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雪の断章
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雪の断章の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.18pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全60件 21~40 2/3ページ
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ネタバレ 羊羹を包丁で切ったような切れ味の話。 年の離れた孤児を引き取り育てるうちに惹かれあい、でも育てた事が壁になりお互い乗り越えられない。 というか実際、祐也さんと飛鳥は血が繋がっているから結婚出来ないし、祐也さんも知っている筈。孤児シリーズ他の巻では 書かれているし。乗り越えちゃいけない壁なら禁断の壁ということでもうちょっと深掘りしてほしかった。 飛鳥の父が祐也さんの母親違いの兄妹。祐也さんは正妻の子で向こうは妾の子。認知もされているし。その辺がスッキリしない。 西村刑事もしってたなら別のツッコミがあっても良かった筈。これ自体を書き直すとか。後の話と食い違ってそれもスッキリしない。 | ||||
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小説家はデビュー作がすべての作品の中で一番傑作である、という話を聞いたことがあるが、まさにそれ。内容は推理小説の形を借りた事細かく書かれた主人公の小学校から大学生までの成長記録である。また、道民や札幌に住んでいる人なら、あるあるわかるという場面も。あくまでも物語ではあるが、現実でしかも今の時代なら本岡家は幼児虐待で、祐也は誘拐罪で即逮捕されて飛鳥の周りの人間はいなくなるだろう。そうすれば史郎も飛鳥と関係が薄いままで自死することもなかったかな。個人的にはこれほど何度も読み返しのめり込み熟読した小説はない。同作家の他書も一通り読んだけど設定についていけなかったり変にアダルトな内容があったりそれほどおもしろいと思えずハマらなかった。そこはかとなく出てくる左翼思想も当時なら当たり前の風潮なのだろう。 | ||||
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比較的昔の小説になるので、少々時代背景の読み取りが難しいかったり、現在の小説にはないような表現あったりで読みにくいという方もいるかと思います。 ですが、情景描写や心理描写はとても素晴らしいです。 ミステリー要素や恋愛要素もあるので、様々な方に読んでほしい作品です。 (他の方のレビューにある通り、女性の方が読みやすい作品かもしれませんが…) | ||||
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Amazonで小説を買う事が殆ど無いので、レビューもあまりしてこなかったのですが、本書は自分が人生で初めて徹夜してまでのめり込んだ本で、思い入れも深いのでレビューしたいと思います 。概要は省略します。 この本が特に優れている所は、文字という記号に、主人公飛鳥の繊細で、子供っぽい甘さもあるけれど現実を直視した心情、そしてその変化を精密に反映させている所です。しかも不思議なことに、大人になった今に読むと、孤児である飛鳥の心情、彼女の周りの出来事を論理的に読み取っているのですが、子どもの頃に読んだ時は、出来事を論理的に汲み取ることはできないのだけれど、飛鳥の心情が、私の心情とリンクして、この心を締め付けるような感覚でした。今はその感覚は皆無です。 スピリチュアルな感想で申し訳ないです(^^;; でも、多感な思春期の時に読んでこそ、この本の凄さが実感できるのでは無いかと思います。きっと大人になってから読んでいたら、非現実的な本書をここまで絶賛することはなかったであろうと思います。私は思春期にこの本を読んだことで多大な影響を受けたことは間違いありません。 この本を読むといつも、本書をテーマにした中高生の書いた読書感想文を読んでみたいと思うものです。 にしても、大きい本屋でもなかなか佐々木さんの本が見つからない事が残念です。(Amazonさんの力も借りて、)また佐々木さんの本を揃え直したいです(^^;; | ||||
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主人公に全く共感できませんでした。メロドラマかと思えば、なぜか殺人事件が起き、登場人物が限られているにもかかわらず、犯人は見つからないし、最後に語られる動機も弱すぎです。絶大な権力の象徴として語られる本岡家なるものも、華麗なる一族とは程遠い感じですし・・・少女マンガだとしてもひどすぎです。味戸ケイコさんのイラストが好きなので読んだのですが、★マイナスをつけたいくらい読んで後悔しました。 | ||||
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「崖の館」「水に描かれた館」「夢館」三部作を読んで感銘を受けて以来、 35年たって、ようやくこの作者の処女作を読むことができて感激です。 当時は、今は亡き『星群』というSF同人誌に求められたアンケートで、 近代日本幻想文学の5指の中に挙げたくらい、「館」三部作には入れ込んでいたものです。 ウン、懐かしいです。 正直、館三部作のようなミステリアス性や凝りに凝った構成の妙はないけど、 その分、それこそ乙女の祈りのような珠玉の名篇に仕上がっています。 たとえば、次のような描写ーー ---------------------- 赤レンガ庁舎をふりあおぎ、由紀子と私の哀しみを訊ねてみた。幽かだけど力強い語りかけがあった。 その哀れな運命の糸を織ってレンガの歴史にきざみ、あとから訪ねてくる若者に伝えようーー。 優しい声は風にのって空の波間に消えていった。(p.288) ---------------------- ちなみに由紀子とはヒロイン飛鳥の孤児院時代の後輩で、飛鳥が逃げ出した養家に引き取られ、 飛鳥の分まで苛められてしまうという、今の読者には大時代的な設定なのですが。 文芸史の中で孤児ものというのは伝統があって、少年少女文学では『赤毛のアン』を始めとして一大ジャンルを形成しているし。 メジャーな文学の中でも、あの『ジェーン・エア』からして孤児院育ちだったと、中学三年の頃に読んだ記憶を甦らせて思い当たりました。 それにしてもこの作者の、なんつーか、ファザコン(?)ぶりには驚かされますね。 『夢館』でも、ヒロインの幼女が育ての親のミステリアスな「紳士」に恋をするという話だったし。 こんな「紳士」なんているわけないだろ!と、同じ♂族の端くれとして、読みながらしばしば心に叫んだものでした。そのような異性像の理想化は、この作品でも目に付くところです。あと、ミステリーにしては、 動機の部分を始めとして非現実的なところがあり過ぎです。だから星5つには届きません。 この作品に満足できない人には、そして満足した人にも、『黒死舘殺人事件』風の「変格探偵小説」の衣鉢を自覚的に継いでいる(と私は勝手に思っているのですが)、館三部作をお勧めします。それこそ五つ星ですから。 そういえば佐々木丸美さんは、だいぶ前に亡くなっているのですね。やっぱり、長生きの似合わない、 雪の結晶のような人だったと、思えてきます。 | ||||
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友達に勧められて初めてまるみさんの本を読んだのですが、まるみさんは繊細な心情描写がとても丁寧で、痛いぐらいに伝わってくる本を書かれる方なんだなと知りました。古いお話だと思うので、こんなことがあるの?と思う部分も時代のせいだと良いですが、、情景を思い浮かべると気持ちが乱れ、落ち着かなくなるお話でした。次の作品も読んでみたいような、辛くなるような、、複雑な気持ちです。 | ||||
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初めは違和感が先行します。幼子の話し方と思えないし、孤児を奴隷のようにこき使う家なんて想像し難いですから。 他にも、設定に気がかりな部分を含んでいる作品であるとは感じます。 それでも、読み進める内にそんな違和感なぞ問題にならなくなります。 丁寧に人物像を描いていてくれて、その息苦しさや喜びを感じることができる作品です。 何度でも読み返したいと思える本の一冊になりました。 | ||||
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紛うことなき徹夜本ってどっかの書評にあったので購入。 しかし、なんじゃこりゃ・・という感じ。 殺人事件なのに悠長にだれも気にせず、勝手な乙女の世界をつらつら書いているだけで、まったく現実味がない展開。 かなり昔の小説だということでまあ許せる範囲だが、それにしても高評価があるのは解せない。 | ||||
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思い出の本です。 恋愛小説でもあり、ミステリーでもあり。 中学生の頃、斉藤由貴さんが好きで、この原作の映画に出演すると知って、本当は映画館に行って観たかったのですが、中学生の私にとって映画料金は高く、断念し、代わりに本を買って読みました。 私にしては珍しく、何度も何度も読んだ本です。 Kindle版を見つけたので、購入し久しぶりに読み返しましたが、やっぱり、静かに、キュンとします。 また、数年後、読み返すことでしょう。 | ||||
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これもタイトルだけ知っていた作品。通勤電車の中で読んでいる人がいて、肩越しに読めた終盤の内容が気になり、その前後を読みたくて購入しました。ただの少女趣味な小説かもしれないけれど、こういう偶然でもないと読むことはないだろうから、まあ時間と費用の無駄は覚悟でという程度の興味です。 実際に読んでみると、19世紀英米の少女小説のような現実味の薄い設定--洗練されてはいるけれど特徴的な少女の一人称文体と、周囲の人物が常に主人公だけを注目しているかのようなエピソードの重ね方が、その現実味の薄さをより強調している印象です。 であるにもかかわらず、何故こんなにきちんと読ませるのだろうありえない、と批判する気には何故かならないのです。 少女の境遇をめぐる現実感のなさも、殺人事件の捜査の甘さも、札幌という雪の多い街を舞台に、マルシャークの「森は生きている」のモチーフを引用したファンタジックな舞台装置のおかげもあって、ひとつの作品世界として十分納得できるものとなっています。 本書の刊行から40年も経過しているというのも良い方に出ているかもしれません。この時代の価値観(全共闘後のロストジェネレーション?)では、こういうこともあったのかな、とすんなり受け入れられた部分もあるので。 また、思い込みが強い主人公に対し、周囲の人物が感情的には寄り添い愛しながらもその姿勢を無条件に受け入れることはしていない、この1点のリアリティが凡百の若い女性向け小説と一線を画しているところでしょう。 この作家を続けて読むか、と問われると今は態度保留にしたいですが、私の本棚にあっては孤高の輝きを持つ思わぬ収穫でした。 | ||||
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綺麗な状態で、良かったと思います。 楽しんで、読んでいます。 また、機会かあれば、利用したいと思います。 | ||||
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中3の時に友達のススメで読みました。 その時は図書館から借りました。 北海道の話なので北海道民として場所の想像がつくのも楽しいです。 そして飛鳥の成長を応援したくなります。 佐々木丸美さんの言葉が優しくて好きなのでとても癒されました。 | ||||
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女性作家には特有の「それ」がある。 もちろん、ない女性作家もいますけどね。 わかる人ならわかるだろう。 作家が登場人物に対し、お人好しになってしまう現象が起こっているのだ。 登場人物が登場人物にお人好しになるのは別に構わない。 この作品でも、登場人物の言動にはひどいというほど違和感はなかった。 しかし、作家が登場人物を甘やかしている。 長所は、ジャンルを超えた美しき世界を見た、と思った。 先ほど批判しておいて難だがページを読む指が止まらなかった。 成長物語が好きなワタクシ。 思い出話など聞くのが大好きなのです。 この作品には温かさがずっとある。 まあ、それしかないけど。 作品にキレイさを求める人間にはいいだろう。 小説としては普通かな。 | ||||
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送金したのに 送ってこなかった最悪 その後の対応は良かったけど 残念です | ||||
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我が家のハナミズキが咲き出したので、今日の散策はハナミズキを辿ることにしました。日米の友情という歴史的背景を持つハナミズキの白やピンクの花(正しくは総苞)が、あちこちの街路や庭で咲いていることに、思ったより多く植えられているわね、と女房も新たな発見を喜んでいます。因みに、本日の歩数は14,187でした。 閑話休題、佐々木丸美の作品を初めて手にしました。『雪の断章』(佐々木丸美著、創元推理文庫)は、著者も評者も読者も推理小説として扱っていますが、私は異なる印象を持ちました。これは、主人公・倉折飛鳥のビルドゥングスロマン(成長小説)であり、恋愛小説だと思うのです。 飛鳥は、あすなろ学園という札幌の孤児院で育ち、6歳の時に本間家という裕福な家にもらわれていきますが、お手伝い同然にこき使われた上に、奈津子という同い年の娘や家族から事ある毎に徹底的に苛め抜かれます。その仕打ちに耐えかねて、7歳になった厳冬のある日、とうとう本間家を飛び出すのですが、この時、札幌の大通り公園で、滝杷祐也という青年と運命的な出会いをします。 「不幸はナイフのようなものだという。刃をもてば手が切れるけれど逆手に持てば利用出来る、と。6歳の私にまだその智恵はなかった。指を切り、心を切り、その幼い鮮血は点々と雪を染めていった」。 「たくさんの人、たくさんの出来事に戸惑いながら私は大きくなった。本間家を忘れることは出来なかったけれど、築きあげられてゆく現在の幸福で、あれほど強烈だった記憶がしだいにうすれた。そしてまた、時々、あすなろ学園を思い出した。何の痛痒もない平凡な生活、しかし、あそこが私の故郷であり出生と生い立ちを物語る家であることにちがいはない。決して卑下すまい」。 「中学生になると顔も身体も少しずつ変った。色が白いだけではなく唇の赤味が濃くなったようだし、目の黒さがひきたってきた。ショートカットの髪のせいか、きつい顔立ちになった。それと反対に胸はふくらみ、足も手もしなやかにのびて、身体の線は優しくなった」。 「人はやはり勇気だけでは道を歩めない。勇気を育てる愛と、愛をつつむ灯がなくてはならない」。 「奈津子さんの姉が、つまり本間聖子さんが同じアパートに越して来た時に私は初めて知ったのだ、私と本間家との宿命を」。 「聖子さんは死んでいた。一一○番に通報され、ただちに捜査が開始された」。 「尊敬と畏怖にいつの間にか恋がしのび込み知らずに暮してきた日を辿りながらそばに腰をおろしていたい。気がついてくれなくてもいい、祐也さんが在るだけで充分幸せだったのだから。誰に奪われようと焦がした思慕は私だけのものだし、楽しかった昔も私だけのものだ。一方的な記憶が深く燃えている、そんな幽かなつなぎ合わせを、もう一度確認して心にしまい込む時間がほしい。そうする前に私の夢をこわすのは許して下さい」。 懸命に生きる飛鳥の幸せを祈らずにいられません。 | ||||
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引き取られた家でのつらい仕打ちに耐えかね逃げ出した孤児の飛鳥。そんな彼女を救ったのは、滝杷祐也という青年だった。彼は、2年前5歳だった飛鳥が迷子になったところを助けてくれた青年だった!飛鳥は祐也に引き取られることになったのだが・・・。 正直、読んでいてずっと違和感を感じた。まず、飛鳥の境遇だが、引き取られた家で学校へも行かせてもらえずこき使われるという設定には疑問を感じる。かなり昔に書かれた作品だとはいえ、この設定はあり得ない気がした。それに、飛鳥を引き取って育てようとする20代の青年・・・。これもあり得ないのでは?引き取られた後の飛鳥の生活や彼女と関わる人たちの人物設定もいまいちだ。 また、飛鳥という人間にも全く魅力を感じない。かわいそうな境遇なのは分かるが、感情移入できない。それどころか、彼女の心情の描写を読み、反発を感じた。自分勝手過ぎないか? 作者は、読み手のことを考えず、読み手に何を伝えるでもなく、まるで、自分の文章に陶酔しているかのように文章を書き連ねているだけのような気がする。起きた事件も現実味がないし、ラストにも感動がない。高評価の作品ということで読んでみたが、全くの期待外れに終わってしまった。私には合わなかった。 | ||||
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ものすごく切なく哀しく、それでいて心が暖かくなる小説でした。この後が読めなくて少し残念な気がしますが、心がジーンとする一冊でした。 | ||||
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すぐれた作品で一気に読みました。欲を言えば、 警察の捜査の状況描写が簡略すぎている感じがしました。 殺人事件だからもっと緊迫感があるのでは? | ||||
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あらすじは他の方が記載されていますので省略。 主人公は孤児なるが故の辛い体験から、自分の心に壁を作ってしまい、それに苦しむ。心を許したい人にも、それが障壁となり自らの気持ちをうまく表現することが出来ないところがいじらしい。 小説中には、つらい体験をした人のみが感じ得るえるであろう気持ちの数々が文章に綴られる。 「悲しみや喜びは公平に順番が回ってくる」と登場人物に語らせていますが、そのような読み手に対しては、主人公「倉折 飛鳥」を通じ、目に見えない著者がそっと寄り添ってくれているような錯覚すら感じる。 本作は、心に傷を持つ方にぜひ読んでいただきたい。 | ||||
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