■スポンサードリンク


妖霧の舌



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
妖霧の舌 (光文社文庫)

妖霧の舌の評価: 6.00/10点 レビュー 1件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.00pt

■スポンサードリンク


サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(6pt)

妖霧の舌の感想

扉に長編本格推理と銘打たれていますが、自分のものさしでは本作はサスペンスだと思います。
なのでミステリ的な感想を書くことが難しく、それ以外の本作の感想、ただし完全にファンダム目線の感想を書きたいと思います。

竹本氏は文字の選択(意味内容だけでなく文字のビジュアルも考慮した選択)や文節間のリズム、文章の展開のしかたなどがとにかく巧みで、特に情景描写ではその光景がまるで眼前に広がるかのような錯覚を覚えます。そして竹本作品では曇天や雨、夜の闇、本作では濃い霧を舞台のシチュエーションとし読者の前にリアルに幻出させることで、作中の謎すらその眼前の濃霧などに吸い込まれまったく見通せないかのような幻惑感を生み出し、それにより登場人物たちの切迫感や焦燥感をも読者に共有させる効果を生み出しています。

また本作の特筆点として、パソコン通信の時代に電子ネットワーク上を伝播する悪意を予見している点が挙げられます。そしてそのネット上を伝播する悪意と、作中現実世界の深い霧の中で拡散していく悪意をシンメトリーに描き、さらに知っている人にとっては疫病を広める悪魔である「パズズ」のイメージを重ね合わせることで、得体の知れない悪意の広がりを多層的かつ幻惑的に描き出しています。

このように本作(というか竹本作品全般)の魅力は、巧みな文章や設定、構成の妙によって肌感覚すら錯覚させる幻惑の体験にあると思います。

▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

AliceinAbyss
RG0JBP5M

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!