が伴わなければ、駆使した意味が分からない。
探偵の論理披露を楽しむだけの作品。
シュレディンガーの猫なんかを引き合いに出すが、ただ論理的に解決できない言い訳にしか思えない。
ミステリファンにはオススメできないなあ
メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7) Amazon書評・レビュー: メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7)より
4061827782
No.31
(3pt)

面白いが一部消化不良あり

主人公のキャラが特異で本格推理小説としてよく考えられている部分もありますが、どうしても最後納得できない(すっきりしない)作品もあり読後感がいまいちだった。それより基本的に探偵役のキャラがどうしても好きになれず、このシリーズはもう読まないと思う。
メルカトルかく語りき (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: メルカトルかく語りき (講談社文庫)より
4062777932
No.30
(3pt)

面白いが一部消化不良あり

主人公のキャラが特異で本格推理小説としてよく考えられている部分もありますが、どうしても最後納得できない(すっきりしない)作品もあり読後感がいまいちだった。それより基本的に探偵役のキャラがどうしても好きになれず、このシリーズはもう読まないと思う。
メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7) Amazon書評・レビュー: メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7)より
4061827782
No.29
(4pt)

論理的に犯人が導き出されない本格推理作品

メルカトルを主役にした短編のシリーズ2作目だが、1作目の美袋のための殺人が、癖がありつつもまっとうな本格推理集として展開されていたが、本作は論理から導き出される推理過程を描いた紛れもない本格推理作品だが、結果的に真犯人が判明しないというその論理性ゆえに全体的としては何とも変な論理的帰着となってしまうという一種のギャグミステリーというかアンチミステリーというかとにかくコピーの実験的本格というキャッチフレーズがこれほどぴたりとハマる作品はないだろうという異色作。
探偵が全ての手掛かりから論理的に導き出した解決が絶対的な真理とはなり得ないというミステリーの命題を自覚的に麻耶氏ならではの意地悪さで描いた作品と言える。
全編、犯人が分からないので宙ぶらりん感がハンパないが、試みとしては非常に興味深く、面白く読める作品である。
メルカトルかく語りき (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: メルカトルかく語りき (講談社文庫)より
4062777932
No.28
(4pt)

論理的に犯人が導き出されない本格推理作品

メルカトルを主役にした短編のシリーズ2作目だが、1作目の美袋のための殺人が、癖がありつつもまっとうな本格推理集として展開されていたが、本作は論理から導き出される推理過程を描いた紛れもない本格推理作品だが、結果的に真犯人が判明しないというその論理性ゆえに全体的としては何とも変な論理的帰着となってしまうという一種のギャグミステリーというかアンチミステリーというかとにかくコピーの実験的本格というキャッチフレーズがこれほどぴたりとハマる作品はないだろうという異色作。
探偵が全ての手掛かりから論理的に導き出した解決が絶対的な真理とはなり得ないというミステリーの命題を自覚的に麻耶氏ならではの意地悪さで描いた作品と言える。
全編、犯人が分からないので宙ぶらりん感がハンパないが、試みとしては非常に興味深く、面白く読める作品である。
メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7) Amazon書評・レビュー: メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7)より
4061827782
No.27
(4pt)

論理を突き詰めた果てに待っている、不条理な結末

一種の思考実験とでもいいましょうか、アンチ本格ミステリでありつつ、まぎれもなく本格ミステリという怪作であります。
論理を突き詰めた果てに待っている、不条理な結末。
「答えのない絵本」「収束」の論理構築が凄まじい!
メルカトルかく語りき (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: メルカトルかく語りき (講談社文庫)より
4062777932
No.26
(4pt)

論理を突き詰めた果てに待っている、不条理な結末

一種の思考実験とでもいいましょうか、アンチ本格ミステリでありつつ、まぎれもなく本格ミステリという怪作であります。
論理を突き詰めた果てに待っている、不条理な結末。
「答えのない絵本」「収束」の論理構築が凄まじい!
メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7) Amazon書評・レビュー: メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7)より
4061827782
No.25
(5pt)

本領発揮の傑作

麻耶雄嵩が本気を出すとこうなる、ということ。
アンチ・フーダニットの短篇集ですが、捨てなし。

いずれも捻りが利き、不条理感以上に「洒脱さ」さえ感じてしまうのは、
デビューから20年経って、この著者も何だかんだ成長しているということでしょう。

取分け「答えのない絵本」は驚嘆すべき出来栄え。
後期クイーン的問題(簡単にいうと推理小説におけるゲーデル定理)を逆手に取った離れ業には脱帽するほかありません。
やはりすごい作家です。
メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7) Amazon書評・レビュー: メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7)より
4061827782
No.24
(5pt)

ネタバレ注意

朗報です。
真犯人のいなくなる、わけのわからない作品なんか読みたくないとお嘆きの貴兄に。
本書で出てくる話の真犯人を教えましょう。
本書のメルカトルは無謬ですが、別に言及している犯人が正しいわけじゃありません。
むしろ、メルカトルの利益を最大値化するために、積極的に嘘をついています。
美袋を騙すために。
美袋いじめるのが最大の喜びなんですね。嘘犯人をでっち上げて美袋を騙して最後に美袋に真犯人を説明するかしないかの違いで。
収束にしても三分の一で三通りの犯人。答え自体は合っているわけです。

答えのない絵本
事件のアリバイをいろいろ分析しましたが、そもそも最初に目撃者が犯行現場に入ったとき、
被害者のタバコの煙で部屋は立ち込めていました。
スクリーンセイバーの時間をいじれて、アリバイを誤誘導できたのは、メルカトルただ一人ですね。
データは二つ。
・真犯人は偽物のアリバイで完全に安全なもの。
・メルカトルがかばうだけの必要のあるもの。依頼者の存在。
犯人は土岐ですね。
憎からず思っている視点人物から見て完璧にアリバイがあり(他の人物は教室を出入りして犯行は可能)、
父親は高級官僚でメルカトルに依頼した可能性が大。
おそらくは息子に泣きつかれた高級官僚から依頼されたメルカトルが、
同じような依頼人の警察官僚やヤクザの態度が悪いので、おどかすために、
そちらの依頼人にはちょっと穴のあるアリバイ提供したのでしょう。
いつでもお前らの娘は犯人にするぞと。
彼女たちは教室出入りしてますし、友達からの情報聞くことで犯人たりえます。
メルカトルの嘘アリバイでは土岐のアリバイだけ完璧です。

密室荘に至っては謎も何もありません。
確かに、密室荘は密室でした。死体は玄関ところにでもほうってあり、それを見たメルカトルが中にはこんで隠蔽工作してるだけです。
痛い腹探られたくないから。絵本のヤクザあたりが脅しつけるために、死体を置いといたんでしょう。
本当に外から中に入れてないなら、そもそも被害者はどうやって入ったんでしょうか。
美袋が馬鹿なだけです。
メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7) Amazon書評・レビュー: メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7)より
4061827782
No.23
(5pt)

びっくりしました

メルカトル、という名前をミステリ好きの方からよく聞くので初めて読みました。
最初の登場シーンから、やられた・・・という感じです。ワトソン役の友人とのやりとりが非常に楽しかったです。・・が、
短編ひとつひとつの読後の感想は「・・・え?!」や「・・・・!?」でした。
私がバカだから分からないのもあるかもしれませんが(苦笑)初めてこういったミステリを読んだので私は楽しめました。
すっかりはまってしまいました。
きっとハマるか、嫌いか・・・という感じなのかもしれないですね。
メルカトルかく語りき (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: メルカトルかく語りき (講談社文庫)より
4062777932
No.22
(5pt)

びっくりしました

メルカトル、という名前をミステリ好きの方からよく聞くので初めて読みました。
最初の登場シーンから、やられた・・・という感じです。ワトソン役の友人とのやりとりが非常に楽しかったです。・・が、
短編ひとつひとつの読後の感想は「・・・え?!」や「・・・・!?」でした。
私がバカだから分からないのもあるかもしれませんが(苦笑)初めてこういったミステリを読んだので私は楽しめました。
すっかりはまってしまいました。
きっとハマるか、嫌いか・・・という感じなのかもしれないですね。
メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7) Amazon書評・レビュー: メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7)より
4061827782
No.21
(5pt)

「後期クイーン的問題」を問題にしない問題作

この短編集は、少なくとも「後期クイーン的問題」と言われて何のことかわかるような人でなければ、楽しめないと思う。
作者が「不可謬」「解決も当然無謬」だと言い、本人もそう振舞っている探偵を登場させることによって、はじめて「後期クィーン的問題」を物ともしない、恐るべき推理劇が展開される。
その結果、「探偵の知らない情報が存在することを探偵は察知できない」ことなど問題にしないストーリーが展開され、「作中で探偵が最終的に提示した解決が、本当に真の解決かどうか作中では証明できない」まま、読者は宙吊り状態に置かれてしまうのだ。
たとえば『答えのない絵本』という短編においては、実は別の解決がありうる。
学校という舞台の中には、誰からも相手にされず、いじめの標的にすらならない、空気のような存在感の生徒が、存在しうる。
そんな「見えない生徒」の存在は、事件現場にいた者たちの証言からも、漏れてしまう。
実際には、その時その場にいたのだが、後になって関係者一同を招集したときに、ひとり欠けていたとしても、誰も欠けていることに気付かないような生徒の存在を、読者は想定できる。
だが、その場の当事者ではなかった探偵には、その存在が自分に伝わっていないこと自体を察知し得ない(または、探偵がそのように振舞うことは、推理小説という虚構の中では許される)。
そして、ここでの探偵役・メルカトル鮎は、そうした「後期クイーン的問題」など問題にしない超絶的な存在であるため、依頼内容に基づき与えられたデータから論理的な解決を導き出し、それ以外の解決など求めない。
実に恐るべき展開である。
麻耶雄嵩という作家がメルカトル鮎という探偵を起用してはじめて成し得る境地としか、言いようがない。
メルカトルかく語りき (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: メルカトルかく語りき (講談社文庫)より
4062777932
No.20
(5pt)

「後期クイーン的問題」を問題にしない問題作

この短編集は、少なくとも「後期クイーン的問題」と言われて何のことかわかるような人でなければ、楽しめないと思う。
作者が「不可謬」「解決も当然無謬」だと言い、本人もそう振舞っている探偵を登場させることによって、はじめて「後期クィーン的問題」を物ともしない、恐るべき推理劇が展開される。
その結果、「探偵の知らない情報が存在することを探偵は察知できない」ことなど問題にしないストーリーが展開され、「作中で探偵が最終的に提示した解決が、本当に真の解決かどうか作中では証明できない」まま、読者は宙吊り状態に置かれてしまうのだ。
たとえば『答えのない絵本』という短編においては、実は別の解決がありうる。
学校という舞台の中には、誰からも相手にされず、いじめの標的にすらならない、空気のような存在感の生徒が、存在しうる。
そんな「見えない生徒」の存在は、事件現場にいた者たちの証言からも、漏れてしまう。
実際には、その時その場にいたのだが、後になって関係者一同を招集したときに、ひとり欠けていたとしても、誰も欠けていることに気付かないような生徒の存在を、読者は想定できる。
だが、その場の当事者ではなかった探偵には、その存在が自分に伝わっていないこと自体を察知し得ない(または、探偵がそのように振舞うことは、推理小説という虚構の中では許される)。
そして、ここでの探偵役・メルカトル鮎は、そうした「後期クイーン的問題」など問題にしない超絶的な存在であるため、依頼内容に基づき与えられたデータから論理的な解決を導き出し、それ以外の解決など求めない。
実に恐るべき展開である。
麻耶雄嵩という作家がメルカトル鮎という探偵を起用してはじめて成し得る境地としか、言いようがない。
メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7) Amazon書評・レビュー: メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7)より
4061827782
No.19
(4pt)

愛なのか悪意なのかわからないアンチミステリ

メルカトルと美袋ときたら、碌でもない話なのは最初からわかりきっていて、
それでも読んでしまう。ああなんとアンビバレントな…
全編コテコテの反推理小説です。「収束」なんて、メタミステリにも程がある。

爽快な読後感とかすっきりした解決とかがないと耐えられない方には向きません。
TV版エヴァが好きならOkかな? ってところですね。
メルカトルかく語りき (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: メルカトルかく語りき (講談社文庫)より
4062777932
No.18
(4pt)

愛なのか悪意なのかわからないアンチミステリ

メルカトルと美袋ときたら、碌でもない話なのは最初からわかりきっていて、
それでも読んでしまう。ああなんとアンビバレントな…
全編コテコテの反推理小説です。「収束」なんて、メタミステリにも程がある。

爽快な読後感とかすっきりした解決とかがないと耐えられない方には向きません。
TV版エヴァが好きならOkかな? ってところですね。
メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7) Amazon書評・レビュー: メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7)より
4061827782
No.17
(3pt)

メルカトルかく騙りき

日本推理作家協会賞・第11回本格ミステリ大賞受賞作。ミステリが読みたい2位・2012本格ミステリベスト10 2位。このミス2012 7位。
上記に挙げた通りミステリ会においてかなり評価の高い作品だったので読んでみた。
感想は、見た目はミステリの体裁をとってはいるが、厳密にはミステリとはいえず、探偵役のメルカトル鮎が起こった事件に対し、語った内容を楽しむ作品となっている。
5つの短編が収録されているが、全てにおいて犯人は判明しない。理由は、メルカトルが事件の真相よりも自己の利益を最優先するためである。そのため自分の利益に都合の悪い真相を隠し、あたかも真実であるかのようにカバーストーリーを事件関係者やワトソン役の美袋三条に騙る。
そのため、論理的ではあるが作品の肝である真犯人が判明せず読者はかなりのもやもや感が残るという内容になっている。この作者のファンならば楽しめるが、ミステリ初心者や犯人当てを楽しみにして読む人にとっては噴飯ものであるため、注意が必要。
5つある作品の中では「収束」の出来が良く、1から3章の内容が、最後まで読むと分かる構成はうまいと思った。箱の蓋を開けてみるまで中の猫が生きているのか死んでいるのか分からないというシュレディンガーの猫をミステリにあてはめた内容は面白かった。逆に最後の書き下ろし短編である「密室荘」はすぐに落ちが分かってしまい、いまいちの出来。
高校1年の生徒20人が容疑者になる「答えの無い絵本」の結末は、いかにもこのメルカトル鮎らしい落ちのつけ方で、犯人は存在しないというふざけたことを言ってはいるが、利益最優先のメルカトルが真実を述べるわけがなく、依頼人が誰かを考えれば真犯人は見当がつく。
メルカトルのキャラが面白いため、ストーリーは楽しく読めるがミステリ小説としてはかなりの変化球である為、作者のファン以外の人には勧めにくい小説である。
メルカトルかく語りき (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: メルカトルかく語りき (講談社文庫)より
4062777932
No.16
(3pt)

メルカトルかく騙りき

日本推理作家協会賞・第11回本格ミステリ大賞受賞作。ミステリが読みたい2位・2012本格ミステリベスト10 2位。このミス2012 7位。
上記に挙げた通りミステリ会においてかなり評価の高い作品だったので読んでみた。
感想は、見た目はミステリの体裁をとってはいるが、厳密にはミステリとはいえず、探偵役のメルカトル鮎が起こった事件に対し、語った内容を楽しむ作品となっている。
5つの短編が収録されているが、全てにおいて犯人は判明しない。理由は、メルカトルが事件の真相よりも自己の利益を最優先するためである。そのため自分の利益に都合の悪い真相を隠し、あたかも真実であるかのようにカバーストーリーを事件関係者やワトソン役の美袋三条に騙る。
そのため、論理的ではあるが作品の肝である真犯人が判明せず読者はかなりのもやもや感が残るという内容になっている。この作者のファンならば楽しめるが、ミステリ初心者や犯人当てを楽しみにして読む人にとっては噴飯ものであるため、注意が必要。
5つある作品の中では「収束」の出来が良く、1から3章の内容が、最後まで読むと分かる構成はうまいと思った。箱の蓋を開けてみるまで中の猫が生きているのか死んでいるのか分からないというシュレディンガーの猫をミステリにあてはめた内容は面白かった。逆に最後の書き下ろし短編である「密室荘」はすぐに落ちが分かってしまい、いまいちの出来。
高校1年の生徒20人が容疑者になる「答えの無い絵本」の結末は、いかにもこのメルカトル鮎らしい落ちのつけ方で、犯人は存在しないというふざけたことを言ってはいるが、利益最優先のメルカトルが真実を述べるわけがなく、依頼人が誰かを考えれば真犯人は見当がつく。
メルカトルのキャラが面白いため、ストーリーは楽しく読めるがミステリ小説としてはかなりの変化球である為、作者のファン以外の人には勧めにくい小説である。
メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7) Amazon書評・レビュー: メルカトルかく語りき (講談社ノベルス マC- 7)より
4061827782
No.15
(4pt)

どうしても面白本が読みたい人はやめましょう。

基本的にはおもしろかった。実験小説ですよね、でも。
なので、あんまりネタバレはかけません。
端っこの方を触るようにレビューすると、
文章としては、最近マンネリ気味な東川作品よりも
毒が効いていて、好き。
そして、論理的なタッチも好みです。
本作は、この「論理」を突き詰めていった先の
結論の意外さを楽しむというか、馬鹿にするな!っていう
人には受けないだろうなぁというエンディングをするという
ああ、何とも書きようがないですが……
扉袖に、作者から、メルカトル(探偵)は不可謬です。
したがって彼の結論も無謬です。あしからず。
みたいなメッセージが書かれていて、全編読んだ後に
改めて見直したら、あ、それであしからずなのですね、
と腑に落ちました。

なので、読むものに困ってる人とか、とにかく本が好きな人は
これ好きだと思うんですけど(僕は後者)、一発でおもしろい
推理小説に出会いたい、という人はやめた方がいいんでしょうね。
実験的「本格推理」としては興味深いけど。
メルカトルかく語りき (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: メルカトルかく語りき (講談社文庫)より
4062777932