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とも さんのレビュー一覧
ともさんのページへレビュー数23件
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【ネタバレかも!?】
(4件の連絡あり)[?]
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2017年、東野 第二弾は、前回の『仮面山荘殺人事件』に味をしめ、同じ系統の密室、叙述ミステリーを選択。
結果から述べると、上記作品に比べれば やや小粒感は否めない。 とは言うものの、題名の付け方、物語の進行、トリッキーさ、スピード感、それと読み始めると止められない徹夜本であることは間違いない。 評価が少々低めなのは、東野作品としての期待値に対してであり、他の作家との相対評価では決してないので悪しからず。 さて、ストーリーはというと、 ある劇団のオーディションで、劇団員から選抜6名と外部から1名、彼が主人公でありストーリーテラーなのである、の計7名の役者が選ばれる。 ある日彼ら全員に、信州のとあるペンションへ来るようにとの演出家からの連絡があり 集合することになるあたりで、題名からも 「ああ、大雪が降って閉じ込められて、そうして殺人事件が起こるんだろうなぁ」と勝手に想像するのだが・・・、しかし この想像は 早々に駆逐される。 彼らが到着するやいなや 演出家からの速達便にて、ミッションが告げられる。 次回作品は密室連続殺人がテーマなので、『このペンションで過ごす4日間、あたかも実際に密室連続殺人が起こることを擬似して過ごすように』。 但し書きとしては、あくまでリアルに過ごす必要があるので、外は大雪と想定して外出不可、もちろん外部との電話などの連絡も一切断つ様に。 これを違反すれば、選抜は即時取り消しとなる、という注意書きがある。 これにより、この瞬間よりペンションは人工的に密室と化すこととなる。 こうして きっちりと殺人事件が発生するのだが、すでにこの辺でトリッキーさ満載で、物語に引き込まれてしまう。 さてはて、犯人は誰ぞや! 4日間が過ぎたあとに、なにが起こるのか( ^ω^)ワクワク そんなこんなで、無理矢理感がたぶんにあるのは読者だけではない、作中の登場人物にとっても同じで、とはいえ 伏線はきっちりと張りめぐらされている。 しっかりとしたどんでん返しもある。 きっちり誘導にも引っかかった。 しかし、この というか東野作品の面白さは、兎に角読みやすく、スピード感があり、文字がそのままビジュアルに変換する表現であり、あたかも登場人物の一員になった感がする。 間違いなく秀作であるので、読もうと思っておられる方 ご心配なく!!! 了 |
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当作は芥川隆之介を探偵役に、義経伝説を追う作品。
とはいえ、よくある ”義経=ジンギスカン”説ではない。 「玉牒天潢世系」という古書(ただし、実在するのかどうかはよく分からないが)に記されている義経=清朝始祖説を解明する作品となっている。 この表のテーマが真実であるかどうかは読んでもらうしかないが、これと関係する 裏テーマ、 ロシア ロマノフ王朝や日本の裏社会について、どちらかというと 作家がほんとうに伝えたかったのは こちらではないだろうか。 よくよく考えれば、井沢作品には 表題のメインテーマとは別に、裏に潜む巨大な政治や経済、文化などについての真実の考察の方が、ほんとうに言いたいことなんではないかと。 そう考えて読み直せば、新たな発見が生まれるのではないか、そんな思いを持ちながら、読み耽った作品であった。 了 |
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いわゆる図書館モノ。
東北の田舎の野原のど真ん中にある図書館に務める新人司書が、そこで遭遇する小さなミステリーの数々を司書仲間と解決するとともに、地域住民とのふれあいをほんわかと描いた連作短篇集。 れんげとは、自然に育つ野草ではなく、翌年にはその根が肥料になるために 田んぼを耕す際 前の年に意図的にまいかれたものとのことで、このれんげ野原にも意味がある。 図書館員がどれくらい本が好きで大切にしているかが、ひしひしと伝わる作品ではあるが、私が図書館を使用することがないため、残念ながらその辺では感情移入出来なかった。 一度図書館に行ってみようかと。 もしかすれば、何か新しい発見があるかも。 了 |
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ジャンルは伝奇ミステリー。
若い男女カップルが、あるきっかけで江戸 天和期に飛ばされ、芭蕉に助けられるところから話は始めまる。 聞きなれない時代であるが、有名な元禄時代の黎明期で徳川綱吉がまだ善政を行っていた時代である。 その年は凶星ハレー彗星到来の年で、厄災がもたらされると予言されている。 その時代に、韓国通信使の一部が、豊臣秀吉朝鮮征伐で国土を蹂躙された恨みから怨霊 怨魔大王を復活させ、日本に大厄災を起こすべく徳川綱吉に乗り移らせるという物語。 その辺りから、綱吉の性格は徐々に変化が起こり、人民を苦しめる政治へと転嫁することになる。 それを食い止めるべく、水戸光圀の忍 松尾芭蕉が男女とともに、過去大王によって捕らえられた超能力のスーパースター安倍晴明、空海、役行者を開放させ見方にすべく登場させ、場所を時代を巡りる。 ほかの伝奇と一味異なるのは、作家が歴史に精通した井沢元彦である点。 それが故に、歴史トピックスをうまく物語とマッチさせる点などは秀逸で、楽しめる娯楽作品となっている。 怨魔大王の正体は関ヶ原で討ち死にしたあたりで辻褄が合って納得ながらも、個人的には聖徳太子か後醍醐天皇当たりにして欲しかったなぁ。 了 |
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前回の紫式部をテーマにした歴史ものとはことなり、今回は現代小説。
各章ごとに視点を変えているため、相当に凝ったプロットになっている反面、その凝りすぎが足を引っ張り、少なくとも途中までは 各章間のつながりが分からず、単なる短編なのかと思って読んでいた。 途中から連作短編の体を取っていることがわかるも、刻遅し。 連作と意識せずに読んだため、既に過ぎた章とのちのち関連する章とが繋がらない。 それでも 最後には、それぞれの物語がキッチリト収束に向かい、綺麗に片付くところは 流石である。 再読すれば、相当に評価は異なるのではと思わるので その辺を見越した評価とはなっているが、もしこの作品を読まれる方がおられれば 頭の片隅に連作であることだけ置いておけば、それだけでも相当に読み方が変わり 楽しめると思われる。 了 |
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言わずもがな、井沢元彦の歴史に隠された解明物。
当作品は、主人公を芥川龍之介に据えて、彼の友人の先祖で伊達騒動の逆臣 原田甲斐が無実であったことを証明するのだが。 井沢元彦のこと もちろん地方大名の内紛を解明するだけではない。 その後ろに隠れている巨大な陰謀を解き明かしていく。 それと相まって発生する殺人事件を絡めることにより、どこかダルイ歴史モノしょうせつではなく、テンポよく飽きさせないスピード感で楽しめる推理小説仕立てとなっている。 了 |
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この作家 すっかり忘れていたが、もともとの作風は この作品のように ほんわかふんわりだった。
それが、ここ最近 『ファクリファイス』に連なる作品のイメージが強くなっていたためか、硬派なイメージと錯覚していた。 そういう意味では、当作はひさしぶりの近藤史恵のゆったりとした作品。 舞台は商店街にあるちいさなフレンチレストラン。 そこで 各編 ワインと料理に合わせたちいさな事件をオーナーシェフが解決していくだけの短編集で、大した内容ではない。 が、全体的におおうほんわかゆったりとした空気感は、休日の昼間にソファーでゆったり それこそワインとブルーチーズをつまみながら読みながらうとうとする。 そんな風に読みたかったなぁと思う、ある意味癒される上質の作品であった。 了 |
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伊坂に作品はお気に入りで、デビュー当時より読みついでいる。
この作品も期待にたがわず楽しめるが、他の作品と少々違うのは、バックグラウンドに音楽が流れていないのと、明確な悪役が存在しないこと。 彼の作品には、いつも何らかの音楽がながれているが この作品は無音である。 それは隕石(※)が近づいてくるヒューっていう音がある為なのか。。。 あと悪役にしても同じで、隕石があまりにもその悪が大きすぎて、ヒトレベルでの悪役は不要ということなのか。 というわけで、他の作品と少々異なるものの、伊坂ワールドは健在である。 当作品は、地球に隕石が到来し人類が滅亡するまであと3年という世界で生きる人々の生き様を表わす連作短篇集。 というわけで、大した内容はない。隕石というSFチックなストーリーベースになっているものの、それに対する言及も追求もあまりなく、あくまで 隕石が襲来し人類が滅亡するという一つの事実をバックボーンにあり 短編間を繋げるキーワードにあるだけで、メインストーリーではない。 8年後に隕石襲来して人類は滅亡すると発表された5年後の世界であるが、発表当時の混乱は収まったものの、今はある程度ひと息ついた状態にある。 この間 暴動などで殺されて死んだもの、絶望して自殺したものとある程度死ぬ運命のものは淘汰され、残るべくして残っている人たちの世の中で、彼らが残りの時間をどう生きるのかをリアルにとはいえ淡々を記されている。 状況としては、最悪。 とはいえ ほんのりと明るい未来が想定されているところに、伊坂的ハッピーエンドなのではないだろうか。 あと、この作品、珠玉の言葉満載です。 了 |
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初めて読む作家である。
ほかの著作の題名見ていても、軽そうな題名が多くあるし、文庫本の裏の説明も軽めだし。 ということで、気軽に時間つぶしのつもりで1頁目を開いてみた。 前半は軽く、消し屋(殺し屋)将司とそのオカマの彼女 蘭子のウィットに富んだ軽快で雰囲気でスタートすることで、難なく物語の世界に同化。 ひとつの仕事を終えて、新たな仕事(殺し)を引き受けることから、本題に入る。 次のターゲットは、大富豪で若き天才科学者?発明化?の天願。 彼の殺害を依頼するのが小橋川という代理人なのだが、殺し方は「自殺」と見せかけること。 ターゲットを知らなければ自殺させられない、という将司の要求で、天願が所有するの沖縄の山原地区の広大な所有地に建てられた豪邸のゲストハウスに泊まり込むことに。 そこで1ヶ月同居することになるのだが、カレ天願の歴史を調べるうちに。。。 この辺までは ほんとうにテンポもよく軽快であるのだが、騙されてはいけない。 作家がほんとうに述べたかったのはここからが本題。 一見 気楽で明るく能天気に装おっていた登場人物たちの素顔が徐々に明らかになっていく。 ターゲット 天願の生い立ちを調べるうちに、また将司や蘭子のココロの葛藤、小橋川とはなにものなのか、本来の依頼者は。。。 とそれぞれの裏の暗い面が、沖縄という表向き海と珊瑚礁とという明るさに対して、今尚 戦争によって受けたキズが所々に残っている隠れた裏の歴史と交錯し合いながら、哀しいハードボイルド模様に知らず知らずに変わっていく。 個人的には、沖縄に行きたいと思ったことがない、というよりは行きたくもない。 それは、同じ日本ということで近い場所でありながら、距離だけでなくその島の生い立ち、歴史、民族などから、近代の悲惨な歴史的事実を考えれば、遊びで楽しみに行けるような場所ではない。 それでも、4島とそれに列なる従来の日本領土であれば違うのかもしれないが、歴史や民族の違いのため、日本に属しながらも 一線を画しているという意味で遠い避けたいクニなのである。 最後の一文にあった、この海では泳げない、という一言。 私も同じで、近隣諸島にはいったことがあるものの、未だ本島にだけは足を踏み入れたことがない理由も同じで、あの観光客の神経には目を覆うものがあるが、これは単なる個人的主観であるので。。。 どちらにしても、考えさせられる作品を、初めから重くすれば その作品を手にとられないだろうから、一見手に取り読みやすくした作品を作った作家に うまく騙されたということか。 了 |
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湊かなえは、間違いなく人間嫌いである。
完全な厭世化であり、性悪主義であり、そうして子供嫌いである。 それを隠すこともなく、どうどうとブレる事もなく作品で言い切り続ける態度はあっぱれである。 当作品のテーマは家庭内暴力。 昔流行った「積木くずし」よりは、おそらく内容は浅い。 が、彼女の人間嫌いが徹底している分、救いがなく清々しい。 その悪意の分、一歩突っ込んだ心理描写となっている。 「人はひとりで生まれてきて、ひとりで死んでいく」は使い古された言葉なれど、当作品を読んでいると つくづくと、家族と血縁といっても真には何を考えているかは分からない。 そうして最終的には、家族といっても所詮は他人である、ということを言いたかったんではないであろうかと思えてくる。 あくまでも湊かなえらしい後味の悪い、そうしてその悪さが期待を裏切らない 湊かなえらしい作品であった。 了 |
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嫌いな作家である。
が、何故かまた読んでしまう作家である。 この作品は各章が、「母性について」「母の手記」「娘の回想」という3人(?)の視点から語られる3つのショートストーリーを1セットに、計6章+終章という構成で成り立っている。 従って、表題の通り 母と娘の話である。 そうして登場する人物は、この2人に纏わる近しいヒト、主に家族と呼ばれるヒトのみである。 ここには、巷の小説でよく登場してくる異常者や偏執狂、殺人鬼が出てくる訳ではないしホラー的な作品でもない。 登場人物それぞれが、聖人君子とまではいかないまでも、それほど異常でも特別変わっているわけでは無い。 にも関わらず、これが同じ時を過ごし同じものを見聞きした母と娘との話か!というくらいに食い違うのである。 些細な思い込みやスレ違い、食い違い広がり深まって行く到達点がこうなるのかと、薄ら寒くさえある。 特筆すべきは、母の実母の存在か。 ある意味彼女のみは聖人かもしれない。が、その聖人性が関わるすべての人に悪影響を及ぼしており、ある意味では 良い人であるが故に 逆に言えば悪魔的でさえある。 どちらにしても、相も変わらず 人に対する悪意に満ち満ちた作品である。 では何故読んでしまうのかといえば、他人事として「まだましか」と思える期待を持って読み始め、その期待を裏切らない安心感と、 「他人の不幸は蜜の味」、それだけの為に読んでいるのかもしれない。 了 |
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現在の事件と歴史の真実を並行して進めながら解決に導く構成はいつもながら。
現在の事件を並行させているのは 高木光琳のまねなのか、それとも歴史の真実を暴くストーリーだけでは、読み手を疲れさせたり、飽きさせる。その配慮のためなのか、単に職業作家として頁数を稼ぐためなのか、どちらにしても 歴史部分以外は余談でしかないので、本題にのみ焦点を合わせる。 今回のテーマは、天智天皇の死にまつわる歴史の前後に起こった史実と異なる事実を予想する作品となる。 このあたりの時代がテーマになると、物証となるものが文献以外に無いために 学者もその物証と歴史の流れの齟齬を埋めるのに四苦八苦しているであろうが、もしその物証なきこと イコール事実ではない、という言い切りが出来れば、向上心のない職業学書としては それほど楽な職業はない。 井沢はよくこの点を浮き彫り師にて、否定するのだが それでも切り崩せないのは それほどに抵抗勢力が強いということか。 日本の大学生が勉強しない理由の一つに、この現実性が伴わない学会全体を取り巻く排他主義があるのではないだろうか。 井沢の推理は、全てが彼個人のオリジナルではなく、大半が一般人の研究をかき集め、そこから新論を打ち立てる手法で、要は大部分がぱくりである。ただし、否定ではなく正しいと思えば堂々とパクり、そこからさらに昇華させるさまは、ある意味あっぱれである。 ということは、前おきはそこそこにして、本題にはいる。 当作は天智天皇の死にまつわる歴史の前後に起こった史実と異なる事実を予想する作品となる。 暗殺されたとする理論を打ちたて、そのなかで誰がなぜ殺したを追求していくなかで、兄弟寺の延暦寺と三井寺の確執、近江京から平城京から平安京への遷都理由、日本書紀・古事記の嘘、百人一首の第一番歌(天智作)が貧乏臭い訳、天皇陵が京都山科とぽつんと片田舎にある理由、当時の中国(唐)、韓国との外交関係(任那、新羅)、天皇の諱、諡(持統、継体など)、日本最大の池があった巨椋池の謎と、ひとつの嘘(天智の死)のほころびからどんどんと話を広げていくさまは圧巻とも言える。 メインテーマの暗殺の首謀者の結論部分が不明瞭でこじ付け感があったため、評価は低めしたものの、古代の息吹きが感じられる秀作であった。 了 |
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『TENGU』、『GEQ』と読みつないできた作品と比較をすれば、小さくまとまった作品といえよう。
世界観、テーマ、科学的推論、どれもが小さい。 だからといって、この作品が即に駄作か、というとそうでもないのである。 プロローグの主人公を未知の生物目線にすることで、どのような生き物であれ 少なくともこの作品で何かが存在することを擦り込まれる。 というか、題名のとおり、初っ端に登場するのが 河童(カッパ)目線なのである。 だから、物語が始まる時には既に、未知の生物の存在は当たり前のこととして読み始めているのである。 そうして、人が襲われたときの警察の初動捜査が殺人事件であることを知っているわれわれ読者は、その組織で一匹狼の刑事や、フリーの記者、地元民が知らぬ間に協力して、突き止めようと立ち向かう。 紆余曲折の末、この怪物が 〇〇であることを突き止め・・・と続くのだが。 後半は、既に怪物の正体が明らかにされているのでたいした緊迫感はない。 が、ストーリー性以外でも 登場人物それぞれの成長やがあり、物語に引き込む力強さなど、単なる謎解き殺人ミステリーから一歩突っ込んだ作品で、十分に秀作といえよう。 了 |
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日本の叙述レトリックの代表的作品ということで期待し過ぎた為か、思いのほかガッカリ。
2人の女性がハサミを刺されて殺害される未解決事件の犯人ハサミ男が、次のターゲットに狙いを付けて殺害タイミングを謀っているところから物語はスタートする。 が、殺人を予定した日に ターゲットが現れずに探しに出たところで、ハサミを刺されて殺されている被害者を発見することになり 第一発見者としての立場になってしまい、という流れで話は進んでいく。 なので特に後半からのどんでん返しはお約束通り、張り巡らされた伏線もも後半にはきっちりと収束しプロットも完璧ではあるのだが、悲しいかな当作品は既に15年以上も前の作品で既に様々なレトリックが巷に氾濫しつくしている現在で、少々古臭い感は拭えない。 さらに言えば、こじつけや無理矢理感もあり、とはいえ犯人へと導く伏線があからさま過ぎて途中で犯人が分かってしまう様な表現も数箇所あり、そういった意味で完成度に甘さも見られる。 ここ最近の日本の小説のレベルは飛躍的に進歩し、既に海外の作品を読んでも楽しめないくらいの高みへと昇っている。なかでも推理小説での技術躍進は著しく、それを顕著に指し示している作品なのではないだろうか。 |
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結局よくわからなかったが、やっぱりびっくりか??
もういちど、読みなおしが必要。 |
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もう一度読めば、もう少し評価は上がるのだろうが、登場人物の呼び方が苗字だったり名前だったり、あだ名だったりで、誰が誰かをリンクさせるのに必死で、内容にのめり込めず。よくある推理小説のように、裏表紙に登場人物と簡単な説明書きがあればもう少し楽しめたのだろうが。
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途中まではひたすらだるい。それほどシューマンを好んでは聞かないし、どちらかといえば名前先行の作曲家。そのシューマンを主題に取り上げ内容も専門用語の羅列で私でも辟易して、読み進めるのに1か月で約半分。一念発起して、再度読み流し始めたが 6割くらい過ぎてきたころから急な展開に内容に引き込まれ、その勢いは最後までとどまらない。最後はどんでん返しの繰り返しで、結論まで含め好き嫌いは分かれるかもしれないが、読む価値は十分に有り。
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非常に難しい本だった。理解し追いつくのに精一杯で何とか読みは切ったが、特に気持ち的に入り込めなかったのが残念。
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