奇蹟の都市
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 | 1996年04月30日 奇蹟の都市 (文学の冒険シリーズ) 「シカルト、頼む、殺さないでくれ。おれはまだ若いし、丸腰だ」シカルトは二秒ほど躊躇した。そしてそれが彼の人生の最後となった。…1887年、初の万国博覧会の準備で盛り上がるバルセロナに、寒村出の少年オノフレが姿を現わす。成功を夢見て都会で暮らし始めた彼は、風変わりな下宿の住人や、工事現場の労働者、アナーキストらとつきあいながら、やがて暗黒街へと身を投じ、次第に顔役へとのし上がっていく。映画、自動車、飛行機の登場や、バルセロナの歴史を彩う多種多様な事件・風俗の記録を織りまぜながら、1928年、再び万博が開催されるまでの半世紀を描く、現代のピカレスク・ロマン。世界20余ケ国で翻訳されたベストセラー小説。(「BOOK」データベースより) |
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| 全編に雨で濡れた様な状態！流石にこれは酷い。 | ||||
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| オノフレ・ボウビラという人物がバルセロナに出てきて様々な体験を通して成長していく一種のビルドゥングスロマン。２度の万国博覧会を背景にアナーキストに協力したり、インチキな薬を販売したり、そのうちにギャングっぽくなり大成功し最終的に・・・というお話。その挿話の数々から浮かび上がってくるバルセロナという都市のむせ返るような存在感に圧倒されます。多分、著者のメンドサは万博で浮かれる都市で主人公に様々な体験を通過させることによって匂い立ってくるバルセロナという都市を描きたかったのではとも思いました。勿論、主人公の体験する経験も小説としてとても楽しく訳者の方が述べてるようにピカレスクロマンとしても一級品に思います。久々に純粋に小説を読む喜びに浸らしてくれた面白い小説でした。同じ著者の他の作品も読めると嬉しいですね。 | ||||
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