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砂漠の悪魔
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砂漠の悪魔の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.92pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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読んでない状態に戻って、またイチから読みたいほどおもしろかった!想像もしなかった結末。知らなかった世界を教えてもらいました。私の中の余韻がすごい。 | ||||
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最後の方になって、タイトルの意味がわかる。悪魔って、そういうことだったのか。 時代設定が90年代で、自分の幼少期、中国はこんな時代だったのかと、感慨深く読んだ。 | ||||
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近藤さんの小説は面白くてスラスラ読めちゃうのが良いところだがこのテーマにしてはあっさりすぎな気もする。また、ストーリーは凄い急展開でどこに行っちゃうんだよとハラハラしながら読めたので楽しかったけれども、そういう終わり方?という感じで練りこまれた終わりというより放り投げたような終わり方に感じた。 | ||||
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サスペンスものかと思い読み始めました。 ちょっと癖のある若者(ってみんな若い頃はこんな感じでしょう)の話ですが、展開がすごい。 信じられないような展開ですが、さすが近藤史恵さん、その世界に入りました。 国とは?、人種とは?、正義とは?、と問いかけられた感じです。 報道されてることはほんの一部なんですよね。 | ||||
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近藤史恵さんの小説では最も異色かもしれません。特に花柳界や猿若町、ロードレースなどの作品群に慣れていると驚きます。とはいえ、新鮮な、また怖ろしい驚きがある小説でした。少年マンガ界では、出来の悪い中学生が不良と喧嘩していたら、いつの間にか妖怪やら宇宙人といった人類の敵と闘うストーリーがよくあります。普通の日本の不良青年がトラブルに巻き込まれ、最後は上手く切り抜ける流れかな、と気楽に読み始めると、良い意味で裏切られます。そして読者も現実に存在する世界の暗黒面に巻き込まれていきます。今の世界政治の不安定感をみると、日本人なら、人ごとではないかもしれません。この様なテーマを身近な小説にして下さった近藤史恵さんには感謝の念を禁じえません。 | ||||
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友人を自殺させてしまった広太に忍び寄るやくざの魔の手。 中国に向かうが、そこでの出会いが、人生を一転させる。 ここまでのドラスティックに物語展開が変わるのかと、 信じられない位急展開していくストーリー。一気に読了に至った。 失って分るものの大切さ、人によって異なる人生の幸せと、 根底に流れるメッセージは、極めて重い内容。 | ||||
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大学生の主人公は退屈な毎日に刺激を求め、女性を使った悪意を持った行為で友人を自殺に追い込む。 それを知ったやくざから弱みにつけこまれて運び屋に身を落とすが、ある日本人と知り合い中国国内を逃亡。 中国での逃亡シーンは広大な土地を想像させる描写が満載。 まさに大国と呼ぶに相応しい国であることをしみじみ感じた。 後半部分は結構ハードな内容ながら、この著者の流れるような読みやすい、さらっとした文体によってドロドロ感は驚くほど感じさせない不思議な感覚であった。 著者の作品を読んだのは初めてであったが、文章の読みやすさは強く印象に残った。 内容の割に大きな感動や衝撃も少さく読後感が新鮮であった。 他の作品も読んでみて、本作品で受けた上記のような不思議な感覚を再体験したくなった。 | ||||
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冒頭の橋場広太、波野桂(かつら)そして榊原夏樹の一件については、話を持っていくための技巧に過ぎる、とかなりの違和感を覚えましたが、その後は快読。面白かったですね。それにしても、波野桂の描写からはAV女優の緒川凛嬢の白い全裸肢体が思い浮かばれ、頭から消えませんでした。(今日まで、ライブ・シアター栗橋で彼女のストリップ・ショーがあったのですが、多忙のため行きそびれたためか・・・) 文庫帯には「200ページ目で、唖然。300ページ目で、呆然、」(ママ)とありますが、これはその通りで、この二頁が物語の驚きの転回点になっています。読む際にはご注意下さい。 「その夜、そのまま彼女のアパートに転がり込んで、セックスをした。何度も頭の中で剥ぎ取った首もとの詰まったブラウスを脱がし、白い餅のような乳房を揉みしだいた。柔らかい二の腕に軽く歯を立てて、その感触を楽しんだ。興奮が高まるほど、彼女の白い腕は真っ赤に染まった。・・・ 激しく抱き合った後、桂は俺の首に手を絡めてしがみついてきた。そして言った。「ずっと、好きだったの。橋場くん。あなたが一年生のときから・・・・・・夢みたい・・・・・・」 甘くとろけた目は、思いが叶ったものと、セックスの満足感との両方だろう。・・・ 彼女の、ウエストやふくろはぎは細いのに、胸や尻にはたっぷりと脂肪ののった身体は魅惑的だった」(20~21頁)。 「デートするのはいいわ。でも、彼とセックスをするのは絶対にいや」(25頁) 「俺と桂はしょっちゅう抱き合った。・・・ 電話を一本かければ部屋に招き入れてくれて、そして思う存分身体を貪らせてくれる極上の女がいるということ、その誘惑に逆らうことは困難を極めた。・・・ 女を抱くときに、こんなに興奮したことなどなかった。彼女の信じられないほど柔らかい乳房を弄びながら、甘ったるい嬌声を聞きながら、俺は夏樹のことばかり考えていた。あいつも、きっと頭の中でこの身体を抱いている。・・・ 彼が未踏の花園だと信じている場所で、俺は花をもぎ取り、蜜を啜り、好き放題に振る舞っている。そう思うと欲情は数倍高まった」(26~27頁)。 「彼女の白くて柔らかい乳房や、整った顔立ち、エロティックな唇が好きだ。こんなことになっても、まだ彼女を手放したくないと思っている」(40頁)。 「今の中国は、マルクスの共産主義とは違うところにきてるのさ。中国共産党のための共産主義だ」(88頁)。 「少し痩せたような気がする。そのせいか、今まで以上に彼女は美しかった。血管が透けそうな白くて薄い皮膚と水分の多い大きな瞳、ダウンジャケットの下にあの弾力感のある抱き心地のいい身体があることを思って、俺は胸を高鳴らせた」(122頁)。 「不幸の中にもモザイクのように美しいものは織り込まれているのだ」(284頁)。 「砂漠には悪魔がいるの」(313頁) 思えば小説とは、様々な登場人物と物語の状況などを混ぜ合わせて、それが様々に形と色を変えてゆく様を描いた水彩画のようなものであることを気付かせてくれた一本でもあります。どういう人物をどのような状況に持ってきて混ぜ合わせるか。要は、そこから物語が始まり、その選択如何により発展の方向や結末が決まるということです。 | ||||
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主人公の広太は平凡な大学生。 退屈しのぎに友人に陰湿な意地悪をすることを思いつく。だがそれは予期せぬ途方もない結果を引き起こしてしまった。 ヤクザ、中国、殺人、ウイグル、そして. . . . 。 きなくさいヴァーチャルが一気に広太のリアルに。中国の地を彷徨うことになった広太の運命は果たして。 悲しいくらい説得力ないです、ストーリーも人物も。薄っぺらな荒唐無稽に終始してます。 新人の作品だったらまず出版されないのでは。近藤ファン以外にはおすすめしかねます。 ただ小説の完成度は措いて、どこか真面目さと丁寧さを感じさせる文章は本作でも健在。そういう文章と内容のギャップが不思議な魅力ではあるかも。 わたしのように近藤テイストそのもののファンの人なら、それなりに引き込まれると思います。 願わくばいつか大改訂して倍くらいのボリュームの大作として仕上げてほしいです。 | ||||
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近藤史恵さんの新刊です。 大学生の広太は小さな悪意から親友を死なせてしまう。 実際手をかけたわけではないのに、それがきっかけとなりヤクザに脅されて薬の運び屋をやらされてしまう展開には少し無理があるような気がした。 そしてここからは急に物語の色が変わる。 平凡な大学生活から一転、極寒の北京で日本人留学生の鵜野と出会い、広大な中国西部を旅することに…。 中国の描写はかなりリアルで息苦しい場面も多々あるけれど、文章の読みやすさと登場人物の描写が丁寧で一気に読めます。 ただタイトル「砂漠の悪魔」がやっと終わり頃に判明されて壮大なスケールを感じさせる割には、一番伝えたい事がぼやけてしまった感じも残りました。 | ||||
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近藤史恵のどこが好きかというと、端整で、流れる水のように読みやすい文体と、どこか乾いた感じがする(時代物はそうとも限らないが)独特の視線。恩田陸や小川洋子の筆致にも少し似ている気がするが、近藤の語り口からは、しなやかな感受性を持ちながらも、どこかにかたくなさを残し、曲げることのできない不器用さが香ってくる。人の心が孕む孤独と残酷さを、こんなふうにさらりと描ける人は、もしかすると実は誰よりも優しい人なのかもしれない。ただ、文章があっさりしているので、どれほど波瀾万丈のストーリーを展開させても、読み終わってみると、辛口だけど、軽いという印象のほうばかり残ってしまう。この作品も『砂漠の悪魔』という強いタイトルから、主人公がどこまで地獄を見るのかという話だろうと、方向の予想はついたものの、初読でのインパクトはやはり水のよう。ハードボイルド系の男性作家たちが、乾いた筆致と言われながらも、よく見るとねちっこく、効果的にドラマを盛りあげる手法をとっていることが多いのを思うと、近藤史恵はやはり異色だ。かといって、桐野夏生や高村薫のような「インパクトのある言葉の選択」でしゃにむに切り込んでいくというわけでもない。……などと、気になりだすと尾を引いて、次作が出るまでのあいだにまた手元の既刊を再読しちゃおうか、ということになるのだ。個人的には、この『砂漠の悪魔』の前半や『スターバト・マーテル』をもっとドロドロさせたような恋愛小説をこの作家に書いてほしいんだけどね。 | ||||
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親友を死に追いやったことで、ヤクザに脅されて運び屋になるも、命惜しさに逃亡。中国を東の端から西の端まで逃避行を続ける男の物語です。 ヤクザとの死闘や熾烈な追走劇が中心にある作品では無く、物語の大部分が主人公の心理描写と中国の情景に費やされています。中国共産党に関わる政治腐敗や民族差別、貧困、暴力など、問題提起はされるものの、主人公は常に傍観者であり、深く切り込むことはありません。あくまで、「生きる意味」を考え直す上でのきっかけとして「問題」が描かれていると感じました。旅自体が「贖罪の旅」では無く、ただ逃げているだけなのですが、自らの罪に対する主人公の感情が揺れ動く様子が繊細に描かれ、心理描写だけでも読み応えがあります。それだけにラストの展開には物足りない印象を受けました。砂漠の悪魔の正体にケチをつける気はありませんし、砂漠までの旅を伏線にしていることも理解はします。ですが、「それ」で主人公の罪がどうなるものでもないだろうと言わざるを得ません。そんな「超展開」では無く、どういう結末にしろ、堂々と問題を描ききって欲しかったと思います。 | ||||
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ほんの些細なことから、流転に身をやつし、転がるように大陸(西サハラ)を駆け巡り、 最後は<生きながら生に決別してしまう>男のロード・ノベル話なら、あの船戸与一の「猛き箱舟」の<正次>を思い出さずには いられない。日本に帰りついた時には、名無しの隻腕の男になっていた。 本書は面白い。主人公<広太>のイベント毎に変遷する心模様の描き方が巧みな所為だと思うが、中国少数民族問題まで盛り込んで進展する ストーリーに、近藤氏の乾いた文体が心地良い。マァ、最後の<砂漠の悪魔>の正体には、ちょっと首をひねるが....。 いっそうのこと<広太>を、もっと徹底的な地獄に追い込んで、帰国後の復讐譚的展開に...あっ、それでは丸ごと「猛き箱舟」か... あの「猛き箱舟」との類似点を勝手に見つけてしまった私的には、☆5は着けられない。 | ||||
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