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幻視時代



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【この小説が収録されている参考書籍】
幻視時代
幻視時代 (中公文庫)

幻視時代の評価: 4.10/5点 レビュー 10件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.10pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全10件 1~10 1/1ページ
No.10:
(4pt)

主人公悠人の青春は悲しい

高校の文芸部に属する主人公矢渡利悠人は小説執筆に打ち込む同学年の風祭飛鳥に惹かれていく。飛鳥は文芸誌の新人賞に輝き一躍時の人になるが、第3作発表の前に無残にも包丁で刺され家も放火されてしまう。これを引きずったまま20数年後、独身のまま評論家となった主人公の前に写真の中の幽霊として飛鳥は姿を現す。悠人と悠人の後輩でミステリー作家となった生浦蔵之介と編集者の3人で飛鳥の死の真相を論じ合う。ああでもないこうでもないと何人かで論じ合うのは西澤保彦の小説の得意とするところだ。この中で、悠人の死んだ母の未発表の小説が鍵を握っていることが分かり、驚愕の結論を導き出す。うーん、飛鳥の行動には納得できないところもないでもない。しかし、こうなると何というか、悠人の人生は悲しい。これからどうやって生きていくのか。
幻視時代Amazon書評・レビュー:幻視時代より
412004159X
No.9:
(4pt)

人間が持つ色々な感情が混沌とした事件を起こす

「昔に死んだ人間が写真に写っていた」、という謎は不気味かつ魅力的。

「22年前の女子高生作家の怪死事件」と「死者の写真」を巡り、登場人物たちの、嫉妬、愛憎、後悔、願望、といった多くの感情や思いが、追憶の深い闇に追いやっていた過去の事件の謎を浮き彫りにしていく。

「写真の少女」の謎の真相に関しては少し強引さもあるけれど、全体的にはミステリーとしても、人間ドラマとしてもよく出来ていたと思います。西澤さんの作品としてはいつもの「エグ味」も少ないので、割りと万人にお奨め出来ます。
幻視時代 (中公文庫)Amazon書評・レビュー:幻視時代 (中公文庫)より
4122060079
No.8:
(4pt)

人間が持つ色々な感情が混沌とした事件を起こす

「昔に死んだ人間が写真に写っていた」、という謎は不気味かつ魅力的。

「22年前の女子高生作家の怪死事件」と「死者の写真」を巡り、登場人物たちの、嫉妬、愛憎、後悔、願望、といった多くの感情や思いが、追憶の深い闇に追いやっていた過去の事件の謎を浮き彫りにしていく。

「写真の少女」の謎の真相に関しては少し強引さもあるけれど、全体的にはミステリーとしても、人間ドラマとしてもよく出来ていたと思います。西澤さんの作品としてはいつもの「エグ味」も少ないので、割りと万人にお奨め出来ます。
幻視時代Amazon書評・レビュー:幻視時代より
412004159X
No.7:
(5pt)

題名で間違えそうだけど超能力はありません

主人公、矢渡利悠人が高校三年生の時に
同級生でありながらデビューしていた女の子、風祭飛鳥。
彼女は自宅で包丁を突き立てられた遺体で発見される。

容疑者には皆にアリバイがある。
しかし、彼女には自殺する理由はない。

はたして犯人は・・・?

二十二年後ついに真相が明らかになる。

という内容です。

主人公等の当時の様子から書いてあります。

ただ、二十二年も経過していますので現在までの描写だけでも
ページ数をとられています。

西澤保彦氏の作品にはお馴染みの食べながら、飲みながらの
推理合戦は残念ながら後半からでした。

千明匠シリーズのような推理合戦を期待すると
ガッカリしてしまう人もいるかもしれません。

ですが西澤保彦氏らしい作品であると思いました。
幻視時代 (中公文庫)Amazon書評・レビュー:幻視時代 (中公文庫)より
4122060079
No.6:
(4pt)

彼女はアヤカシ?

彼女はアヤカシ?

あらすじ

文芸評論家の矢渡利悠はある一枚の写真の前に釘付けとなった。
18年前の大地震直後のその画面には、
死んだはずの一人の少女が写っていた。
少女の名は風祭飛鳥。悠人の同級生であり、淡い初恋の相手…。
心霊写真なのか?いや、飛鳥が生きているのか!?
22年の時を超え、辿り着いた迷宮入り事件の全貌とは!?

感想

主人公の矢渡たちが繰り広げる饒舌な推理合戦は
ホラーサイドとミステリサイドの間を
ふわふわ漂って、読んでいてとてもスリリング。
でも、その楽しい推理合戦から浮かび上がってくる真相(?)は
あまり楽しくないところに着地します。

若さの内側にくっついている弱さ(と言うよりは、いたしかたなさ)
によって登場人物たちの行動が少しづつ
正しくない方向にずれていくのですが
その一つ一つの行動を見ると自業自得と言いきれないのに
どんぴしゃにヒドイ結末にハマってしまうそのさまは
登場人物たちが何か未知なるものに操られているようで
読んでいて不気味な感覚に陥ります。

そしてそれを際立たせる序盤に出てくるさりげない一言が巧妙。

推理自体にオチが付いているのに
それだけでは終わらせないところが小憎いです。

読んでからの一言
表紙が中身と全然関係なくて素敵だ。
幻視時代Amazon書評・レビュー:幻視時代より
412004159X
No.5:
(4pt)

ほろ苦いラスト

「死んでいるはずの少女が、写真に写っていた」、という冒頭の謎は、充分に魅力的だ。例によって著者独特の、「時空を越えて事件を解決する」云々の話かと思ったら、どうしてどうして、ちゃんとした?本格ミステリである。最近読んだ著者の作品の中では、ダントツの出来栄え。この小説がどうして、「2010年ミステリ・ベスト10」に選ばれなかったのか? 内容の骨子は、「書かれた小説が、関係者の運命を翻弄する」、というお話だが、この小説自体が、翻弄される運命にあったのか、と勘ぐりたくなる。ミステリ・ベスト10なんて、小さい小さい、と思わせるほど、著者の近作の中では傑作である。ラストがほろ苦く、余韻が残る。
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412004159X
No.4:
(3pt)

内容はよかったのですが

ストーリー、謎解き自体はおもしろいのだが、文章全体の残り3分の1ぐらい、ほとんど登場人物3人の会話のみで謎解きをしていくという流れが読んでいて、ちょっときつかったです。行っては戻る会話に飽きてくるというか。

この作者の前に読んだ本は、女の子ばかりの会話がテンポよく、楽しかったので、会話が多いのも気にならなかったのですが、この本の会話は、それほど親しくもないような3人の会話なので、あまりおもしろみがなく、せっかくいいところで料理や飲み物の注文をしたりするというテンポの悪さで、謎解きを知りたいからしょうがなく読むという感じでした。

それ以外の、過去の回想などはかなり雰囲気があり、解けた謎も納得する上にジンと来るもので、とてもよかったです。ただ、またこのパターンで読みたいかというと、それは×。せっかくいい素材だったので、もうちょっと会話だけで押さないで、他の方法をとってくれたらなと思いました。もしくは会話が読んでいておもしろいか。もったいなかったです。
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412004159X
No.3:
(4pt)

上手い!

様々なミステリーを操る奇才西澤保彦氏による書き下ろし作品です。22年前、18年前、現在の3つの時間軸でそれぞれの事件が交わっていくというプロットの妙が秀逸です。1枚の写真から、紆余曲折を経て、主人公が時空を超えた真実を解明するという流れは、読者を一気に作中に引き込みます。さすが西澤氏、上手いです。プロットもリーダビリティもトリックも、そして解決もハイレベルです。とくに真相究明においては、主人公を含む3人が知恵と推理を出し合って、様々な仮説を検証し、否定し、さらなる仮説を検証していくというループが何十回と繰り返された末に、真実に繋がります。この辺りに手抜きが全く無いのがミステリー好きにはたまりません。手放しで喝采を送りたいところですが、唯一写真の少女の謎についてだけが少し無理が感じられ、実はこれは本書で最初のキーとなる部分であるだけに、残念でした。いっそ、ここは無くてもよかったのではとも思いました。というわけで星を一つ減らしましたが、十分に楽しめる作品であったと思います。なお、時代設定が私と同世代というのも加点要素ではあります。
幻視時代Amazon書評・レビュー:幻視時代より
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No.2:
(4pt)

先の読めない展開がよい

一枚の写真に写ったいるはずのない少女をめぐる話。はたしてSFなのか、ミステリなのか、青春回顧録なのかぎりぎりまで読者を翻弄するので飽きさせない。終盤にかけて一気に物語が完結に向うが、それすらも正しいのか否か想像の幅が広がります。期待以上におもしろかったです。
幻視時代Amazon書評・レビュー:幻視時代より
412004159X
No.1:
(5pt)

傑作

これには素直に感心した。数ある著者の作品中でも五指に入る出来ではないだろうか。謎の提示も魅力的だし、普通ならありえないであろう話をギリギリのところでうまく着地させている。ラスト近くで展開される仮説の積み重ねもスリリングかつ説得力にも富んでいる。出版時期に恵まれなかったのか、今年度の各種ランキングからもほとんど無視された結果になったが、個人的には今年度作品のベストといってもいい。唯一の難点はタイトルか。単なるダジャレだし、あんまり内容とも関係がない。(いや、そりゃちょっとは関係あるが)もともと非凡なタイトルセンスを持つ著者にしてはもう少しましなタイトルがなかったのか、それだけ唯一の不満である。
幻視時代Amazon書評・レビュー:幻視時代より
412004159X

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