ノー・セカンドチャンス
評判
ノー・セカンドチャンスの評価:
4.17/5点 レビュー 6件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1〜8 1/1ページ
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ノー・セカンドチャンスの評価:
4.17/5点 レビュー 6件。 B ランク
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まるで違う作家のように見えるのは、訳者が変わったこともあるのかもしれないが、やはり馴染みのボライター・ファミリー、癖の強いバイプレイヤーたちの姿を一端消去して、新しいコーベン・ワールドにリセットし直したようにしか見えないのが、シリーズに続く各単独作品である。とりわけ本書は、まったく異なる作家が書いたかのような過激なサイコ・スリラーである。
いきなり主人公の「私」が撃たれるシーンに幕を開ける小説というのは、多くはないだろう。それも二発。叙述が始まった途端、昏睡。時間が飛ぶ。撃たれ、娘が誘拐されたこと、妻が殺されたことがわかるのは、昏睡から覚醒したときだ。治療中の病院のなかだ。最悪な状況把握の中、誘拐犯側から身代金要求の連絡が入る。「いいか? チャンスは一度だけだ(No Secand Chance)」
無理やりな退院。身代金を受け渡しにゆくが空振り。そして一年半経ち、またも犯人側から身代金受け渡しの指示。
そしてアクション。捜査。またアクション。立ち止まる気配のないノンストップ・スリラーである。しかしすべてが一人称叙述ではない。誰かよくわかない犯人側の三人称描写も続く。狂った女とサディスティックな男の狂気のコンビ。これらが誘拐犯かと思うと怖すぎる。二度三度に渡る身代金受け渡し兼復讐心のこもった追跡劇。
元FBI捜査官レイチェルや近所の友人弁護士レニーの力を借りて娘の奪還のためにすべてを賭ける主人公マーク・サイドマンの足取りを追いつつ、片や非情でサイコな殺し屋カップルの動きを追う。途中で世話になるヴァーン・ファミリーの個性が素晴らしく、銃器の専門家であり古き良きレッドネックの激しさも優しさも感じさせてしまうところが、どこかマイロン・ボライターとセットの親友ウィンの立ち位置を彷彿とさせる。
サイコでもあり、アクションでもありながら、ロード・ノベルでもあるという、旧来のこの作者のシリーズとはかなり色を変えた、同じ作風とは絶対に言えない新たな独立作品の初期長編。ぼくとしてはページを開いたら全くブレーキが利かなくなった小説。最後までフルアクセルで読めるバイオレンス・スリリング・アクションでありました。