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absinthe さんのレビュー一覧
absintheさんのページへレビュー数9件
全9件 1~9 1/1ページ
※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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absintheには面白かったです。印象では★9くらいでしょうか。
スピード感とスリルは満点なのですが、アメリカ人が戦争を描くとどうしてもこうなってしまうという、良くも悪くもお手本のようになっています。 北朝鮮が、いきなり米国軍艦を日本海の公海上で拿捕して、半島まで曳航してしまいます。時間が限られる中、空母戦闘群による絶望的な救出作戦が始まります。戦闘場面はかなりの迫力で、こういうのが好きな人ならそれだけでも読む価値ありだと思います。政治的思惑よりもより、戦闘場面の迫力に重きを置いた作品です。戦闘機はバンバン撃ち落とされるし、SEALSや海兵隊も登場して地上戦まで起こるサービスぶりです。1990年代の作品なので、F14トムキャットやA6イントルーダーが健在で、そういった航空機が敵と戦うので好きな人には堪らない逸品になるでしょう。absintheは、キースダグラスを読むのは初めてでした。古本屋で一揃いセットになっているのを衝動買いしてしまいましたが、幸運な拾いものでした。 とても楽しい本作にも難はあります。やたらと登場人物が多いのに違いが書き分けられていないのも感情移入を阻害しています。一人の人物を追いかけるのが好きな人には向いていないでしょうね。(absintheにも少し苦痛でした。)主人公は戦闘機パイロットで、500ページの中で最初の200ページは主人公でした。しかし続く200ページで場面が地上戦になってからほとんど出てこなくなり、クライマックスの地上、空中の乱戦にもう一度登場しますが、せっかく親しみを持ち始めた人物がこうやって隠されると、そこで続きを読む手が止まってしまうのですよね。人物に深みはありません。殺すとはどういうことか悩み始めたり、自分の腕が信頼できなくなってパイロットを辞めようかとまで思う人物まで現れますが、一過性の堰熱のように治ってしまいます。これは、スピードとスリルを楽しむためのものであって、戦争とは何か深く考えさせようとしたものではないのでしょうね。 民主党嫌いの作者が書いた共和党万歳のプロバガンダとも言えそうなのりで、吐くほどではないと思いますが戦争賛美に嫌悪感情を持つ人は閲覧注意ともいえます。軍事用語が苦手な人は避けた方がいいでしょう。巻末に用語辞典がついていますが、これを見なければ意味がわからない人では外国語を読むのと変わりません。全編軍事用語ばかりなのに文中の解説は最小限です。 最後の方で北朝鮮の本当の思惑が明かされます。後で明かされることですが、作戦は最初にアメリカが考えていたよりもずっと危険な賭けだったのです。北朝鮮にとって、勝てるはずの無いはずだったアメリカを敵に回した挑発行為。その思惑は何だったのか?それが唯一のミステリー要素でしょうか。 |
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元CIA職員が正義の泥棒になったという感じです。主人公のロビンはロビンフッドにでも因んだのでしょうか?
巻き上げたお金はこっそり貧しい人たちに……という設定がちょっと古めかしいというか、時代を一回りしてかえって新鮮というか、評価は簡単ではありません。 私が何度か旅行したモルドヴァが出てくるので、それだけを理由に買って読んでみたのですが、思わぬ拾いものだった気もします。 アクションは面白いです。盗みに入るシーン、誰かに見つかってごまかすシーンなどは読みごたえがありました。また、マフィアとかかわりになり、困難な盗みを強制されてしまうのですが、そういった設定も面白かったです。ラストはハリウッド的爽快な終わり方でころも好感が持てます。流行りの今風の小説らしく、場面転換は早く次々と新しい舞台に移ります。でも、各国の描写は何だか平たいです。これだとどこの国を描写してもあまり変わらないかもしれません。 こういった所謂冒険ものは新しい主人公像を求めています。女に対して優しいか、潔癖か、だらしないか、風貌は優男かマッチョか、その他欠点は、特殊能力は……、考え付く限りの組み合わせが試されていて、新しい人物像がなかなか生み出せないのが現状です。特にハードボイルドタッチの場合は寡黙な男が多いので、どうしてもどこかの小説とキャラクタが被ることになります。義賊という設定はそれほど斬新とはいえませんが、最近は確かにそういうのが少なかったようにも思います。なんだか同じ主人公の今後の活躍には期待してみたいです。主人公像は、Jディーヴァーの追撃の森に出てきたハートを思い浮かべました。(本作の主人公ロビンの方がずっと純朴でかつ女に弱いですが。) 現在はよほど変わった特徴を持たせないとなかなか記憶に残りにくいのです。どこぞの映画では足の代わりに機関銃をつけた女なども登場して、そこまでしなければ新味が出せないのか!と驚いたのを覚えています。作家も苦労することでしょうねぇ。 義賊となったロビンモナークの今後の活躍に期待します。 |
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どんな小説なのか表題からわからず、そういう意味でこういうナンセンスな表題はそれだけで面白いです。書店でチラリと見かけてどんな内容だろうと想像しながら手には取らず前を横切っていて、想像だけたくましくしていた本です。
ストーリーは要約すると、大人しかった海洋生物たちが人類に対してまるで悪意を持ったかのように攻撃を始めるのですが、人類はなにが起こったのか理解できず、科学者を集めて究明と解決に乗り出すというものです。人類による環境破壊を攻撃と解釈した何者かがいるのかもしれません。ところで人類は情けなくも足並みがそろわず、国家間や役所間の壁に阻まれなかなか手を合わせることができません。その間にも次の災厄が……。といった話です。災厄の場面は、読みごたえがありました。 環境問題あり、深海の謎の知性とのコンタクト有り、アイデアてんこ盛りです。しかも後半はアクションもあり、クライマックスには戦闘まで起こります。上中下の長大なストーリーですが最後までほぼ楽しく読めます。 海洋生物の描写にはこだわりがあったようです。人類への攻撃に加担する様々な海洋生物は、その特徴や能力が生かされるのですが、へぇそんな生物もいるんだぁと本小説で初めて知った事実も多く、勉強にはなりました。 同著者の作風は全般にそうですが、将来にも交わることのない様々な人物が現れては消えていきます。誰が主要人物なのか解らないうちは、新たな人物が登場するたびにまたかぁと思って手が止まってしまうのですよね。上巻が特に苦痛でした。でも上巻さえ抜けてしまえばあとで挫折することは無いと思います。 全体は、明らかに詰め込みすぎで、テーマをそれぞれ別の小説にしたらそれぞれ良作になった予感もします。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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本作は前作と違って、うんちくと事件推理の関係が改善されて好感が持てました。
歴史的背景のうんちくが妥当かどうかはよくわからないのですが、面白かったです。 |
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本作は読者を楽しませるためのどんでん返しで最後まで楽しく読めます。映画にもなった有名作品ですが、アクションは控えめなほうだと思います。
absintheは、本書より先に映像作品を見てしまったので結末は知っていました……がそれでも興味の大半が失われるようなことは無かったです。 要塞からの脱出もハラハラの連続で最後まで飽きがこない作品です。 タイプとしてはabsintheの大好きなタイプの作品ですが、absintheは主人公がストーリーを引っ張っていく話が好きで、ストーリーが登場人物を引っ張りまわす話ではありません。本作は残念ながら後者に感じられました。 主人公の意図があまりに読者に隠されていると、主人公を応援するのが難しくなってしまいます。 |
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本書は、「新生 上下巻」、「真実」「覚醒 上下巻」の5冊からなる超長編の真ん中の1冊です。
誕生したクリストファーは少しずつ超能力を発揮し始めます。ある日、人類は未知の天体が地球に接近してくることに気付きます。天体はぶつかるのでしょうか? 落ちてくる天体にニガヨモギと名付けるセンスはどうかと思いますが、本書は名前の由来をカルビンとホッブスの登場キャラクターに因んでつけたと説明して、ネタバレ回避を狙っています。この後、前作を上回る天変地異と災厄が人類をこれでもかと苦しめます。まるで黙示録のように…… absinthe は全5巻でこの巻だけが好きです。でも、この1冊だけ読んでもさっぱり解らないでしょうね。 人類を襲う大災害の描写がとても面白くて緊張感が続きます。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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ジェームズロリンズは、いつも期待して買ってきます。シグマフォースシリーズは全部大好きです。
しかしながら、さすがのシリーズも回を追うごとに迫力を失っている気がします。個人的にはそれでも好きなのですが。 今回は歴史の話題も冒頭だけですし、テンプル騎士団のお話がちょっとだけで、それ以外はただのアクションになってしまいました。 かつての勢いを取り戻してほしいです。 |
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読み始めは、JPホーガンのような路線を想像したのですが、むしろPKディックでした。
私には好みでした。ストライクゾーンど真ん中なのですが、好き嫌いは分かれるかもしれません。 本筋と関係ないエピソードに行を使いすぎて、読むのが苦痛なページもありました。 アイデアてんこ盛りです。PKディックなら、本書のアイデアだけで7~8編ぐらいの小説書いてそうな気がします。(もっとか?) ただ、未来の話にする必然性はあったのかな?と素朴に思いました。 もちろん、未来のテクノロジーなしに成立しないエピソードも盛りだくさんなのですが、本書には万物理論と関係那深いエピソードと、関係無いエピソードがそれぞれ沢山あって、肝心の万物理論に直結するエピソードは今現在を舞台にしても十分に通用する話です。 それぞれ別の小説にしてしまったほうが、テーマとしては読者の記憶に残ったと思います。 見慣れた世界と異なる世界の話が混ざってしまうと、読者はどこかおとぎ話的に受け止めてしまうので、インパクトは弱まってしまうのですよね。 |
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全滅領域、監視機構、に続くシリーズ第3段です。
全滅領域の雰囲気を受け継いで、A、B、Cと登場人物、時刻の異なる3つの視点を、ロンド形式のようにぐるぐる回ります。 一つのシーンで、パズルのピースが一つ示され、他の異なるシーンのパズルピースと意外なところでつながっていく、そういったスリルがあります。 ばらばらに見えたそれぞれの話には、それぞれ隠された背景があり、背景同士がまたつながっていきます。 読み進めていくとだんだんパズルが完成していくのですが、完成した絵がまた難解という・・・ 300+500+500ページの大作なのに、なぜエリアXが出来たのかという説明は1ページあまり。 得体のしれないもの、の話に見えて、得体のしれないものに振り回されていた人間たちの話だったのですが。 謎が解けてすっきりという感覚を味わうのならあまりお勧めではありませんが、謎が謎のままであり続ける雰囲気が好きな人なら、損の無い大作です。 島、灯台、穴、葦原、など、数えるほどしか舞台がでてこないのに、これだけ読ませてしまうという技量は。 現れる動物たち植物たちのしぐさまで見えるかのように活写されています。表現能力の低い作家だったらとうに力尽きて倒れていたでしょう。 でも、全体的にちょっと難解ですね。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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