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冤罪法廷



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【この小説が収録されている参考書籍】
冤罪法廷(上) (新潮文庫)
冤罪法廷(下) (新潮文庫)

冤罪法廷の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

物語の構成はいいのだが、語りが?

法廷ミステリーの巨匠(と言っていいだろう)グリシャムの史実に基づいた長編ミステリー。アメリカで冤罪死刑囚の解放に取り組む組織と弁護士の奮闘をリアルに描いた、問題提起リーガル・ミステリーである。
冤罪死刑囚の無実を証明し、刑務所から解放することを目的とする非営利団体「ガーディアン・ミニストリーズ」の弁護士・ポストは、強姦殺人で死刑を宣告されたラッセルの事件では、警察と検察の雑な捜査の瑕疵を突いて無実を証明した。次に取り組んだのが弁護士殺害で死刑宣告された黒人・クインシーの一件。無実を訴えながら22年間も服役させられているクインシーが有罪の決め手とされたのは目撃証言と、裁判前に消失したという血の付いた懐中電灯だった。証言者のあやふやさにも証拠品の消滅にも納得できないポストたちは、証言者の周辺を徹底的に洗い、偽証の可能性が高いことを確信する。さらに、消えた懐中電灯についても、捜査関係者の不正があった疑いを強めていく。しかし、無償で国中を走り回り、体を張って調査するポストたちに迫るのは、事件を作り出し、弁護士の命を奪うことも躊躇しない、極めて危険な連中だった…。
主人公とその組織には現存するモデルがあり、実話をベースにした物語ということでストーリー、人物、事件の背景などにリアリティがあり、アメリカ(に限らず、日本も同じだが)の司法システムの問題点を鋭く突いていて、読み応えがある。ただ、事実に縛られすぎたのか、ノンフィクション的な淡白さが強くて、エンターテイメントとしては完成度がイマイチなのが惜しい。
法廷ミステリーのファンにオススメする。

iisan
927253Y1

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