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動物園の鳥
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動物園の鳥の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.03pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全24件 21~24 2/2ページ
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3部作の完結編であるが、1・2部と描いてきた 坂木・鳥井の2人を中心とした人々の交流を今回 は完結編にふさわしく、それぞれの登場人物の心 の深い想いにまで踏み込んで見事にピュアな「坂 木司」ワールドとして描ききっています。 主人公がイコール作家名となっている覆面作家の 作品において、恐らく作家が一番言いたかった想 いがこの完結編には込められているのではないで しょうか。 悪意のある人との摩擦が実際の世界にはある中で、 少しの善意や思いやり、人のやさしさに主人公が ふれる度に、彼はこの世界はまだ生きていく価値 があると実感します。 また人は自分が存在しているということを無条件 に喜んでくれる人々に支えられていきてきるのだ という事を主人公は実感します。 これらの想いに強く共感した読者は恐らく数えき れないのではないでしょうか。 最後がどうなるかは明かせませんが、あとがきの あとにも物語のページが続いているにで、文字通 り最後まで読者の期待を裏切らない一冊と言える でしょう。 余談ですが、おやつや、料理の描写シーンも達人 と呼べる域まで達しており、そこを読むだけでも 価値はあります。 またいつか続きを読みたくなるシリーズでした。 | ||||
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三部作シリーズの最終巻ですが、ここからでも面白いです。(でもシリーズ全部読破する方が更に味わいが増します)ラストで問題になるのは、鳥井と坂木の関係はもちろん個人と世間体、常識との距離、他人のものさしなど自分達が生きるうえで、行動にどう責任を持つかを考えさせます。いじめやポイ捨て、動物虐待自分だけしか見えないと中身が育まれない大人になってしまう傷が出来ても克服した笑顔が出来る大人そんな大人への第一歩は、人の言葉に耳を傾ける心が固いまま大人になるのではなく、柔軟な心を育てていきたいこの本を読むと、自分の心も、人の心も幸を願いたくなる | ||||
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雑誌の書評を見て気になっていた本でした。3作の最終話だけれど、この一冊から読んでも大丈夫という事で、ワトソン君的な坂木との関係がどうなるのか?事件の結末は?と読みやすく進む間に登場する美味しそうな料理。一気に読みました。織り成される登場人物達の、心のヒダにはさまれた思いに触れたとき、心を動かされジワッと涙がこぼれてました。 | ||||
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私が大学生になったとき、私は知っている人が全くいない世界へと踏み出しました。毎日不安で、人の悪意に出会うことがとにかく恐ろしかったのを覚えています。 私がそのときまでに得ていた教訓、人とうまく付き合うための手段は「距離を保つ」ことでした。それに従い人と出会う度にこの人とはどれだけの距離を測ろうかと考えたものです。世の中には分かり合えない人が溢れているものと諦めていましたから。 ところが1年すると、誰にも頼らないように生きるなんてとんでもないことだと思うようになっていました。私は大学の1年を新たな友情の発見ではなく、ただ他人と距離を保つことをして過ごしてしまったのです。行き過ぎた保身ですね。私は人とのコミュニケーションを拒んでいました。それから大人になることにも抵抗していました。ずるいことですが、子どもでいるほうがずっと楽でしょう?大人よりも責任が軽くて。 『動物園の鳥』を読みながら私は何度も泣きました。同じ言語を話していても、言葉が通じない相手に会ってきて、私は人と分かり合う努力をしなくなったことに気付きました。人とコミュニケーションを取ろうとすることが生きることだとすると、私は生きることを放棄していたということになります。それはご免です。 大学の1年で学んだように、私は一人では生きられません。世界の何処かにたった一人で人生を闊歩できる人がいたとしても、私はその人の様にはなれません。自分がそんなに強くなかったことを知ったので、素直に人に当たっていこうかなと、考えました。そして、それが大人になるってことなんだろうなと思いました。 涙が溢れる場面が次から次へと巡ってきて、エピローグも、伊藤清彦さんの解説までも泣きながら読んで、私は心配になっていました。明日、私は明るい気持ちでこの本のことを思い出せるのだろうかと。かつて悲しみを引きずるような本に出会い、しばらくの間沈んでいた日のことを思い出しました。 でも、違うんですね。私はこの本の構成に感謝します。最後の1ページまで読み終えて、とても晴れやかな気持ちで本を閉じることができました。 私には何でもなかった昨日、隣にいた誰かが私のせいで心を痛めたかもしれない。けれど私は気付かない。 日常にはそういうことが隠されているかもしれません。相手のことは分かりません。だからこそ考えるのですよね。分かり合う努力です。そのことを語ってくれたこの本は忘れたくない一冊になりました。 | ||||
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