(短編集)
雪には雪のなりたい白さがある
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4つの公園:横浜の港の見える丘公園、飯能のあけぼの子供の森公園、練馬区の石神井公園、所沢の航空記念公園を舞台にした作品。何か、読んだ後の心残りなところがいい感じだ。今の世の中の若者たちの生きづらさを上手くすくい取っている。 田舎から出てきた果歩は、子供の頃に憧れていた横浜の大学に行く。田舎ではファッションリーダーだと思っていたが、横浜ではなぜか普通の子になってしまった。気後れをしている果歩。果歩が大切にしているのは、メヂカラ。自分にどうやって、メヂカラができるかと考える。 港の見える公園で、雨の中に、傘も刺さずにメヂカラのしっかりした老人がいた。その老人に傘を貸すことで、老人と奇妙の関係が生まれる。自分は何者かを悩む果歩。その老人は、何気なく語る言葉に、果歩は一歩前に進むことができた。 離婚して、子供を育てた経理のサラリーマン。5歳になった息子を連れて、あけぼの子供の森公園に行く。実は、別れた妻と5年ぶりに会うのだった。妻は靴のデザイナー。才能があった。妻は、ムーミンファンだった。付き合い始めて、あけぼの子供の森公園によく行った。5歳の子供は、まだ文字が読めないが看板オタクだった。父親は、子供に「公園では手をつながないと妖精が悲しむ」と嘘を教えて、子供と手をつなぐ。子供は、自分を産んだ母親を覚えていない。二人がいると子供から手を繋いでいないと文句言われる。二人は手をつなぐことで、体温を通じて、自分達の良い時を思い出すのだった。 看板には、「犬のフンは、きちんと片付けてください」と本当は書いてあるのだ。嘘から、二人の本音が出てくるのだった。スナフキンの言葉が、上手く使われる。 石神井公園で、休養中の歌手に出会う。その人は涙を流していた。バードウオッチが趣味の孤独な高校1年生。子供の頃、その歌手になる前の少女に「君は変わっちゃだめだ、ずっと孤独でいろ」と言われた。孤独な鳥好きな子供は、孤独に生きることを肯定されたことが、嬉しかったのだ。そして、バードオタクになって、生きるのだった。 所沢の航空記念公園。中学の淡い恋。フルート奏者になりたい少女、ミズキと宇宙関係の仕事をしたい少年。二人は夢を語り合っていたが、親の都合で、少年はイギリスへ。そして、雪の降る夜に、別れを告げられた。少女は遠距離恋愛でいいというが、自分の夢を実現するには別れた方がいいと少年はいう。大人になって、もし出会って二人とも恋人がいないなら結婚しようと少年は言った。 そして、少女は26歳の大人になり、フルートは諦めて、銀行員になっていた。中学の同窓会があるので、所沢出身のミズキは、初恋の少年がどんなふうになっているのか知りたかったが、彼は参加しなかった。そして、彼は宇宙開発の仕事をしていることを知らされる。ミズキは、雪の降る中で、色の違った雪として降りたかったけど、みんなと同じ白い雪でも、自分のなりたい雪の白さを目指そうとする。 なりたい自分と現実の自分のギャップに苦しむ人たちが、さりげなく、公園という解放された空間で、自分が何者かを知るのだった。余韻が残る作品だった。 | ||||
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ライト向けな文章で読みやすいんだけど、 1話を読み終えたあとはあまり・・・ 気分的にスッキリしませんでした。 主人公が微妙な性格をしていてどうも苦手。 お話と主人公が別々になっている構成ですが、2話以降も変わらず主人公がなんか嫌。 | ||||
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2014年に出た単行本の文庫化。新たに「あの日みた大空を忘れない」が加えられている。 「雨上がりに傘を差すように」「体温計は嘘をつかない」「メタセコイアをさがしてください」「雪には雪のなりたい白さがある」「あの日みた大空を忘れない」の5話から構成された短篇集だ。第4話と第5話のみ関係性がある。 人間関係のさまざまなありかたを描いた物語集だ。女子大生と老人、離婚した夫婦、歌手と鳥好きの少年、中学生のときに将来を決めた2人。出会いと別れ、そして何かが変わっていく。 いずれも「公園」が舞台となっている。 ちょっと私には読みどころがよくわからなかった。人生に迷っている10代後半~20代の読者には共感できるのかも。 ちなみに、ミステリ要素はない。 | ||||
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アラフィフのおっさんです。audibleでした。主人公達がことごとくクソ馬鹿でした。着地点も薄っぺらく、そこに至る過程を聴かされるのですが、内部遍歴の自己中さに辟易しました。我慢して最後まで聞きましたが速攻で返品しました。高齢者にはきつい本でした。 内容はアレですが、朗読は聞きやすく演技も素晴らしいと思いますので星2つにしました。 | ||||
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結構泣けます。昔西武沿線に住んでいたので、飯能、石神井、所沢は懐かしいなあ。今は少し離れてしまったのでそのうち訪ねてみようと思います。 | ||||
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