■スポンサードリンク
虚貌
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
虚貌の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.90pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全53件 21~40 2/3ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
30代、男です。 何なんだろうこれは・・・。 目の前にぐいぐいと突きつけられるような犯罪現場の描写。 読みながら、「じわり」と嫌な汗が出てきました。 私の場合、雫井氏の「犯人に告ぐ」が好みで「火の粉」「クローズドノート」 「栄光一途」「白銀を踏み荒らせ」と読み進みましたが、 なんだかどうもテンションは下がるばかり・・・。 しかし、この作品で「私の好きな雫井氏はこれだ!」 と強烈に再認識させてくれました。 他の方のレビューにもありますが、横山秀夫氏が好きな方は きっと気に入るでしょう。 私にとって、作品の良し悪しがすごくはっきり別れる 作家さんです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
お手本のようなミステリを、久しぶりに手に取ったような、そんな気がする。一見、ありそうな怨恨と筋書きに、岐阜弁と山峡の風景と、広い空。人間の愚かしさとトリック。小気味いい物語が、読みたい。ちょっと都会を舞台にしたハードボイルドものに疲れた、という人にお薦めします。こんなにまでして生きなければ・・・と思うと、自分なんて幸せなものですぞ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
お手本のようなミステリを、久しぶりに手に取ったような、 そんな気がする。 一見、ありそうな怨恨と筋書きに、 岐阜弁と山峡の風景と、広い空。人間の愚かしさとトリック。 小気味いい物語が、読みたい。 ちょっと都会を舞台にしたハードボイルドものに疲れた、という人にお薦めします。 こんなにまでして生きなければ・・・と思うと、 自分なんて幸せなものですぞ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
エンターテイメント小説は一度読めばもう終わりというものが多いが、 これを読み終えた後に思わず「犯人に告ぐ」も読み返してしまった。 面白さの種類としては同様で、比べると多少荒削りな感じはするが、 それでも読み出したら止まらない完成度の高さは保障したいと思う。 核になるトリックについては賛否両論があるようだが、 確かに「そんなのあり?」な感じは否めないものの、 ミステリーと思わずに読んでいたのでオチどうこうは抜きにして とにかく存分に楽しませてもらったので満足。 自分の犯した罪は、必ず自分に返ってくる。 支柱となっているのはただそれだけの本当に簡単なことなのに、 それをここまでスケールの大きな作品に仕上げて読ませる、作者の筆力は圧巻。 盛り上がれば盛り上がるほど、一体どうやって着地させるのか?その方法に注目が集まるのだが、 伏線の張り方も「犯人〜」と同様に非常に上手いので、ラストも違和感なく受け入れられた。 上巻を読み終えたら間違いなく続けて下巻も読みたくなるので、 必ず2冊同時に購入することをお勧めしたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ミステリーファンに物議を醸し、認められないという意見もあるようです。 確かに殺人事件が題材になって中心人物が警察官という設定からトリックを楽し もうと考えるのであれば、読む本を間違えたといえましょう。少なくとも私は楽 しめました。不自然さにそれほど違和感もありませんでした。小説の部分でどこ にリアリティを求めるかによるのでしょう。私が求めるリアリティは解説で福井 晴敏氏が書いているように、人物が描きこまれているかどうかが判断基準となり ます。 現実にありえないことが書かれていても小説である以上十分アリだと思います。 本作品に本格ミステリーの厳密に適応したいのであれば読むことはお奨めしません。 しかし、ありえない事象の中での人間ドラマを楽しみたいと思うのならば大変優 れた作品と考えられます。なぜ彼はあの時このような行動をとったのか?が読者 にとってこの作品の謎となり議論を深めるツボなのだと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
色々な視点からストーリーが展開されていくのだが、しっかりと話がつながるため文章も分かりやすかった。途中から犯人とトリックの見当がついていたが、犯人と思われる男は最後まで罪を認めなかったのはなぜなのだろう。別に犯人がいたとは思えないが、その理由が知りたかった。また事件の話だけでなく「顔」をテーマに自分へのコンプレックスの様子が描かれていて、それが事件とも大きく関係していたので読み応えがあった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
上巻を読んで凄く期待してました。 でも話が進んでいくうちに、あれ?死んでる?え?まさかそんなもの? っていう感じで結局自分が期待していた方向とは違く終わってしまいました。 確かにおもしろいですし、予想を裏切るって所ではすごいような気もしますが、 やはりこの本は荒の物語にして欲しかったってのが本音です。 いやこれはこれでおもしろいんですけどね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
人物描写こそ雫井氏の本領ではないだろうか。 各登場人物の内面・背景を丹念に書き込むことでストーリーの厚みが増し、 読み手をグイグイ引き込んで行ってくれる。 そのことによって、対照的に唯一顔の見えない犯人像が一層際立ち、早く真実を知りたい 読者のページを繰る手を急かすのではなかろうか。 確かにトリック自体は突拍子もないというか、少々無理な感じはする。 でもそんなことは全く気にならなかった。 それはひとえに、前述のように登場人物たちに血が通っているからだろう。 雫井氏はまだ40歳代前半とのこと。 これからまだまだ氏の作品が読めるのが嬉しい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
どうあがいても、転げ落ちていく人生に逆らえないひとりの男がいて、自分の意思ではなく犯罪に手を染めてしまう。本来の彼の性格なら、刑期を終えて罪を償い、ひっそりと余生を送るはずだが…。運命はそれすらも許してくれない。 いろいろな人間が皮肉にもかかわっていて、二十年前の事件がよみがえる。 この上巻だけでも次々と起きる新展開に、読むのをやめられません。岐阜や名古屋の知っている地名がたくさん登場するので、私にとって親近感がある小説でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ミステリーとして以上に人間の心の弱い部分をストレートに描いた作品であったと思います。 顔に大やけどの痕があるために看護師になれなかった少年、顔の痣をカバーマークで隠している刑事の心や アイドルとして自分の顔に失望してしまった女性。 顔って何?作品は一貫してその提起を僕に突きつけてきました。 そして作品の中には多くの言葉に溢れていた。老刑事が、姉さんの話で 「個人の戦争はこうやって終わっていくんだろうな」とつぶやいたシーンが、 僕の中で最も印象に残ています。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
遅ればせながら雫井脩介デビューを「虚貌」で果たしました。 冒頭、石の森章太郎氏のエッセイの一文が胸に染み渡ります。 もしかしたら「彼」は姉を最初の事件で両親とともに失っていたのなら 復讐などという執念を持たなかったのではないだろうか。 ふとそんな気がしたりもしました。 ひとつの事件は波紋のように大きな広がりを見せていきます。 滝中親子も、もしかしたらその波紋に影響を受けた犠牲者とも思えます。 終盤、読者を惑わすような仕掛けも「彼」のその行為を柔らかく 包むオブラートのような役割があるのでしょうか。 2006年、特殊な能力を持つ38歳になる「彼」がどのように生きているのか 非常に興味を持つ読者は私だけではないはずです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
(上)冒頭の衝撃的なシーンが、プロットの妙を示唆しており、登場人物達の描き方がなかなかリアルで、ぐんぐんと読む者の心を捉えていく。このようなことは殺伐とした現代に起こりうる可能性を内蔵している。この巻では、似顔絵が一つの伏線として用いられている。 (下)上巻の惨劇の真相が少しずつ見えてくる。癌に侵された老刑事のキャラクターが実にいい。読み進むうちに「えー、こんなことあり」と思ったりするが、ストーリー展開が面白く、一気に読み終えました。「火の粉」に次ぐ著者の傑作。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最初の事件の描写がとてもリアルで、怖かったです。その後、畳みかけるように続々と新しい登場人物が。”こんなに出てきて、話がひろがりすぎないのかな”と心配になったのですが、これがみな結局はつながっていて、ビックリするような関連が発覚するのです。でもちょっとやり過ぎの感は否めませんでした。ラストは死人が多すぎてげんなりしました。事件が解決してすっきりしたかもしれませんが、希望がなさすぎてつらい終わりです。あと一つ疑問だったのが、一番最後の場面。新たな登場人物について詳しく描かれていたのですが、はっきり言って蛇足です。かえって余韻が残らなかったように思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読み終えたあとため息とともに出た感想です。上下、2巻に渡る長編ですが一気に読めます。気がついたらラスト・・・と言うくらい読者を引き込むスピード感に加え人物の心理描写の見事さには脱帽です。従来のいわゆる推理小説の定義をくつがえすような作品だと思います。奇をてらったかのようにとられがちなトリックをよくぞここまで深みのあるものに・・・と心から思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読書仲間のタカオカさんのおすすめで借りて読みました。一気に読める作品で、週末に上下巻読破しましたが、上巻の途中でほぼ正確に犯人とオチが解ってしまいました。それでも、自分の推理が当たりがどうか確かめようと最後まで読ませるというところがこの作品の魅力なのでしょうか?冒頭のお風呂の中で少年が歌っている「チャッチャラッチャ~」の意味が読後に解り、筆者の遊び心も見えます。登場人物の係わりがちょっと強引かな~?運命的でもあるけど、そこまで世間は狭くないでしょ。これだけの特殊メイク技術があれば、日本映画もオスカー獲れます。なんぼなんでも、実生活の中ではバレるでしょ。雫井さんの他の作品も読んでみよう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
上下巻あるけど面白いから飽きずに読めます。ただ、最初にある、小説の発端となった事件の話は、かなりグロテスクというか気持ち悪くなってしまいました。凶悪事件って架空の小説で読んでもやっぱり正直キツイ( >Д<;)かも。でもそれ以外はかなり読み応えはあります。小説とはいえ人間を殺人の鬼にするのってやっぱり憎しみというか、限界を超えた悲しみとか心の傷なのかもしれないなって思いました。辛い過去を乗り越えて人の心の痛みを和らげていても、どんなに時間が経っても、家族を奪われてしまった憎悪というものは消えないものなのかもしれないと読みながら思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
21年前の殺人事件の加害者が次々に殺害されていく。果たして犯人は誰なのか?復讐なのか?とにかく一気に読ませます。犯人が誰なのか?どういうトリックなのか?先が気になって「火の粉」に続き睡眠不足になってしまいました。これから読まれる方もいるので詳しくは説明できませんがトリックについて、かなり賛否両論あるようです。純粋にミステリーとすると、かなり反則技らしいですが私はあまり気になりませんでした。こういう言い方はどうかとも思いますが爽快感すらありました。上巻で伏線がはられていますが、アルセーヌ・ルパンに憧れているのがポイントのようです。後半はそんな怪盗物を思わせます。ルパンを好きな理由が「絶対に殺人だけはしない」というところが最後のセリフになってくるのでしょうか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
まだまだこんなに面白い作品があったんですねえ。感謝、感謝。雫井氏の作品は初めてです。「火の粉」も是非読みたい。 癌で余命いくばくもない刑事が死力をふりしぼって真相に肉薄する迫力が、後半ぐいぐい伝わってきました。各登場人物が、実に生き生きしている。その中で妙に茫洋としたイメージの人物がいて、終盤の仕掛けと共にスッキリしました。ツイストはありますが、基本的に謎解きを楽しむミステリーとは趣が違います。 心理的にストンと腑に落ちる感じがしました。ルパン3世や怪人二十面相、スター・ウォーズ、ブラック・ジャックという作品のイメージが、小道具として巧みに織り込まれていたせいかもしれません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
『火の粉』を徹夜で楽しんだので、こちらも期待して読んでみました。他のレビュワーさんも書いていますが、ミステリーとしてはこのトリックは反則と思います。ただ、顔と心を巡る人間ドラマとしては非常に楽しめました。謎のカウンセラー北見先生はいいます。「眼、鼻、口、耳・・・こういうものは感覚器官です。それが寄り集まっている。決して優雅なものではない。・・・顔というものは見れば見るほど不気味であって当然なんです」「大事なのは表情なんです。」「顔などというのは世の中を渡っていくための認識票にすぎない」「強く生きたいのなら憶えておいてください。笑顔に勝る仮面はないということです。」「もっと二枚目に生まれていれば・・」と悩むときに読み返したい名言です。余命いくばくもない老刑事の渋さ、その娘で、人気落ち目の元アイドルの絶望、顔に痣をもつ若き刑事の苦悩。貌を巡るこれらの人々の人間ドラマが本作の本当の見どころだと感じました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
雫井氏を知ったのは「火の粉」からであったが、そのときから警察小説系にはまりつつあり、横山秀夫などを好んで読んでいた私にはまさに求めていたものを兼ね備えている読み物を提供してくれる人物だった。この後、犯人に告ぐを読み、舌を巻いていたのもつかの間、この虚貌である。彼は人物描写や掘り下げがとても丁寧だ。その点は宮部みゆきの「理由」や「模倣犯」などに通じるところがある。ひとりひとりに多くのページ数を割く。そのページが後のストーリー展開に大きな影響をもたらすのだ。読む私たちは感情移入も深くなる。そのあたりが彼の狙いなのだろうか。この本も、いろんな人間が複雑に絡み合っている。少し難を言えば、この惨殺事件の犯人一味が、事件を追う、余命いくばくもない中高年刑事の娘とつきあっているところだろうか。そこまで世間は狭くない気がするのだが。。しかしながらそれを差し引いても一読に値する読み応えのある本である。惨殺事件の犯人を、24年経ってからまた惨殺したものは一体誰か、命を賭けて犯人を捕らえようとする刑事の思いは叶うのか。どの登場人物のいろんな側面から見ても常に先を読み進めたくさせる手腕には天才と言う他ない。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!