透明人間の納屋

【この小説が収録されている参考書籍】

評判

透明人間の納屋の評価:

3.85/5点 レビュー 33件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.85pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全83件 61〜80 4/5ページ
No.23
(4pt)

成長の意味。

この作品は子供が読めるように書かれている、と同時に子供に分からないようにも書かれている。おそらく、子供だった読者が大人になって再読することを期待しているのだろう。

それはタイトルにも表れている。この小説には英文のタイトルも付いているのである。
『The Invisible Man's Virus』、直訳すると「透明人間のウイルス」

冒頭には宇宙から飛来するウイルスという話があるので、子供のように素直に読めば「ああウイルスというのは、このことなのだろう」と思うが、実はVirusという語には「道徳、精神上の害毒」という別の意味もある。
無論、小説の最後には「透明人間というのはこういう意味なのですよ」という一応の説明はなされるわけで、透明人間の正体には子供でも否応なく気づく。これは、言い換えてしまえば、教えられてしまっていることに他ならない。
しかし、この英文タイトルの掛詞「Virus」は自分から考えなければ、まず発見できない。「ウイルスとは何か?」という問いかけは本文中にないのである。これは、英文タイトルの意味を知っていて(知ろうとして)初めて問われることなのである。

人間というものは、年齢が20才に達すると自動的に子供から大人に成るわけではなく、知ること、知ろうとすることで人は成長する。子供の頃、分からなかったことは、大人になった今になれば、当たり前のように分かる。しかし、透明人間という未知のものを生々しく感じることは、だんだん難しくなっていくのだろう。成長は嬉しいことである反面、悲しいことでもある。それは主人公の少年ヨウイチが大人になって、過去を振り返る時に感じることに似ているような気がする。

子供のころ、自分が読んだ本が手元にあれば、これを期に再読してみるのもいいかも知れない。
ミステリとしては若干楽しめない部分もあったけれど、十分に意味のある良書だと、個人的には思う。あと装丁・装画もしっかりしていて、本として良い。
透明人間の納屋 (ミステリーランド) Amazon書評・レビュー: 透明人間の納屋 (ミステリーランド)より
4062705613
No.22
(4pt)

成長の意味。

この作品は子供が読めるように書かれている、と同時に子供に分からないようにも書かれている。おそらく、子供だった読者が大人になって再読することを期待しているのだろう。

それはタイトルにも表れている。この小説には英文のタイトルも付いているのである。
『The Invisible Man's Virus』、直訳すると「透明人間のウイルス」

冒頭には宇宙から飛来するウイルスという話があるので、子供のように素直に読めば「ああウイルスというのは、このことなのだろう」と思うが、実はVirusという語には「道徳、精神上の害毒」という別の意味もある。
無論、小説の最後には「透明人間というのはこういう意味なのですよ」という一応の説明はなされるわけで、透明人間の正体には子供でも否応なく気づく。これは、言い換えてしまえば、教えられてしまっていることに他ならない。
しかし、この英文タイトルの掛詞「Virus」は自分から考えなければ、まず発見できない。「ウイルスとは何か?」という問いかけは本文中にないのである。これは、英文タイトルの意味を知っていて(知ろうとして)初めて問われることなのである。

人間というものは、年齢が20才に達すると自動的に子供から大人に成るわけではなく、知ること、知ろうとすることで人は成長する。子供の頃、分からなかったことは、大人になった今になれば、当たり前のように分かる。しかし、透明人間という未知のものを生々しく感じることは、だんだん難しくなっていくのだろう。成長は嬉しいことである反面、悲しいことでもある。それは主人公の少年ヨウイチが大人になって、過去を振り返る時に感じることに似ているような気がする。

子供のころ、自分が読んだ本が手元にあれば、これを期に再読してみるのもいいかも知れない。
ミステリとしては若干楽しめない部分もあったけれど、十分に意味のある良書だと、個人的には思う。あと装丁・装画もしっかりしていて、本として良い。
透明人間の納屋 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: 透明人間の納屋 (講談社ノベルス)より
4061826344
No.21
(4pt)

流石島田さん

子ども向けだからこそ書かれた内容と、子ども向けだからと手を抜かない謎解きがしっかり両立している。さすが島田荘司。

人間消失の謎をきちんと解明しており、透明人間の秘密も納得できるもの。

ただ、主人公の少年が襲われた部分の真実がいまひとつだったけれど、それでも悪くない作品だった。
透明人間の納屋 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 透明人間の納屋 (講談社文庫)より
4062773392
No.20
(4pt)

流石島田さん

子ども向けだからこそ書かれた内容と、子ども向けだからと手を抜かない謎解きがしっかり両立している。さすが島田荘司。
人間消失の謎をきちんと解明しており、透明人間の秘密も納得できるもの。
ただ、主人公の少年が襲われた部分の真実がいまひとつだったけれど、それでも悪くない作品だった。
透明人間の納屋 (ミステリーランド) Amazon書評・レビュー: 透明人間の納屋 (ミステリーランド)より
4062705613
No.19
(4pt)

流石島田さん

子ども向けだからこそ書かれた内容と、子ども向けだからと手を抜かない謎解きがしっかり両立している。さすが島田荘司。
人間消失の謎をきちんと解明しており、透明人間の秘密も納得できるもの。
ただ、主人公の少年が襲われた部分の真実がいまひとつだったけれど、それでも悪くない作品だった。
透明人間の納屋 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: 透明人間の納屋 (講談社ノベルス)より
4061826344
No.18
(2pt)

私には合わないタイプの作家

~透明人間をテーマにしたジュブナイル・ミステリー。今度こそ“当たり”かな、と思って、毎回裏切られているのが私の島荘感です。
『占星術殺人事件』のインパクトが強すぎたのでしょうか…。ミステリーとしてはイマイチでしたが、
ジュブナイルとしてはなかなかよく出来ているとは思います。
たぶんに説教臭いというか、
作者のノンフィクション~~作品のテーマがしみ出しているのが、
アクが強いと感じるかどうか、は微妙なところですが…。~
透明人間の納屋 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 透明人間の納屋 (講談社文庫)より
4062773392
No.17
(2pt)

私には合わないタイプの作家

~透明人間をテーマにしたジュブナイル・ミステリー。今度こそ“当たり”かな、と思って、毎回裏切られているのが私の島荘感です。『占星術殺人事件』のインパクトが強すぎたのでしょうか…。ミステリーとしてはイマイチでしたが、ジュブナイルとしてはなかなかよく出来ているとは思います。たぶんに説教臭いというか、作者のノンフィクション~~作品のテーマがしみ出しているのが、アクが強いと感じるかどうか、は微妙なところですが…。~
透明人間の納屋 (ミステリーランド) Amazon書評・レビュー: 透明人間の納屋 (ミステリーランド)より
4062705613
No.16
(2pt)

私には合わないタイプの作家

~透明人間をテーマにしたジュブナイル・ミステリー。今度こそ“当たり”かな、と思って、毎回裏切られているのが私の島荘感です。『占星術殺人事件』のインパクトが強すぎたのでしょうか…。ミステリーとしてはイマイチでしたが、ジュブナイルとしてはなかなかよく出来ているとは思います。たぶんに説教臭いというか、作者のノンフィクション~~作品のテーマがしみ出しているのが、アクが強いと感じるかどうか、は微妙なところですが…。~
透明人間の納屋 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: 透明人間の納屋 (講談社ノベルス)より
4061826344
No.15
(4pt)

確かな存在感と力

奇怪な状況がきちんと論理的に説明されるのはいつもながらお見事。人間消失については正直いまひとつでしたけれども。
だけどミステリだけの意味合いでなく「人が消える」ことがきちんと描かれているのは凄さです。ずしんと上手い。
「今」「子供向け」だから多分島田さんはあえて書いたのだろうなぁと思います。たとえよくわからなくても、女の幽霊の不気味さや、消えた隣人や、作りかけのプラモデルや、透明人間の話にあるある種の哀切さを、きっと子どもは覚えている。地球は狭く、悲劇は本当にすぐそこにある。消えたのは自分の町の、自分の友達なのです。テレビで見る誰かではない。透明人間はそこにいる。誰にも気付いてもらえず、冷たい海の中に白い塊になって浮かんで終わる。それはお話ではない。いつかきっと気付く。そしてできれば、自分でその闇を解き明かして欲しいと島田さんは思っている。
まあ、この人のこの説教くさいところはあまり好きでもないですが。それとは別に、独特の郷愁やちょっとどきどきする展開は良かったです。読んで損はない、力のある作品だと思います。
透明人間の納屋 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 透明人間の納屋 (講談社文庫)より
4062773392
No.14
(4pt)

確かな存在感と力

奇怪な状況がきちんと論理的に説明されるのはいつもながらお見事。人間消失については正直いまひとつでしたけれども。だけどミステリだけの意味合いでなく「人が消える」ことがきちんと描かれているのは凄さです。ずしんと上手い。「今」「子供向け」だから多分島田さんはあえて書いたのだろうなぁと思います。たとえよくわからなくても、女の幽霊の不気味さや、消えた隣人や、作りかけのプラモデルや、透明人間の話にあるある種の哀切さを、きっと子どもは覚えている。地球は狭く、悲劇は本当にすぐそこにある。消えたのは自分の町の、自分の友達なのです。テレビで見る誰かではない。透明人間はそこにいる。誰にも気付いてもらえず、冷たい海の中に白い塊になって浮かんで終わる。それはお話ではない。いつかきっと気付く。そしてできれば、自分でその闇を解き明かして欲しいと島田さんは思っている。まあ、この人のこの説教くさいところはあまり好きでもないですが。それとは別に、独特の郷愁やちょっとどきどきする展開は良かったです。読んで損はない、力のある作品だと思います。
透明人間の納屋 (ミステリーランド) Amazon書評・レビュー: 透明人間の納屋 (ミステリーランド)より
4062705613
No.13
(4pt)

確かな存在感と力

奇怪な状況がきちんと論理的に説明されるのはいつもながらお見事。人間消失については正直いまひとつでしたけれども。だけどミステリだけの意味合いでなく「人が消える」ことがきちんと描かれているのは凄さです。ずしんと上手い。「今」「子供向け」だから多分島田さんはあえて書いたのだろうなぁと思います。たとえよくわからなくても、女の幽霊の不気味さや、消えた隣人や、作りかけのプラモデルや、透明人間の話にあるある種の哀切さを、きっと子どもは覚えている。地球は狭く、悲劇は本当にすぐそこにある。消えたのは自分の町の、自分の友達なのです。テレビで見る誰かではない。透明人間はそこにいる。誰にも気付いてもらえず、冷たい海の中に白い塊になって浮かんで終わる。それはお話ではない。いつかきっと気付く。そしてできれば、自分でその闇を解き明かして欲しいと島田さんは思っている。まあ、この人のこの説教くさいところはあまり好きでもないですが。それとは別に、独特の郷愁やちょっとどきどきする展開は良かったです。読んで損はない、力のある作品だと思います。
透明人間の納屋 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: 透明人間の納屋 (講談社ノベルス)より
4061826344
No.12
(5pt)

島田荘司でなければ書けない世界

講談社企画の『かつて子どもだったあなたと少年少女のためのミステリーランド』の第一回配本。僕は初版本を手に入れたが、石塚桜子さん(この人は「異邦」の扉に還る時にも島田氏の絵をプレゼントするところがでてくるがまるで『犬吠里見(●^o^●)』みたいに素敵な画家さんである)の絵がとても印象的で、この本は是非とも文庫化されてもハードカバーを手に取って欲しいのが正直な気持ちだ。全部にルビが振られていて少年少女を意識した作りになっている、が、内容的にはかなり現代を切る鋭いものになっていて、やはり読者は島田荘司を読んでいるもう少し上の年代向けになっている気がした。特に北朝鮮を描いた部分が鋭い。iPodでチック・コリアの『マイ・スパニッシュ・ハート』を聴きながら読んだが、結構ぴったりした。島田荘司でなければ書けない世界。石塚桜子さんの挿し絵ともども推薦したい。
透明人間の納屋 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 透明人間の納屋 (講談社文庫)より
4062773392
No.11
(5pt)

島田荘司でなければ書けない世界

講談社企画の『かつて子どもだったあなたと少年少女のためのミステリーランド』の第一回配本。僕は初版本を手に入れたが、石塚桜子さん(この人は「異邦」の扉に還る時にも島田氏の絵をプレゼントするところがでてくるがまるで『犬吠里見(●^o^●)』みたいに素敵な画家さんである)の絵がとても印象的で、この本は是非とも文庫化されてもハードカバーを手に取って欲しいのが正直な気持ちだ。全部にルビが振られていて少年少女を意識した作りになっている、が、内容的にはかなり現代を切る鋭いものになっていて、やはり読者は島田荘司を読んでいるもう少し上の年代向けになっている気がした。特に北朝鮮を描いた部分が鋭い。iPodでチック・コリアの『マイ・スパニッシュ・ハート』を聴きながら読んだが、結構ぴったりした。島田荘司でなければ書けない世界。石塚桜子さんの挿し絵ともども推薦したい。
透明人間の納屋 (ミステリーランド) Amazon書評・レビュー: 透明人間の納屋 (ミステリーランド)より
4062705613
No.10
(5pt)

島田荘司でなければ書けない世界

講談社企画の『かつて子どもだったあなたと少年少女のためのミステリーランド』の第一回配本。僕は初版本を手に入れたが、石塚桜子さん(この人は「異邦」の扉に還る時にも島田氏の絵をプレゼントするところがでてくるがまるで『犬吠里見(●^o^●)』みたいに素敵な画家さんである)の絵がとても印象的で、この本は是非とも文庫化されてもハードカバーを手に取って欲しいのが正直な気持ちだ。全部にルビが振られていて少年少女を意識した作りになっている、が、内容的にはかなり現代を切る鋭いものになっていて、やはり読者は島田荘司を読んでいるもう少し上の年代向けになっている気がした。特に北朝鮮を描いた部分が鋭い。iPodでチック・コリアの『マイ・スパニッシュ・ハート』を聴きながら読んだが、結構ぴったりした。島田荘司でなければ書けない世界。石塚桜子さんの挿し絵ともども推薦したい。
透明人間の納屋 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: 透明人間の納屋 (講談社ノベルス)より
4061826344
No.9
(5pt)

少年少女向けと侮るなかれ。

子供向けということで、ミステリーマニアを意識した奇を衒った記述が
削げ落ち、島田荘司のファンダメンタルで、コアな部分が残った物語にな
っている。話の背景が十分に理解できていない子供には、勿体ないくらい
だと思う。
 また、ミステリー小説の類は、書評を頼りにせず、片っ端から読んで、心地よく騙される、驚かされるという奇蹟を待つものなのだな、と再認識
させてくれた。
透明人間の納屋 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 透明人間の納屋 (講談社文庫)より
4062773392
No.8
(5pt)

少年少女向けと侮るなかれ。

 子供向けということで、ミステリーマニアを意識した奇を衒った記述が削げ落ち、島田荘司のファンダメンタルで、コアな部分が残った物語になっている。話の背景が十分に理解できていない子供には、勿体ないくらいだと思う。 また、ミステリー小説の類は、書評を頼りにせず、片っ端から読んで、心地よく騙される、驚かされるという奇蹟を待つものなのだな、と再認識させてくれた。
透明人間の納屋 (ミステリーランド) Amazon書評・レビュー: 透明人間の納屋 (ミステリーランド)より
4062705613
No.7
(5pt)

少年少女向けと侮るなかれ。

 子供向けということで、ミステリーマニアを意識した奇を衒った記述が削げ落ち、島田荘司のファンダメンタルで、コアな部分が残った物語になっている。話の背景が十分に理解できていない子供には、勿体ないくらいだと思う。 また、ミステリー小説の類は、書評を頼りにせず、片っ端から読んで、心地よく騙される、驚かされるという奇蹟を待つものなのだな、と再認識させてくれた。
透明人間の納屋 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: 透明人間の納屋 (講談社ノベルス)より
4061826344
No.6
(3pt)

読み終わった後の余韻…

今、ちょうど「透明人間の納屋」を読み終わりました。
読み終わったあとのこの余韻…寂しいような、悲しいような、空しさ。
手に届かない所に行ってしまった、どうにも出来ない現実、歴史の悲劇。
それが、「ああ、良い作品だった」と感じさせました。島田荘司の推理小説の魅力というのは、こういう、歴史の悲劇を扱っているところにあると思うんです。戦争や、この小説のようなその時代の悲劇が生む、非現実的な「真実」、そしてそんな悲劇に
対してよんでいるうちに湧き上がる怒りや空しさ、それは確かに嫌悪感や不快感を呼ぶものであるはずなのに、
なぜかものすごい魅力となって惹きつけられ駆け足で読んでしまうのです。しかし、この作品は推理小説としては、まるでテレビの陳腐な推理ドラマのように退屈で、
読み続けるのにかなり努力を要しました。
結局「終わりよければすべてよし」という感じです。
一番最後の真相告白の部分が、序盤に読者の好感を引いておいた人物に関わる今話題の衝撃の(?)事実なので、読後のイメージがアップしたという「トリック」なのではないでしょうか。
同じ歴史を用いた話なら、「ロシア幽霊軍艦」や「ねじ式」の方が面白かったです。
透明人間の納屋 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 透明人間の納屋 (講談社文庫)より
4062773392
No.5
(3pt)

読み終わった後の余韻…

今、ちょうど「透明人間の納屋」を読み終わりました。読み終わったあとのこの余韻…寂しいような、悲しいような、空しさ。手に届かない所に行ってしまった、どうにも出来ない現実、歴史の悲劇。それが、「ああ、良い作品だった」と感じさせました。島田荘司の推理小説の魅力というのは、こういう、歴史の悲劇を扱っているところにあると思うんです。戦争や、この小説のようなその時代の悲劇が生む、非現実的な「真実」、そしてそんな悲劇に対してよんでいるうちに湧き上がる怒りや空しさ、それは確かに嫌悪感や不快感を呼ぶものであるはずなのに、なぜかものすごい魅力となって惹きつけられ駆け足で読んでしまうのです。しかし、この作品は推理小説としては、まるでテレビの陳腐な推理ドラマのように退屈で、読み続けるのにかなり努力を要しました。結局「終わりよければすべてよし」という感じです。一番最後の真相告白の部分が、序盤に読者の好感を引いておいた人物に関わる今話題の衝撃の(?)事実なので、読後のイメージがアップしたという「トリック」なのではないでしょうか。同じ歴史を用いた話なら、「ロシア幽霊軍艦」や「ねじ式」の方が面白かったです。
透明人間の納屋 (ミステリーランド) Amazon書評・レビュー: 透明人間の納屋 (ミステリーランド)より
4062705613
No.4
(3pt)

読み終わった後の余韻…

今、ちょうど「透明人間の納屋」を読み終わりました。読み終わったあとのこの余韻…寂しいような、悲しいような、空しさ。手に届かない所に行ってしまった、どうにも出来ない現実、歴史の悲劇。それが、「ああ、良い作品だった」と感じさせました。島田荘司の推理小説の魅力というのは、こういう、歴史の悲劇を扱っているところにあると思うんです。戦争や、この小説のようなその時代の悲劇が生む、非現実的な「真実」、そしてそんな悲劇に対してよんでいるうちに湧き上がる怒りや空しさ、それは確かに嫌悪感や不快感を呼ぶものであるはずなのに、なぜかものすごい魅力となって惹きつけられ駆け足で読んでしまうのです。しかし、この作品は推理小説としては、まるでテレビの陳腐な推理ドラマのように退屈で、読み続けるのにかなり努力を要しました。結局「終わりよければすべてよし」という感じです。一番最後の真相告白の部分が、序盤に読者の好感を引いておいた人物に関わる今話題の衝撃の(?)事実なので、読後のイメージがアップしたという「トリック」なのではないでしょうか。同じ歴史を用いた話なら、「ロシア幽霊軍艦」や「ねじ式」の方が面白かったです。
透明人間の納屋 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: 透明人間の納屋 (講談社ノベルス)より
4061826344