東京近郊の海辺の町で密かにささやかれはじめた奇妙な噂。

芸能界に確固たる地位を築いた大歌手、橘百合子。

銭湯の湯舟でくつろいでいた青年は、ふと我に返って驚愕する。いつの間にか、そこは「女湯」に変わっていたのだ。

二つの隆起と三つの穴を持つ奇妙な出土物をめぐって議論を戦わせる学者たち。

1945年の東京。空襲のさなか、浜田少年は息絶えようとする隣人の「先生」から奇妙な頼まれごとをする。

N大学理論物理研究所助手の野々村は、ある日、研究所の大泉教授とその友人・番匠谷教授から一つの砂時計を見せられる。

ニューヨークの小さなラジオ局で、ニュース・ディレクターをしているジェフは、43歳の秋に死亡した。

開発途中の物質過去射出機“クロノス・ジョウンター”には重大な欠陥があった。

ぼくの飼い猫のピートは、冬になるときまって「夏への扉」を探しはじめる。

真希は29歳の版画家。夏の午後、ダンプと衝突する。

遠く、近く、求めあう二つの魂。想いはきっと、時を超える。

先生、ごめんなさい…。痛みと後悔に苦しむ少女が知らぬ“真実”(「痛み」)。

昭和40年代の初め。わたし一ノ瀬真理子は17歳、千葉の海近くの女子高二年。

奇想天外な着想と巧妙な話術を身上とする、当代一流のストーリー・テラー、ブラウンがその真価を発揮する短編集。

酒場を訪れた青年は、おもむろに身の上話を切りだした。「おれがまだ小さな娘だったころ―」。

二万年前に惑星コブナントに移住し、聖ベアトリスを信奉する社会を築いた人類の子孫たち。

『星を継ぐもの』シリーズ4作品 新版化 月面で発見された5万年前の死体はどこからやってきたのか？ ハードSFの巨匠ホーガン不朽の名作 第12回星雲賞海外長編部門受賞作 【創元ＳＦ文庫60周年記念新版】 月面調査員が、真紅の宇宙服をまとった死体を発見し

ぼんやりした不安と不満を抱え、それでも平凡に暮らしていた三人の女性が、突然、高校時代にタイムスリップさせられてしまう。

ニューヨーク暮らしにうんざりしていたサイモン・モーリーは、九〇年前に投函された青い手紙に秘められた謎を解くため「過去」‐一八八二年のニューヨークへ旅立つ。

「君は、いつから来た?」 伝説の作品が、いま蘇る――! 高校二年生の鹿島翔香はある日、昨日の記憶を喪失していることに気づく。

高校生の久太郎は、同じ1日が繰り返し訪れる「反復落とし穴」に嵌まる特異体質を持つ。

もし、現在の記憶を持ったまま十ヵ月前の自分に戻れるとしたら?この夢のような「リピート」に誘われ、疑いつつも人生のやり直しに臨んだ十人の男女。

芸大の映画サークルに所属する二見遭一は、天才とうわさ名高い新入生・最原最早がメガホンを取る自主制作映画に参加する。

1938年、ロサンゼルス。

士族出身の上流家庭・花村家にやってきた若い女性運転手。

絵に描いたような幼なじみの真理子と利恵を苛酷な運命が待ち受けていた。

昭和初期の帝都を舞台に、令嬢と女性運転手が不思議に挑むベッキーさんシリーズ第二弾。

ある夏の夜、酔って遅く帰ってきた姉から、失恋の顛末を聞かされる。

帝都に忍び寄る不穏な足音。ルンペン、ブッポウソウ、ドッペルゲンガー…。

伊豆・鳥島の東北東で一夜にして小島が海中に没した。

売り物になるショートショートの3要素は、新鮮なアイデア、完全なプロット、意外な結末。

脳腫瘍であと半年足らずの命と診断された脚本家リチャードは、旅の途中、サンディエゴのホテル・デル・コロナードでひとりの女性を目にする。

十一月七日水曜日。女子大生の藍は秋のその一日を何度も繰り返している。

あの人にも黄泉がえってほしい―。熊本で起きた不思議な現象。

前作『六の宮の姫君』で着手した卒業論文を書き上げ、巣立ちの時を迎えたヒロインは、出版社の編集者として社会人生活のスタートを切る。

吹雪のアルプス山中で遭難機が発見された。傍には引き裂かれたジュラルミン製トランクの破片。

1919年に生まれたハリー・オーガストは、死んでも誕生時と同じ状況で、記憶を残したまま生まれ変わる体質を持っていた。

最終学年を迎えた「私」は卒論のテーマ「芥川龍之介」を掘り下げていく一方、田崎信全集の編集作業に追われる出版社で初めてのアルバイトを経験する。