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どちらかが彼女を殺した



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どちらかが彼女を殺したの評価: 6.20/10点 レビュー 20件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.20pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全4件 1~4 1/1ページ
No.4:4人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

やはり推理してこそミステリ

あえて犯人が誰かを書かない本格ミステリという野心的な作品である本書は発表当時非常に話題になったものだ。
これは『名探偵の掟』にも登場人物の口から語られていた
「本当に推理しながらミステリを読む読者なんているのか?」
という疑問を解き明かす為に東野氏が読者に挑んだ作品なのだ。

その昔からもエラリイ・クイーンに代表される「読者への挑戦状」という形式で読者との知的ゲームを演出していたが、本書のように真相すらも読者の推理次第で変わるという風に徹底したのは初めて。

しかしそれを成立させる為には読者が真相を解明できるためのヒントは全て開示しなければならないというリスクも発生する。つまり東野氏もまた挑戦者でもあるのだ。

殺人事件の容疑者は2人というシンプルな設定も意気込みを感じる。エラリイ・クイーンも後期は登場人物がどんどん少なくなっていったが、本書はさらにその上を行くシンプルさ。

しかしそれだけでは終わらない。妹和泉園子の仇を討つために兄康正が現場を自殺に見せかけてまで、自身で犯人を捉え、復讐を企む相手に疑問を投げかける加賀。つまり本書はどちらも犯人を捕まえる目的でありながら、自殺に見せかけようとする康正と他殺の線がどうしても拭いきれない加賀との、警官同士の一騎打ちという構図もまた現れる。
やはり東野圭吾はただの推理小説は書かないのだ。

さすがに真相が語られないとなると読書も通常よりも緊張感が増すように感じられる。元々私は推理をしながら読む方なのだが、それでさえなおそう感じる。まあ、推理しながら読むといいながらもその勝率はかなり低いのだから、仕方がないのだが。

さらに感心したのは犯人が誰かを明かさないという読者を突き放した結末でありながらも欲求不満を感じるものではなく、きちんと小説としての結末が成されていることだ。妹を殺され、佃潤一と弓場佳世子の前に立ちふさがる和泉康正の復讐とそれを阻止せんと奮闘する加賀との対決が物語の読みどころになっているところが素晴らしい。
最後に容疑者2人と康正と加賀が犯行現場の園子の部屋で一堂に会して繰り広げるサスペンスフルなやり取りは非常にスリリングで読み応えがある。しかもそこで語られる内容が犯人を特定する重要なヒントになっているのだから読書にも熱が入るのだ。

しかしかような本格ミステリに特化した物語でありながら、東野氏の数少ないシリーズキャラクター加賀恭一郎の存在感が更に厚みを増したように感じる。ディック・フランシスの競馬シリーズでいうならば、東野作品のシッド・ハレーというと云い過ぎだろうか?

また改めて本格ミステリが読者との知的ゲームであることを再認識させてくれた東野氏に感謝したい。本当にミステリは当っても外れても面白い。それが作者の挑戦に真っ向から勝負したとあっては尚更である。同趣向の『私が彼を殺した』では是非ともリベンジを果たしたい。


▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.3:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

加賀恭一郎シリーズ第3弾

自殺に偽装を施された妹の遺体を警察官である兄が発見した。
容疑者は2人に絞られたが、妹を殺したのは親友か元恋人か? それとも・・・

基本的に2択ですが、タイトルがミスリードだと考えて終盤まで他の可能性も無駄に追ってました(笑)
具体的に犯人の名前が記されない珍しいミステリですが、タイトルの意義とある1文から見当が付くことを踏まえるとそこまで気になりませんでした。

エーカー
NWKWLAAY
No.2:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

どちらかが彼女を殺したの感想

なかなか面白かったです。 シンプルな構成だけど凝っていて、最後の謎解きも楽しく参加できました。 スピーディーに読めるけどあんまりハラハラドキドキはしませんでした。

marebear
FLDW4YE1
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

どちらかが彼女を殺したの感想

読者への挑戦状を叩きつけられたみたいで、新鮮でした。しかし難しくてすぐに解説を見ることに……。
なるほどな、と納得です

アルバトロス
CRRRDTJB

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