ボルヘスと不死のオランウータン
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タイトルに惹かれて購入しました。最近はほとんど推理ものを手にすることはないので、実験小説において「不誠実な語り手」と言われるこの手法が、ミステリー・ファンの方々の目にどう映るのか、その意見を広く聞いてみたいです。あまりあれこれ書くと、ネタばらしになりそうなので止めますが、こちらが真偽を云々できかねる理屈や情報で構築されたダン・ブラウンの作品よりは、タイトルにも用いられている「不死のオランウータン」をはじめ、じっくり読めば誰でもが楽しめる知的遊戯のちりばめられている本作のほうが個人的にはずっと楽しめました。 | ||||
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ブラジルで時事エッセイストして多彩な活躍を続けるヴェリッシモの世界各国で出版され評判を呼んだ文芸ミステリーの話題作です。本書は実在の作家ボルヘスが探偵役を務め、ミステリーの華である密室とダイイング・メッセージを謎の中心に据え、ミステリーの創始者エドガー・アラン・ポーや怪奇小説の巨匠H・P・ラヴクラフトを謎の背景として論じる趣向もあって、ミステリー・ファンには誠に興味深い設定の物語といえるでしょう。ブラジル人の私ことフォーゲルシュタインは、アルゼンチンで開かれるE・A・ポーの研究総会に参加出来る事となり、しかも念願だったボルヘスとも対面の栄に浴した。しかし順風満帆とは行かず、悪意を発散し周囲から疎まれていたドイツ人がホテルの一室で死体となって発見される。部屋は完全密室状態で、死体は折り曲がり文字を象徴していた。私は犯罪学者のクエルボと共にボルヘスの邸宅に招かれ、犯罪の手掛りを追って安楽椅子探偵ボルヘスとクトルゥー神話まで広がる衒学的な推理談義を論じ謎の解明に挑む。 主人公が死体の形に迷い次々に記号を変えるにつれて推理も変転し、ボルヘス探偵の論考も際限もなく理解不能な領域に突入して行きますので、残り頁が減って来ると大丈夫なのかな、さては耄碌してボケたかな、ちゃんと最後に謎は解き明かされるのかと心配になって来ます。結論を申しますと最終章でしっかりと鮮やかな逆転を決めてくれますのでご安心下さい。推理は少し根拠に不確かな面もありますが、解決に至る伏線もきちんと張られていますし、何より極端に少ない登場人物の中で意外性を引き出すテクニックがお見事です。ミステリーマニアの方でしたら冒頭に引用されたボルヘス作品の一節に隠されたヒントで見破れるかも知れません。本書は全部で180頁に満たない掌編ですが、随所に散りばめられた薀蓄も楽しめる知的興味溢れる逸品としてぜひ一読をお奨めします。 | ||||
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ボルヘスを探偵役にポー研究家の集まりで起きた殺人を巡るミステリーなのですが、殺人事件の犯人探しに関する謎解きを期待すると期待はずれになるでしょう。 そこを割り切って読めば、怪しげなウンチクを読みつつ、信頼できない書き手に書きつぐ物語に乗せられて、狐につままれたような気になること請け合いです。 この本を気に入った方には、ギルバート・アデアの「作者の死」をお勧めします。 | ||||
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