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absinthe さんのレビュー一覧

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レビュー数11

全11件 1~11 1/1ページ

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No.11: 8人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

薔薇の名前の感想

14世紀の修道院が舞台の歴史ミステリーです。説明するまでもない有名作品で、古いですが映画化もされていますね。
体裁は少々複雑で、主人公はバスカヴィルのウィリアムと見習修道士メルクのアドソの二人なのですが、ラテン語で書かれたアドソの手記を「私」が現代に訳したものという形で書かれています。修道院で連続殺人事件が起こり、二人が解決していくというミステリー作品です。
歴史ものが嫌いな人には苦痛もあるかもしれません。当時の宗教論争や修道会や教会の名前がこれでもかと出てきます。しかしながら、テーマの求心力がとても強いので細部を読み飛ばしてもついていけなくなることはまずありません。amazonのレビューを見ると、バチカンと教会の関係、当時の歴史的勢力図など頭に入って無いと読めないかのように解説する人もいますが、それほどではありません。ちなみにabsintheはそういった解説に書かれていた内容は全然知りませんでした。
そういう意味で、知識をひけらかしたいという動機見え見えな、うんちくを列挙してばかりで内容の無い凡百の小説とはずいぶん異なっています。
登場人物が多くて覚えるのも大変ですが、読みにくい感じはせず最後まで一気に読めました。「罪と罰」や「星を継ぐもの」と並んでミステリーでは私の生涯ベストに入ります。

著者のウンベルト・エーコは記号論の大家で哲学者です。哲学の中で重大なテーマに、テキストとは何かという論争があります。ウンベルトエーコの生涯の研究テーマだったようで、本書でもその問いかけが随所に見られています。
この哲学上の問題を知っているとより楽しく読めるのです。テーマは哲学ネタや神学論争ばかりでもなく、知識の迷宮と化した現代の大学の在り方や学問の在り方への批判なども見られ、読めば読むほどその奥深さに驚かされます。教会の様子が現代社会の暗喩にもなっているのです。

ここまで読むと、教養の押し売り小説のようにも見えてしまうのですが、押し付けがましくはありません。ページをめくるたびに、厚みのある教養と知識が読者に襲いかかってきますが、若手の教師にありそうな「ここに板書した範囲は来週までに暗記して来い!」みたいなのりはなく、優しい老教授が「覚えられるだけ覚えてきなさい。あまり無理せんでな。」といってくれるような印象です。師弟の師にあたるウィリアムの設定が、人間として丸くなっているからだと思います。彼は若いころは熱血漢だったのに理想に燃えすぎることや偏狭さがどれだけ恐ろしいかを知って、考えを改めてきた者として書かれています。異端審問の恐ろしさを語る彼のセリフにそれが現れています。

absintheが何度か再読した少ない小説のひとつです。私の脳力では残念ながら魅力をうまく紹介しきれません。私に読み切れなかった奥深いテーマがまだまだたくさん眠っていそうです。absintheは偶然に、本書を読む少し前に筒井康隆の「文学部唯野教授」を読んでいたので記号論のテーマにピンときました。記号論やテクストとは何か?というテーマをご存じない方は、「文学部唯野教授」を先に読んでおくことをお勧めします。こちらも楽に読めて勉強になる作品です。他に「ウンベルトエーコの読みと深読み」「ウンベルトエーコの文体練習」など読んでおくとさらに楽しさ倍増と思います。
また、同著者ウンベルトエーコの「フーコーの振り子」もまた楽しい作品で、こちらも記号論といいますか、言及と解釈の問題を扱っています。



▼以下、ネタバレ感想
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薔薇の名前〈上〉
ウンベルト・エーコ薔薇の名前 についてのレビュー
No.10: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

銃・病原菌・鉄の感想

面白い本でした。多方面から絶賛されている、言わずと知れた名著です。あまり説明すべきことも無いかとは思うのですが、まずは解説まで。
人類が現在に至るまで、どのように発展を遂げてきたか、現在に至るまでに進歩したかに見える文明と進歩が遅れて見える文明があるが、その差は何なのでしょう。
進歩していないかに見える文明は、人種的な優劣が差をつけたのでしょうか、それともそうではないのでしょうか。
こういった謎を農耕文明への移行期から近現代まで順を追って解説しています。謎を解き明かす過程が特に面白くて、歴史というのはそれ自体がミステリーに満ちていると感心させられた本です。歴史というのは、何々大王が隣国を攻めて滅ぼした、誰それが内政崩壊を引き起こした、何処そこで同盟が成立した、など、勢力の対抗ばかりが強調されがちですが、本書では歴史とはそればかりではないと教えてくれました。

本書に最適な読者は、理系の本は好きだけれども今まであまり歴史に関心が無く、歴史とは事実と年表の暗記にすぎないと思い込んでいたような者でしょう。absintheもそういった一人でした。実は考古学や歴史学は理系のセンスが重要な総合科学なんだと気づかされるその瞬間に、本書の醍醐味があります。まるで、かつて星を継ぐもので感動したような・・・・
・ユーラシア大陸に自生していた特別な稲の話題
・家畜化に適した動物とそうでない動物の違い
・ユーラシア大陸人がすでに克服していた病原体
・大陸の形状
こういった一見無関係な材料が次第により合わさって文明に大きな影響を与えていく過程が丁寧に解説されます。以下のような批判はあるようですが、批判を知ったうえでも面白かったです。他の歴史本を読みなおしてみるきっかけにもなりました。

--注意--
本書には問題も少なくないようです。多くの称賛を浴びながらまた多くの批判にもさらされています。特に歴史を専門とする学者からは冷笑されており、absintheとしては批判を読むたびに複雑な気持ちになります。歴史学者の書物を読むと「鳥類学者ダイアモンド氏は・・・」「生物学者ダイアモンド氏は・・・」と歴史学者で無いことをいつも強調されてしまいます。批判の多くを反芻すると、以下のように読めます。
・まだ判断が到底下せないような問題を断定して解説している
・対象を単純化しすぎている
歴史を専門としない学者が解りやすい歴史をまとめてしまって、専門家としてはやっかみもあるのだろうと思ったのですが、そう単純でも無いようです。
残念ながらabsintheには、歴史に対する素養がなさ過ぎて本書に対する批判のどれとどれが妥当なのかもよくわからないので、単純に推薦して良いものかとの迷いもありますが。

--さらに--
absinthe は新書だけ読了し、まだ文庫版は読んではいないのですが日本に関する記述が増補されているようです。その部分がさらに問題を助長しているという批判がありました。
文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)
ジャレド・ダイアモンド銃・病原菌・鉄 についてのレビュー
No.9: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

黒い家の感想

怖いです。本当に怖い。読ませ方も秀逸です。
主観ではこれほど恐ろしいことが続くのに、客観的にはあまりにも断片的な証拠しかないので第三者に救いを求めることすらできない。その間に恐怖の方は確実に忍び寄ってくるのです。その恐怖はそこいらの日常にさりげなく溶け込んでしまう様な、あまりに自然で、ありふれていて、それでいて真っ黒ななにか。
今まで確かで確実だと思った地面が実は底なし沼で、少しずつ少しずつ知らないうちに潜っていて、気付いたらもう腰まで漬かっていた。そんな感じのストーリーです。
ホラー好きなら堪らない一冊になるでしょう。まさに情景が迫ってくるような描写力です。

最後まで目が離せません。久々に凄いのを見ました。

本作を読む前は誤解していて、ラヴクラフトのように架空のモンスターやおばけが出るのかと思ってました。でももっと怖いものが出ました。本当の人間です。
うれしい期待はずれでした。



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映像化されているのは知りませんでした。
見る勇気は無いけど。
★本書未読で映像情報も知らない人は、何も情報を集めないでさっさと読んだ方がいいです。
(勘のいい人は映像作品のキャスト一覧を見ただけで、ネタに気付いてしまうかもしれません。)

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黒い家 (角川ホラー文庫)
貴志祐介黒い家 についてのレビュー
No.8:
(9pt)

チャールズ・ウォードの奇怪な事件

ラヴクラフト全作品の中でも屈指です。
ここに出てくるギミックは、どれもここに書けません。先入観持たずに読んでくださいです。
アイデアがてんこ盛りで最後まで一気にに読めます。


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ラヴクラフト全集 (2) (創元推理文庫 (523‐2))
No.7:
(9pt)

ダニッチの怪

ラヴクラフトの小説でも屈指です。
訳によって、ダニッチの怪とかダンウィッチの怪と呼ばれます。
超常能力を持った薄気味悪い子供に、恐ろしい出生の秘密があって・・・・
そして、大学教授たちがその陰謀を阻止しようと力を合わせて立ち向かっていくというお話です。




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ラヴクラフト全集〈5〉 (創元推理文庫)
No.6:
(9pt)

宇宙からの色

読んだのはもうずいぶん昔で、細部は忘れてしまいましたが。
ある長閑な丘陵地帯に隕石が落ちまして、有名な大学教授にもそれがなんだかわかりません。
隕石が落ちた周辺は奇怪なことが起こります。だんだん植物の色が失われて灰色に染まり始め、しかも動物もなんだか奇形になって・・・何があったのでしょう?
というお話です。謎が謎のままのところも含めて、とても面白いです。

最近、Jヴァンダミアの「全滅領域」を読んだのですが、真っ先に本作品を連想しました。

ラヴクラフト全集 (4) (創元推理文庫 (523‐4))
No.5:
(9pt)

狂気の山脈にて

ラヴクラフトの全話の中でも屈指です。
南極大陸に向かった探検隊は、謎の生物の痕跡を地層に見つけるのですが、どうもそれは生物学の常識を覆すものなのです。
こういう展開ではお約束ですが、そうこうしているうちに、別れた分隊との連絡がつかなくなってしまいます。
さてそのモンスターともいえる生物の痕跡と行方不明は関連があるのでしょうかそれとも・・・

ラヴクラフトは自然科学に造詣が深かったのか、地層に含まれる生物の痕跡を調べていくあたりの描写はとても面白いかったです。


ラヴクラフト全集 (4) (創元推理文庫 (523‐4))
No.4: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

鷲は舞い降りたの感想

チャーチル暗殺を命じられたドイツ軍特殊工作部隊のお話です。でも、設定だけ見て凡百の戦争冒険アクションと混同してはいけません。

シュタイナー中佐(主人公は)ユダヤ人少女を助けたばかりに上官と対立し、反逆者の罪を追わされます。この過程からして格好よく、上官に投げつけるセリフもきっちり心に残っています。長いものに巻かれることができず、人間としての誇りにこだわる硬骨漢なのです。
これだけ読むと単細胞の熱血漢を連想するかもしれませんが、彼の行動は万全の準備をしたチェスプレーヤーの如く、常に冷静です。
冷静沈着にして豪胆。古き良き騎士道精神を残した冷徹な熱血漢という感じです。
懲罰として自殺に等しい作戦を命じられた主人公は、限られた時間で絶望的な状況を克服しなければなりません。主人公に絶対の信頼を寄せ、彼のためなら命を捨てることも厭わない忠実な部下たちが献身的にサポートします。その関係もまた感動的です。これだけ壮大な設定を与えられながら、アクションはむしろ控えめでケレン味はなく質実剛健な仕上がりです。

とにかく主人公と周辺の登場人物がみなカッコイイのです。
読んでから20年も経つのに人物の印象が鮮明です。
限られた時間の中で、登場人物たちはみなぎりぎりの選択をします。彼らが見せる各瞬間の選択がどれもこれも背景を連想させて、人物にとてつもない厚みを与えています。

結末は悲しいです。でも本書に他の結末はありえなかったでしょう。

映画にもなりましたが、映画の方はイマイチでした。

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戦争アクションで、殺した敵兵の服をちょいと拝借して・・というくだりを軽く扱いすぎている小説も散見されますが、重大な陸戦条約違反です。
本書は、その重大さがきちんと描かれていますが、そういった細部の扱いが甘い小説は、本書の後に読むと全部物足りなくなってしまいます。


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鷲は舞い降りた (ハヤカワ文庫NV)
ジャック・ヒギンズ鷲は舞い降りた についてのレビュー
No.3:
(9pt)

解読! アルキメデス写本の感想

ノンフィクションなので、ミステリーに推薦するのは筋違いかもしれませんが。
書店では、歴史に分類されそうにも思いますが、どちらかというと理系向きの本かもしれません。
解読されるアルキメデスの書物は数学の本ですし、テクノロジーの話題も多いです。文系の人にも絶対に面白いだろうと思います。

写本の多くは写字生が練習がわりに過去の名著を書きうつすことで行われたようです。ある修道僧?が、おそらくギリシャ語の練習がわりにと書き写したと思われる練習帳の一つが見つかったのだそうです。当時、羊皮紙というのは大変に高価なものであったがために、消しては新しく上書きされていくのが普通らしいのですが、なんと別の内容が書かれていたはずの羊皮紙をよく見ると、以前に書きうつされて消されてしまったアルキメデスの写本の跡が浮かび上がっていたらしいのです。
たちまち過去の練習帳に高価な値がつき、最先端のテクノロジーが導入されて解読が始まります。この導入部だけでも、すでに凡百のミステリーを凌駕しています。
解読には、最新機器のほか担当者たちのたゆまぬ努力が積み上げられていきます。暴かれていく書物の内容も面白ければ、解析に用いられるテクノロジーも面白いです。
そして、輪をかけて面白いのはこの写本が生き残ってきた数奇な運命です。ナチスの手によって焼かれそうになるものの、それをどうやって切り抜けてきたのか、そういった歴史の偶然の面白さまで味わえます。まさに一冊で数冊分の読み応えです。
星の数が9なのは、本書がノンフィクションであって、みなさんの期待するミステリーではないからですが、私の主観では10の価値があります。

導入ばかりおもしろそうで内容空虚なミステリーを、何冊も読まされてがっかりしてきた方にぜひ。
偽物では味わえない本物のミステリーをぜひどうぞ。

解読! アルキメデス写本
No.2: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

罪と罰の感想

ミステリー好きで、絶対外せない一冊を上げろと言われたら、本書だと思います。倒叙ものの王道です。

読み終わった直後の感想は、感性のメーターを振り切っているので、どひゃー、というぐらいです。
本当に、どひゃー、となった後、数日して整理すると初めて細部が見えてくる。そんなすごい作品です。どうして、ミステリーのランキングに上がらないのか不思議です。
これを超えるミステリーなんて、世界には片手で数えるしかないんじゃないでしょうか・・・・
読んだのは今から20年も前なのに、いまだにいろいろ覚えています。

刑事がだんだん外堀を埋めて近づいてくる、そのときの主人公の心理描写がものすごいです。
わずか数日のお話にこのド厚い書籍になるのですから当然なのですが、情景の描写が緻密すぎるほど緻密です。
途中、ある酔っ払い(マルメラードフさん)の、人間とはどんなものか酔っ払いながら語り続けるところが秀逸で、何度も読み返したくなるところがあります。
出始めは飲んだくれである一部の特別な人間を説明したものと思わせながら、全ての人間の怠惰を完全に代弁しているところが好きです。そのあたりの読ませ方はすごいと思います。
最後まで、気を抜けるところがありません。

私は慣れてしまったのですが、難を一つ上げますとロシア人の名前は長くてなかなか覚えにくいことです。
また、知らないとロシア人の習慣に戸惑うこともあるかもしれません。
同じ家族名が男性と女性で、マルメラードフ、マルメラードワ、と変わったり、愛称形といって「ソーニャ」→「ソーネチカ」(日本でいえば、「愛子」→「愛ちゃん」)のように、同じ人物が断りなしに違った名前でよばれることがあります。
(このあたりは、訳者によっては解説してくれるかもしれませんが)

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注意があります。訳者によっても書籍の評価は変わるのかもしれません。私が(20年ほど前に)読んだのは、江川卓さんの訳ですが、訳者によっても印象が変わってしまうようです。
購入は、他のレビュアーの意見も参考にしてみてください。
罪と罰 (上巻) (新潮文庫)
フョードル・ドストエフスキー罪と罰 についてのレビュー
No.1: 9人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

星を継ぐものの感想

書かれてからずいぶん経ってしまった小説なので、最先端の人類学や天文学からは取り残されぎみですが、こういったすぐれた作品というのは、なぜかそういった細かい点は全く気にさせないのですよね。読んだのがすでに今から20年くらい前だったので、科学知識はさらに本書から先に進んでいることでしょう。

完全に文系を突き放した理系小説。
(でも、文系の人にも面白いかも。)
本書に対して人物の造形が甘いとかドラマが無いとか、的外れな批判も目にするのですが、そんなの作者の眼中にないと思います。
本書には、それらはむしろ褒め言葉・・・

ハードSFは、トンデモになってしまうのを避けようとしてブレーキがかかってしまい、荒唐無稽な結論を避けてしまいがちなのですが、本書ではそういったブレーキがかかりません。
壮大で、人類の歴史を覆す驚愕の事実が出てきます。この驚きは今でも忘れることができず、20年間最高の位置に君臨しています。
これを超える喜びは、読書ではもう得られないかもしれないとまで、思います。

学問には、二つの楽しみがあると思います。
考古学で、ある遺物が1万年前のものであると知ったとき、化学である法則が成り立つという事実を知ったとき、ある方程式が成り立つと知ったとき、
(1)その事実に素直に驚く。
(2)そんな事実、どうやって突き止めたんだろうとさらに驚く。突き止めるまでに、どんなドラマがあったのだろう。

本書は(2)の面白さを前面に押し出していると思います。明かされる驚愕の事実も面白いのですが、古生物学、化学、数学、物理学、天文学、人類学を横断して、学者たちがそれを暴いていく過程はもっと面白いのです。

星を継ぐもの【新版】 (創元SF文庫)
ジェイムズ・P・ホーガン星を継ぐもの についてのレビュー