BG、あるいは死せるカイニス
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全人類が女性として誕生し、成長した後に、一部の 優秀な女性だけが男性に性転換するという異世界。 必ず男性になるに違いないと言われてい優子が、天文部の 観測会が開かれた夜、学校で何者かに殺害されてしまった。 遺体にはレイプ未遂の痕跡があったのが、男が女に不自由することがあり得ない この世界で、わざわざ暴行目的で犯行に及んだとは考えにくい。女性による偽装 工作か、さもなければ、異常者の犯行という可能性のほうが高い。 さらにその後、優子の後継者と目されていた 優等生・小百合までもが、殺害されてしまう。 二人を殺害したのは誰なのか? そして、優子が 遺した謎の言葉“BG”とは、何を意味するのか? 「なぜ女なのに、レイプされかけたのか?」 という倒錯的なホワイダニットが強烈な本作。 作者は、その謎を成立させるためだけに、本作の 世界観を設計したと言っても過言ではありません。 一方、フーダニットに関しては、ロジックが弱く、容疑者の“あらため”も不十分 など粗が目に付きますが、そもそも本作は“BG”という言葉に秘められた世界 の謎そのものを解き明かすというSF要素のほうがメインなのだと思われます。 そう考えれば、ミステリの枠組みで、SF的思考実験を 行った、なかなかの快作といえるのではないでしょうか。 | ||||
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人類は全て女性として生まれ、一部のみ、大人になってから男性へと変化する。 そして男性になれるのは、一握りの優秀な女性のみ。 数少ない男性は、子孫を残すことが最優先の義務であり、社会的に優遇される。 という、SFな設定の元、展開されるミステリーです。 主人公は「船津遙」、その姉である「西野優子」(姉妹の名字が違う理由も、設定と関係します)が殺害されます。 優秀で人望のあった姉の死を追ううちに、遥は「BG」という政府プロジェクトの存在を知ることになります。 慕っていた姉が秘密を持っていたことを遥が知る頃に、殺人は連続殺人へと変わります。 最後まで読めば「BG」の謎も、何故「死せる」カイニスなのかもわかると思います。 個人的には、同じ作者の『月の扉』と読後感が似ているなと思いました。 『月の扉』を読んで、スッキリしなかった方には、オススメできません。 ファンタジーとミステリー、そのギリギリのところを狙って投げてる印象です。 ギリギリ、ミステリーだなという感じ。 | ||||
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人は生まれたときは女性として生まれ、出産を終えて優秀な女性だけが男性化するそんな世界。男性化候補の筆頭だった優等生の姉が、レイプされかけたような状態で殺される。女性が多数の世界で男性が女性をレイプするような事態は考えられないのになぜ。 そんな世界観でミステリを作った時点で、もう「勝ち」の作品。雪山の山荘や嵐で閉ざされた孤島といったありきたりの舞台設定ではなく、こういった世界を作り出しグイッとその世界に読んでいる者を引きつける。 「どうして?」という気持ちを浮かびあがらせ、グイグイと読み進めさせる力のある小説……なんだけど、中盤からちょっと失速。BGというエリート、出産を経ずに男性化する人の設定が「非現実世界の非現実設定」でちょっと冷めてしまうんですね。舞台が非現実世界なだけに、その中での独自ルールがいくつもあるとどうかなぁと思ってしまいます。 ラストの締め方は見事。それだけに中盤からの失速感が残念やなぁ。 | ||||
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人は生まれたときは女性として生まれ、出産を終えて優秀な女性だけが男性化するそんな世界。男性化候補の筆頭だった優等生の姉が、レイプされかけたような状態で殺される。女性が多数の世界で男性が女性をレイプするような事態は考えられないのになぜ。 そんな世界観でミステリを作った時点で、もう「勝ち」の作品。雪山の山荘や嵐で閉ざされた孤島といったありきたりの舞台設定ではなく、こういった世界を作り出しグイッとその世界に読んでいる者を引きつける。 「どうして?」という気持ちを浮かびあがらせ、グイグイと読み進めさせる力のある小説……なんだけど、中盤からちょっと失速。BGというエリート、出産を経ずに男性化する人の設定が「非現実世界の非現実設定」でちょっと冷めてしまうんですね。舞台が非現実世界なだけに、その中での独自ルールがいくつもあるとどうかなぁと思ってしまいます。 ラストの締め方は見事。それだけに中盤からの失速感が残念やなぁ。 | ||||
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次世代を担う新鋭作家たちによる書き下ろしミステリー叢書「東京創元社◎ミステリ・フロンティア」のなかの一冊のノベルス化。 全人類生まれた時はすべて女性、のちに一部が男性に転換するという特異な世界を舞台に繰り広げられる奇想の学園ミステリーである。 男性化候補の筆頭で、誰からも慕われていた優等生の西野優子が殺害された。 優子と異母姉妹にあたる船津遙(はるか)に対して刑事、校長先生、謎のジャーナリストたちは同様に「お姉さんから何か聞いていなかったか?」とたずねる。彼女に死をもたらしたこの世界に潜む大いなる謎とは---?遙たちは姉の死の謎を解き明かし、犯人をつきとめるべく行動を開始する。そして事件は連続殺人へと発展し、それは“BG”という、政府の関わる一大秘密プロジェクトと密接に関係してくる。 舞台は破天荒だが、そこは石持浅海らしい、ディテールにこだわった端正で論理的な謎解きが楽しめる。たとえばある登場人物が男性化する際、女性でいる間は‘わたし’と表記されていた一人称が男性化したら‘私’と変化したり、ちょっとした会話のなかの言葉や動作の描写の中に、謎を解明する上で重要な伏線が、実に巧みに仕込まれていたりする。 読者は一ページなりとも気を抜くことができない。よく考えられ、構成され、創作されたミステリーである。 | ||||
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