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疾風ロンド



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【この小説が収録されている参考書籍】
疾風ロンド (実業之日本社文庫)
疾風ロンド

疾風ロンドの評価: 7.25/10点 レビュー 8件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.25pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全8件 1~8 1/1ページ
No.8:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

単純面白主義万歳!

文庫書き下ろしで刊行された本書はまたもやスキー(スノボ?)シーズンの雪山が舞台となる。そして主人公を務めるのは『白銀ジャック』でも登場した根津昇平と瀬利千晶の2人だ。

しかし彼ら2人が本格的に事件に乗り出すのは物語の中盤185ページごろだ。それまでは今回の物語の核である新種の炭疽菌『K-55』が盗まれた泰鵬大学医科学研究所の栗林とその中学生の息子秀人のコミカルな捜索劇が繰り広げられる。

そう、本書は細菌テロという重いテーマを持ちながらも、雰囲気は軽妙でコミカルな装いで物語は進む。

まず新種の炭疽菌『K-55』の名自体が作者の名前をもじっていることからも深刻さを避けようとしているのが明白だろう。

しかし構成は単純ながらもさすがはベテラン作家東野氏、ストーリーに様々な要素を織り込んでいる。

まず脅迫者が事故死したことで『K-55』の隠し場所が解らなくなるというツイストもなかなかだ―ディーヴァーの『悪魔の涙』に成り行きが似ているという声もあろうが―。
さらに必死になって不祥事を揉み消そうと躍起になる東郷&栗林のコンビとは別に『K-55』を先に手に入れて3億円どころかそれ以上の身代金を請求しようと企む研究員、折口真奈美という第3の影。

そして捜索に同行させた栗林の息子秀人が現地で知り合う地元の中学生山崎育美の同級生高野一家に降りかかったインフルエンザで亡くなった妹の死に絡む母親の昏い情念と、コミカルながらも不穏な要素をきちんと用意している。
いやあ、いい仕事してますわ、東野氏は。

そしてそれらがきちんとクライマックスに向けて二転三転するストーリー展開に寄与していくのだから凄い。単に思わせぶりなエピソードに終わらず、それぞれがそれぞれの事情で正体も知らずに『K-55』の争奪に関わり、利用しようとする。
どうにか被害が広がらないように『K-55』を隠密裏に回収したい栗林。『K-55』を手に入れて脅迫金をせしめて大金を手に入れようと企む折口姉弟。妹の死に悲嘆にくれる母親を改心させようと自分のクラスに再び重病者を出して後悔させようとする高野裕紀。
正体を知っている者たちの思惑と知らない者たちの思惑が交錯して、クライマックスではスキーヤーとスノーボーダーの滑走しながらの一騎討ちといった活劇も織り込んで最後の最後まで息をつかせないノンストップエンタテインメント小説に仕上がっている。

さらには栗林が中学生の息子とのぎくしゃくしていた関係が事件を通じて次第にお互いに理解を深め合っていくといった、思春期を迎えた子供とのコミュニケーションに困っている親子がスキー、スノーボードを通じて親子の絆が深まるといった温まるエピソードまで加味されており全くそつがない。

正直これだけの物語を文庫書き下ろしで出す東野氏のサーヴィス精神に驚くばかりだ。

恐らくおっさんスノーボーダー東野圭吾は経営難で苦しんでいる日本中のスキー場を救わんととにもかくにも爽快で軽快な物語を愉しんでもらいたいという思いで本書を著し、そして多くの人に手に取ってもらうために文庫書き下ろしという形での発刊を選んだに違いない。

従って本書は徹底的に娯楽に徹したエンタテインメント小説である。難しいことは考える必要は全くない。
従来の東野作品の読者ならばこの単純さが、ベストセラー作家の走り書きとか、ストーリーに厚みがなくて物足りないなどとのたまうかもしれないが、単純面白主義の何が悪いと開き直って読むのが吉だ。
逆にこれだけウィンタースポーツとしてのスキー、スノーボードの疾走感やスキー場の臨場感も行間から滲み出てくるような躍動感に満ちていることをきちんと気付いてもらいたい。読みやすいが故にこの辺の技術の高さが軽んじられているのが東野圭吾氏の長所であり短所でもある。

普段読書をしない人たちに「何か面白い本、ない?」と訊かれたら、今はこの本を勧めるだろう。そして『白銀ジャック』に続いてドラマ化されてもおかしくないくらい映像化に向いている。

こうやって東野圭吾氏の読者が増えていくわけだが、それも仕方がないと納得せざるを得ないリーダビリティに満ちた作品だった。

Tetchy
WHOKS60S
No.7:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

なかなかの秀作

前作の白銀ジャックよりも数段楽しめる極上のエンターテイメント作品。
スピード感溢れ、読み手を疲れさせない。流石に映画化されたことはあると思った。

事件の内容は重くないのでミステリ好きでなくとも大丈夫なので、万人向け。
物語の中である宝探しをするのだが、それに行き着こうとすると、邪魔が入ったり、既に他人へ渡っていたりするのだが、
ここに海外ドラマの「24」ライクな感じがして、ハラハラドキドキ感も味わえる。
ちょっと褒めすぎかもしれないが、読めば納得するであろう。

yoshiki56
9CQVKKZH
No.6:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

疾風ロンドの感想

謎解きの要素はすくなかったが、単純に力を抜いて読めて
面白かった。

mick
M6JVTZ3L
No.5:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

疾風ロンドの感想

笑い、サスペンス、家族の情等々の色々な要素を、軽ーく混ぜ合わせたエンタメ作品。グロいのとか、後味の悪い(イヤミス)が嫌いなので、面白く読めて満足。「白夜行」、「秘密」、「容疑者X」等、私の好きな東野作品の傑作群とは全然テイストが違いますが、上等の暇つぶし作品(勿論褒めてます)でした。内容は軽かったけど、きっと作者が一番言いたいのは、スキー(スキー場)愛何だろうね。くれぐれも、求める物を間違えてガッカリしないように、大らかな気持ちで楽しんで下さい。職人芸ですよ、おススメします。

なおひろ
R1UV05YV
No.4:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

疾風ロンドの感想

早く読める

はあひい
S8NNOKSV
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

疾風ロンドの感想

スノボしたくなった。個人的にこの作品もテンポよく読めた

呑んだくれ
P3S7II56
No.2:
(7pt)

疾風ロンドの感想

面白いことは面白いが、ウィンタースポーツのゴリ押し感が強い為、興ざめした感じがあった。展開も読みやすい気がした。

ビッケ
K1LY4PU3
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

疾風ロンドの感想

かる~い感じでサクサク読めました。前回の白銀ジャックの続編だったのですが、単独で読んでも充分面白いと思います。
ちょっとした2時間サスペンスみたいな内容ですが、雪山が好きな人達にとっては、なかなか楽しめるのではないでしょうか。

マグル
ZH9M7YFR

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