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四つの終止符
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四つの終止符の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全20件 1~20 1/1ページ
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登場人物がひとりひとり魅力的でしっかりと小説の中で生きている。社会派ミステリーでありながら、犯人探しやトリックの謎解きを盛り込んでいる。そして読みやすい。 以前から読みたかったのですが、たまたまKindle本セールで安く購入できました。 これはもう満点です。 | ||||
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ろう者に対する偏見。 気付けないことがありすぎる。 単なる同情など必要ではなく、人間として同等であることをきちんと感じていたいと思った。 | ||||
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驚いた!西村京太郎と言えば、鉄道サスペンス十津川警部の印象が強く、事実、私自身もこれまでTVドラマは勿論、何冊か読んでもいました。が、こんな社会の問題を告発するような作品も書かれていたとは〜 しかも、それが初期の作品なのに、完成されているだけではなく、広く世間に、この社会矛盾を表明し、考えて貰いたい、もっと理解を深めたい、広めたいと言う強い気持ちが伝わってくる。 この作品の時代から、社会全体の意識もかなり変わったし、システムや待遇改善も進んだけれど、この作品は、聾唖の人の心の本質を理解する為にも、その歴史書として残して、読み継がれる必要があると思う。 | ||||
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社会派ミステリは苦手ジャンルだが、そんな自分でも感動した。ひとつ、気になった点。ネタバレするようなタイトルは辞めて欲しい。「四つの終止符」2人死んだ時点で、こりゃ四人死ぬなってバレバレ。 | ||||
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感動した | ||||
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1964年に本書が出て、読んだのは2020年。さすがに50年以上経過していて、下町の様子もいろいろ変わっていて、古さは否めませんが、なるほど、というトリックがありました。 当時の聾学校、卒業生の様子、長屋の様子など、切ないものがあります。 このような社会派作品の指摘があって、今の世の中があるのなら、大変意義があったのでしょう。 薬局うんぬんのところが驚きでした。ドラマも観てみたいです。 1人1人亡くなっていくのが大変残念で、どよーん、としました。 | ||||
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聾者が登場する作品ということで、楽しみにしていた。 ミステリーとしてはおもしろかったが、聾者の捉え方が、やはり時代に拘束されているように感じた。 たぶん、西村京太郎さんは手話を知らずに執筆されたのだろう。 これを読んで、無闇に聾者はかわいそう、話す努力をしていて素晴らしいと美化されませんように。 西村京太郎さんを非難するつもりはないが、読者にリテラシーが必要だと感じた作品でもあった。 | ||||
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聴覚障がいって、周りからいちばんわかりづらい障がいのひとつだと思うのです。イヤホンをつけていても、御不自由な方なのか音楽を聴いているんだか、って意味ですが、障がいとともに生きている方とともに生きるって?ことも考えさせられる内容です… | ||||
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1964年3月に文藝春秋新社から刊行された西村京太郎氏の最初の一冊です。「文藝春秋新社」という今では聞きなれない出版社名自体が時代を感じさせますね。「四つの終止符」という題名はよく考えるととっても暗く重い意味を持つ事に改めて気づきましたが、それでも読後にきっちりとミステリーを読んだ満足感を実感させてくれる著者の筆力はやっぱり流石だなあと深く感じ入りましたね。 下町のおもちゃ工場で働く青年・晋一は耳が不自由だったが、ある日心臓病で寝たきりの母が不審な死を遂げ、彼が買い与えた栄養剤から砒素が検出された事でたちまち疑われ警察に逮捕される。彼は獄中で終始無実を叫びながら自ら死を選ぶ。そして彼の無実を信じて懸命に調べまわっていた酒場の若いホステスもそれを知るとすぐに後を追うのだった。 幾ら調べても動機が全く出てこない殺人事件という困難な命題に著者はどんな答えを用意しているのかな?と首を捻りながら読み進みましたが、最後には「そうか成る程ね」と完全に納得させられました。それにしても最初からこんなにトリッキーな手を使うとは!と驚くばかりでしたね。この真相はオーソドックスな固定観念に縛られていたら絶対に思い浮かばない中々に凝った斬新な手法ですね。さて、本書の探偵役は十津川警部ではなくバー「菊」の女給の「お時さん」で、幸せとは言えない短い人生を突然に自ら閉じてしまった幸子の供養の為にも一生懸命にがんばって遂にインスピレーションによって真相を突き止めるのですね。西村氏は初期にはプロの警察よりも素人の人々の方に肩入れして描く傾向にあったみたいで、本書でも警察は常識の線でしか考えずに通り一遍の捜査しかしない無能な存在に描かれていますが、私はもしこの事件を十津川警部が担当していたらば全ての細部にまで心を配って見事に真相を見破ったのではないかと思えますね。それから私はこの事件の「四つの終止符」が全て無意味な痛ましい物であった事が誠に悲しくてならず遣り切れない思いになりましたね。最初の母親の死は不幸にも仕方なかったとして、残りの3人は何とか意思を強く持って踏み堪えて欲しかったなと思うのですね。人生を諦めてはいけない、決して絶望に負けてはいけないと思います。悲しい境遇に強く立ち向かえなかった晋一と幸子は本当に可哀そうとしか言いようがありませんが、私は特に最後の富子にもっと勇気を持って欲しかったと強く悔やむのですね。怒りを内に向かわせるのではなく思いっ切り外に開放して世間に向けて自分が知った真実を告白してくれていたらよかったのにと心から思うのですね。最後の感想としまして本書を書いた西村氏の社会的弱者に向けた温かいまなざしが強く感じられた事と、どうか本書を読んだ読者がこれから耳の不自由な方々の立場に立って考え行動するきっかけになればと、またそういう思いを持った方が一人でも増えて行く事を強く願ってやみません。 | ||||
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耳が聞こえないというハンデと戦いながら一生懸命生きているのに、身体が不自由だと世間の目は冷たいのか。さらに、貧乏となるとなおさらだ。なんともやりきえない話である。 | ||||
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この本が出たときに文庫本で読みましたが、何十年ぶりかであらためてKindleで読みました。ハンディキャップを持った人の悩みは決して理解できませんが、是非多くの方にこの本を読んで欲しいです。 | ||||
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本作は推理ものとしてももちろん読み応えがありますが、 それ以上に犯人にされてしまった聾者の青年と彼を取り巻く環境の冷たさ、 世間の厳しい目に焦点が当てられその描写は一級だと思います。 本作は昭和39年(1964年)の作品だそうです。 21世紀の現代では当時よりは聾者に対する 差別、偏見などは緩和されているものとは思います。 そうした時代背景を踏まえた上でも、 やはり聾学校を卒業し、江東の玩具工場で働く青年は 社長にも同僚にもそして社会全体から 差別され、友人もなく本当にたまらなくかわいそうな気持でいっぱいになり 涙が出ました。 真犯人は最後までベールに包まれていて、 あっと驚く予想だにしない人物でした。 当時、新進の作家であった西村氏の未来の大物を予想させる秀作です。 | ||||
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推理小説としてはもちろんですが、聾者を取り扱う作品としても充分価値のある作品だと思います。 単純に「聾者を容疑者にしてみました」と言う奇をてらったものではなく、聾者の状況や抱える問題に丁寧に触れています。 作品中に出てくる「聾児にとって母親は、母親以上のものなのです。安心して話しあえる母親の存在は、生きている証でもあるのです」と言う言葉にハッとさせられました。 ミステリーファンの方も、聾者の歴史に興味のある方も読んで損はない作品だと思います。 | ||||
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耳が聞こえない聾人の現実をサスペンスと組み合わせた名作。 聾人である晋一は、彼の母親を殺害した容疑で逮捕されるが、拘留中に自殺。真犯人はだれだ?という流れで話は進む。 その過程で耳が聞こえないということがどういうことなのか。それが痛いほど伝わる。両の耳を手でふさいで、「これは不便」などという話ではない。 作中の印象的な台詞がある。「人間は言葉を話すことで人間性を獲得する」、、、であるにもかかわらず、聾人のつく仕事は会話を必要としない。 この現実は「耳が聞こえない=口もきけない」という偏見が生んでいる。恥ずかしながら、自分もそういう偏見があった。 時間を忘れて読んだ本作。どなたにも是非読んでもらいたい。 また、西村氏はこの作品を、彼の周囲にいた聾人のために書いたと書いてあった。単に小説家としてではなく、一人の人間として敬意を表したい。 | ||||
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推理小説としてのストーリー運びも一流ですが、人間ドラマを描いた作品としても高い評価 に値すると思います。 西村氏は、あとがきで聾者に対する世間の認知の貧困さに対しての怒りが本書の原動力と なっていると記されているが、まさにその正当な怒りが本編のいたる所から横溢していて 一つの推理小説の枠を超えた強い社会的テーマを訴えた文学作品にまで昇華しています。 一体誰が晋一(しんいち)青年をハメたのか?を推理する上で二転三転するサスペンスの 盛り込み方も素晴らしいけど、その過程で描き出される様々な人間像が実にリアル且つ魅力的 で惹きこまれます。 文体はシンプルで読み易いですが、全体に流れるテーマはとても重く、読後自分の重心が一段 下がるような感覚になりますが、ソコに得られる物が沢山あるような気がします。。 | ||||
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推理小説としてのストーリー運びも一流ですが、人間ドラマを描いた作品としても高い評価 に値すると思います。 西村氏は、あとがきで聾者に対する世間の認知の貧困さに対しての怒りが本書の原動力と なっていると記されているが、まさにその正当な怒りが本編のいたる所から横溢していて 一つの推理小説の枠を超えた強い社会的テーマを訴えた文学作品にまで昇華しています。 一体誰が晋一(しんいち)青年をハメたのか?を推理する上で二転三転するサスペンスの 盛り込み方も素晴らしいけど、その過程で描き出される様々な人間像が実にリアル且つ魅力的 で惹きこまれます。 文体はシンプルで読み易いですが、全体に流れるテーマはとても重く、読後自分の重心が一段 下がるような感覚になりますが、ソコに得られる物が沢山あるような気がします。。 | ||||
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ミステリとしても一級ですが、下町の情景を非常に繊細に描写した作品という 印象が非常に強く残っています。 秋霖(しゅうりん)という言葉が最初分からなかったのですが、それでも小説 を読んでいくと、秋霖の冷たさが皮膚に伝わってくるような感覚に襲われたこ とを、今でも忘れることはできません。 余談ですが、これを原作として、映画化もされたらしい。晋一少年を演じたの が、田村正和!だったとのこと。私は未見ですが、これもまた「はまり役」だ ったことでしょうね。一度是非見たいのですが・・。 | ||||
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他の評者の方が述べられている通り、社会派ミステリーです。現代では本書のように社会の問題と正面から向き合う本は、たとえ作家が希望してもなかなか出版しにくいのではないでしょうか。内容については、人物描写の緻密さは特筆すべきだと思います。特に事件の調査に当たる二人の主人公の心の動きはとても自然に描き出されています。一読されることをおすすめします。 | ||||
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西村京太郎の長編第1作です。聾者に対する社会の冷たい風を描いた社会派的な作品となっています。聾者の青年が病弱な母親に栄養剤を飲ませたところ、母親が砒素中毒で死んでしまいます。当然のごとく青年が逮捕されるのですが、彼の知り合いの女性が「聾者にとって唯一の支えであるはずの肉親を殺すはずがない」と考え、真相究明に乗り出すという話。素人が探偵役を務めることに対する不自然さがなく、彼女に対して自然に共感を持てるようになっているところがさすがは未来の巨匠です。 別に大掛かりなトリックがあるわけではないのですが、真相発見の為のヒントが随所にきちんとちりばめられており、本格推理としての骨格もしっかりしています。ところで、聾者に関する物語であるにもかかわらず、手話が一切出てこないことを不思議に思い、調べてみたところ、この本が書かれた1960年代には手話は聾者教育の場では認められていなかったのだそうです。 | ||||
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西村京太郎の作品はこれまで結構読みましたが、この作品は異色の傑作です。謎解きの面白さに加えて、松本清張バリのヒューマンドラマ的要素が作品の主要テーマになっていて、最近読んだ本の中では一番印象に残りました。西村京太郎も昔はこういう作品を書いていたんですね。もちろん、推理小説としても十分興味を持って楽しめます。是非、読むことをお勧めします。 | ||||
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