みちのく殺意の旅
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すべてが完璧です。ありがとうございました。 | ||||
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今から遡る事31年前の1987年3月に刊行された西村京太郎氏の121冊目の作品です。今回本書を久々に読み返したのですが、最近の作品を読み慣れた者としては正直びっくり仰天しましたね。著者の脂が乗り切った時期に書かれたと感じられる気迫に満ちた堂々たるフーダニット・ミステリーに仕上がっていますね。私としましては、もし最近の西村作品に少し物足りない思いを抱いている方がおられるとしたら、ぜひどれでもいいですから初期の作品を探して読み返してみられる事をお奨めしたいですね。 大学時代の同人誌仲間6人が五年ぶりに会って東北の温泉巡りをしようという案内状が届く。発起人の阿部は他のみんなに迷惑をかけた事で同人から除名され大学を辞めた過去があったが、矢代と妻の由紀、原田とそのフィアンセは過去の事を水に流そうと誘いに応じ、もう一人の女性みどりは阿部と結婚しており夫婦での参加となったが、何故か残りの一人の田村が姿を見せない。残りの5人と連れの1人を加えた6人でいよいよ温泉巡りの旅がスタートするのだが、飯坂、天竜でメンバーが続けて何者かに殺されて行くのだった。 本作では本命の容疑者が犯行を可能にする為の列車の時刻表トリックを見破った後に、それを列車の事故によって結局は不可能と考えるしかないと考え直すという二転三転の複雑怪奇なストーリー構成がとられていて中々読者の推理の的を絞らせません。それから、あまりにも無慈悲に殺しが繰り返されるのを読む内に、人間は果たしてこれ程の怒りと怨みを抱けるものなのか?と一抹の疑問と薄ら寒い戦慄の念が込み上げてきますね。連続殺人が起きると言う事は、その都度容疑者の範囲が狭まって行って犯人の推測が容易になる面が出て来るものですが、著者は巧みな筆捌きで単純な確信には至らせてくれませんし、あの神の如き名探偵の十津川警部でさえ真剣に悩み苦しんで推理の全てがまるで真相とはかけ離れた見当外れな事ばかりなのですから、これは警部の記憶に残る超々難事件と言ってよいでしょうね。但し真相に繋がる様なあからさまなヒントは全く書かれてはいませんのでミステリーとして100%フェアとは言い切れませんが、でも最後の真相には凄まじいばかりの説得力があって本当に人間の残酷さと歪んだ性の姿に震え慄き、容易には忘れ難い恐怖を味わいましたね。この種の連続殺人ジャンルを読んでいつも思うのは、命の値段が安過ぎる事と犯人にやられっ放しの警察に対して「もっとしっかりしろよ!人命を守る事も出来ないのか!」と怒りに駆られもしますが、まあこれはフィクションだから仕方ありませんね。最後に一点だけ真犯人に対して「こんなんでどうしてまともに結婚して普通に生活できるのだろう?」という疑問が湧きましたが、きっとその答はとても常人には理解の及ばぬ種類の不可解なねじれた心の成せる技なのでしょうね。 | ||||
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学生時代の同窓会を兼ねて 東北旅行へ。しかし、参加者が次々と消されていく。犯人は?動機は?謎が謎を呼ぶ。 十津川事件簿のなかでも、かなり特殊なもの。 たぶん筆者は新聞やテレビなどでこの種の事件を見て、これはなんとか自分の作品に使えないかと思ったのでは。 人間の精神とは複雑極まる。 脳が現代の科学ではほとんど解明できないのは このためではないかと思う。 | ||||
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これは文春文庫から、昔出てたやつに焼き増しですね。解説を書いてるばあさんがちょっと触れてるけど、氏の受賞作のターミナル殺人事件にけっこう似てるとこがある。「終着駅殺人事件」コンパクト版とでもいおうか。終着駅は、高校時代の同窓生たちが、青森への帰郷中に1人ずつ殺されていった。こっちは大学のサークル仲間が1人ずつ・・って感じで。で、動機が見えないってのが、かなりイイですね。異常心理が効果的になってます。 どうしても、西村のトラミスは「捜査ミステリー」とでもいいましょうか、トツガワが事件を捜査する過程を楽しむミステリーですよね。だから、その聞き込みなどの過程で、新規の人物がどんどん浮かんできて、中盤か終盤あたりで、全く新しい犯人の名前が浮かんでくる。これが捜査ミステリーであり、これはこれで面白いけど。やっぱ本角ミステリーっっぽい、ハナから人物は固定化されてて、そん中に犯人がいるって設定がボカァ好きであります。本書はそういったの。けど、さすがにこの動機は推理は難しいですよねぇ・・・。かなりこわーい狂気心理が作用してます。前半部では、あまりトツガワが出てきませんよコレは | ||||
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本作品が、光文社文庫より文庫化されたのは2005年だが、初出は1985(昭和60)年、国鉄時代である。 従って、最近の、西村京太郎先生の作品と比べると、文体に多少違和感を感じる方もおられるかもしれない。 一方で、鉄道、あるいは周辺のようす、携帯電話のない時代の仕事や待ち合わせの方法など、当時の情景の描写が20年の歳月を感じさせ、読者が当時のことを思い出しながら読まれるのも面白いと思う。 水戸で大学時代を過ごした同窓生が、5年ぶりに再会し、旧交をあたためつつ温泉旅行をしようとする。使う鉄道は、赤いディーゼルカーの走る水郡線と、在来線の特急「つばさ」。 しかし、仲間のうちの一人となかなか連絡がつかない。前途多難な旅の物語。 | ||||
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