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ぼくのメジャースプーン
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ぼくのメジャースプーンの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.14pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全102件 81~100 5/6ページ
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辻村作品のジャンルは、一般的にミステリとされることが多いですが、 独自の世界観を持っている作家さんだと思います。本作は、推理的な 要素もありますが、罪と罰に正面から取り組んだ良作です。 主人公の"ぼく"は小学4年生。幼なじみの"ふみちゃん"は、精神面で 周りより早く大人になっており、"ぼく"の尊敬の対象でもあります。 そんな"ふみちゃん"がある事件に巻き込まれ、言葉や表情を失って しまいます。実は"ぼく"は使い方によって、人に罪を与える能力を 持っているのですが、親戚で同能力を持つ秋山先生と一週間を共に 過ごすことにより、「犯人に罰を与えるのか?」「与えるとしたら どのような罰を与えるのか?」といったことを考えていく、という ストーリーです。 物語の柱は、"ぼく"と秋山先生の授業なのですが、秋山先生は 決して指示や判断はせず、第三者の立場で色々なことを考えさせて くれます。読者は最初の方のエピソードで"ふみちゃん"側の人間に なっているため、おそらく最初は「能力で犯人に罰を与えたい」 という気持ちが強いと思いますが、さまざまな視点で考えさせられる ことにより、安易な罰は与えられなくなります。 ミステリ的要素としては、「最終的に"ぼく"はどう動くのか?」 がありますが、罪と罰という正解の無い問題に対し、色々と 考えさせられる作品です。 このように書くと、非常に難しい物語に思われてしまいそうですが、 ここは辻村作品。難しい問題の中にもエンターテインメント性があり、 ページ数はまったく気になりません。お勧めです! | ||||
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辻村深月さんの『凍りのくじら』が面白かったので買ってみたのですが、これは大当たりでした!一言でまとめると、「考えさせられ・面白い」小説でした。動物を殺したら器物破損か、人間と動物の命は同じか、反省をしない人間にはどんな罰が必要か、などなど。読んでいて、ドキッとなる部分がかなりありました。普段の生活だとあまり意識しない「罪」や「善悪」について頭を巡らされました。また、このテーマを伝える物語自信もとても魅力的でした。小学4年生の「ぼく」が凄惨な事件の所為で言葉を失った「ふみちゃん」のために、犯人に立ち向かって行く姿はすごくカッコよく、物語の世界にぐいぐい引き込まれました。辻村さんの作品が好きな人はもちろん、少し考えさせられる小説を読みたい人にぜひお勧めしたいです。 | ||||
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「人を殺してなんで悪いんですか?」こういう質問が出ること自体が、大人の、教育制度の、社会の敗北だ、という意見を聞いたことがある。そして、丁度サカキバラ事件のころだよな、こういう質問が世に流布した感性って。ああ・・・その世代の、この系統の問いが根付いてからの物語だなーと思ったのが最初の印象。この作家さんが、教育学部を出ているのは非常によく分かりました。つまりは子供の内面世界で、この「問い」が不透明で消えて行ってしまうことを避けたいんだと思うんですよ、この作家は。いいかえれば、答えが出るとは言わないが、この「人を殺してなんで悪いんですか?」という問いの部分、、、いってもれば、これは後悔が存在しないという悪意に対して、どう対処するか?、本当に人間はそうあれるのかを、「それを見ている子供の視点」にとってどうあることなのか?ということを描いている作家さんなんだと僕は思うのです。辻村深月さんという人の、作家としての出発点にして、もっとも表現したいところは「そこ」だと断言できます。どちらも「後悔のない悪意」について、非常に執拗な理解や描写のプロセスが続きます。実際には、後悔がない、というのは、「ラスボスがいない」という状況であって、社会学者の宮台真司さんは「底が抜けた」とか「透明な」という表現を当時していました。そうそう『十二国記』の最新作である『落照の獄』の話も全く同じ話ですね。これも、後悔のない悪意に対して、社会はどうあるべきか?という問いを発した作品です。そして、これがテーマが故に、この人の描写は非常にわかりやすい。そこがたまりません。このテーマをより追い詰めてほしいと思います。ちなみに、あまりの藤子・F・不二雄先生への深い愛に貫かれていて、僕は、涙がとまりませんでした。 | ||||
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友人に勧められて読みました。 小学生の男の子の目線で描かれているので、もっと穏やかな展開を予想していました。 話はその男の子と友達の女の子を中心に進んでいきます。 最初はクラスメイト達の描写のなかで、子どもの無邪気さゆえの残酷さが描かれ、 途中からある事件をきっかけに、その犯人や、テレビ・インターネット等を通して 好き勝手言う大人たちの残酷さが描かれています。 すごく腹が立つけれど、自分も思い当たる節があって苦しくなったり、 その立場に簡単になりうるのだということを感じたりします。 男の子は自分の不思議な能力を使って犯人に罰を与えようとしますが、 どのような罰を与えるのか、ということを考える過程で、 読み手もいろいろなことを考えさせられます。 どんな罰を与えることが適切なのか? 最も苦しめられるのか? それで被害者は救われるのか? また男の子の立場で考えていたはずなのに、最後には彼の強い覚悟に裏切られます。 登場人物それぞれの優しさや愛情が感じられる作品です。 | ||||
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こどもたちは夜と遊ぶから入った辻村作品、秋山先生が登場すると知って、急いで読んだらラストは涙が止まりませんでした。ふみちゃんと僕を襲った悲しい事件。復讐とは?罪とは?罰とは?小学四年生の僕が出した答えは、確かに正解とは言えないものだったかもしれない。けれど、それを選択した僕の心情に涙が止まりませんでした。僕から語られるふみちゃんの優しさ、ふみちゃんのことが本当は大好きなのに、ある事情からそれを認めることができない僕。どちらも切なくなるくらいに愛おしかったです。 | ||||
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この人の作風がキレイすぎて若干引き気味だったところに本作は、さらに小学生が主人公と知り、まったく期待はしなかった。「大事な幼なじみが大切にしていた兎が死んだ。死んだんじゃない、殺されたんだ。単に暇つぶしをして楽しむためだけに。犯人の大学生が笑いながら退屈しのぎに奪ったのは、兎の命と幼なじみのふみちゃんの言葉と心。僕は決意する、僕が復讐するんだ、チャンスは一回・・」なははは。こりゃー無理だわ、こんな純情可憐なスイート話、読めませんって。なになに、小学生のボウヤが何をするんだって? しかし、紹介のつたなさが、意図的ではないかと思われる程に内容はかなりシリアス。兎の惨殺シーンしかり、犯人の医学生が第一発見者であるふみちゃんを見て、「第一発見者、君?マジかよ。うっわ、萌えねぇー」と嘲笑しながら携帯で撮影するシーン、その前後のネットでのやりとり・・嫌になるくらい、この軽薄な描写がうまい。 そしてぼくには、「条件付」で相手に行為を強制する能力があることが明かされる。相手に対して心を込めて、ある行為を強制できるのだ。「・・・しなくちゃだめだよ、そうしないと・・になるよ」というように。ぼくは、その力のなんたるかを学び、医学生に対峙するための修行を始める。与えられた期間は1週間。何を条件にして何を罰にすれば、ぼくは心から満たされるのか、相手がどうなることをぼくは、望んでいるのか。 最終的にぼくが出した答えと、犯人の末路はここでは明かさない。 まだこの本を読んだことがないのであればあなたは幸せだ。読み終わった後のカタルシスを読了してしまった私は羨ましく思う。そうしてこの本の前にでも後にでも、もう一度前作、「子供たちは夜と遊ぶ」を読むと良いと思う。あえて伏せられている登場人物が誰なのか、秋先生の後悔はなんだったのか、まだお楽しみは、残っている。 | ||||
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内容は他の方のレヴューのとおりです。 少年とマスターのような教授とのやりとりが中心の小説なのですが ・反省しない犯罪者に対していかに罰を加えるか? ・どの程度の犯罪にどの程度の罰が適切か? など、裁判員制度も始まったことだし、他人事ではないと思いました。 とはいえ、もちろんエンターテイメントとしても十分楽しめます。 久しぶりに泣ける本です。星6つ。 (以下読まれた方でないとわからないと思います。すいません) 少女が少年が自分のことを「友達って言ってくれた」と大喜びするシーン 少年が加害者に会いに教室に入るシーン 最後に、少女が少年のもとへ向かうシーン 感動ものです。 ・・・こうしてみると僕は少年よりむしろ少女に感情移入していたのかな?・・・ 一点だけ?なとこ。 こんな賢い小学生がいるのか〜?(いるんだろうな、やっぱし) わが子と比べ別の意味で泣けてきました(微苦笑) | ||||
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初めて読んだ辻村作品がこの『メジャースプーン』だったことを感謝します。 これは10歳の男の子に語らせているだけであって、誰でもが考えなくてはいけない「罪」と「罰」の物語。 その中に少しクラスメイトより大人になってしまった10歳の少女の心境、そしてこれからの10代の苦悩を予感させる物語。 秋先生によって説明される罪と罰。 これは大人である私にも答えが出ない深い問題です。そして子供だから出来る大胆な行動。 思わず12歳の娘、17歳の息子にもこの本を勧めてしまいました。 この作品が他の辻村作品とリンクしているのがわかって、他の作品も読みましたが、この『メジャースプーン』を超えているとは思えませんでした。 でもリンクは面白くて好き。伊坂氏のようにさりげなさがないから、どちらかというとリンクというより連続作品という感じかな。 秋先生の今後の活躍を期待しつつ、でもこの辺でもっと違うタイプの本になって欲しいな...。 10代の解説ももうそろそろ終わりでもいいかも。新たな飛躍を期待しています。 | ||||
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不思議な力をもった小学生が同級生のふみちゃんに降り掛かった突然の悪意に復讐を考える物語。 復讐すべきか、否か? するとすればどんな方法で? それでふみちゃんは満足するのか? 答えの無い問題を考え続ける小学生の出した答えには涙がでた。 それにしてもこの作者、解説にも書いてあったが、「わずか10歳の登場人物に当たり前のようで容易な事ではない」事を自然にやってのけるから凄い。 ■読んで欲しい人 ・小さい子供が居る人 ・小学校で教師をしている人 | ||||
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多くの方が書いておられるように”罪と罰”がテーマのお話です。愉快犯に対する罰を与えることが出来る”僕”が最後に選ぶであろう”罰”の言葉については比較的早い段階で予想はついてしまいます。ただ、そうした暗い(?)予想を抱きながらだと、長いと言われている7日間をドキドキしながら読むことができ、あっという間に読み終えました。作者にはストーリーテラーとしての巧さを感じます。しかし、巧さだけでなく、現代的な犯罪に対する、そして決して反省することのない犯人に対する罰というテーマに対して、子供の真摯な視点から描いている本作は、テーマに対する作者の真剣な姿勢をも感じられて、非常に良かったです。 | ||||
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真摯だと思った。 先生との話にあった罰が延々に続く例えは、先がながそうな7日の先生との延々の話だった、僕にとって。 ただそこは小4の僕の葛藤でもあって、許せる。 感情とか理性だとか、久々にこーいうことを考えながら二人を見まもってた。メジャースプーンで掬わない選択、良くはないけど覚悟は握りしめてた手に強く、感じた。 | ||||
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不思議な力を持った男の子と,事件に巻き込まれてPSTDになった仲良しの女の子を取り巻くファンタジー, という仕立てになっているが,扱われているテーマは現代的な愉快犯への「罪と罰」である. 自分で反省するはずのない犯罪者に何を持って償わせるのがふさわしいのか? 難しい命題を少年らしい視点から描いていて,みずみずしい純粋さ, ナイーブさが伝わってくる. 単純な感動というだけでない,なつかしさや忘れていたひたむきさを呼び起こされるような読後感. こういう小説に出会うことはなかなかない. これを,少年と年長者の単なる禅問答にしてしまったら 退屈極まりない小説になっていただろうが, 「不思議な力」の謎解きとして進めるところに, ストーリーテラーとしてのうまさを感じる. さりげなく張られた伏線も最終章で見事にまとめられていて, ジュブナイル的な予定調和だけでないハッピーエンドを作り上げている. 筆者の作品は「冷たい校舎〜」,「凍りのくじら」と読んできたが, 小説の構成力が急速に成長していてびっくりした. 文句なしの傑作. | ||||
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「罪に対してふさわしい罰とは何か考えなさい。そうしないと、あなたはこのお話の謎が解けない」 この本は、小野不由美の「十二国記」と同様、物語を通して読者に何かを考えさせることを強く問うような性格を持っています。そしてその物語の枠組みとして、作者は入れ子状にテーマを設定しました。 小説が何を賭金として、読者と契約を結ぶのか、そのことを自覚的に意識しながら、この小説は書かれています。そのため彼女の他の作品(特に『校舎』と『くじら』)と同様メタ小説的な性格が強くなっています。 また『子どもたちは』から引き続いて登場する秋山先生が「教育学部」の先生であるという設定は、前作以上に効果をあげ、きわめて教育学部的な問題提起がなされています。 その分、この小説では物語のラストで現実感覚をひっくり返すというどんでん返し的な意味でのミステリー性は薄まり、ファンサービス的な味付け程度に抑えられていますが、ある意味全編が、前作『子どもたちは』)で残された謎の種明かし的な要素もあるので、本格ミステリーファンにはそれで勘弁して欲しいということなのかもしれません。 | ||||
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辻村先生の描く登場人物はほとんどが前向きで優しいので、暗い話でも温かく感じながら読めるので好きです。この作品も大袈裟ではない小さなどんでん返しが詰まっていてワクワクしながら読めました。子どもたちは〜の秋先生の行動の種明かしがあったのはうれしい驚きでした。ずっと気になっていて消化不良だったので。なので「子どもたちは夜遊ぶ」を読んだ後に読むことをオススメします。 | ||||
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辻村先生は子ども書くのうますぎです。ほとんどの作品に子どもが出てきますが、どれもほんとうまい。 私のお気に入りの作品は『冷たい校舎の時は止まる』と『子どもたちは夜と遊ぶ』なんですけど、辻村先生の作品を最初に読むならこの作品がいいかもしれません。というのも、私が好きな2作品は2冊に分かれてて長いので(長さを感じさせない面白さですが)、これは1冊ですから手に取りやすいんじゃないでしょうか。 とはいえ、内容は濃いですよ。 小学生の目線からストーリーが進むので読みやすいし、小学生だった自分を時々思い出してふと懐かしくなります。これも辻村作品の特徴ですね。 主人公に不思議な力の使い方や特質を教えてくれる秋先生がまたいい味出してます。すごく厳しい言葉をさらっと言ったりして、どきっとさせられるんだけど、それが真髄をついているようでぐっときてしまいます。 うさぎが死んでしまうところは小説の中だというのにとても悲しかったです。ふみちゃんがバカにされたり、からかわれたりするのにも、こちらまで苛立ちました。書かれているのは単なる文章なのに、本当に怒っていることではないのに、そんなことを冷静に考えている余裕なんかいつの間にかなくなっているんですよね。 面白くない小説はいつまでも読者を物語世界に引き込んでくれないものです。面白い小説はまったく逆。すぐに読者を引き入れて、現実世界になかなか帰してくれない。 似たような世界観、似たような人物、似たようなテーマを扱っているにもかかわらず、毎回見事に違う味がする。 新刊を買ってしまいたくなるのはそのせいでしょう。 ともあれ、まだ味わっていない幸運な方はぜひ!! | ||||
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著者の四作目にあたり、前作『凍りのくじら』同様SF(少し不思議)な物語。 著者は講談社のメフィスト賞を受賞してデビューした期待の若手女流作家である。 デビュー作と二作目はホラー小説にカテゴライズされる作品で、一人称で物語を描き場面によって視点(語り手)が変わるザッピングの手法を使っている。 細かな心理描写が上手な著者だからこそ生きてくる手法であるが、視点がコロコロ変わるために読み難く深く物語りに入り込めないという人もいて好き嫌いが分かれる書き方である。 しかし、三作目とこの四作目『ぼくのメジャースプーン』はエピローグを除き全編を通して主人公の視点から物語が語られる。 それによりより深く主人公の心の動きが読者に伝わり、主人公との同化がしやすくて話しにのめり込んでしまう力がある。 個人的に三作目・四作目の辻村深月ならではのSF(少し不思議)な話の方がデビュー作のホラーよりも味わい深くて好きです。 話の伏線の配置やヒントのほのめかしも上手で作家としての実力は若手でトップクラスでしょう。 まずは読んでみてください。損はしないはずです。 | ||||
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あなたの友人が心ない者の行為で深く傷つけられたらどうしますか? あなたが誰にも知られない力でその者を罰することが出来るとすればどうしますか? 小学四年生の「ぼく」の小学校で飼っていたうさぎを興味本位である男がずたずたに引き裂かれ殺されてしまった。無惨なうさぎの死体を最初に見ることになってしまった幼なじみの女の子はそのショックのあまり心を完全に閉ざしてしまったまま登校しなくなった。 うさぎを殺した男は「器物破損」としてしか罰せられず、傷つけられた女の子はその後もネットで「消費」されつくした。 「ぼく」が男に対して力を使うまでの1週間を、同じ力を持つ先生との話で紡ぐストーリー展開、ネットやマスコミの乱暴なほどの力や享楽殺害と「正義」とは何かをテーマにした重厚さ、そしてなによりミステリーらしいどんでん返しやスリル。 考えさせられ、楽しませてもらい、ハラハラしながら、最後にほっとする……すばらしい作品でした。今年読んだ小説の中でもピカイチです。 タイトルが平凡という意見もあるのですが、「メジャースプーン」が悪と正義の重さを量ってバランスを見て……とこれも良いタイトルだと思うのですがいかがでしょう? | ||||
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これは学校で飼っていたウサギを惨殺し女の子の心を壊した犯人に特別な力を持った少年が罰を与える話。まだ小学4年生だけどとても賢く同じ力を持った秋教授との会話では考えさせられる場面がたくさんありました。ウサギが殺される場面はとても悲惨で読んでいてとてもつらくなりますがそれは必要なものだと最後には必要だと思えました。絶対に買っても損はありません。ぜひ読んでほしいです。 | ||||
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だいじな友達を傷つけられた少年の心の闘いの物語で, 特殊な力を持つ少年はその力で犯人に罰を与えようと考えます. 物語は,同じ能力を持つ年長者との会話に終始するのですが, 道徳や倫理など,読みながら自分ならと考えるところがたくさん. この年長者は,大人として能力の使い手の先輩として, 時に冷たく,ドライなことを少年に投げかけるわけですが, 決して,いじめとかそのようなひどいものではなく, むしろ子供相手にひとりの人間として接する暖かさを感じます. また,少年の側も冷静に賢い対応を見せるのですが, やはり子供という反応を示すときもあり,この強弱がよいです. 最後はお決まりのハッピーエンドではありましたが, 子供たちの辛さが伝わってきていただけに, とてもスマートでよい終わり方だったと思います. | ||||
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あらすじだけ読むと今までの辻村作品に比べると劣る内容かしら?と感じたのですが、平謝りです。この方は何者なのでしょう・・・子供目線の描写がすごい。教育学部卒というのもありますが。しかも繋がってるんですね。あの作品と・・・なので読む価値アリです。 | ||||
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