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野良犬の値段



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野良犬の値段

野良犬の値段の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

映像化は不可能、けれど映像向きのサスペンス群像劇

警察は頭を働かせて犯人逮捕に繋がる手がかりを得ようと必死になりますが、犯人サイドは奸智を巡らせます。両サイドの頭脳バトルが見ものなので、ハラハラしながら読めます。ですが、両サイドは互角ではなく、犯人サイドが一枚も二枚も計算が立つため、もう少し手に汗握る攻防戦を読みたかったです。
二時間ドラマの脚本を読んでいる気分で、年末年始年始に読むのにうってつけの作品だと思います。ですが、本作は、絶対に映像化は不可能でしょう。メディアへの皮肉満載なところもありますが、とあるショッキングな内容や暴力的な描写があり、表現規制の厳しい今のテレビには、受け入れられない内容を含んでいます。
ショッキングな死体が発見されるシーンがあります。この誘拐サイトが悪戯ではないことを証明させるためかと思いきや、そこには深い犯人側の計算があります。なので必要不可欠な描写で、ミステリ要素があります。"○○○の論理"の答としては、少し陳腐な印象を持ちましたが、、、。

本作を読みながら、ドラマでありますが、相棒の『ピエロ』という作品を思いだしました。そちらの作品も誘拐劇を扱っており、かつ、ホームレスの物語も関係します。また、もう一つ、なぜ、誘拐した人物の一人を映像に映さなかったかという謎が、本作と似ている気がしました。もちろん、その答はまったく違いますが。『ピエロ』を観て楽しめた方は、本作にも満足できるかもしれません。
(ピエロの方は主人公の警部が優秀で、手に汗握る攻防戦という面で軍配が上がりますが、、、。ちなみに脚本は太田愛で、馴染みのある方もいると思います。)

本作の魅力は、なんといってもホームレスのバックグラウンドと群像劇です。ホームレスたちには、めいめいホームレスになってしまった悲劇的な出来事があり、同情を感じます。
また、この作品には数多くの人物が登場する群像劇で、それぞれの立場からの考え、台詞にリアリティがあり、感心しました。

一方で地の文には魅力が薄く、余計な登場人物も多かった印象です。
強引な展開も幾つか散見されます。細かい箇所も緻密に描けていたら完璧だったと思います。

bamboo
NU17PFML

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