■スポンサードリンク
嫌われ松子の一生嫌われ松子の一生嫌われ松子の一生嫌われ松子の一生嫌われ松子の一生嫌われ松子の一生嫌われ松子の一生嫌われ松子の一生嫌われ松子の一生
嫌われ松子の一生
嫌われ松子の一生
嫌われ松子の一生
嫌われ松子の一生
嫌われ松子の一生
嫌われ松子の一生
嫌われ松子の一生
嫌われ松子の一生
嫌われ松子の一生
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
嫌われ松子の一生の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.74pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全150件 61~80 4/8ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
なぜ,こういつもいつも裏目に出てしまうのか,なぜ,ひたむきであればあるほど,前向きであればあるほど,それに反比例するように堕ちていってしまうのだろう,読み進めていくほど,松子の運命にやりきれない思いが募っていき,このままストーリーが終わったら鬱々たる気分しか残らないという不安に襲われながら読み進めました。 しかし,何をする気力もなく悲惨の極みとも言うべき松子が生涯を閉じるその瞬間,意識が懐かしい我が家へと向かい好きだった父や妹と対面するに至って,松子はその持つ本来の素直さと優しさを取り戻したのであり,このとき松子の生涯すべてが肯定されたのだと感じました。幸薄い生涯を送りながらもその持つ大きな愛は,その死後ですら親族である笙青年の心を動かさずにはおかないのです。本書の末文が象徴的で,やっと救われた思いになれます。一読をお薦めできる作品です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
一流大学を卒業して、音楽の教師になった 松子は ある瞬間から不幸になる。 この不幸たるや並ではなく、不幸のオンパレードという表現が相応しい。 松子は非常に純粋で、どこにでもいるようなタイプだ。途中、人生をやり直せる 機会、また友人との出会いもあるが、ことごとくマイナスの方向に進む。 物語がフィクションと分かっていながらも、不幸の連続についついのめりこんだ。 まだ、読んでいない人はドラマと合わせると効果的かも。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
タイトルから「いじわるばあさん」並みのコメディを予想していた為 のっけから暗くてなかなか浮上できませんでした。 いざと言う時、物事を的確に対処出来る人は少ないのではないだろうか。 松子は特別いい人という訳ではないが悪い人でもない、ごく普通の女性だった。 ただ、いくつかの岐路にたった時、弱さに流された選択の結果が残酷にも、 のちの松子の人生に跳ね返ってくる。 松子が特別なわけではなく、誰もがこのような運命と背中合わせだったりするかもしれない。 救いは法廷での甥の笙の姿。最初は松子の事に関心がなかった笙だったが。 笙の「怒り」を松子が知る事はない。いや、あるいはもしかしたら・・・。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
中谷美紀さんが松子を演じたかったということを知り、 松子がどんな人だったのか知りたくて読んでみました。 松子の一生は側から見てると、極端に転落していく不幸な生き方に 見えます。でも松子が生きる過程で経験する事柄は、普段わたしたちが ニュースや新聞で当たり前のように見聞きする話です。当事者として経験していく 松子を見ていると、このようにして事件は起こっているのかもしれない、そして 松子に起こった出来事は誰にでも起こりえることかもしれない、と思わされます。 もしかしたら、明日のあなたかもしれない身近な話だと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本の表題からは想像がつかぬほど、シリアスな話。。。松子の転落人生が甥の「笙」の調査と交互に描かれ、最後に一つにまとまる。松子のその最期はあまりのむなしさに絶句してしまう。終盤は生気を失った彼女がやる気を取り戻した矢先だっただけに悲しい。 でもこの出来事を通じて「笙」が成長する様子や、松子自身の一生懸命に何かを信じて、すがって生きていく姿は心を打つ。 決してスカッとする本ではないが、読んで損はない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
岡野は奥さまを愛してないと言ったよ、私を選んでくれると言ったよ。 島津はプロポーズしてくれた、だから私の出所を待ちわびている筈。 龍洋一は私と一緒に生きていきたいと思わない筈がない・・ いじらしく、一途に男を思いつめるものの、次から次へと裏切られる。 その度に転落してゆく。なんとも切なく哀れである。 恋に不器用で駆け引きひとつできないのがもどかしい。 今の時代は、例えば江国香織の小説のように、 奔放に自由気ままにたっぷりと恋の美酒を堪能する若い女性が 増えた一方、松子のような奥手で、純情な、古めかしい、つまりは平凡な女性も少なくないと思う。 松子は愛し、愛される男性をつよく求めていただけで、高尚な大義などつい持ち得なかった。 だから、40歳以降抜け殻になってしまった。 私が本書の中で、1番許しがたいのは松子の実弟の紀夫。 もうアンタはいないことになっている・・・・2度と来るな。・ ・・松子が殺人事件を起こしたのだから、避けたいのは分かるが、弁明ひとつ聞いてやろうとしないこの冷酷さ。 松子が壊れるワケだ。 ここまで感情移入できたのはひたすらリズミカルでコミカルな文体と筋 運びが光る本書のおかげ。良質なエンターテイメント、といったところか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
映画を見てから読むと、不幸だらけの松子の人生が、それほど不幸に思えないから不思議です。選択した全ての道が不幸につながっているかのように、次から次へと不幸に落ちていってしまう松子。考えなしなのか、考えすぎてしまうのか。でも、面白いのは、惹きつけられてしまうのは、松子が常に一生懸命だということ。全力だということ。100%だということがわかるから。そして、自分はそういう生き方ができないということがわかっているから。だから、バカだと思う松子の生き方も選択も、間違ってはいないと思える。受け入れられる。励まされる。 映画と違うラストは、どちらがよいとは甲乙つけがたい。どちらも余韻を持たせるよい終わり方だったと思う。松子に帰る場所を与えてあげた映画の優しさに比べると、小説の松子はまだちょっと不幸かも? 小説を先に読むと、不幸だらけの松子の人生が辛くて映画を見る気になれない、と言っている人がいたので、映画を観てから読んだほうがいいかもしれません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
小説中にも太宰の話がでてきますが、私は「人間失格」と通ずるものを強く感じました。それは「人間のどうしようもなさ」とか「弱さ」というものを描いているところです。人間ってどうしようもないものです(中には物凄く強い人もいるのでしょうけど)。とことんまで弱いものです。何かに縋りたくなるし、多分、何か縋るものが必要なのですが、何に縋ればいいのかはよく解らない。この小説ではキリスト教に縋って救われた、とする龍一が出てきますが、人間失格の葉蔵も松子も、最後まで何に縋っていいのか解らず、縋れそうなものからは全て裏切られて死んでいきます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
親の愛情を得たいばかりに、必死で勉強し、良い成績を取り、本当は理学部に進みたかったのに文学部に進学し、地元の中学校の教師となった松子。彼女は「いい子」でなくなった瞬間に暴走を始めてしまいます。最近、「キレるいい子」が取り沙汰されていますが、松子はその極端な例であると言えるでしょう。 自意識過剰で、常に世間体を気にしている生真面目な女性。 教師時代は、あまりにも不器用な彼女にハラハラ・イライラしてしまいます。 窃盗事件をきっかけに学校から「追放(ある意味解放)」され、「いい子」のレッテルを剥がされた松子は、女性として必要とされることに幸せを感じ始めますが、貢いでいた恋人の自殺、不倫などを経てからはソープ嬢として自分の居場所を見つけます。 極端ではあるけれど、これは松子なりの「自分探しの旅」のような気がして、まったくの他人事とは思えません。社会や家庭などでの自分の居場所を求めてもがく時期は、誰にでもあると思います。 生前、その存在すら知らなかった甥の笙が、松子の死をきっかけに彼女の送ってきた人生に興味を持ち、彼女のことを調べ始めます。少しずつ明らかになっていく真実と松子の回想がどこまで重なっていくのか、後編を読むのが楽しみです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
普通のまじめな女性が不運な事件をきっかけに転落していく人生を描いたこの作品、 そのスキャンダラスなほどの転落ぶりに、ついつい引き込まれてしまう。 しかし、そんな松子の数奇な人生に同情しつつも、共感はできない。 「誰でも松子のように人生が暗転していく可能性はある」というのは否定できないが、 こんな結末になってしまったのは、彼女自身のあさはかさや、 心の弱さが大きな原因だと思う。とはいえ、決して悪人ではなく、その時々で 一生懸命に生きている松子の姿、不器用さは憎めない。 不幸な女性の一生を描いた小説なのに暗くならなかったのは、死んだ松子の 人生に興味を持ち彼女の人生と死のなぞをおいかける大学生の甥とその恋人の 関係や行動、考え方がさわやかだったから。 著者は男性なのに女性の心理をすごくうまく表現していると思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
かなりとんとんと、勢い良くよめる本。空気がとても出来上がってて良い。 後半あたりから松子の話と、元教え子で元恋人の話しが重複して、 そこらへんから説明臭さを感じたし、テンポの良さにダレも出来たけど、 それが無ければ評価5でもいいかなと思うほど読みやすく面白い。 真面目な教師から風俗嬢に、そして薬物乱用、殺人、逮捕、 そんな浮世離れしたドラマティックな転落人生も興味深いが、あまりに不器用でまっすぐ(短絡的!)な 生き方に親しみさえ感じさせる生身の女の物語でもある。 中谷美紀さんが映画で演じてるイメージもあって更に世界に入り込みやすかったです。 甥と伯母松子の2つの視点で交互に書かれているけど、両方抒情詩的な為、 終始主観的で人間のエゴが強い節があり、シビアなストーリーなのに若干リアリティーに欠ける様に感じるのが勿体無い。 コンセプトの灰汁もインパクトも強い筈なのに、あまりにすらっと読めすぎて 何か残るものが非常に少ない。 情景描写は多いが、シリアスなだけにもう少し細やかに心理描写がされているともっと心に何か残ると思う。 情景や状況の描写の比重が多すぎるとイメージが掴み易いが 全体的に説明臭くなるのが気になるので。 でもやっぱり普通に面白い。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
映画がすごく面白かったので、原作にも関心が向いて読みました。 原作は原作で、面白い。読みやすいし、独特のスピード感のある文章で、一気に読めました。 しかし実は、ちょっと疑問に思う点がいろいろあります。いや苦情じゃなくて、フシギな読書体験でした。その理由は以下のとおり。 1)プロットの問題。まず、松子は聡明な女性であるにもかかわらず、人生の状況判断がかなりマズイこと。 とくに、教師を辞めることになる経緯が、いちばん良くないです。聡明なひとならけっしてやらないことを繰り返している。 2)ややマンガみたいな、ありえない表現。編集方針なのかもしれませんが、登場人物には、ちょっとフシギな言動がいろいろあって、マンガみたいだなと思いました。総じてオーバーアクション。「やれやれ……」と思うところがいろいろありました。わざとそうしているのかな? 以上の1、2だけで、ふつうに考えれば小説にならない。ところが、すごく良かった。どうしてなのかなと振り返って気づくのは、書かれている内容が「とことんリアル」だということ。救いもないし、松子の死に方も、ふだんこのクニで普通に起きていることです。気が滅入るけど。 そのリアルさが、この小説の価値なんだなと思いました。自分にも誰にも関係のある話として読めるし、そんな現実がしっかり書かれているから、再読に足る値打ちがある。いい本だと思いましたよ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「わたしは、自分の机に戻った。椅子に腰を落とすと、全身から力が抜けてしまい、立ち上がれなくなった。職員室では、一時限目の空いている教員が二人、机に向かっている。わたしを無視して、授業の準備をするふりに専念している。 田所校長の口にした『処分』という響きが、わたしのプライドを粉微塵にしていた。小学校の頃から優等生だったわたしが、通信簿もオール5だったわたしが、何回も学級委員や生徒会の役員をまかされたわたしが、処分される。」 転落の物語である。 それが淡々と綴られる。 松子自身の回想に、松子の人生を追う若い甥の視点がシンクロして、松子の物語は「死」という用意された結末へと近づいていく。 村上龍が司会をしている『カンブリア宮殿』というTV番組を毎週見ている。 経済の成功者達をスタジオに呼んでインタビューするという番組。 ついさっきもそれを見ていた。 今週のゲストはワタミグループの渡邊社長。 彼の言論は、明快で、力強い。 そういう人の言説を聞いていると単純に元気になるし、勇気づけられる。 しかし当たり前のことだが、全ての人間が成功するわけではない。 「店の入っているビルを一歩出ると、縁日のような喧騒が、通りに満ちていた。スーツ姿のサラリーマンは赤ら顔で笑い、流行のブランド服に身を包んだ若い女性たちは、我こそ銀座の主役という顔で闊歩している。 どうしてそんなに笑えるのか。どうしてそんなに自信ありげに振る舞えるのか。いったい、何がそんなに楽しいのか。 わたしは、自分とあまりに無縁な光景に、軽い目眩を覚えて、立ちすくんだ。 自分の居るべき場所は、たぶん、ここではない。わたしにとって安住の地は、どこか他にある。きっとある。あるはずだ…。」 そういうふうに思うことは、きっと誰にだってあるはずだ。 嫌われ松子の一生は、不幸だったのだろうか? 松子は敗者だろうか? それはきっと、誰かが決めることではない。 ノンフィクション調のサスペンスを得意としているという筆者の作品。 不必要な抑揚がなく、読みやすい。 感動の涙も、心を揺り動かされる衝撃もない。 そこにあるのはただ、川尻松子という一人の女性の一生である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この原作にしろ、映画にしろ、松子の”生き様”が好意的に解釈される向きがあるようだが、わたしはあまりそういった印象は抱かなかった。少なくとも映画のキャッチコピーにあるような「この上もなく幸せ」な一生だったとは思えない。 晩年の松子の生活や末期を読めば、作者にもそういう描き方の意図があったとは思えない。 松子に限らず、人間は誰しも幸せになりたいものである。 わたしは、むしろ、それを阻む様々な要因(社会悪)の存在が胸に痛い。厳格で心の屈折した父親に始まり、卑劣なセクハラ校長、安易な不倫で女性を弄ぶ男、女に貢がせ文字通り食い物にする男、暴力を振るう男、そして、人間を虫けらのように殺して憚らない輩・・・次から次へと尽きない。次から次へとそうしたものに遭遇してしまう(あるいは身を委ねてしまう)松子も松子だが、そうした様々な不幸の原因が、どれをとっても存在していて当たり前になっているこの社会そのものに対しても少なからぬペーソスと皮肉を感じずにはいられない。 作者は、甘さを一切加えず、愚かなまま、悲惨なままに描き切ることで、むしろ逆説的に、松子というキャラクターに深い愛情を注いだように思えるのだが、深読みしすぎか・・? 読者は誰も松子を嫌ったりしないのだが、「嫌われ松子」の一生というタイトルになっている、その謎や如何に?? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
映画は観ていませんが原作とても良いです。 ありえない展開といえばそうですが、暴走しがちな性格な人間には 起こりえる内容だと思います(男女問わず) 主人公の負のオーラが詰まった内容ですが前向きに生きていく 大切さを教えてくれた作品でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
昨日上下巻をまとめて購入し、一気に読んでしまいました。 松子というごく普通の女性が歩んで行った転落人生のおはなし。。。 おかしいくらいに安易な異性に対する松子の愛情は同性としては賛同し兼ねるけど。。 松子と同じような女性は沢山いると思う。 私の隣に居てもおかしくない女性、松子の生涯は面白いように悪い方へ悪い方へと進んでいくのですが、 恐ろしい位にプラス思考な所がまた憎めない。 過去と現在が交差して進んで行くし、程よいスピード感があって面白かったです。 特に女性が見るべきだと思う。 これを見て「普通じゃん!」と思う女性は危険だよ! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
先に映画を見て、あまりの面白さに原作を購入。 原作も非常に面白く、上下一気に読みました。 とにかく、「何でそうなるの!!」という松子の行動。 恐ろしい思い込みの激しさ。 その結果、加速度的に転落していきます。 その根底にあるのは愛情が欲しくてしょうがない、 子どものような純粋さ。 どこまで墜ちても魂はピュアなまま。 そして、なにより笙の存在によりただ悲惨な話ではなくなってます。 いちばん普通の感性をもっている笙に 感情移入しやすかった人も多いと思います。 映画では入っていなかった最後のシーンが特に好きです。 読みながら泣きましたが、読後感は非常に爽やかでした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ある日おこった殺人事件をきっかけに 甥が今までその存在を知らなかった「松子」を どんどん知っていく物語。 甥っ子「笙」の場面と「松子」の場面が交互に現れます。 前半部分はその暗いトーンに何度も息継ぎをしましたが、 一山越えた後は止められなくなりました。 誰もが生きているのと同じ、ごく平凡で平和な生活を 送るはずだった松子が、どんどん道を逸れていってしまいます。 誰にでもあるであろう松子のその流れに妙に説得感があり、 そんな松子をどうしても愛おしく思わずにはいられませんでした。 ちょっと心が豊かになる、そんな一冊です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
素晴らしい作品だ、と思った。 いわゆる「上手い」作品ではない、しかしそれがルポか、と思わせるような不思議な現実感を与えている。 例えば、会話の文章が上手いとは言えない。どうしても途中で止まってしまうような違和感があった。 松子は、僕の周りにも何人もいる、そして僕の中にもいる。 人はこれだけ愛を渇望しているーその事に真正面から何度も向き合わされる事になった。 嫌われ松子、しかし松子を嫌っていたのは彼女自身だった。 あまりにも不器用で真摯な松子の生き方を他人事と捉えるか、自分の中の松子に出会えるか、それでこの作品の評価は極端に分かれる、そんな気がする。 それでも作者のこの作品へのこだわりは十分に伝わる。 著者をこれほどまでに突き動かしたのは何だろう? これは著者の身近な人へのオマージュなのだろうか? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
いったいどんな嫌われ者なんだ!と思って読んだこの小説。 松子は意外にも嫌われ者じゃありませんでした。 一人の女の転落人生を書いた作品ではありますが、不思議と根底に優しいものが流れてる。 多分この作者が書きたかった事はそこじゃないかと。 自分の人生は自分の責任で生きてみろよと。松子のように。 この題材ならいくらでもドロドロの小説にでもできたと思いますが そうしなかったところに作者の趣味の良さをを感じ、むしろさわやかさまで感じました。 そう松子は不幸の連鎖の中でもうらみつらみといった感情に囚われることなくいつも前向きに生きている。 誰かのせいにしないで生きている。 松子は自分を殺した犯人さえもそれほど憎んでいないんじゃないかと想像してしまう。 多分松子ってそういう人じゃないかな。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!