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梁山泊 さんのレビュー一覧

梁山泊さんのページへ

レビュー数236

全236件 201~220 11/12ページ

※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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No.36: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

生首に聞いてみろの感想

インパクトのあるタイトルとは裏腹に、ストーリーに起伏が無く淡々と進行していく印象で何とも地味。
文庫本の裏表紙に記載されている(読書前から)既知の領域まで到達するのに250頁強も要している。


▼以下、ネタバレ感想
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生首に聞いてみろ (角川文庫 の 6-2)
法月綸太郎生首に聞いてみろ についてのレビュー
No.35:
(6pt)

死亡フラグが立ちました!の感想

ミステリ色は薄く、気楽に読める娯楽作品です。
登場人物は意外と多いのですが、伏線が非常に分かりやすいので、その人物の役どころだけでなく、先の展開も読めてしまいます。
意外性の少ない作品という事になりますが、頭を使わずに読めるので、楽しめると思います。
語り手にイマイチ存在感がなかったかなぁ。 もう少し弾けてもよかったように思います。

ラストに関して批判的な意見が多いようですが、ではどういうラストなら良かったのでしょう?
全体通して漂う何とも言えないB級感から、C級を通り越してD級で落とす。
個人的にあのラストこそ、この作品の世界観の締めくくりに相応しいと思えたのですが・・・
ラストシーンをバックに、過去のシーンが、走馬灯のように思い浮かびました。
作品と一つになれた気がしました(笑


▼以下、ネタバレ感想
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死亡フラグが立ちました! (宝島社文庫) (宝島社文庫 C な 5-1)
七尾与史死亡フラグが立ちました! についてのレビュー
No.34: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

夏と冬の奏鳴曲の感想

上級者向け。

夏に雪を降らすのはどうかとも思ったが、そんなもんは序の口だった・・・
現実離れとも言える偶然だったり、針の穴を通すようなタイミングだったり・・・
この事件の1つしかない解答、つまり真相は最早「奇跡」である。
謎は数多く投入されるが、大部分が消化される事なく残される。 本来あるべき解決編がないのだ。
恐らく、読了後は狐につままれたような気分になるだろう。

読了後、その真相について仲間と「あーだこーだ」と細っい一本の糸を手繰り寄せるのを楽しむ作品なのだろう。
・・・だったらもう少し短くしてくださいよ(泣
特に烏有と神父の会話はきつかった。
精一杯理解しようとしたけど、私の頭では及ばなかった。
熱意とエネルギーが必要です。
これから読まれる方は、読む前に是非気合いを入れて下さい。

夏と冬の奏鳴曲 新装改訂版 (講談社文庫)
麻耶雄嵩夏と冬の奏鳴曲 についてのレビュー
No.33: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!の感想

「読者が犯人」という題材を扱い、初めからそう宣言している風変わりな作品。
同じ主旨の作品は過去に存在するらしいのですが、作者は作中で、これらの作品がトリックとして不十分であったと言及しています。
常識的に考えても、読者が作中人物を殺害するなんて事は有り得ない訳なので、まず万人を納得させる事は困難なはずです。
にも関わらず、自らハードルを上げる作者の自信には敬意を表したいと思います。
しかし感銘を受けるかは、やはり読み手の感性次第です。

トリックが初めから明かされているとなれば、必然的に読み手は、慎重にその伏線を紐解く読み方となります。
「超心理学の実験シーン」や「犯人からの手紙、覚書」の記述が長々と続くのですが、これらがメイントリックの伏線となっているか正直微妙です。
兎に角長いです。 脱力モノでした。
難しい題材を扱っているにも関わらず、舞台設定含め丁寧に描かれていると思います。
しかし、トリックに関しては「成立している」とは思いますが、少し肩透かしを食った感じはします。

ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ ! (講談社ノベルス)
No.32: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

密閉教室の感想

見出しが細かく分かれていて非常に読みやすい作品です。
プロットに関しては、処女作にしてさすがと思わせてくれますが、その肉付けの部分に、いかにも処女作らしいあらが目立ちます。


▼以下、ネタバレ感想
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密閉教室 (講談社文庫)
法月綸太郎密閉教室 についてのレビュー
No.31:
(6pt)

イン・ザ・プールの感想

一癖も二癖もある患者たちが、トンデモ精神科医・伊良部のもとを訪れる5作の短編集。
プール依存症、陰茎強直症、自意識過剰、携帯依存症、強迫神経症。
題材のチョイスが絶妙で、仰々しい名称こそ付けられているが、読んでみると、身近に結構いますし、1つか2つ、自身の行動、思考様式にも合致する項目があるように思います。
何れの症状も、原因の根源にはストレスがあるように感じました。
最初こそ拒否反応があるものの、脳天気でストレス皆無のお金持ち・伊良部に徐々に依存していくようになり、癒されるという構図が面白い。
気軽に読めて笑える作品と言う事になりますが、自身に該当する症状の場合は意外と笑えません(笑

イン・ザ・プール (文春文庫)
奥田英朗イン・ザ・プール についてのレビュー
No.30: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

背の眼の感想

ホラー作品ではあるが、(情景描写は雰囲気十分なものの)わざとらしく読み手に恐怖を煽るような記述はなく読みやすい作品です。
この作品では、心霊写真、憑依現象、また霊の存在といった超常現象を肯定しています。
超常現象の存在を信じない、また興味がなく、知識もない私のような読み手にとって、作者の自己満足というか、都合のいいように薀蓄を垂れ流され、歯切れの悪い結末を押し付けられる事が多々あります。
しかし、やはりこの作者はそんな事はしなかった。
主人公である探偵が(ある事情から)積極的に霊の存在を肯定したいという立場でもあり、作品内で発生する多くの怪現象を、軽く扱うのではなく、それに整然と向き合い、万人に理解できる解釈を与えようとしている。
だから、ラストにもうまくつながるんです。 読後感いいですよ。
ホラー苦手の人にもお薦めできます。

背の眼〈上〉 (幻冬舎文庫)
道尾秀介背の眼 についてのレビュー
No.29: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

数奇にして模型の感想

S&Mシリーズラス前の9作目。

萌絵&犀川は無論の事、お馴染みの刑事の面々、世津子、喜多、そして牧野、金子、浜中とオールスターキャスト。
「理系ミステリ」色は鳴りを潜めていますが、今作は、のっけから犀川が事件に興味を示すという、S&Mシリーズ理想形の展開でこれは「F」以来か。


▼以下、ネタバレ感想
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数奇にして模型―NUMERICAL MODELS (講談社文庫)
森博嗣数奇にして模型 についてのレビュー
No.28: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

煙か土か食い物の感想

タイトルはかっこいいんですけどね。
兎に角個性的過ぎです。

多くの方が言うように、句読点は少ない、改行をしない。
客観的な考察などは殆ど省略。
そしてカタカナ言葉連呼でアメリカンな乗り。
で、主人公の「またしても唐突に俺は閃く」が登場して急展開。
何というか、余りにも独りよがりで突飛な閃きで、最早一人ツッコミ一人ボケの世界。
読み手に推理させる暇も与えないというより、読み手を完全に置いてけぼりにしている
作者の計算づくだろうが、これを「圧倒的文圧とスピード感」と取るか、「投げやりなだけ」と取るかは読み手次第だろう。
低俗な暴力描写、言い回し、汚い言葉遣いが多く、学校関係者やPTAからは、間違いなく「有害図書」に認定されるはずだ。


▼以下、ネタバレ感想
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煙か土か食い物 (講談社文庫)
舞城王太郎煙か土か食い物 についてのレビュー
No.27: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)
【ネタバレかも!?】 (3件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

今はもうないの感想

S&Mシリーズ8作目は、番外編という感じの作品ですね。

このシリーズにこんな叙述モノってあったかなぁ。
森氏ならではの理系ミステリからスタートして8作目。 何か大きく印象が変わってしまったなぁ。
お馴染みの犀川&萌絵の掛け合いも本線の合間にちょこっと挿入されているだけだし、そもそも犀川や萌絵が視点となって現れない事に違和感感じまくりでした。
っていうか、
当方、このシリーズの愛好家で、順番に読んできたから、作品の趣向も理解できるのですが、このシリーズ初めての方とか、数冊読んだだけの方には、理解されない作品ではないですかね。
また、仕掛けに占める比重が大きすぎる故、ミステリとしては、なんともお粗末というか中途半端というか・・・
これまでのこのシリーズには、それぞれ「テーマ」のようなものがあって、動機やらトリックやらに関連づけて話し立てしていたはずだが・・・

今はもうない―SWITCH BACK (講談社文庫)
森博嗣今はもうない についてのレビュー
No.26: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

シャドウの感想

2つの家族に起こる問題に立ち向かい成長していく主人公を物語の軸としています。
主人公である小学校5年生の少年を中心に、複数の視点人物によって多面的に語られます。

他のレビュアーの方々が言われているように、確かに、主人公の歳相応な行動、思考と、視点に転じた際の余りにも大人びた語りとのギャップがかなり気になりましたが、読み手を上手く騙すためにはやむをえないという事でしょう。

▼以下、ネタバレ感想
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シャドウ (創元推理文庫)
道尾秀介シャドウ についてのレビュー
No.25: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

Rommyの感想

帯には「密室殺人」とありますが、少し誇張表現な気がします。
ミステリーというより、ミュージシャンROMMYの人間ドラマといっていいと思います。

随所に登場する写真やイラストが、読み手に、この作品の世界観を共有させるという点で非常に効果的だと思いました。
ただ、詩に関しては・・・生き物ですからね。
若干、イメージの乖離を感じてしまったかもしれません。


▼以下、ネタバレ感想
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新装版 ROMMY 越境者の夢 (講談社文庫)
歌野晶午Rommy についてのレビュー
No.24:
(4pt)

海のある奈良に死すの感想

この作品に関して言えば、
虚脱感すら覚えたそのメイントリックを含め、全体を通して安物の2時間のサスペンスドラマ風味であるとかは、どうでもいいのだろう・・・多分。


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海のある奈良に死す (角川文庫)
有栖川有栖海のある奈良に死す についてのレビュー
No.23: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

Anotherの感想

ジュヴナイルっぽい青春ホラー。
綾辻氏のジュヴナイル作品というと「びっくり館の殺人」があります。
作品の持つ気味悪さとか、怖さでは「びっくり館」の方が遥かに上です。
主人公から伝わる緊張感がその差になって現れていると思いますが、その分、ホラーといいながらも明るめの印象で読みやすい作品です。
アニメ化されたようですし、この作品をきっかけにファン層が広がればいいですね。


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Another
綾辻行人Another(アナザー) についてのレビュー
No.22: 7人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)
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告白の感想

問題作ですね。
主人公である女教師が復讐のために、法に委ねる事なく、娘を殺した少年達を追い詰めていきます。
その女教師の生徒への抑揚のない語り口調が印象的で、作品全体に独特の雰囲気、重さを醸し出しています。


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告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)
湊かなえ告白 についてのレビュー
No.21:
(6pt)

チーム・バチスタの栄光の感想

落ちこぼれが以外な才能を発揮して、エリート達と対等にやり合うという面白さ故の人気か、とか考えたりもしたが、実際田口に肩入れする読者って多いんだろうか?
やはり何と言ってもこのシリーズの屋台骨を支えているのは、ロジカル・モンスター白鳥のキャラだろう。 友達にはなりたくないですが・・・
田口と白鳥という全く正反対のキャラの対比が面白いんでしょうね。

ドラマ、映画共に見ています。
作者の海堂氏は現役医師だけあって、病院内の描写は見事だと思います。
医療現場の実情も伝わってきます。
医療モノですので、専門用語が多数登場するのはやむを得ません。
この作品の場合、専門用語の解説の記述が無駄に無い事が、作品のテンポを高める効果をあげている気がします。
しかし、


▼以下、ネタバレ感想
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新装版 チーム・バチスタの栄光 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
海堂尊チーム・バチスタの栄光 についてのレビュー
No.20: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)
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クリムゾンの迷宮の感想

ミステリーというより「娯楽小説」という印象です。

最初の分岐点で「情報」を求めた者が主人公で視点となるので、チェックポイントを通過する毎に、新しい情報を得られ、新展開を迎えるという性質上、どうしても次の展開が気になり、読み出したら止まりません。
ただ、閉鎖空間に仕掛けられた理不尽なゼロサムゲームというと「インシテミル」を思いつくのですが、好みの問題なのでしょうか、それともゲームブックというものを手にした事のないおっさんの戯言なのでしょうか・・・
「インシテミル」の方が好みですね。


▼以下、ネタバレ感想
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クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫)
貴志祐介クリムゾンの迷宮 についてのレビュー
No.19: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

夏のレプリカの感想

S&Mシリーズ7作目。
このシリーズにおいて「7は孤独な数字」な訳だが、確かに異質で孤独かも知れない。
まだ7作しか読んでいないがそう思う。
何故なら、今作は、前作の「幻惑の死と使途」と時系列で並行して発生した事件を扱っているのだが、犀川と萌絵がもう一方の事件に巻き込まれており、表立っては殆ど出番が無いからだ。
2つの事件の間には全く関連性はないのだが、今作で登場する「名前が逆だったのには、気付いていた?」という犀川のセリフなどは、今作だけを読んだのであれば「はぁ?」なので、やはり両作ほぼ同時期にそして順番に読んだ方がいいでしょう。


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夏のレプリカ―REPLACEABLE SUMMER (講談社文庫)
森博嗣夏のレプリカ についてのレビュー
No.18: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

白銀ジャックの感想

非常にテンポのよい作品で、まさに直滑降の如きスピード感にあふれています。 読みやすい作品です。
また読後の不快感や、回収されない謎が残ってもやもやしたりという事もありません。
でもそれだけなんです。
東野氏の作品にしては、展開にひねりもないし、オチも想定の範囲内というか想定範囲のど真ん中でしたし、登場人物も極めて普通の人ばかりで・・・
経営難に直面するスキー場への問題提起って事で、スキー好きの東野氏としては悪人は登場させづらかったのかなぁ・・・とか思ってみたり。
東野作品に精通していない人向けだと思います。
「白夜行」や「容疑者X」を既読の方には、相当物足りないのではないかと。
東野氏の作品は「ハズレ」は殆ど無いんだけど、「当たり」も多くないんだよなぁ。

白銀ジャック (実業之日本社文庫)
東野圭吾白銀ジャック についてのレビュー
No.17: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

幻惑の死と使途の感想

S&Mシリーズ第6弾のこの作品にはマジシャンが多く登場します。
マジックというものは、そもそもトリックの存在を前提としています。
トリックを仕掛ける側がトリックのプロな訳です。 超人です。
言ってみれば「何でもあり」
読者側は、凝りに凝った「物理トリック」が展開される事を容易に想像できるはずで、もはや反則技とも取れるトリックすら覚悟していました。
読書を進めながらも、恐らく後読感の悪い作品になるのではないかなと思っていたのですが、盲点をつかれたという感じです、やられました。
マジシャンをこういう風に使うのかと・・・作家の力量というか余裕すら感じました。

今作は、S&Mシリーズでは、(難しくないという意味で)読み易い作品ではないかと思います。
次作「夏のレプリカ」とは、時系列でパラレルに展開するお話になるので、同時期に読む事をお薦めします。


▼以下、ネタバレ感想
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幻惑の死と使途―ILLUSION ACTS LIKE MAGIC (講談社文庫)
森博嗣幻惑の死と使途 についてのレビュー