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梁山泊 さんのレビュー一覧
梁山泊さんのページへレビュー数271件
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【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
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クランクアップ前に、作品未完成のまま疾走した映画監督の代わりに、スタッフ・役者陣が解決編を推理し、作品を完成させようとする物語。
残り僅か10分程度のシーンなのだが、肝心要の解決編であり、しかも、完成済みの映像及び設定部分には手を加える事は不可と制約が多い。 面白いアイデアだと思ったのですが、提示された解決編のシナリオが何れもお粗末だったのが残念です。 「こうすれば可能」的な推理ばかりで、原作兼監督が「映像に残していてしかるべき結末への伏線」について誰も言及していない点が・・・ 冒頭であれだけマニアックな映画薀蓄を披露した面々が、誰一人として、そこに触れないのは、不自然にすら感じました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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古典部シリーズ2作目。
1作目の「氷菓」を読んでいなくても読めますが、先に読んでおくにこした事はありません。 それよりも、古典ミステリに精通しているかどうかで、作品に対する印象が大きく違うように思います。 個人的には、この手の趣向は好きではありませんが・・・ ミステリ映画の結末を、途中までの原作、映像をヒントに脚本担当の意図を汲みながら推理していくというお話です。 正解を除くと、主人公・奉太郎を含めて4本の推理が提示されます。 (ミステリ好きにはどう見ても)密室殺人という状況を前にして、サスペンスやホラーといった、トリック云々よりドラマ性を重視した推理も含まれていました。 広義の定義では、サスペンスやホラーもミステリに含まれる訳ですし、破綻もしていないように感じました。 寧ろ2番目に登場した、自称ミステリマニアの推理の方が、面白みがなく、最も基本的とも言える見落としを指摘され却下されています。 ミステリマニア気取りの連中(読者含む)に対するアンチテーゼのようにも受け取れましたけど・・・ ▼以下、ネタバレ感想 |
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【ネタバレかも!?】
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池井戸潤さん初読。
作者は元銀行マンだけあって、業界の内情や、派閥による歪な人間関係をリアルに描けており、読み応えがあります。 主人公は、派閥という枠に拘らず、媚びず、自分の信念の赴くままに突き進むタイプとして描かれています。 組織に受け入れられる人間ではないという事になりますが、巨大な組織に立ち向かう個人という意味で、その資質は十分だと思いますし、この構図自体が日本人が好むところではないでしょうか。 また、驚くのは、当然のように金融専門用語が飛び交うのですが、読み辛さを感じなかった事です。 筆力があるとも言えるのでしょうが、やはり、付け焼刃的な知識によらない造詣の深さが、それを可能にしているのかなと思いました。 ドラマ性のある題材で、しかもそれを深く描き切れる下地があって、更に筆力もあるのですから、高評価も当然かも知れません。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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「言葉の意味はわからんがもの凄い自信だ」
は、キン肉マンに登場するアデランス中野さんの言葉ですが、 この作品、というかこのシリーズは、 「なんだかよくわからんが(恐らく)もの凄い話だ」 な気がしています。 この作品単体の評価は難しいと思います。 因みに、私はこのレビューを書く時点で「麦の海に沈む果実」→「三月は深き紅の淵を」の順に、この2作品のみ読了しています。 この「三月は深き紅の淵を」がシリーズの出版順では1番早く、起点となっている(はず)と思うので、やはり最初に読むべき作品だとは思うのですが、順番云々よりも、このシリーズは他の恩田陸作品と色々関連している作品だという事を知った上で読んだ方がいいと思います。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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ハードボイルドと言われると確かにそういう感じもしますが、暴力的なシーンの描写もないし、性描写もありません。
主人公である澤崎が、思索型でなく行動型の探偵なのは間違いないにしても、本来ハードボイルドとして象徴的な、反道徳的、冷酷非情、精神肉体的に強靭等の側面を持っているかと言うとちょっと違うかなと。 そもそも、この作品の最も秀逸なところは、そのタイトルの意味であり、 物語のほぼラストまで、自分(のミス)が少女を殺してしまったのかもしれないという自責の念、苦悩を抱えながら行動する澤崎の心理描写を中心に展開していきます。 それは、非常に人間味に溢れ、冷酷というより暖かみすら感じるものであり、私が抱くハードボイルドの印象とはかなり異っています。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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連作短編です。
生者を主人公とした4編と、「ツナグ」役の少年を主人公とした1編の計5編という構成になっています。 生者が死者に会えるのは1度切り、同じく死者が生者に会えるのも1度切り。 そして両者の再会を仲介するのが「ツナグ」です。 辻村氏の作品は、兎に角人物造形が深くページを割くという印象があって、それが辻村氏独特の世界観を産み出していると感じています。 なので、短編では、その威力が発揮できないのではと、読む前は危惧していたのですが、心配無用でした。 でも、やはり読後のカタルシスという意味では、長編作品に軍配を上げたいですね。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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消費税が導入された当時の作品で、消費税に対する不満という時代を反映したとも思える動機が、掘り下げて行ったら、実は重い問題がぶら下がっていたというお話。
それを考えると、この作品の主眼は「その問題」にあるのかとも思えますが、今読むと結構デリケートな問題だったりもしますね。 「社会派ミステリ」としての側面も兼ね備え「本格」との融合がなされた作品と捉える事も出来るのでしょうが、個人的にはイマイチかなという印象です。 この作品の社会派の部分から発せられるメッセージは、そもそも題材にも問題がある上に、本格部分の相も変わらぬ豪腕ぶりとがアンバランスで、空振り感が否めませんでした。 吉敷シリーズは初読でしたが、基本御手洗シリーズと同じなんですね。 最早ファンタジーとも思える謎を次から次へと登場させ、読んでいる方がどう回収させるのか不安になります。 それをファンタジーで片付けないのが御大の凄いところですが、中にはそれはちょっと・・・というのもありますね。 手順を踏まなければならない刑事と突飛な発想も許される探偵という立場の違いもあり、過程の面白味という意味では御手洗シリーズの方が上かなと思いました。 |
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関西弁の登場しない有栖川有栖さんの作品は初めて読みました(笑
黒幕はさておき、被害者を殺害した犯人が予め読み手に分かっているので、所謂倒叙型作品といえるかも知れませんがちょっと違います。 倒叙型作品によくある犯人視点で犯人の心理状態の変化のトレースが主眼となる物語ではないです。 普通では有り得ない被害者=刑事=幽霊が視点人物として、証拠を追う事が主眼になる作品で一線を画します。 ただ、非現実的な設定で全編通してコミカルに描かれていますので、従来の倒叙型小説の行き詰まる心理戦が好みな方には物足りないかも知れません。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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