探偵稼業は女には向かない。ましてや、22歳の世間知らずの娘には―誰もが言ったけれど、コーデリアの決意はかたかった。

殺人から窃盗に至るまで、さながら犯罪見本市と化した一月のデントン市。

カーヴィ少年の失踪は誘拐事件に変貌した。

流感が猛威をふるう町に中傷の手紙がばらまかれ、切り裂き犯も老女を襲う。

肌寒い秋の季節。デントンの町では、連続婦女暴行魔が跳梁し、公衆便所には浮浪者の死体が転がる。

おまえの企みは、わかっているんだぞ…女性パーソナリティと聴取者が直接語りあう人気ラジオ番組にかかってきた、激怒した男の脅迫めいた電話。

<おまえは殺されるのだ>素人演劇の公演を前に、三人の出演者に不気味な死の予告状が届く。これは単なる嫌がらせか。

ロンドンから70マイル。ここ田舎町のデントンでは、もうクリスマスだというのに大小様々な難問が持ちあがる。

過去の亡霊たちが、リーバス警部の周囲に気の重くなるような事件を積み上げている。

さいたま市で治安悪化に対応する夜間緊急警備班が発足。班長の若林警部は、部下の失態で出世街道を外れた男。

女の名はフィービ・ウィチャリー。二十一歳。

たまたま台所にあったボウルに入っていた食用かたつむりを目にしたのがきっかけだった。

吹き溜まりの街、ザ・メイン。いろんな人間たちが破れた夢を抱えて生きている。

屋上の絞首台に吊された藁製の縛り首の女―小説家ストラットン主催の“殺人者と犠牲者”パーティの悪趣味な余興だ。