悪血
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とても怖かったし、なんだか動揺してしまって、読後もしばし呆然。 本作の主人公、時島一雅は高名な日本画家の祖父と父をもつ。そんな父たちの存在と才能に圧倒されると同時に憧れている自分を持て余し気味。そして、そんな自身の血統や才能のあり方に苦悩していた。彼が選んだ道は芸術家である「画家」ではなく、「絵画制作師」としてペットの犬などを持ち主の希望通りに描くこと。確かな「技術で生計をたて、芸術ではなく技術を売る」と自信をもって仕事をしながらも、時に卑屈になりつつ、自分の道を模索している。 そこで出会ったのが自称犬のブリーダーの男。彼が作り上げた真っ白なダルメシアンに一雅は魅了されてしまう。魅力的な犬たちは人間によって作り上げられたものだったことに、いやも応もなく、血統の力を目の当たりにして、自分の出自を重ね動揺する一雅だったが・・・。 一雅の悩みは、いわば、かなり贅沢な悩みではある。 親に反発しながらも、親の決めた許嫁と付き合ったりしている。 しかし、そんな彼の悲劇はとんでもない方向からやってきた。 あまり詳しくは書けないが、この問題はかなりの作家がとりあげているにも拘らず、なんだか一向に改善しない。すぐそこにある恐怖なのに。 数々のホラーを読んできましたが、ここまで読み終わった後に余韻が恐ろしい本もなかなかありません。 それにしても、もとは「血統」だったというタイトルの変更はインパクト狙いでしょうか?もちろん「血統」よりストレートですが、読み時に開く度、電子書籍の表紙に大きく「悪血」と出るので、毎回「ひゃあ」と身がすくむ思いでした。 | ||||
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単行本発売時の「血統」を改題して文庫化したもの。新しい犬種を作り出そうとする男と、自分に脈々と流れるはずの日本画家としての血筋に悩む男が登場する。片や犬、片や人間。親から伝えられたものは必ず子供に受け継がれ開花するのだろうか?そんなテーマを中心にして始まる物語が、後半に入ってぞっとするような展開を見せる。 ホラーサスペンスということなのでストーリーには触れないが、まったくの荒唐無稽な話ではないところが恐ろしい。普段はその存在さえ忘れているけれど、目に見えないところでひっそりと息をひそめるようにして自らの増殖の機会をうかがっているものがこの世にはある。環境によって姿や形が変わっても、本来の凶暴さだけは変わることなく受け継がれていく。なぜ本書を「悪血」と改題したのかが読了するころには理解できるような気がする。こういう小説は初めて読んだ。 | ||||
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