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最終退行



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【この小説が収録されている参考書籍】
最終退行
最終退行 (小学館文庫)

最終退行の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

銀行員にはなりたくないな〜(笑)

2004年に発表された、池井戸潤の比較的初期の作品。お得意の銀行業界を舞台にした社会派ミステリー小説である。
「負け組」といわれる都市銀行の副支店長・蓮沼は、担当する中小企業の苦境を理解し、サポートしようとするが、不良債権処理を一方的に押し付けてくる銀行本部や支店長との板挟みで、毎日が綱渡りの苦しい日々を送っていた。一方、頭取時代にバブル時の放漫経営で「負け組」となる原因を作った現会長・久遠は、何の責任も取らず、下には「信賞必罰」を押し付けて平然としていた。蓮沼の部下で問題社員だった男がリストラされ、銀行への報復として久遠に罠を仕掛けようとしているのを察知した蓮沼だったが、その罠を調査して行くうちに、久遠には巨額の裏金疑惑があることに気がついた。折から、蓮沼は銀行内部の陰湿な体質によって、取引先倒産の詰め腹をきらされそうになり、ついに堪忍袋を緒を切ることになる。
いわゆる金融犯罪をテーマにしているのではなく、巨大システムが庶民を圧迫していることの犯罪性をテーマとした社会派ミステリーである。日本型金融システムの崩壊が招いた悲劇をリアルに描いて読ませるとともに、日本の中間管理職の生きづらさと、それでも立ち上がる者へのエールが多くの読者の共感を呼ぶだろう。

iisan
927253Y1

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