ZOKUDAM



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初公開日(参考)2007年06月
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長編小説

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ZOKUDAM (光文社文庫)

2010年01月13日 ZOKUDAM (光文社文庫)

「この赤い方が、ゾクダム・一号機、通称、赤い稲妻だ」黒古葉博士が指さした先には全長十二メートルの巨大ロボットが!遊園地の地下にあるZOKUDAMに配属されたロミ・品川とケン・十河の任務は、このロボットに乗り込み戦士として怪獣と戦うことらしいのだが…。この様子を密かに窺う男女の姿が。対抗組織TAIGONの揖斐純弥と永良野乃の二人だった。 (「BOOK」データベースより)




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ZOKUDAMの総合評価:7.00/10点レビュー 13件。Cランク


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(7pt)

巨大ロボットを巡る日常

あのお騒がせ集団ZOKUが還ってきた。しかしどうも時制は前作よりも遡るらしい。なぜなら前作のメンバー、ロミ・品川とケン・十河、そしてバーブ・斉藤が初対面であるからだ。

そして組織の名前はZOKUではなく今回はZOKUDAM。そう、あの国民的巨大ロボットアニメを彷彿させるように本書では巨大ロボットが登場する。

ロミ・品川とケン・十河、バーブ・斉藤と黒古葉博士が一堂に会するのが第1話「For fair against despair 絶望にあっても美のために」で、これはイントロダクション的な話だ。
舞台設定的なお話であり、まだZOKUDAMとTAIGONの直接的な対峙はないが、いわゆるキャラ設定がこの話で充分確立している。

続く第2話「Hardship incident to justice 苦難は正義のために」はタイトルは非常に立派だが、何のことはない、大雨で地下にあるZOKUDAMの基地が雨漏りにより水浸しになっていくのをロミ・品川とケン・十河が悪戦苦闘とするお話である。
しかし本作で判明するのは正義を行う側がZOKUDAMであり、木曽川大安博士が率いるTAIGON側が世界征服を建前に彼らのできる範囲で社会混乱を巻き起こそうと企む悪側の組織であることだ。つまり前作『ZOKU』とは設定が180°変わっているのだ。
また本作は雨漏りに対処するエピソードの中に様々な巨大ロボット物やヒーロー物の話を現実レベルに落とした場合に生じる不都合や疑問などが数々挙がって興味深い。これらについてはまた後ほど触れることにしよう。

第3話「Running into trouble expected 想定される困難のために」はさらに輪をかけて何も起きないのだから驚きだ。
しかしこの退屈を脱力的に1つの短編に仕上げる森氏の筆力には逆に感心してしまう。

第4話「Shaking off the temptation 誘惑に打ち勝つために」ではとうとうZOKUDAMの2人とTAIGONの2人が直接対峙する。
いやはやようやくライバル同士の巨大ロボット対決かと思いきや、なんとロボコンでの対決へと縮小される。しかもロミの冴えない玩具屋の倅の同級生宇多川まで組織に加入してロボコン優勝を目指すという、何か別の物語の展開へと発展していく。
そして初めて本書でロミ・品川とケン・十河のZOKUDAMコンビと永良野乃と揖斐純弥のTAIGONコンビが相まみえる。ロボコンの前夜祭のパーティ会場で女同士の戦いが繰り広げられるのだ。
ZOKUDAMの2人のチームワークを乱すためにロリータファッションでケン・十河の気を惹く永良野乃は作戦が的中し、ロミ・品川の嫉妬心を駆り立てるが、なんとその後は女の欲望が再燃したロミ・品川がケン・十河に必死にモーションを掛けるのだ。
理系男子に惚れた女性の切なさが沁みる話である。

そして最終話「Consciousness is half the battle 自覚があれば勝ったも同然」ではいよいよZOKUDAMとTAIGONの巨大ロボットの直接対決に至る。
このZOKUDAMとTAIGONの対決が幼馴染で有力者の2人、黒古葉博士と木曽川博士の巨額を掛けた壮大なお遊びであるのは1作目の『ZOKU』と同様。
しかしその終止符を打つためにお互いのロボットを完成させ、そして操縦士も訓練させ、最終決戦をしてから畳むことにしたのは潔い。
そしてそれまで決戦の時が来たと何度も云われ、そのたびに訓練とロボットの修正を繰り返す日々にうんざりしていたロミ・品川とケン・十河―彼はロミほどではないが―が目的が明確になったことでそれまでの煩悩から解き放たれ、巨大ロボット操縦士、いわば戦士としての意識に目覚め、感覚と風貌が研ぎ澄まされていく。その姿は実に尊く美しいのだ。
ケン・十河は巨大ロボットの訓練とその都度生じる不具合の修正について行われる技術者たちとのコンファレンスでそれまで単純に巨大ロボットの操縦に憧れていたマニアから戦闘そのものが人間たちにとって究極のアミューズメントであり、それを現実的に行うとすれば周辺住民への危害を最小限度に抑えるために飛び道具や火器の使用は控えるべきだ、そして行き着くところは大きな図体して二足歩行というバランスの悪い人間型ロボットよりも戦闘機や戦車のように武器をそのまま取り込んだものが最もバランスがいいのだとそれまでの考えを覆すような境地に至る。
一方ロミ・品川もそれまでマニュアルばかり読まされ、実機訓練でも事あるごとに不具合が生じて修正作業ばかりを繰り返してた日常にうんざりしていたのが屋外での実戦練習で感覚が研ぎ澄まされ、自分が求められて巨大ロボットの操縦士になり、そして澄み渡った空気と自然と満天の星空の下、仲間たちと一つの目標に向かって進んでいくことに充実感を覚え、戦士としての自覚が生まれるのだ。
そんな2人が悟りの境地に至って迎える最終決戦は、実に森氏らしい結末だ、とだけここでは評しておこう。


『ZOKU』の続編(実にややこしい表現だが)である本書は上にも書いたように前作の前日譚に当たる作品のようだ。

いやしかしどうも読み進めると同じ設定と人物を使った別の世界の作品のようにも思えてくる。なぜなら前作が森博嗣版『ヤッターマン』的な風合いをした善と悪の対決物であったが、ZOKUがいわゆるドロンボーサイドでTAIがヤッターマンサイドであったのに対し、本作ではTAIGONの方が悪で、ZOKUDAMの方が善と設定が入れ替わっているからだ。これは即ち3人組の悪党たちと2人組の男女の正義の味方という設定だけを踏襲したタツノコプロアニメと同様、人物設定だけを同一にした全く別の話だと思うのが正しいようだ。

そして今回巨大ロボット戦闘物の本書は物語が進むにつれて次第に設定がぶれていく。

例えば当初は怪獣を倒すためにZOKUDAMは2機の巨大ロボットを開発したことになっており、そしてその怪獣の1匹がTAIGONが敵情偵察のために送り込んだ捨て犬のブラッキーだと第1話では仄めかしているのだが、結局この犬は途中退場し、TAIGONのロボットとの対決という図式に切り替わるのだ。

しかしその後巨大ロボットと怪獣が戦う設定のロボット物と思わせながら、実は怪獣との戦闘シーンはおろか、TAIGONとZOKUDAMそれぞれの巨大ロボット同士の戦いも出てこない。描かれるのは巨大ロボットに乗って操縦することを任命された2人のサラリーマンが出くわす不満と日常風景である。つまり本書は巨大ロボット物の設定の下で描かれる日常小説なのだ。

そしてそんな特殊状況下にある2人が直面する問題や日常風景が妙にリアルで面白い。

例えば巨大ロボットアニメでは普通主人公がいきなりロボットを操縦して敵を次々と他倒していくが、実際12メートルもの巨大なロボットはその機構自体が複雑であるため、マニュアルが存在するのは想像に難くない。そして本書ではまず操縦士の2人はその膨大なマニュアルを読んで理解することから強いられるのだ。
まず1000ページ弱の初級マニュアルから始まり、次に2冊のインストール編、そして4冊のカスタマイズ編に3冊のメインテナンス編、2冊のトラブル編と次から次へと読むべきマニュアルが渡されるのだ。まあ、多少(?)の悪ふざけが入っているだろうが、これが現実と云えよう。

また秘密基地で雨漏りが起きてもその場所が秘密であるために容易に修理屋を呼べないというのも妙にリアルだ。

そしてロボットが安定して二足歩行するためのバランス装置についても詳細に述べられていたり、電極を身体中に貼って操縦士の身体の動きを感知してロボットが動くと云うシステムも頭を掻いたり、目にゴミが入って思わず掻いたりすると自身で損傷してしまわないかとか、ロボットが自分で自分のことを殴ってしまわないように自己接触防止機能があるのなら、2体の仲間がそれぞれの機体を殴ろうとしているのも止められるようにするとどうなるのかを真剣に検討したりと変に細かなところでリアルなのだ。

あと特撮ヒーロー物に対する考察も面白い。
例えば世界征服を謳いながらも辺鄙な場所にしか現れず、しかも外国だと同時多発的に攻撃を仕掛けるのに対し、日本では一気に敵を多数送りださず、いつも1体のみであるのはやはり武士道的一騎打ちの精神が残っているからだとか、今まで考えもしなかったことを真面目に考察していて興味深い。

またTAIGONの2人、永良野乃と揖斐純弥は典型的な森作品の男女キャラと云えよう。理系男子に少し心惹かれる女子という設定はデビュー作のS&Mシリーズと全く変わっていない。少女漫画を自作していた作者にとってこの男子のツンデレ設定は王道なのだろう。

そしてZOKUDAM側が操縦者が搭乗して巨大ロボットを操るのに対し、TAIGON側は遠隔操作で操るタイプである。

また揖斐純弥は敵のロミ・品川とケン・十河の結束にヒビを入れるため、永良野乃にケン・十河の興味を引き付ける作戦に出るが、それがロリータ的メイド服のようなものを着せて思いっきり趣味に走る。

そして最終話に至っていよいよ決戦の火蓋が落とされる。それまで状況に翻弄され、何が悲しくてOLをしていた自分が巨大ロボットに乗って敵と戦わなければならないのかと環境の犠牲者とばかりに嘆いていたロミ・品川も決戦の日が近づくにつれ、訓練の充実度が増し、そしてケン・十河に抱いていた悶々とした欲望やバーブ・斉藤たちに抱いていた嫌悪感などが次第に雲散霧消していき、敵と戦うちいう1つの目標に心身が純化していくところは実に清々しい。

もはや悟りの境地にまで達した2人にとって戦いの結果などはもうどうでもいいのだろう。したがって 最後の連載打ち切り感的な結末も敢えて狙ったものだろう。私はこの結末に対して残念感や嫌悪感を抱かなかった。寧ろこれでよかったと純粋に納得してしまった。

最後まで読むと本書は結婚適齢期を逃し、会社の人事に翻弄されたロミ・品川という女性の物語だったことに気付く。だからこそ彼女がそれまで抱え込んでいた人生の鬱屈や煩悩が消え去り、純化されたことでこの物語は終わりなのだ。

我々ヤッターマン世代はヤッターマン2号のアイちゃんよりもドロンジョ様の方が好きなのだ。従って実はロミ・品川の方を応援したくなるのは必定だろう。

案外私は森作品の中でもこのシリーズが一番好きなのかもしれない。次の『ZOKURANGER』も愉しみだ。
もうタイトルからして今度はアレのパロディなのだろうから、またもや世代ど真ん中なのである。

▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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No.12:
(5pt)

巨大人型ロボットは可能か?

"しかし、なによりも驚いたのは、部屋のことではない。正面にそれがあったのだ。大きな赤いロボットだ。"2007年発刊の本書は、Zシリーズ2作目、内容は全く無関係に同じメンバー達が今度はロボットに乗って"怪獣"と戦うまでの物語。

個人的には、いわゆる"お約束"をことごとく意図して外して書いているような前作の雰囲気が気に入ったのと、2作目はタイトルからずばり『機動戦士なアレ』をオマージュしている事もあって、世代として手にとりました。

さて、そんな本書は同じ登場人物たちが立場を変えて、前作ではまるで○イムボカンシリーズの○ロンジョ様ぽかったロミ・品川が、今度は仕事でパイロットとして選ばれ、同僚のケン・十河といつの日が襲ってくる(予定)の"怪獣"と戦うために、遊園地の地下に(無駄に)作られた秘密基地で【ロボットに乗るための訓練】に励むわけですが。

いわゆる正義の人型ロボットが悪と戦う様々な物語を【逆手にとるような本書】現実的にロボットを運用するとなると【どれだけのマニュアル、莫大な予算、幾多の許可申請などの手間がかかるか】を事細かに描いていてニヤニヤしてしまう。

また、前作でも感じましたが。このZシリーズは【著者自身が楽しんでるような】作中に漂うゆるい空気感が読み手は選びますが、なんともクセになりますね。本書では秘密基地の雨漏りや、ロボットコンテストなど他愛のない日々が続き【全くロボットvs怪獣は描かれないままで終わります】が、それはそれ的に楽しめました。

著者ファンはもちろん、○ンダムというより○トレイバー好きな誰かにオススメ。
ZOKUDAM (カッパ・ノベルス)Amazon書評・レビュー:ZOKUDAM (カッパ・ノベルス)より
4334076742
No.11:
(4pt)

わはは

だめ。自分には面白すぎた。笑いがこらえられない。
なんとなく、太宰治のグッドバイに似てる。。。気がする。愉快さとか妙な現実感とか。
外国の技術者のレポートのところとか、なんというか、ある意味内輪のネタというか、分かる人しか分からないというか。
森博嗣は技術者のココロのくすぐり方が上手いですよね。
ZOKUDAM (カッパ・ノベルス)Amazon書評・レビュー:ZOKUDAM (カッパ・ノベルス)より
4334076742
No.10:
(3pt)

適当なところが楽しみどころ

『Zシリーズ』の2作目.07年07月の単行本から08年07月のノベルスを経ての文庫化です.
なおシリーズ作品ですが時間や物語の繋がりは無く,一種のパラレルワールドのようです.

そのタイトルの通り(?),巨大ロボットの開発や搭乗員たちを描いた物語なのですが,
SFやロマン,ヒロイズムなどはこれっぽっちも無く,緩く軽くだらだらと流れていきます.
特別に盛り上がる場面もなく,かといって強いテーマ性の作品…というのも感じられません.

リズミカルに連なる言葉遊びも捻りが効いていて,その微妙なセンスには思わずクスリ.
かと思えば,技術関連の話では妙に現実的で不思議と納得してしまうおかしさがあります.

物語の背景やラストなど,正直『放ったらかし』の部分があるのは否めないところですが,
むしろそのあたりの『適当さ(褒め言葉)』がこの作品の楽しみどころではないでしょうか.
逆に言えば,この手のやり取りや流れがダメなようだと最初から最後までしんどいと思います.
ZOKUDAM (カッパ・ノベルス)Amazon書評・レビュー:ZOKUDAM (カッパ・ノベルス)より
4334076742
No.9:
(3pt)

適当なところが楽しみどころ

『Zシリーズ』の2作目.07年07月の単行本から08年07月のノベルスを経ての文庫化です.
なおシリーズ作品ですが時間や物語の繋がりは無く,一種のパラレルワールドのようです.

そのタイトルの通り(?),巨大ロボットの開発や搭乗員たちを描いた物語なのですが,
SFやロマン,ヒロイズムなどはこれっぽっちも無く,緩く軽くだらだらと流れていきます.
特別に盛り上がる場面もなく,かといって強いテーマ性の作品…というのも感じられません.

リズミカルに連なる言葉遊びも捻りが効いていて,その微妙なセンスには思わずクスリ.
かと思えば,技術関連の話では妙に現実的で不思議と納得してしまうおかしさがあります.

物語の背景やラストなど,正直『放ったらかし』の部分があるのは否めないところですが,
むしろそのあたりの『適当さ(褒め言葉)』がこの作品の楽しみどころではないでしょうか.
逆に言えば,この手のやり取りや流れがダメなようだと最初から最後までしんどいと思います.
ZOKUDAM (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:ZOKUDAM (光文社文庫)より
4334747094
No.8:
(1pt)

いいんですか これで!

数年ぶりの森作品
読み進むにつれ、テンションが下がってくる
『森博嗣』のレベルがなくては、最後まで読み進むことができません
駄作に分類されるのではないでしょうか
残念です
ZOKUDAMAmazon書評・レビュー:ZOKUDAMより
4334925618



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