忍びの卍
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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ
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評判
忍びの卍の評価:
0.00/10点 レビュー 0件。 B ランク
忍びの卍の総合評価:
9.00/10点 レビュー 12件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
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銭十郎は、お国と化した右衛門を<あれは女ではない>と見抜く。そのお国は、右陣の<唾液にぬれひかる真っ赤な大きな舌>で全身を舐めあげられて、<「あら、切なや」と吐息をもらした女の実体が男であると知ったら、これは異次元の怪奇と形容するしかない。>まして、銭十郎は全身に栗の花の匂いのする液体を充満させて女を狂わせる。とまあ、そんな風な妙ちくりんな忍法合戦ではある。
彼らの監査役である刀馬も戸惑うほどだが、それでも、ここに刀馬の許嫁である「お京」が参入してくるまでは、まだ何とかなると思っていた。しかし、彼女は、<ぱっとはなやかな日の光がさしこむよう>な目をした健気な娘である。それだけではない。刀馬のお役に立つならどんなことも厭わない。律儀を通り越して、そう、まるで「らんまん」の寿恵子(万太郎の妻)のような伝法な面をもあわせもった一本気な娘でもあった。面妖な忍者合戦とその調停役、さらに「お京」が登場して一切合切が狂いだしカタストロフィへと歯車が回り出すのだが、実は、彼女はトリガーではあっても、真因ではなかった。真の深謀遠慮は、すべてあらかじめ設定済みであったのだ。
この事実は、冒頭と同じく最期に、椎ノ葉刀馬が主君・土井大炊頭より打ち明けられるまで読者にも伏せられている。これを知ったときの刀馬の狂気めいた苦悶をわれわれも波濤のごとく全身に浴びることになる。あの凄惨にして滑稽、血みどろにして実験的、大胆にして繊細極まりない絶体絶命の忍法合戦がすべて深謀遠大なるプランニング上の人形浄瑠璃であったとは!
刀馬が最後に主君に対して(かどうかもわからない。冥府に向ってか?)つぶやく<卍組>の結成には涙がちょちょ切れてたまらない。