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FINE DAYS
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FINE DAYSの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.92pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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4つのストーリー、それぞれの筋書きは個人的には悪くないと思う。 しかし、書き方がどうも類型的で、随所に既視感があり、興ざめする。 たとえば、「FINE DAYS」の冒頭から前半。 主人公の「僕」が不思議な雰囲気の「彼女」と出会う場面があるが、「僕」は終始おどけた調子でこの「彼女」に接する。彼女の一言に大げさに感嘆し、「すばらしい」と握手を求め、「一緒に地下に潜って活動しないか」などと言う。その「おどけ」によって彼女の心が少し開かれ、「出会い」となる。 しかし、実際にこんな喋り方をしたり、振る舞いをする男子がいたらどうだろう。変人かと思われておしまいではないか。 ユニークな振る舞いや皮肉な発言をすれば(描けば)、女性に自然に近づいていくことができると思い込んでいるのは、「村上春樹チルドレン」の弊害か。本多氏が村上春樹を読んでいるかは知らないが、そのような変な価値感を持っているなと感じた。コミュニケーションベタな友人はノルウェイの森の「突撃隊」をほうふつとさせるし、登場する犬の意思表示としてひんぱんに「鼻を鳴らす」という表現が使われるのも村上氏の影響を受けているように思えてならない。「鼻を鳴らす」「肩をすくめる」「首を振る」、こういう日本の現実にあってはほとんどお目にかかれないような表現を何の疑いもなく、適切なものとして使っているところに、この作家の盲点があるのではないか。 世界観も類型的だ。「シェード」の老婆。店内の雰囲気、猫。確実においしい紅茶。書かなくても読者が想像できることをすべて書くからくどくなる。 本多氏に限ったことではないが、会話分の合間の地の文に、やたらと飲み物やタバコの描写が多いのは何とかならないものか(普段、誰かと話している時に相手のそんな行動を意識しているか)。そんなもの書かずに飛ばして、ひたすらカギカッコの会話文を書いてくれたほうが、よっぽどいい。 小説に出てくる紅茶やコーヒーが味に深みがあったりして「とてもおいしい」のもどうにかならないものか。 やや脱線したが、いずれにしてもこの作品は「作家のための」文章が多すぎ、くどくどしている。作家が読者に「こういう印象を与えたい」と力みすぎなのだと思った。 | ||||
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精神年齢の高い思春期の青年が、そのまま文章を書いた様な斜に構えた文体に共感できるかどうかが、この本を読むべきか読まざるべきかの境目になるだろう。思春期にありがちな抑圧され無機質になっている心の動きを表現したかったのなら、上手く表現されていえるが、逆に、それが、人の感情をたんたんとした乾いたものにし薄っぺらいものにしてしまっている。話の筋書きは、色々な漫画から拾ってきた様な日常型ファンタジーの展開ではあるが、特に小難しくひねくった所はなく流れにまかせて読んでいけば、いきつもどりつと言う事をせずに読み終える事ができて読みやすいと思う。人間っぽさのないものをスマートで綺麗と思えば、この淡々とした感情を綴るストーリーを楽しめると思うので薦められるが、人を深く感じたいと言う向きには、全く向かないと言える。私的には、中学、高校の年代の人の方が共感できると思うが、歳をとってしまった人に、この本を理解し楽しんで読む事は、困難だと感じる。若い時にしか楽しく読めない本だと思う。 | ||||
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