蜂の巣にキス

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種別
長編
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あらすじ

2006年04月22日 蜂の巣にキス (創元推理文庫)

入り組んでいてせわしない。いつも飛び回っていて、その気になればいやというほど刺せる―“蜂の巣”。それが彼女の綽名。30年前に殺され、ぼくが死体を発見した美少女だ。彼女の事件を書くという試みに、作家であるぼくはスランプ脱出の望みをかけた。だが…真相を探るにつれ、絡みあい、もつれあう過去と現在、親と子、男と女。そしてぼくを脅し指図する謎の影。鬼才の傑作。(「BOOK」データベースより)

評判

蜂の巣にキスの評価:

0.00/10点 レビュー 0件。 B ランク

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蜂の巣にキスの総合評価:

8.18/10点 レビュー 11件。

感想一覧

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Amazonレビュー

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.11
(2pt)

どんどん読めますが

話のもっていきかたは、割と読者を引き込む感じで

ドンドンと読み進めましたが、ミステリーとしては

あまり心地よい裏切りもなく、ポツンという感じで

読み終わった気がします。

蜂の巣というあだ名な女の子をもっと魅力的に

描写して欲しかった。

ただ形容詞として「魅力的だった」とか「美しかった」

と何度言われてももっと心のヒダを触るような描写をしないと伝わってこないし、

ただ利発で聡明で美しくて前衛的であるコノ手の主人公は

よくありがちなので、イマイチ感情移入できなかったです。

彼女が本編では重要なキーワードなので、そのあたりはとても大切だっと

思うのでこのように評価しました。

ベロニカという女性の描写は面白みがありましたが、

それ故に最後がもっと意外すぎる展開にして欲しかったかも。
蜂の巣にキス (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 蜂の巣にキス (創元推理文庫)より
4488547087
No.10
(5pt)

地味だけどやっぱりキャロル

キャロルといえば、ダークファンタジー、下手なホラーよりよほど怖い。何が怖いって、何も起きないのに何か変だっていうのが延々つづくあたりがこわい。もちろん、ただこわいだけじゃなく、そこにさまざまな人間どうしの愛が描かれていたりする。だからこそ、それが壊れていくことがすごく怖い理由の一つなのだけれども。
 けれども、「蜂の巣にキス」は怖くない。解説で豊崎由美が書くように「これって普通のミステリーじゃん」なのだ。スランプの作家、サミュエル・ベイヤーがかつて子供のころ、若い女性の死体を発見した話をめぐって、調査を開始する。そこで意外なことがわかったり、まきこまれたり、親友に再会したり、とまあそういう話なわけで、おもしろいけど、普通のミステリー。愛読者だと言って主人公に近づいてくるすごく変な女性も出てくるけれど、それほど怖いわけじゃない。蜂の巣というのは、主人公が子供の頃に発見した死体の女性のあだ名なのだけれど、これだってとても不思議な女性として生きていた。でも怖いわけじゃない。スティーヴン・キングがキャロルの作品が好きだっていう話だけれど、そのことに対するキャロルの返事ということもあるのかもしれない。だって、話は「スタンド・バイ・ミー」みたいでしょ。
 怖くはないけれども、蜂の巣の死の謎を追いながら、それによってまわりの人間が狙われたり殺されたりと、そんな展開なので、ページをめくる手は止まらない。止まらないけれども、それは本当に、キャロルのエンターテイメントの技術を徹底的に披露してくれている、そういうことかもしれない。主人公はやはり、エンターテイメントの作家であり、メインストリームの文学に対し、コンプレックスを持っているのだから。まあでも、それはキングへのオマージュということと重なりますね。
 多分、この小説でグっとくるのは、キャロルが繰り返し描いてきた、親子の愛なんだと思う。この小説には、重要な女性が何人か出てくる。蜂の巣をはじめ、愛読者で謎の女性ヴェロニカなど。でも主人公にとって最も大切なのは、娘のキャサンドラ。別れた三人目の妻とは冷たい関係であるにもかかわらず、娘との絆は強い。自分の仕事や恋愛よりも大切なのだから。でも、その関係がとても強いものであると同時に、変化していくものでもある、そうした移ろいの中に、人間のある種の限界を見て取ろうとする。それが時にひっくり返ってしまうこともある。そもそも、信じていた人間関係が破綻してしまうことこそが、最大の恐怖なのかもしれない。そして、いつもそんな予感がする、それがキャロルの小説の怖さを支えていたのかもしれない。そんなことを思っている。「月の骨」がまさに、生まれてこなかった子供との愛情の物語だった。そして「沈黙のあと」が、どうしようもなく親子関係が破綻してしまう物語だった。だとすれば、主人公のサミュエルと娘のキャサンドラが、むしろ強い絆と、同時にキャサンドラ自身がボーイフレンドをつくり、父親から離れていく、健全な成長にともなった関係の変化が描かれる。親子の愛情は、親にとっては永遠に等しいけれども、子供にとってはそうではない、そうした不対称があるけれども、主人公はそれを受け入れていく。そこには、関係の破綻による恐怖が描かれる余地はなかったのかもしれない、とも思う。その一方で、不幸な親子関係も描かれているし、それもまた、本書のキーポイントにはなっている。
 ダークファンタジーを期待すると裏切られるかもしれない(それでも、ヴェロニカ・レイクはそれなりにホラーな存在だけれでも)。けれども、人間関係のある種の不安を描くことにおいては、キャロルらしい作品なのだと思う。ぼくとしては、「月の骨」と並んで、好きな作品、ということになるな。キャロル入門として適切だとはおもわないけれども。
蜂の巣にキス (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 蜂の巣にキス (創元推理文庫)より
4488547087
No.9
(4pt)

久々のキャロル節を堪能

原書を直接読む力はないので、ずっと新作の翻訳を待ちわびて9年です。

やっとやっとのキャロルです。いつものメンバーは顔を出しませんが、じわじわと背筋を這い登る怖さは相変わらず(今回は超自然なものは一切ないにもかかわらず)。そして、細部の表現が味わい深いのも相変わらずです。

 ネタバレになるといけないので、詳しくは書けませんが、今回はヴェロニカというキャラクターに座布団一枚。男の人には、さらにこの話は怖く感じられるでしょうねえ(私は女性なので、主人公の対応にも、ちょっと問題ありと感じられました)。あとがきによるとモデルが居るということ。うーん、事実は小説よりも奇なりなのかしら。
蜂の巣にキス (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 蜂の巣にキス (創元推理文庫)より
4488547087
No.8
(1pt)

へたくそで、へんてこ

短・中篇としてまとめられていればここまでの低評価にならなかったと思うのですが、殆どが説明的なシーン展開ばかりで退屈してしまう。
更に主人公は受け身ばかりで、結局何もしてないような印象すら受ける。

殺人事件の取材と奇妙な女とのやり取りという2つの軸で展開され、終盤で収斂されるものの別個の内容を混ぜただけ。
サスペンス要素も出しきれないままだったし、ミステリーとしても簡単にオチの想像がついてしまう・・・。
何ともへたくそで、へんてこなミステリーでした。
蜂の巣にキス (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 蜂の巣にキス (創元推理文庫)より
4488547087
No.7
(5pt)

ひさしぶりに会えた旧友

ジョナサン・キャロルといえば、日本で出版されたらすぐに買っていた私。近頃ブランクがあると思っていたら、この本! これはたぶんキャロルの創作にたいする、ある種の悩み(デリケートでない、そして陳腐な言い方をすれば「生みの苦しみ」)からの脱却とこの本の主人公のある行き詰まりからの解放とがうまく連動している。物語で重要な役目を果たす、まるで「幻の女」の現代版かといえるほどの強烈な個性を持った女性の描き方がうまい!

ブルーの色調のなかのルージュのような存在感。私が不思議でならないのは、ジョナサン・キャロルが日本ではそれほど圧倒的な人気を保ち続けていないこと。サガンと翻訳家の朝吹登水子との関係のように、キャロルと浅羽 莢子さんを連想してしまいます。ひとつひとつのセンテンスがリズミカルで詩のよう。作者の文体の素晴らしさと翻訳家の才能とがうまく調和して、息がぴったりという感じ。コピーライター志望の人などこうした本を読むといいだろうな。少し気障と思えるぐらいの表現の数々。だれか映画化してくれないかなといつもキャロルの本を読むたびに思います、映像的でスマートで。今回はハイスクールの思い出に端を発しているところが、キャロルの創作における苦闘をあらわしているかのよう。ひさしぶりの楽しいキャロル体験でした。
蜂の巣にキス (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 蜂の巣にキス (創元推理文庫)より
4488547087

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