■スポンサードリンク


梁山泊 さんのレビュー一覧

梁山泊さんのページへ

レビュー数271

全271件 1~20 1/14ページ

※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
 閲覧する時は、『このレビューを表示する場合はここをクリック』を押してください。
No.271:
(7pt)

鍵のない夢を見るの感想

閉塞した環境に生きる女性にありがちな悩みを、泥棒、放火、逃亡、殺人、誘拐といった犯罪に絡めて描いた短編集。
「女性は、こういう状況ではこう考える」
犯罪という非日常的な状況ですが、妙にリアル感あり。
メンヘラ女を描くのが上手い作家さんですね。
鍵のない夢を見る (文春文庫)
辻村深月鍵のない夢を見る についてのレビュー
No.270:
(7pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

AX アックスの感想

殺し屋シリーズ第三弾。
テーマはこれまで同様「家族愛」ですかね。
視点切り替えを多用した過去2作と違って、ずっと視点独占の主人公。
そんな主人公を、たった一行で殺してしまった時には驚いたけど、この後の「泣かせ」のポイントになっているように思いました。
個人的には、前作までのハチャメチャな方がこのシリーズには合ってそうに思いました。
AX アックス (角川文庫)
伊坂幸太郎AX アックス についてのレビュー
No.269:
(7pt)

誘拐の感想

総理大臣の娘を誘拐する器には到底思えない主人公。
更に明確にされていない動機といい何か隠し玉がありそうだと思っていたが・・・この点については、ラストでスッキリ腹落ちさせてくれた。
しかし、あの総理大臣には一言言わせて欲しい。
「キミは大学出たのか?」
誘拐(新装改版) (双葉文庫)
五十嵐貴久誘拐 についてのレビュー
No.268: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

連続殺人鬼カエル男ふたたびの感想

初めて読んだ作者の作品が前作の「カエル男」
以降、作者の作品を読み漁ってきた自分にとっては「あぁ前作にも出ていた刑事さん」ではないのです。
渡瀬、古手川、そして御子柴。彼らが演じる「カエル男」が面白くない訳がないのですよ。
連続殺人鬼カエル男ふたたび
中山七里連続殺人鬼カエル男ふたたび についてのレビュー
No.267: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

教場の感想

警察学校を舞台にした連作短編の体。
「警察学校の目的は生徒を卒業させる事ではなく、不向きな人間を排除する事」らしい。
「何でもお見通し」な教官の存在感が半端ないだけでなく不気味でもあって、登場してくるだけでドキッとさせられる。
見込みのある生徒を、不向きな生徒を使って一度どん底に叩き落とすやり方が結構えげつない。
愛は感じられないのだが、それに応える生徒がまた格好いい。
教場 (小学館文庫)
長岡弘樹教場 についてのレビュー
No.266:
(7pt)

蹴りたい背中の感想

自意識過剰で人間関係が上手く築けない女。
同じあぶれ者のアイドルオタクの男に興味を示すが、ベクトルが一方向に振り切れている彼は自分に全く興味を示さない。
で、「蹴りたい」ってか。笑ってしまう。
いい歳してアイドルオタクって情けなくて見苦しいけど、自意識過剰で孤立してる奴の方がよっぽどタチが悪い。
蹴りたい背中 (河出文庫)
綿矢りさ蹴りたい背中 についてのレビュー
No.265: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

男たちは北への感想

青森までツーリング中の主人公が陰謀に巻き込まれ、という話。
巻き込んだ側と巻き込まれた側、二人の登場人物の視点で交互に描かれますが、寡黙な二人の絆が徐々に深まる様が伝わってくるのがいいですね。
多くを語らずともってやつだ。
主人公パートで、体言止めが多く使われており、淡々としているようでリズムがよく、独特の余韻も生んでいますね。
情景が目に浮かぶようでした。
男たちは北へ (ハヤカワ文庫JA)
風間一輝男たちは北へ についてのレビュー
No.264:
(7pt)

MOMENTの感想

「人は人生の終わりに誰を想い、何を願うのか」
裏表紙の解説にある様に確かに「静かに胸を打つ物語」なのは間違いないのだが、当初想像していたのとは違っていました。
読んでいて目頭が熱く・・・ではなく、寧ろ眉間にシワが・・・でしたね。
これこそが、残り時間が少なくなった人間にしか達せない境地なのかなって思いました。
MOMENT (集英社文庫)
本多孝好MOMENT についてのレビュー
No.263: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

黒笑小説の感想

笑シリーズ3作目。
1編10分程度で読めてしまう全13編の全くミステリ要素のない短編集ですが、作者の意外性を見たっていうか、短編集は作家の実力が出るなぁって実感しました。
良品が目白押しです。
個人的には白夜行雪穂を主人公にした「シンデレラ白夜行」が好きですね。
黒笑小説 (集英社文庫)
東野圭吾黒笑小説 についてのレビュー
No.262:
(7pt)

インストールの感想

娘の部屋には、祖母が母親に教えたピアノ、祖父が娘とのコミュニケーションを取らんとし買い与えたパソコン。
一方、父親は不在、母親は生活を守るため働く事に精一杯。
今の親って子育て出来てないんだろうな。
家族の時間はどこへ?っていうかこんな時代に誰がした。
17歳の作者の皮肉めいて聞こえました。鋭い指摘です。
インストール (河出文庫)
綿矢りさインストール についてのレビュー
No.261:
(8pt)

サブマリンの感想

「チルドレン」の続編。
少年犯罪。善か悪かと問われれば悪でしか有り得ない。でもその悪にも色々ある。
一筋の光を与えたくなる人物も含まれるが、実際人が死んでいる。
皆が納得する答えなど誰も出せない気がする。
そんな難題を、あの陣内がどのように扱うのかが見どころです。
サブマリン (講談社文庫)
伊坂幸太郎サブマリン についてのレビュー
No.260: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

黒猫の小夜曲(セレナーデ)の感想

「優しい死神の飼い方」の続編。
優しい死神レオも登場するので先に前作を読んでおきましょう。
今作は事件に巻き込まれた人々の魂を救いながら真相究明するというミステリー仕立て。
どちらが好みかは人それぞれだと思いますが安定のシリーズとなりそうです。
黒猫の小夜曲 (光文社文庫)
知念実希人黒猫の小夜曲(セレナーデ) についてのレビュー
No.259:
(7pt)

夜は短し歩けよ乙女の感想

作者初読。
これがこの作者さんの世界観なんですかね。森見ワールド?
私は「うる星やつら」と「めぞん一刻」を足して2で割ったような印象を受けました。
主人公の男女は、響子さんと五代くんに置き換えても違和感なさそうです。
第三章のドタバタ喜劇や魑魅魍魎のサブキャラクタなんて「うる星やつら」っぽくなかったですか。
夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
森見登美彦夜は短し歩けよ乙女 についてのレビュー
No.258: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

十二人の死にたい子どもたちの感想

安楽死という共通の目的で集まった10代の12人が死にたい理由を告白しあいます。
やっぱ、殻にこもらず人に話してみるって大事なんですね。
自殺する状況では他人を介在させる余裕すらないとは思いますが、孤立させなければこの不幸は防げるかもって考えさせられた作品でした。
自殺させてしまうってのは周りの人間の責任も大きいんだなって思いました。
十二人の死にたい子どもたち (文春文庫)
冲方丁十二人の死にたい子どもたち についてのレビュー
No.257:
(8pt)

真犯人の感想

作者初読。
幼児誘拐を題材にした作品を多く手掛ける作家さんのようです。
現在発生した殺人事件が41年前に時効になった誘拐事件との繋がりを見せて、という骨太警察小説です。
但し、作品の主眼は、犯人が誰々、トリックがどうこうよりも、1つの事件がこれだけ多くの人間のその後の人生を変えてしまった、というヒューマンドラマ的な面にあると思いました。
結構鳥肌モノでした。
真犯人
翔田寛真犯人 についてのレビュー
No.256:
(7pt)

屋上のテロリストの感想

帯に「あなたは100回騙される」的な事が書いてありますが「100回突っ込める」が正解でしょうか。
意図的に浅く描いているという気もしなくはないですが、単に浅いだけかも知れない。
深く描けないのであれば、もっと分かりやすく徹底的に架空色を出した方がよかった気がします。
屋上のテロリスト (光文社文庫)
知念実希人屋上のテロリスト についてのレビュー
No.255:
(7pt)

宮辻薬東宮の感想

5人の人気作家による世にも奇妙な物語系アンソロジー。
宮部さんがトップバッターのリレー小説って事で後続はさぞかし頭を悩ませたのでは(笑)
繋がりという点でさすがの辻村さん。
サービス精神旺盛な薬丸さん。
自分の色をしっかり出した東山さん、宮内さん。
どれも素晴らしかったです。
宮辻薬東宮 (講談社文庫)
宮部みゆき宮辻薬東宮 についてのレビュー
No.254: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

護られなかった者たちへの感想

作者の作品の特徴からラストの展開は早い段階で読めてしまいますかね。
生活保護をテーマにした作品ですが、タイトルからも作者がどっちサイドの考えをお持ちで何を言いたかったのかは明白。
ラストの結果云々より、読み手はそこを汲むべきだろうと思いました。
護られなかった者たちへ (宝島社文庫)
中山七里護られなかった者たちへ についてのレビュー
No.253:
(8pt)

監獄島の感想

古典ミステリ好きが古典ミステリ好きのために書いたミステリです。
作品中に、ルルー、ポー、ヴァン・ダインの名前が出てきたりしますが、作品自体はまんまカーですね。
こういう舞台設定やらストーリー展開好きな人は多いと思います。
上下巻に渡る力作と言えそうですが、既視感満載です。
監獄島(上) (光文社文庫)
加賀美雅之監獄島 についてのレビュー
No.252:
(7pt)

コンビニ人間の感想

芥川賞受賞作品。
作者の作品は「消滅世界」に続いて2作目の読了。
すごい作品を描く人だな、と思ってましたが、この作品も発想というか着眼点が凄い。
コンビニでマニュアル化された店員を擬態する事で「普通」を目指した「普通じゃない」人が、最後コンビニの一部となって生きていく事を決意する物語です。
歪過ぎる。
「普通」という価値観の押しつけへの批判には同意できなくもないですが、取り敢えず私は「普通」でいたいです。
コンビニ人間
村田沙耶香コンビニ人間 についてのレビュー