ガリレオシリーズ、初長編。石神の仕掛けたトリックに涙。映画も良かった。

ガリレオシリーズ自体はそこまで好きではないが、これは面白かった。
映画もよかったです。

▼以下、ネタバレ感想

ガリレオシリーズで３番目に好きな作品です。
トリックが見事だった。

評価してたつもりがしてなかった。映画も面白いけど、小説のほうがこまかくわかって面白い！東野作品は面白いけど、つまらないのもおおいよね。まぁ読むけどｗ

このシリーズの中でも一番いいと思った。

結末が

どんでん返し、感動ストーリー、トリックなど、最高。映画化されてしまっているが、本のほうがいい。

東野圭吾作品はけっこう好きなんですが、これもとても面白い作品でした。
どんな形で真相が明かされるのか、想像しながら読み進めていったけど、事件の真相（トリック）を知って驚きました。予想の斜め上あたり。
石神の設定も、やたら自分と重なる部分があり、変な共感（？）を持ちながら読んでました。
「献身」というタイトルの意味も考えてみると、真相を知って合点がいくというところ。読み応えはとてもありました。
結末も賛否両論ありそうですが、「それで終わるしかないよなぁ」という感じでした。
深い愛情に驚かされるオススメの作品です。

ちなみに本格云々については触れないでおきます。初心者なので。

天才物理学者湯川VS天才数学者石神、二人の天才による頭脳戦。
出題者石神、回答者湯川という図式の(変人)対決になりますが、突き抜けっぷりでは石神の圧勝といえるでしょう。
超有名人である主演を脇に追いやる程の「怪演」から、２１世紀ミステリ助演男優賞の座は恐らく今後５０年揺るぎないと思わせる化物キャラであったと思います。(私は好きではないですが)


▼以下、ネタバレ感想

心理描写や行動を見たほうがいい
トリックとかより、そっちに注目すべき

東野氏は売れすぎてるから読まないって言うか、好きではないと思い込んでいる作家。そのくせ、【秘密】とか【白夜行】とか読んで、う～んって一筋縄ではないなとは思ってもいる。この本も、まさしくそう。

この作品は当然基本的にミステリ－なのだが読んでいる内に事件の真相よりも、その人間ドラマに引き込まれていく。
そして、忘れた頃にぽ－んって真相を放り込んでくるから、それがまた衝撃的で心をえぐってくる。

意外なことは、
（ガリレオ）シリ－ズを読むのはこれが初だが、主人公？の湯川がメインで登場するわけではなく、どちらかと言えば控えめでちょろちょろと出てくる程度で、探偵・探偵しているわけでもなく、メインはあくまで石神であり、靖子だった。

これだけの文量でこれだけの表現は、もう認めざる得ないだろう。

とにかくおもしろかったというか深かった。こんな愛情の形を考え付くとはすごい!!
読みながら、映画版をテレビで見たのを思い出した。映像の状況と重なってよりリアルに感じた。

いやー。なんか圧巻でした。面白いドラマを見ているようにスラスラ読めて物語に没頭しました。それでいて最後はどんでん返しにびっくりです。
高評価のわけがわかりますね。とても面白かったです。

タイトルの意味が、読了後に心に沁みました。

さすがだと思った。
タイトルから内容から結末から。
先に映画化された本書を見たので、結末は分かっていたが
しかし圧巻
献身・・・深いな、と。
実写化になった福山さん、堤さん、お二人とも
役柄にぴったりだと。
お二人を重ねて読んでいたと言っても過言ではなかった。
この作品で１番悲しい人物・・・
誰と決めることは自分にはできない。
石神、靖子、湯川、それぞれがそれぞれに思うことがあるから。
いろんな人から支持される作品だというのが分かる。

先に映画を見ていたのであらすじは分かっていたのですが、やはりおもしろかったです。

ドラマ小説だと思って油断した。
全然思いもしなかった方向から真相が明かされた印象。

読書後調べてTVや映画になっていた事を知りました。
シリーズ含め、物語に触れるのは本書が初めてです。

あらすじより、
"天才同士のバトル"という印象から手に取ったのですが、
文字から受ける熱いバトルというのはなく、
静かな深層の探り合いと言う印象でした。

本書のトリックの隠し方がとても巧いですね。
以下ネタバレで。


▼以下、ネタバレ感想