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タカタソン さんのレビュー一覧

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レビュー数49

全49件 21~40 2/3ページ

※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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No.29:
(6pt)

デパ-トドタバタコメディ

一夜のデパ-トで起こるドタバタコメディ。
まず、そもそも設定に無理がある。何組もの訳あり登場人物が同じ日にデパ-トに忍び込んで、実はそれぞれ何かしらの関係があって、その場での思惑や態度・行動で話が進んでいく。
そういうものだと割り切らないと、読み進められないだろうが、コメディとして割り切れれば逆におもしろいかもしれない。(本当に三谷幸喜映画ぽいけど・・。)

最後も、上手くまとめて良しとするか。。
デパートへ行こう! (講談社文庫)
真保裕一デパートへ行こう! についてのレビュー
No.28:
(4pt)

懐かし推理小説

探偵役の推理作家が地図に載っていない村で起こる殺人事件を解決する、王道の推理小説。
まず、事件が起こるまでが長い。文量自体がないので1日で読めてしまうが、半分ぐらい読み進めてようやく事件が起きる。
自然・古き良き伝統の中で起きる殺人事件。
閉鎖された村での娘の希望が真相のキモになるのだか、今実際に若者離れが進んでいる離島や田舎の事を思ってしまった。

最後にもう一段のオチもあるのだが、要らないオチだけど、なぜかほんわかする終わりになっている。
王道推理小悦好きな方はぜひ。

風精の棲む場所 (光文社文庫)
柴田よしき風精(ゼフィルス)の棲む場所 についてのレビュー
No.27:
(6pt)

展開がハチャメチャだけど

書かれたのがバブル時代ということで、今読むと所々当然に感覚が違うがそれでも、破天荒なスト-リ-展開で読み進める。

男に捨てられ、宝石屋でたまたま置いていかれた指輪を盗み、強盗に押し入られレイプされ、挙句の果てに襲われた2人組みの男と事件の真相を追うという展開。
主人公OLの不倫や、強姦した男との関係、時代背景も含めた変なミステリ-。

ありえねぇだろと思いつつも、何か不思議な感覚で読めます。

ラスト・レース―1986冬物語 (文春文庫)
柴田よしきラスト・レース についてのレビュー
No.26:
(4pt)

低評価ですけど、終わりにインパクトあり。

あらすじに書いてある通り、個人で旅行代理店をしている関口が主人公でロシアから来た女をアテンドするところから始まり、この女が実は殺し屋で一緒に北へ逃亡するという話。
分かりやすい言葉使いや展開の早さはさすがで、いつの間にか読み進みてしまう。

ただ、この手の話は男女関係になって行くがうえに一緒に逃避行をする展開がほとんどだが、本作はそれは無い。(正確に言うと終盤までだが)逆に、女は肌すら触れ合うのも嫌う。これは、もちろんオチがあるのだが、だからこそ一緒に逃げる動機が薄くなってしまっている。脅されているという事だけで、この展開は現実感が低すぎる。
でも、まぁ百歩ゆずってここまでは許せる範囲で評価として6~7点あげられるが、最後の終わらせ方はありえないっていうか、無い。

恐らくだれが読んでも、えっ?、と言ってしまわれるでしょう。
急転直下というか、急に打ち切りになって締めなきゃいけなくなったというか、今までの関係や展開を覆すような終わり方。

逆に評価は低いけど読んでほしい。感想を聞きたい。
北帰行
佐々木譲北帰行 についてのレビュー
No.25:
(6pt)

将来作の序章

巻末の著者あとがきにこの世界の継続を示唆していることでわかるが、終わり方に大きな含みを持たせていて完結感はない。
やはり、今後発表されると期待される作品の序章と言った位置づけなのか。

近未来の設定だが環境的な未来描写と言うより、どちらかというと考え方や心の闇みたいなところに将来観測が描かれていて、そこについてあながち違和感はない。
ただ、主人公サラは正直あまりキャラが立ってなく感情移入はしづらいが、事件の関与の仕方にキャラとして守っているものはなく、どっぷりはまって性的な欲望もあり、彼女の生い立ちがミステリ-要素になっていたりするので、読みどころはある。

また、形的には短編集だが、短編間に繋がり・時系列があるので、普通に1ペ-ジ目から順に読み進めましょう。

神の狩人―2031探偵物語 (文春文庫)
柴田よしき神の狩人 についてのレビュー
No.24: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

「距離」訳で魅力を半減

話のネタも展開も好みで満足で楽しかったと言い切りたいところだが、一部の訳と物語の終盤がもったいなかった。

まず、この物語は森の中での殺し屋から逃げる女警官との緊迫した対決が面白味であり、そこでこの本でもっとも重要なのは「距離」だと思う。森の大きさ、追ってくる殺し屋との距離、別荘から管理事務所までの距離、崖の高さ等。
ところが、この重要な距離がこの翻訳では、マイル、ヤ-ド、フィ-ト、インチで書かれている。アメリカで暮らしていた方は馴染みがあるかもしれないが、通常日本人でこの単位で書かれてすぐに距離感がつかめる人はどれくらいいるのだろうか?
四分の三マイル先とか六フィートとか普通に書かれてるが、つい調べて計算してしまう。

この物語のようにスピ-ド感をもって読み進める上で、瞬時のイメ-ジ感覚が必要なのにそれが一瞬止まる。原文に忠実ではないとしても、誰が読んでもわかるような単位を使用するべきだった。

それと、この物語は2部構成になっていて追撃戦の1部(4月)とその後の2部(5月)があるが、2部は要らない。事件の全貌と登場人物のその後が分かるが、1部で切ったほうが物語として締まってよかったと思う。
変にだらけた感が残った。
追撃の森 (文春文庫)
ジェフリー・ディーヴァー追撃の森 についてのレビュー
No.23:
(5pt)

ミステリ-ではなく不思議な輪廻?の話

まず、本の帯でも書いてあるとおり、ミステリ-ではない為、期待するとがっかりするでしょう。

シェ-クスピアのマクベスのなぞらえて、野球を題材に、
予言どおり?野球の王になるために生まれてきた主人公の人生の話。

もちろん、マクベスを知らなくて当然に読めます。

ある意味、主人公は何があっても全くぶれず、周りが騒いでいるだけというところは面白みではあるが、
そんなに物語にヤマがあるわけでなく、淡々としている。

個人的に嫌いではないが、どうせならもっと独創的な展開にしてほしかった。
終わり方も変にきれいにまとめている感じで、ちょい残念。

あるキング (徳間文庫)
伊坂幸太郎あるキング についてのレビュー
No.22:
(4pt)

ファンブックに近い

まず、シリ-ズを読んでないと、なかなか入り込めないかもしれない。
登場人物の関係性がわかりずらい。

スパイ小説というより、主人公の日常を描いたような内容で、ちょっとしたオチはあるものの、緊張感はない。

このシリ-ズは好きなので、是非長編で読みたい。
動物園で逢いましょう
五條瑛動物園で逢いましょう についてのレビュー
No.21:
(6pt)

らしさはあるけど・・長すぎる。

新しい麻薬ル-トをめぐるアメリカ・中国・日本を舞台にした壮大なスケ-ルだが、深みを感じられなかった。日本の麻薬捜査官を中心にアメリカのDEAとかCIAや中国の警察、やくざ、マフィアなど盛りだくさん。

謎のホワイトタイガ-を追って誰にも知らせず主人公が潜入捜査をしている事がひとつの面白味だと思うのだが、読んでて手に汗を握るような場面が少なく、後半には潜入と言えいる状態なのかと疑う場面も多々。

逆にホワイトタイガ-の正体が見えてきた終盤のほうが、展開が大沢先生らしく面白い。
ただ、そこまでが長すぎる。内容が良ければ全然苦にはならないのだが・・・。


欧亜純白 上 ユーラシア・ホワイト (欧亜純白 ユーラシア・ホワイト) (集英社文庫)
大沢在昌欧亜純白 ユーラシアホワイト についてのレビュー
No.20:
(6pt)

表紙写真が物語を語る。

一体どんな内容か読んでみないとわからないところが、良いかもしれない。

無くなった叔母の遺産を受けてマンションや仕事を継いで、そこから知らない叔母の世界に入り込んで、いきなり朝鮮人に声をかけられたり、人が死んだりしていく。

叔母が可愛がっていた子供とあることで同居し親を探していくのだが、愛国心、家族など意外にテ-マは深い。
ただ、読み易いミステリ-になっているので、大きな山場は無いものの、それなりに読める。

KUNIMORI (中公文庫)
五條瑛KUNIMORI についてのレビュー
No.19:
(5pt)

冒険小説ではなかった。

表題から言って山岳冒険小説だと期待したが、中身は程遠いものでどちらかというと青春小説。

元トップクライマ-が運営する山小屋でバイトする3人が、ヒマラヤの未踏峰に挑むというもの。
この3人というのが、仕事に翻弄され軽度な犯罪を犯してしまった主人公と、障害を持つ二人。
まず、主人公の状況で万引きという犯罪を犯してしまう事に全く共感・理解が出来ない。
人生の再生・再出発がテ-マかもしれないが、ちょっと厳しい。

どちらかというとトップクライマ-だった通称パウロさん(日本人であだ名)の、若か知り頃からの山岳冒険シ-ンと辞めるに至ったところを詳細に描いて欲しかった。

この3人の山岳シ-ンはちょっと現実見がなさすぎた。

未踏峰
笹本稜平未踏峰 についてのレビュー
No.18:
(5pt)

印象が残らない・・・。

この著者の作品を初めて読みましたが、テンポも良く非常に読みやすかった。
気づけば、どんどんペ-ジが進んでいるような感じだった。

ただ、話の導入部分が良かっただけにオチとなる終盤の失速感?失望感は否めない。
主人公の立場を考えたらもっと、どこかの場面で感情的な事があっても良かったと思う。

オチも1週間ぐらい経ったら何だったけ?っと思ってしまう程度で特にインパクトも無く普通。
テンポ良く読ませるだけに何か勿体ない。

誘拐(新装改版) (双葉文庫)
五十嵐貴久誘拐 についてのレビュー
No.17: 6人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

素直な感想を。

この小説を読んだ後、深読みすればミステリ-好きほど、あっさり感があって、それを期待はずれと読むかさすがと思うか分かれると思う。
いろんな事が起きそうな空間で、意外にシンプルに終わってしまうのでどうなんでしょうか?

読み手の期待に答えるべく、お約束という事でもう少し夜間エピソ-ドや凶器・金庫室・遊戯室・整備室などでの事件・推理が欲しかった。

続編に期待。
インシテミル
米澤穂信インシテミル についてのレビュー
No.16:
(6pt)

透明人間はつらい?

この小説で出てくる透明人間は、なんでもすり抜けられる訳ではありません。
あくまで、ある事故によりその事故一帯の物質が透明になってしまってその中に人間もいたという話です。
ですので、その一帯にあった物や着ていた物は透明なのだが、ご飯を食べれば胃で消化していく様が見えてしまうし、物質自体は存在があるので、足跡は着くし、歩けばぶつかってしまうのです。
当然、事故後から調査機関に追われるのだが、その中でどう逃げるか、逃げられるのか。

この小説は30年間のベスト1という帯に釣られて読んで見たのだが、正直自分にはいまひとつ。
まず、主人公が証券マンということもあり、しゃべりや考えに好感が持てないし、パ-ティ-に参加やクラブなど日本ではなかなかイメ-ジが沸きにくい。
それと、追ってくるエ-ジェントの緊張感がもっとあってもよかったと思う。
いろんな罠や仕掛けが欲しかったし、ムフフなところももっと欲しかった。

ただ、これを読むと透明人間はいいやって思います。

透明人間の告白〈上〉 (新潮文庫)
H・F・セイント透明人間の告白 についてのレビュー
No.15: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

期待しなければ、意外にいい?

短編連作集。
ひとつひとつの事件で主人公も違うが、全てシズカという少女が絡んでいる。
章を読むごとにシズカという人物像が見えてくるという仕掛け。

すぐにこの仕掛けは分かるのだが、そうなるといちいち回りくどい短編の始まりから読むより
結論だけ知りたくなってしまった。
つまり、短編1作・1作の出来はそれほど良くない。
毎回主人公も違うので、背景から話が始まるし・・・。

長編にして、白夜行みたいな感じにしたほうが良かったのでは。(パクリになっちゃうか。。)

ヒトリシズカ (双葉文庫)
誉田哲也ヒトリシズカ についてのレビュー
No.14:
(6pt)

この作家、もう少し売れてもいいのに。

結構好きな作家でいろいろ読みたいのだが、なにぶん売れていない?ので本屋言っても置いてないのが
難点。読みやすく、どれもそこそこ面白いと思うのに・・。皆さんも一度読んで見てください。

この本も題名やあらすじを読むと、どんな内容かよくわからず、正直期待出来ないのだが・・・。

ただ、読んでみるとやはり読みやすくさくさく読み進める。
主人公は、今どきの今日だけ楽しければいいやという若者で、Jと呼ばれる女性の意志の強さに引かれ、自分でも単純ながら目標を持って生き出すという話。

ただ、そこにテロ、テロを請け負う組織が絡んできて、今の日本の問題、親の子供への無関心や裕福な日本が貧しい海外で犯している幼児買春などの犯罪に対する遺恨や、幼児売買での完全孤独な子供やすべてを失くした大人が安全に安らかに住める世界が作れるかなど、深いテ-マが潜んでいる。

J 少女たちは破壊を謳う (【徳間文庫】)
五條瑛J 少女たちは破壊を謳う についてのレビュー
No.13:
(6pt)

ガンガン読み進む読み易さも魅力

相変わらずの読みやすさ。
誰が読んでも途中挫折はあまり無いのではないでしょうか。

このシリ-ズは人気ありますよね。
本屋で年配の方が、店員に置いている場所を聞いている場面に何回も出くわしてるけど偶然?
まぁ年配層の方々にこの主人公が支持されているにはちょっと分かるような気がする。
主人公(竜崎)は東大出のキャリア官僚。
東大以外は大学じゃないとかキャリアはこうあるべきだとか堅物ぶりが面白い。

第3弾の疑心は部下の女キャリアに心奪われる。(竜崎は妻子あり)
警察小説としては物足りないが堅物が自分の恋心にどうケリをつけていくかが今作の読みどころ。

このシリ-ズを読んでない方は是非1作目の隠蔽捜査からどうぞ。
疑心: 隠蔽捜査3 (新潮文庫)
今野敏疑心: 隠蔽捜査3 についてのレビュー
No.12:
(5pt)

収束が遅いよ

いろんな事件がその日に起き、それぞれの事件の登場人物の視点から話が展開される。
まず、事件が多い。
その上ひとつひとつの事件や登場人物がそれ程魅力がある訳ではないので、先の展開が気になるといった感想は持てず中々読み進まなかった。
それでも我慢して読み進めて、終盤に入ってくると暴風雪という自然猛威によってすべての事件が1か所に集まり、ようやく読める展開になってくる。
正直そこまでが長い。
ちなみに川久保巡査が主人公ぽいが、そんなに活躍もせず、数あるエピソードの一つとして絡んでいるという感じ。
佐々木先生なので、期待が高すぎたが普通に楽しくは読める。
暴雪圏
佐々木譲暴雪圏 についてのレビュー
No.11:
(6pt)

狙いにはまるのもオツ

この本は読手にトリックを仕掛けていて、それを良しとするか見える展開を不快に思うかで評価が分かれる。
つまり読んでいると、現実世界の話なのか夢の世界なのかが分からなくなっていく。
それを可能にしているのは設定で、主人公の弟(自殺未遂で植物人間状態)と開発された医療器具で夢の世界で対話が出来るというもの。
姉の主人公(漫画家)が、対話を終え器具を外して現実世界だと思っていても弟が出てきたり、分からなくなってくる。
しかしながら、オチはある程度のところで読めてくるので、そこだけ見てしまうと低評価になるかもしれない。

まぁ、ページ数も少なく飽きずに読めるし主人公のトラウマを焦点とした文章表現は良いのではないでしょうか。

完全なる首長竜の日
乾緑郎完全なる首長竜の日 についてのレビュー
No.10:
(5pt)

肉としての女・刑事

今から約15年前に発表された本書だが、今読んでも斬新と感じるのはその切り口が性に関する描写であり、万人受けする内容ではないからだろう。

性に関する描写といっても行為自体の描写ではない。
この小説に出でくるのはまず事件として男が男を犯すビデオがあり、その事件を追う女刑事の主人公は同僚、上司との不倫、部下、そして同姓とも関係を持っている。

だからといって、ハチャメチャな内容ではなく刑事小説として、複雑な性犯罪にあってしまった主人公が性に対して悩みながら事件に対峙していく本格物であることは間違いない。

ただ女の性というか肉としての女というか、そこにこだわった内容は共感がなかなか難しかった。


RIKO―女神(ヴィーナス)の永遠 (角川文庫)
柴田よしきRIKO -女神の永遠- についてのレビュー